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【初心者向け】投資信託の始め方やおすすめファンドの選び方をご紹介

【初心者向け】投資信託の始め方やおすすめファンドの選び方をご紹介

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佐々木 裕平

佐々木 裕平

1級ファイナンシャルプランニング技能士

中立・公正な立場から金融リテラシーを発信します。お金の疑問を「なるほど!」に変えます。書籍「入門お金持ち生活のつくり方」(こう書房)にてAmazon kindle全体1位達成。【所属・学会・協会:金融教育研究所代表/行動経済学会/NPO法人日本FP協会】

この記事のポイント

  • 初心者の方の投資信託の始め方は、まずは証券会社に口座を開設する
  • おすすめファンドの選び方は「①良く分からないものは無視。②長期では株式型重視。③コストが0.3%以下。④インデックス型であること。」の4つ
  • 投資信託の運用のコツは「ほったらかし」でなにもしないこと

本記事では、投資初心者の方に向けた、投資信託の始め方と、おすすめファンドの選び方をわかりやすく解説します。

投資信託とファンド:投資信託とは、複数の金融商品が入った分散投資に適した金融商品のこと。投資信託のことをファンドと呼ぶこともある。広義のファンドとは運用する機関などを指すこともあるが、本記事内では、投資信託=ファンドとする。

結論を先に言いますと、投資信託初心者の方に気を付けていただきたいおすすめファンドの選び方・見方は以下の4点です。

  1. よくわからないものは無視する
  2. 長期投資では株式主体にする
  3. コストが0.3%より高いものは選ばない
  4. インデックス型投資信託を選ぶ

それでは、詳しく見ていきましょう。

 

そもそも、投資信託とは?わかりやすく簡単に解説します

そもそも、投資信託とは?わかりやすく簡単に解説します

まず、投資信託とはザックリ言うと「みんなでお金を出し合って、運用は運用者に任せる」という金融商品です。

みんなでお金を出し合いますので、投資信託を利用すると、少額でも投資を行うことができます。現在では、百円から世界数十か国の数千の株式や債券に分散投資をすることもできます。

投資信託の仕組み:運用者はファンドマネージャーと呼ばれる、個人やチームを指すことが一般的。その他に、販売・企画する機関や財産を分別管理する信託銀行などが投資信託を構成している。

 

投資信託をさらに簡単に言うと「なんでも包める風呂敷」みたいなもの

さらに投資信託をイメージ的に表現します。投資信託とは、大きな風呂敷の中に複数の金融商品を入れたようなものです

投資信託とは、分散投資に適した金融商品

投資信託について、よりわかりやすく詳細に記した記事は、こちらです。ご興味のある方はご一読いただければ幸いです。投資信託に関する大切なメリット・デメリットについてわかりやすく解説しています。

 

投資信託と株式投資との違いをわかりやすく解説します

投資信託を行ったことがない初心者の方の頭の中に浮かぶ疑問としては「投資信託は株式投資や債券投資とは別物なの?」という疑問ではないでしょうか。

この疑問の答えは、「イエスでもあり、ノーでもある」です。どういうことでしょうか。

投資信託は前記の通り、イメージ的には大きな風呂敷の中に複数の金融商品を入れたようなものです。

ですので、株式ばっかりをたくさん入れることもできます。もし、個人投資家(私たち)がその「株式ばっかり入った投資信託」を買えば、それは投資信託で株式投資をしていることになります

また、債券ばっかりをたくさん入れることもできます。それを買えば、私たちは投資信託で債券投資をしていることになります。

その他にも、不動産投資をすることもできますし、金(ゴールド)投資を行うこともできます。さらにそれ以外にも、海外の株式・債券・不動産などにも誰でも手軽に分散投資が少額からできます。

別の言い方をしますと「投資信託という中身の金融商品はなく、投資信託は、いろいろな投資商品を包み込める入れ物」という言い方もできます。

投資信託と使うと、株式投資や債券投資ができる。しかも、合理的に分散投資した状態で行える。

 

投資信託の始め方を3ステップで説明

投資信託の始め方を3ステップで説明

それでは、投資信託の始め方をわかりやすく3ステップで見ていきましょう。

  1. 証券会社に口座を開く
  2. 自分の口座にお金を入れる
  3. 投資信託を選んで、買う

 

1. 証券会社に口座を開く

最初のステップは、証券会社に投資用のあなた専用の口座を開くことです。

証券会社:銀行や郵便局や、対面形式の証券会社もある。しかし、これらは一般的に人件費や家賃が高いため、自然と私たちが負担する手数料(コスト)が高くなりがち。手数料(コスト)が高いと、その分だけ運用成績が押し下げられる。そのため、手数料(コスト)の低い大手のオンライン証券会社を選ぶことが、理論上は望ましいと考えられる。

この口座は、投資信託を買うための「お財布」のようなものです。お財布ですから、その口座にお金がないと、基本的に投資信託を買うことができません。

現在では、インターネット上で口座開設のための資料請求ができます。

届いた資料に記入などして、必要書類とともに返送すると、口座を開設できることが一般的です(証券会社により異なります)。

また、残念ながら特定の○○証券で買えばいわゆる「平均」を上回るスゴイ成績が出せる、ということはありません。

証券会社はオンライン証券会社が手数料(コスト)が安い傾向にあり、結果としてお得になりやすい。

 

2. 自分の口座にお金を入金する

証券会社などの自分専用の口座が開設できたら、お金を入金します。

基本的にこの入金したお金の範囲内で取引を行います。現物取引などと呼ばれます。入金額は少額でも問題ありません。投資初心者の方こそ、最初のうちは数百円などの少額で行ってみるのが良いでしょう。

金額が高額でも少額でも、金融商品の値動きのパーセンテージ(%)は変わりません。つまり、少額でも高額の投資と同じ経験を積むことができます。これを保有効果と言います。

保有効果:行動経済学などでは、自分の持ち物は価値が高い、などと感じてしまう効果を指す用語。しかし、同じ用語で「投資信託などを持っているだけでも、経験がたまり、理解が深まること」などを表すこともある。

一例:アイドルの曲を聴いていると、自然と生活の中でもアイドルの情報が入ってきて、いつの間にかメンバーの詳しい情報が頭の中に入っている。

投資においても同様で、少額でも投資をしていると、自然と金融知識が増えやすくなる傾向にある。

 

3. 投資信託を選んで買う

お金が入金できたら、投資信託を購入することができます。

購入したい銘柄(ファンド)を選んで、投資信託を購入します。もちろん売ることもできます。

投資全般に言えることですが、基本的に利益を上げるには「安く買って、高く売る」ことが重要です。その差益が売却益となります。

 

 

投資信託を始めたい、初心者でもできる、投資信託(ファンド)の見方・選び方を説明します

投資信託を始めたい、初心者でもできる、投資信託(ファンド)の見方・選び方を説明します

それでは、初心者の方にもわかりやすい投資信託(ファンド)の見方・選び方を見てみましょう。

 

初心者の方に気を付けていただきたい、投資信託の見方・選び方

結論を先に言いますと、以下の4点です。

  1. よくわからないものは無視する
  2. 長期投資では株式主体にする
  3. コストが0.3%以下より選ぶ
  4. インデックス型投資信託を選ぶ

 

1. よくわからないものは選ばない

投資信託は国内だけでも五千本とも六千本ともいわれる商品数があります。これだけあると目を通すだけでも一苦労です。

しかも、名前もカッコいいものやら、星(☆)がたくさんついているものなどたくさんあり、思わず目移りしてしまいます。

しかし、どのように名前がカッコよくても、星がたくさんついていても、ランキングが上位でも、前年(または過去)の運用成績が良くても、それらはじつは、あてになりません

また、どれを買っても、長期的に見れば「ほぼ確実に買った時よりも値下がりする時がくる」のが普通です。その時に慌てて売ると、「高く買ったものを安く売る」という損をする行動に結びつきます。

大事なのは中身です。普段の私たちの洋服選びと同じ感覚で良いのです。大切なのは、中身です。誰だって、洋服を買う時に、黒い袋の中に入っているサイズや色、デザインが不明の謎の服を買う人はいませんよね

もし、中身が「よくわからない」ものがあったら、それらは「全て無視」して構いません。まずはこれを覚えておいてください。

中身がよくわからないものは選ばなくていい。焦って買う必要はどこにもない。焦って「買いたい」という気持ちが強い場合は、心理的にバイアス(歪み)が生じていて損をしやすい行動をとりやすいので、いったん落ち着きましょう。

 

投資信託のリスクとは?初心者の方にも分かりやすく

投資信託は、基本的に「どれを買ってもいつか損する時はきます」という金融商品です。

このようにいうと、驚かれるかもしれませんが、そういうものです。

損をしている状態、買った時よりも値下がりしている状態を「含み損」と言います。これは、どのような投資信託を買っても、基本的に「いつか必ず含み損」になる時が来ます。

これを価格変動リスクと言います。もちろん、値上がりした状態「含み益」にもなります。

一般的に、リターンが高い投資信託ほど、この価格変動リスクは大きいです。

投資の世界では、基本的にリスクとリターンはおおむね比例する

 

2. 長期でできる人はリスクが高い株式主体にする

投資信託を買う目的は何でしょうか?それは、資産形成のためです。そして資産を形成するためには、リターンとリスクの大きな金融商品を長期で保有することが理論上は大切です。

リターン:収益率ともいう。未来のことは分からないので、投資の場合は「期待リターン」と呼ばれることも一般的。基本的に「期待リターン」は未来のことなのであまりあてにならない。過信には注意。

では、リターンとリスクが大きい金融商品とは何でしょうか。それは株式です。

アメリカ資本市場の投資リターンの実績 1926年~2012年までの年率リターン
株式 9.7%
債券 5.4%

参考文献:「敗者のゲーム 原著 第6版」チャールズ・エリス著

上記の表を見てみますと、およそ86年間での年率リターンでは、リスクの高い株式の方が高くなっています。そのため、ここだけを見ると、長期投資ができる人にとっては、リスクとリターンはおおむね比例すると考えられるので、株式を保有することが重要だ、と考えられます。

しかし、現実的には、すべての人が長期投資ができるとは言えません。そのため「近々お金が必要だ」という人は預貯金を重視すべきです。また、「大きく減るのはイヤだし、お金を将来あまり大きくしたくない」という人がいた場合には債券の比率を増やすことも選択肢として挙げられます。

しかし、20年間や40年間など、いますぐ使わないお金がある場合は、できるだけ大きくした方が良いのではないか、と合理的な投資では考えることもできます。

ちなみに「つみたてNISA」と呼ばれる投資制度では、基本的に株式主体の投資信託しかありません(一部バランス型あり)。この理由をじっくり考えてみることが、長期投資では重要ではないでしょうか。

長期間投資ができる人にとっては、ハイリスク・ハイリターンの株式が効率が良いと考えられる。しかし、実際には、人によりやはり異なる。

 

投資信託は貯金代わりになる?ならない?

投資信託は価格変動リスクがあります。そのため、投資信託は貯金代わりになりません。

投資信託を貯金として使うのは、あまり合理的とは言えないかもしれません。資産が減ると困る人は、安全資産(預貯金・個人向け国債)をメインに考えることが重要です。

 

3. 手数料(コスト)が高いものは選ばない

投資信託には、手数料(コスト)がかかります。とりわけ、信託報酬と呼ばれる手数料(コスト)は0.3%以下から選ぶことが重要です。

その理由は、手数料(コスト)は、運用成果に寄与しないからです。投資信託は複数の金融商品を入れているものですから、投資初心者の方からすると

  • 手数料(コスト)が高いということは、特別な運用をしているのだから、その手数料(コスト)分だけ、運用成績が良いだろう

という誤解をしてしまいがちです。

しかし、現代の市場では手数料(コスト)をかけると、その分だけマイナスになってしまうだろうと考えられます。その理由は、どの金融機関の運用者も賢いからです。全員が賢い世界では、コストを多くかけた方が不利になってしまいます。

信託報酬と呼ばれる手数料(コスト)は0.3%以下から選ぶ

 

投資信託の2つの種類、アクティブ型とインデックス型

投資信託には大きく分けて2種類があります。

スタイル 内容 コスト 現実の運用成果
アクティブ型投資信託 市場平均を超えることを目標とする 高い傾向 連続しては市場平均を上回りにくい
インデックス型投資信託 市場平均と連動することを目標とする 低い傾向 コスト分だけ市場平均を下回る

非常に乱暴に書きますと、この2種類です。アクティブ型とインデックス型、どちらが良いと思いますか?

 

4. インデックス型を選ぶ

初心者・プロ問わず、投資信託を選ぶ際には、インデックス型投資信託を選ぶことが合理的だと考えられます。

インデックス型投資信託:大きな風呂敷に「市場の平均」を入れたようなイメージの投資信託。これを選ぶことで、市場平均に投資をしたのと同じような効果が得られる。ただし、手数料(コスト)分だけ市場平均を下回る。

投資初心者の方が前記の表を見ると、「アクティブ型投資信託と呼ばれるものが、市場平均を超えるし、手数料(コスト)も高いし、良さそうだ」とやはり誤解をしがちです。

しかし、現代の市場では金融機関などのいわゆるプロ(おりこうさん)が9割のお金を運用している、と言われています。

結論から言えば、「市場平均」と呼ばれるものは「世界中のお金のプロが知恵を出し尽くした結果」と酷似しています。

別の言い方をすれば、「アクティブ型の(効率的な)平均、かつコストが低いもの、それがインデックス型」です。

ですから、長期間投資を行い、資産形成を合理的に行うには、コストが安く、アクティブ型の(大変に効率的な)市場平均である、インデックス型投資信託を選ぶことが重要です。

理論上合理的だと思われる投資対象はインデックス型投資信託。それはアクティブ型が優れていればいるほどに、効率的になる存在。

 

初心者向けの投資信託の運用のコツは?

初心者向けの投資信託の運用のコツは?

それでは、投資信託の初心者(そしてプロでも)おすすめの運用のコツをわかりやすく見てみましょう。

 

投資額は毎月、少額でも良い。資産形成のカギは「長期×分散×積み立て」

まず、積み立て投資が合理的です。じつは、プロでも投資のタイミングは読めないからです。

そして、投資対象を世界中に分散します。これがいまでは数百円から誰でもできます。

そして、投資期間は1年や2年ではありません。20年・30年という長期で行うことが重要です。その理由は、1年や2年では、どのように分散投資をしても「丁か半か」のように、値動きが投機的になってしまうからです。

木を育てるように、長く大きな目で見守ります。短期的に見れば、木は冬には枯れます。しかし、枯れたときに「この木はダメな木だった」と言って、伐採しては元も子もありません。

投資信託も同様です。価格変動リスクや景気の良し悪しがありますので、冬に木が枯れるように、ほぼ確実に元本割れします。その時に「これはダメな投資信託だった」と言って売却すると、含み損が現実の損になります。これでは、いつまでたっても資産運用は合理的になりません。

資産形成で重要なのは、長期×分散×積み立て。株価などが低い時にも、積み立て投資に徹することが、「安く買う」ことにつながり、資産形成においては重要。むしろ、株価などが上がっている状態では収益率が下がる要因になるので、イヤな気持ちになってもおかしくないのだが、そのような合理的な人は稀有な存在。多くの人は株価などが下がると(収益率が上がるにも関わらず)イヤな気持ちになって売りたくなる、という不思議な性質が私たち人間には備わっている。心のエラーに要注意。

 

投資信託では、ほったらかしが多くの人にとってはより良い成績になりやすい

そして、意外かもしれませんが、統計的なデータを見ますと、「ほったらかし」にした方が運用成績が良くなる傾向にあります。

この理由は、先ほども触れましたが「プロでもタイミングが分からない」からです。そうである以上、プロの英知の結晶である市場平均の入ったインデックス型投資信託を「ほったらかし」にすることこそが多くの人にとっては重要です。

ほったらかし運用:いわゆる積み立てるだけの投資。買うだけで売らない。売る(取り崩す)のは、老後などの「お金が要る時」だけというもの。

 

投資信託の始め方やおすすめファンドの選び方:まとめ

  • 初心者の方の投資信託の始め方:まずは証券会社に口座を開設する
  • おすすめファンドの選び方は4ポイント①良く分からないものは無視②長期では株式型重視③コストが安い④インデックス型であること
  • 投資信託の運用のコツは「ほったらかし」でなにもしないこと

本記事では、投資信託の始め方やおすすめファンドの選び方について初心者の方にもわかりやすいように解説をしてみました。

資産形成や資産運用というと、大変に難しいという印象を抱かれるかもしれません。しかし、ポイントだけを抑えれば、中身は非常にシンプルになっていきます。

それは、世界中の金融機関・ファンドマネージャーなどの「お金のプロ」が優秀だからです。私たちは、そんな彼らの知恵を低い手数料(コスト)で拝借することができます。

そして、運用方法自体も、彼らが素晴らしいからこそ、シンプルな「ほったらかし」へとなっていくものです。

資産運用はポイントをしっかりと押さえておけば、未来のあなたを助ける心強い存在になるかもしれません。

 

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