マネタス

自己破産手続きの流れを解説!申立から免責許可決定までの手順

自己破産手続きの流れを解説!申立から免責許可決定までの手順

カテゴリー:

著者名

手塚 大輔

手塚 大輔

FP2級、日商簿記検定2級、証券外務員

地方銀行に8年勤務し、住宅ローン・カードローン・フリーローンなど個人ローンの他、事業性融資・創業融資など幅広い業務を担当。ファイナンシャルプランナーの資格を有する、100件あまりのフリーローン、住宅ローン数十件、その他に投資信託・個人年金・国債販売も取り扱う。 現在は、飲食店のオーナーを務める傍ら、金融ライターとして大手メディアに数多く寄稿。

この記事のポイント

  • 自己破産手続きは煩雑。
  • 自己破産申立書や陳述書の内容によって自己破産の成功が左右される。
  • 自己破産手続きは債務整理に強いプロの弁護士事務所に依頼するのが無難。

「借金が返済できずに自殺するしかない」

返済できないほどの借金を抱えると、このような良からぬことが頭によぎってしまうことは誰しもがあるものです。

しかし、国は返済できないほどの借金を抱えた人に救済策を用意しています。

それが債務整理です。

債務整理には様々な方法がありますが、その中でもほぼ全ての借金をチャラにすることができる方法が自己破産です。

自殺などと良からぬことを考えるくらいであれば、自己破産という救済策を利用した方がよいでしょう。

ただし、自己破産は手続きが煩雑で時間も費用もかかります。

自己破産の手続きはどのような流れで行われるのか、詳しく解説していきます。

 

自己破産をするしかない!そう思った時にすべきこと

自己破産をするしかない!そう思った時にすべきこと

「もう、自己破産するしかない」そう考えた時は、まずは何をすべきでしょうか?

自己破産を考えた時に、まずは自分でやるべきことを確認していきましょう。

 

財産を確認

自己破産は借金もチャラになりますが、20万円超の財産も没収されてしまいます。

家族が住んでいる家も自分名義であれば没収されてしまうので、家族にも大きな迷惑がかかってしまうことになります。

この点を踏まえて、自己破産した場合、失う財産は何か、家族には迷惑がかからないのか、もしくは家族が財産が没収されることを理解してくれるのかということを確認しましょう。

自己破産の最大のデメリットは財産の没収ですので、財産の没収によって何を失ってしまうのかということをよく確認した上で自己破産の手続きを進めるべきでしょう。

 

弁護士に相談

詳しくは後述しますが、自己破産は自分で行うことはほぼ不可能です。

申請書の内容は非常に専門的ですし、収集しなければならない書類も多岐に渡ります。

また、自己破産は申請すれば誰でも認めてもらえるわけでありません。

「なぜ借金を作ったのか」「自己破産に合理性があるか」「反省しているか」「再起の目処はあるのか」などのことを裁判官が審査し、裁判官が認めてくれた場合のみ、借金が免責になります。

したがって、自己破産に精通した弁護士に依頼をしないと自己破産に失敗してしまうこともあるのです。

また、債務整理には自己破産以外の方法もあるので、もしかすると財産を没収されるずに借金を整理することができる場合もあります。

その場合も、やはり債務整理に強いプロに相談する必要があります。

自己破産によって没収される財産を確認し、「自己破産をしよう」と決めたら、債務整理に強い弁護士に自己破産の相談をしましょう

 

自己破産申請に強い弁護士の選び方

自己破産申請に強い弁護士の選び方

前述したように、自己破産は債務整理に強いプロに依頼するのがベストですが、そもそも債務整理に強い弁護士などどのように探せばよいのでしょうか?

弁護士によって得意分野は様々ですので、債務整理のノウハウがない弁護士を選んでしまうと、無駄に時間とお金がかかってしまうこともあります。

債務整理に強い弁護士を無料で探す方法をご紹介していきましょう。

 

【良い弁護士の選び方①】無料相談会に参加する

弁護士事務所の中には、全国各地で無料相談会を実施しているところがあります。

テレビCMや新聞広告などで「無料相談会開催」などと謳っているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか?

このような無料相談会に参加して、借金の問題を無料で相談することができます。

ここでは、過払金がいくらあるのか無料で調べてくれますし、過払金の返還でも問題が解決できない場合には、債務整理の相談にも乗ってくれます。

お金が発生するのは、具体的な手続きに入ってからですので、過払金の有無や債務整理の方向性までは無料で相談することができます

ここで、「自己破産がベスト」という結論に至ったら、後日弁護士事務所で本契約を結ぶという流れになります。

無料相談会を実施している弁護士事務所は債務整理に非常に強い弁護士事務所で、後述しますが、お金の支払いもお金がない人でも対応できるような仕組みになっています。

近くで無料相談会があるのであれば、ぜひ気軽に参加してみるとよいでしょう。

 

【良い弁護士の選び方②】法テラスを活用する

国は、無料で弁護士に法律相談ができる法テラスという総務省所管の相談窓口を用意しています

ここでも借金の問題を無料で相談してくれますし、数ある債務整理手続きの中でどの方法がベストなのかという方向性を示してくれます。

相談の結果、債務整理手続きを進めていくということになれば、債務整理に強い弁護士事務所の紹介も行なってくれますので、「どこに相談したらよいか分からない」という人にはうってつけの窓口です。

法テラスは人気ですので、相談するだで順番待ちになりますが、近くに無料相談会がない場合などには活用しましょう。

この他、弁護士会などに相談することでも債務整理に強い弁護士事務所を紹介してくれます。

 

 

自己破産申立の手順

自己破産申立の手順

自己破産手続きを進めていく弁護士事務所が決まったら、弁護士事務所と契約することになります。

契約後はいよいよ自己破産の手続きを進めていくことになりますが、自己破産は書類1枚でできるわけではありません。

いくつもの工程を経て、晴れて借金がチャラにな流のです。

自己破産はどのような手順で進められるのか解説していきます。

なお、自己破産には破産手続開始決定と同時に自己破産手続きが終了する「同時廃止」という方法と、裁判所が選任した破産管財人が財産の管理と処分を行う「管財事件」という2つの方法があります。

あまり財産のない個人が自己破産を行う場合には同時廃止になるので、ここからは同時廃止の手続きの流れをご紹介していきます。

  1. 弁護士と面談し債務整理の仕方を決定する
  2. 弁護士が書類の収集と書類の作成
  3. 裁判所に自己破産の申し立て
  4. 裁判所との2回の面談
  5. 破産手続開始決定
  6. 免責許可決定

 

①弁護士と面談し債務整理の仕方を決定する

無料相談会などで依頼する弁護士が決まったら、弁護士事務所へ訪問して債務整理の方法について検討することになります。

債務整理には以下の方法があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

債務者によっては任意整理で借金の減額に応じてくれる場合もありますし、もしかしたら過払金の返還だけで借金の多くを返済できる場合もあります。

また、自宅などの財産がある場合には自己破産よりも個人再生の方がよいこともあります。

債務者の財産と借金の状況を勘案して、ベストな方法は何なのかを弁護士と一緒に決めて行くことになります。

方法に納得ができたら弁護士と契約を締結することになります。

 

倒産などで支払不能になっても請求が来なくなる

弁護士と契約を結ぶと、弁護士は債権者に対して「受任通知」という書類を送付します。

この書類は「〇〇さん(債務者)の代理人になったので、以後は代理人である弁護士に請求をしてください」という旨の書類です。

この受任通知が送達されることによって、以後債務書本人に債権者から督促は来なくなります

会社が倒産したり、返済できないくらいの借金を抱えたりした場合の督促は、督促だけでかなりの精神的な負担になります。

借金で自殺を考える人の多くが、鳴り止まない督促電話や郵便に精神的なストレスを抱えてしまいます。

弁護士と契約することによって、自分の元には督促が来なくなるので、これだけで精神的にはかなり前向きになります。

自己破産後にどうやって生活を立て直すのかなども考える精神的な余裕も生まれますので、前向きなことに頭を使えるようになります。

 

②弁護士が書類の収集と書類の作成

自己破産には最低でも以下の書類が必要になります。

  1. 自己破産申立書
  2. 陳述書
  3. 住民票・戸籍藤本
  4. 収入が分かる書類(給与明細など)
  5. 預金通帳のコピー
  6. 源泉徴収票・課税証明書
  7. 不動産登記簿藤本
  8. 財産が分かる書類(退職金の見込み額がわかる書類や、車検証など)

こららの書類を自分で作成し、集めることは簡単ではありません。

特に、裁判所が自己破産を認めてくれるかどうかは、自己破産申立書と陳述書の内容が非常に重要になります。

自己破産申立書には、借金の内訳と、なぜその借金を作ったのかを記載しなければなりません。

また陳述書には反省文や、今後はどうやって生活を立て直していくのかなどということも記載しなければなりません。

これらの書類の内容が悪いと自己破産を認めてもらうことができませんが、弁護士事務所に依頼すると、不備なく裁判所が認めやすい内容で作成してくれます

 

③裁判所に自己破産の申し立て

自己破産申立書や陳述書の作成が完了し、上記の必要書類が揃ったら、弁護士が裁判所に自己破産申立を行います。

申立の段階では債務者は裁判所に行く必要はありません。申立は弁護士だけで行います。

 

④裁判所との2回の面談

裁判所に自己破産申立が行われると、債務者本人と裁判官が面談を行います。

面談は2回行われ、債務者審尋と免責審尋という2つの種類があります。

ここで最も重要なのは債務者審尋です。

債務者審尋とは、なぜ借金をしたのか、反省しているか、今後はどうやって生活して行くのかなどの質問に答えることで、反省の色がないような場合には、免責が認められない可能性もあります

免責審尋とは破産者が集会のような形で裁判所に集められ、順番に呼び出されて、氏名,本籍,住所等の変更が無いかどうかを問われるだで、変更が無い場合には無いと回答するだけの非常に簡単な審尋です。

面談には本人が裁判所に行かなければなりません。

いずれの面談も難しいものではないので、弁護士と相談した上で臨めば大きな問題はないでしょう。

 

⑤破産手続開始決定

債務者審尋の後に、面談内容に問題がなければ破産手続開始決定がなされて、破産手続きがスタートします。

 

⑥免責許可決定

破産手続開始決定の後、弁護士が裁判所へ提出した書類に問題がなければ、破産手続開始決定と同時に免責許可決定となり、破産手続きは終了します。

これで借金は免責となり、税金や損害賠償以外などの非免責債務以外の借金はゼロになります。

同時廃止の場合、弁護士に相談してから免責許可決定となりまでにおおよそ3ヶ月程度で自己破産手続きは終了します。

 

 

自己破産宣告までには費用がかかる!着手金なしの弁護士を!

自己破産宣告までには費用がかかる!着手金なしの弁護士を!

自己破産には費用がかかります。

お金がないから自己破産をするのですから、前金がかかる弁護士事務所を選んでしまったら自己破産ができないことになります。

最後に、お金がない人でも自己破産手続きを進めることができる弁護士の選び方を説明していきます。

 

自己破産には50万円程度かかる

自己破産に必要な費用は以下の通りです。

  • 着手金:20万円〜30万円
  • 成功報酬:20万円〜30万円
  • 実費:5万円前後

このように、自己破産には50万円程度の費用がかかってしまうのです。

 

着手金や相談料無料の弁護士を探そう

上記の費用のうち、着手金とは自己破産申立手続きに入る前に必要になる費用です。

着手金が必要になる弁護士事務所では、20万円〜30万円程度の着手金を支払うことができなければ自己破産手続きを進めることができないことになってしまいます。

着手金を払うお金がない人は着手金なしという弁護士事務所を探す必要があります。

前述した、無料相談会を行なっている弁護士事務所は着手金無料となっていることが多いので、お金がなくても自己破産手続きを進めることができます

自己破産を相談する時には相談料無料・着手金なしの弁護士事務所であればお金が全くない人でも自己破産を進めることができます。

 

成功報酬が高めでも、自己破産後に分割でできる弁護士を選ぼう

着手金なしの弁護士事務所は、自己破産手続き終了後に発生する成功報酬が高くなっていることが一般的です。

しかし、このような弁護士事務所は自己破産後に1年〜2年程度の分割で成功報酬を支払うことができるので、自己破産前後にお金が全くない状態でも安心して自己破産手続きを進めることができます。

例えばイストワール法律事務所のような着手金無料・相談料無料の法律事務所であれば、お金がなくても自己破産が可能です。

債務整理に強い弁護士事務所はたいていこのような料金形態になっているので、やはり無料相談会などを行なっている債務整理に強い弁護士事務所に依頼することをおすすめします。

イストワール法律事務所

 

自己破産手続きの流れに関するまとめ

自己破産の手続きは自分でも行うことができます。

しかし、自己破産は申立を行えば必ず成功するわけではありません。

自己破産申立書や陳述書の内容が非常に重要になるのでプロに依頼した方が成功する確率は高くなりますし、膨大な書類も不備なく集めなければなりません。

プロに依頼すると費用も50万円程度は必要になりますが、債務整理に強い弁護士事務所は着手金なし、成功報酬は自己破産後に分割払い可能となっていることが多いので、まずは無料相談会などを活用して、債務整理に強い弁護士事務所へ相談してみましょう。

▼極限の債務整理!イストワール法律事務所

 

自己破産に関する以下記事もおすすめ☆