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がん保険の選び方を専門家が解説!種類・条件で失敗しないためのポイント

がん保険の選び方を専門家が解説!種類・条件で失敗しないためのポイントとは?

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佐藤 元宣

佐藤 元宣

佐藤元宣FP事務所代表CFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士、経理実務士

税理士や社会保険労務士といった士業事務所経験と保険代理店を行った経験などを活かし、生活する上で避けて通れない「お金」の相談に幅広く応じている独立系FP。家計の収支状況と専門性を融合したプランニングを提供しています。

この記事のポイント

  • がん保険の選び方で失敗しないためのポイントは、がん保険の特徴を知り、比較検討をすることに尽きます。
  • がん保険には、終身型と定期型の2つの種類があり特徴がそれぞれ異なります。
  • がん保険の給付には、大きく一時金給付と治療給付があり、どちらの給付に重点を置くかによって得られるメリットが異なります。

がん保険は、がんの治療に特化した生命保険のことを言い、仮に、がんにかかってしまった場合の治療費補填に大きな効果を発揮します。

その一方で、がん保険は、がんに対してのみ保障が有効であるため、他の病気にかかった場合にがん保険から保障されないといった大きなデメリットもあります。

そこで本記事では、保障に偏りのあるがん保険の選び方について、できる限り失敗しないポイントの解説を進めていきます。

 

がん保険の種類と特徴

がん保険の種類と特徴

がん保険の選び方を解説する前に、まずはがん保険の種類と押さえておくべき特徴をここでは紹介していきます。

がん保険の契約をする前に、どのようながん保険がご自身のニーズに沿っているか確認することが大切です。

なお、がん保険とご自身のニーズが合っているのか確認する上で、同サイト内で公開されている以下の記事に目通ししてみるのも良いでしょう。

 

がん保険の主な種類と違い

がん保険には、大きく終身型のがん保険と定期型のがん保険があります。

終身型のがん保険は、保険期間(保障期間)が、基本的に死亡するまで続き、保険会社によっては、がんになった場合、以後の保険料の払込をしなくてもよい払込免除が加入当初から自動的に付帯されている場合が多くなっています。

定期型のがん保険は、保険期間(保障期間)が一定期間となっており、たとえば、10年間や60歳までのように、契約時点で定めた時期に達すると保障が終了する特徴があります。

現状、終身型のがん保険が主流です。

 

がん保険の特徴

がん保険は、がんの治療に特化した生命保険といった特徴がありますが、ここでは、この特徴以外に押さえておきたいポイントを個別に解説していきます。

  • がん保険に加入したとしても、医療保険などのように保障がすぐに開始されない
  • がん保険の保険料は、基本的に掛け捨て
  • がんになってから、がん保険に加入するのは困難
  • 1年間に支払ったがん保険の保険料は、生命保険料控除の対象

 

【がん保険の特徴①】がん保険に加入したとしても、医療保険などのように保障がすぐに開始されない

通常、終身保険や医療保険などの生命保険は、原則として、保険会社が加入の申し込みに対して引き受けをした場合に保障が開始されることになります。

ただし、がん保険の場合は、保険会社を問わず、約3ヶ月(90日)の免責期間を設けており、この期間は、保険料を支払っているのにも関わらず、保障がされない条件が付されます。

これは、がんの疑いのある人が、駆け込みでがん保険に加入するのを防止する目的もあるためです。

 

【がん保険の特徴②】がん保険の保険料は、基本的に掛け捨て

がん保険は、終身型と定期型のがん保険があることを紹介しましたが、終身型のがん保険で保険料払込期間を定めていない場合の保険料は掛け捨てになります。

また、がん保険は、がんにならないと保障がされることはありません。

この辺をよく理解し、仮にがんにならないで一生を終えた場合、これまで支払ってきたがん保険の保険料は無駄になってしまうことを割り切った上で加入の検討をする必要があります。

 

【がん保険の特徴③】がんになってから、がん保険に加入するのは困難

がん保険は、基本的に健康な人が加入できるものになり、生涯を通じてがんになったことがある人は、基本的にがん保険に加入することは困難です。

保険会社の中には、持病があっても加入することができる引受基準緩和型のがん保険や、アフラックの「生きるためのがん保険 寄りそうDays」のように、がんを経験された人でも加入できるがん保険もありますが、保険料や保障内容は、一般のがん保険よりも劣る点に注意が必要です。

 

【がん保険の特徴④】1年間に支払ったがん保険の保険料は、生命保険料控除の対象

1月1日から12月31日までの1年間において、がん保険の支払った保険料は、生命保険料控除の介護医療用として所得控除の対象になるため、所得税および住民税の税金額を軽減させられる効果が得られます。

なお、生命保険料控除の詳細につきましては、同サイト内で公開している以下記事から確認することができます。(タイトルは医療保険についてですが、がん保険も医療保険と同様の取り扱いになります)

 

 

がん保険の選び方で押さえておくべき一時金給付と治療給付

がん保険の選び方で押さえておくべき一時金給付と治療給付

がん保険の種類と特徴について、基本的な部分を解説させていただきましたが、実のところ、がん保険を考える上において、一時金給付と治療給付といった2つの給付について知っておくことも欠かせません。

そこで次項では、がん保険の選び方でとても大切なポイントにあたる、がん保険の一時金給付と治療給付について、それぞれの特徴とポイントを紹介していきます。

 

がん保険の一時金給付とは

がん保険の一時金給付とは

がん保険の一時金給付とは、医師からがんと診断され、がんが確定した時にまとめて保険金が支払われる、いわゆる診断給付金のことを言います。

現在、ほとんどのがん保険には診断給付金が付帯されているものの、保険会社の中には、診断給付金が付いていないがん保険や診断給付金を保険契約する前に外すことができるがん保険など、種類は様々です。

 

がん保険の一時金給付における主な2つのメリット

がん保険の一時金給付(診断給付金)における主なメリットには、がんの治療方法が大きく変わったとしてもお金の面で困りにくい、様々なケースで保険金が活用できるといったメリットが挙げられます。

  • がんの治療方法が大きく変わったとしてもお金の面で困りにくい
  • 様々なケースで保険金が活用できる

 

【がん保険の一時金給付におけるメリット①】がんの治療方法が大きく変わったとしてもお金の面で困りにくい

がんの治療方法は、日々進化しておりますが、20年後や30年後といった将来において、さらに治療方法が進化していることが考えられます。

この時、がんの治療方法が大きく変化したとしても、がん保険の一時金給付(診断給付金)は、医師からがんと診断されて、がんが確定した時に保険金が支払われるため、がんの治療方法が大きく変わったとしても、保険金を受け取りやすくお金の面で困りにくいメリットが得られます。

 

【がん保険の一時金給付におけるメリット②】様々なケースで保険金が活用できる

現在、がん保険の一時金給付(診断給付金)は、複数回給付されるタイプのものが多く販売されておりますが、1回目の一時金給付(診断給付金)を受け取るハードルは極めて低いものになっています。

この時、まとめて受け取ったお金は、長くかかるがんの治療費や就労が制限されることによる収入減少の補填に充てるなど、様々なケースで保険金を活用できるメリットが得られます。

 

がん保険の一時金給付における主な2つのデメリット

がん保険の一時金給付(診断給付金)における主なデメリットには、保険料が高め、がん治療が長引くとお金が足りなくなる懸念が生じるといったデメリットが挙げられます。

  • 保険料が高め
  • がん治療が長引くとお金が足りなくなる懸念が生じる

 

【がん保険の一時金給付におけるデメリット①】保険料が高め

がん保険の一時金給付(診断給付金)は、後述する治療給付とは異なり、がんの短期の治療でも保険金が多く支払われることになるため、保険料が高めです。

がん診断給付金は、保険会社によって設定できる金額に違いはあるものの、30万円から多いところでは600万円となっており、設定した保険金額によって、保険料も高くなるデメリットがあります。

 

【がん保険の一時金給付におけるデメリット②】がん治療が長引くとお金が足りなくなる懸念が生じる

現在、がんの治療は、入院日数が短く通院日数が長い傾向にあり、がんの治療が一通り終えるまで年単位での長い時間を要することになります。

この時、がんの治療期間が長引く程、多くの治療費がかかってしまうため、まとまって受け取った診断給付金だけではお金が足りなくなる懸念が生じてしまうデメリットがあります。

また、2回目以降のがん診断給付金は、保険会社によって給付条件が異なる点にも要注意です。

 

がん保険の治療給付とは

がん保険の治療給付とは

がん保険の治療給付とは、がん治療を受けた月に保険金が給付されるタイプのもので、たとえば、入院給付金、手術給付金、通院給付金、放射線や抗がん剤治療で給付されるものなど、その種類は多岐に渡ります。

特に、通院やがんの3大治療と呼ばれる手術、放射線、抗がん剤といった治療におけるそれぞれの給付は、がん保険を販売している保険会社によって異なるため、がん保険の選び方を考える上でとても重要なポイントになります。

 

がん保険の治療給付における主な2つのメリット

がん保険の治療給付における主なメリットには、保険料が安い、がんの治療方法が長引いたとしても給付が続くといったメリットが挙げられます。

  • 保険料が安い
  • がんの治療方法が長引いたとしても給付が続く

 

【がん保険の治療給付におけるメリット①】保険料が安い

がんの治療給付をメインとしたがん保険は、保険料が安く、これはどこの保険会社にも共通したメリットになっています。

また、入院給付金や通院給付金などをはじめとした治療給付は、給付される日数が無制限であることも多く、がん治療の万が一の備えには安心できるメリットがあります。

 

【がん保険の治療給付におけるメリット②】がんの治療方法が長引いたとしても給付が続く

がん治療は、長い期間に渡って続く可能性が高いことをすでに紹介しましたが、仮に、がんの治療が長引いたとしてもがんの治療給付は、治療の都度給付が続くことになるため、治療費が家計を圧迫しにくいメリットが得られます。

ただし、契約した保険金額によって、このメリットは左右されることになるため、目先の保険料の安さを優先して保障の質が低い場合は、かえって逆効果になってしまうことも念頭に入れておく必要があるでしょう。

 

 

がん保険の治療給付における主なデメリット

がん保険の治療給付における主なデメリットには、将来、がんの治療方法や医療情勢に大きな変化があった場合、当時、加入契約したがん保険の保障内容が、その時の現状と即していない可能性が生じます。

このデメリットは、すでにがん保険に加入している人で、契約からすでに何十年も経過している人は要注意とも言えます。

  • 40代や50代で、がん保険に何年も前から加入している人は一度見直しを
  • 生命保険や医療保険のがん特約には注意
  • 抱き合わせ保険は、特約料が掛け捨てで保障が中途半端

 

【がん保険の治療給付におけるデメリット①】40代や50代で、がん保険に何年も前から加入している人は一度見直しを

40代や50代で、がん保険に何年も前から加入している人は、現状と保障内容が即していない懸念があるため、一度見直しをされてみることをおすすめします。

治療給付ではありませんが、たとえば、一昔前のがん保険では、がん診断給付金が1回限り給付され、2回目以降は給付されないなどの条件もあり、がん治療の備えをしているのにも関わらず、がん治療の備えとしては、不十分であることも容易に予測できます。

 

【がん保険の治療給付におけるデメリット②】生命保険や医療保険のがん特約には注意

こちらは、がん保険に新規加入や見直しをする上での注意点となりますが、たとえば、日本生命、明治安田生命、住友生命などのように、国内生命保険会社の生命保険で、抱き合わせ保険になっている保障内容のものを実務上、よく見かけます。

抱き合わせ保険とは、1つの保険契約で死亡、がん、介護、医療といった様々な保障が組み合わせられているものですが、がん特約のように、特約がべったりと張り付いている生命保険です。

 

【がん保険の治療給付におけるデメリット③】抱き合わせ保険は、特約料が掛け捨てで保障が中途半端

抱き合わせ保険は様々な保障が付いているため、何も知らない顧客の満足度や一昔前に人気があった生命保険かもしれませんが、特約料が掛け捨てで保障が中途半端なほか、最後にはまともな保障も残らない最悪な生命保険です。

たとえば、がん特約の場合、保障が入院に限定されているなど、現代のがん治療に即した保障内容になっていない場合が多く、とても利用価値が期待できない可能性が高いため、本当に注意が必要です。

 

がん保険の選び方の基本は比較検討

がん保険の選び方の基本は比較検討

がん保険の特徴のほか、一時金給付と治療給付の違いについて解説をさせていただきましたが、当然のことながら、がん保険の選び方の基本は、保険会社のがん保険を比較検討することです。

実際、がん保険の疑問として、がん保険を選ぶにはどこがいいのか、医療保険とがん保険は両方加入した方がいいのか、などの疑問が特に多い印象を受けますが、失敗しないがん保険選びは、がん保険の特徴を知り、細かく比較検討することに尽きるでしょう。

 

女性の方は、女性限定のがん保険も視野に入れてみる

女性の方は、女性限定のがん保険も視野に入れてみる

がん保険には、乳房や子宮といった女性特有の病気にも手厚く対応した女性限定のがん保険も保険会社各社で販売されています。

一般のがん保険に比べて女性限定のがん保険は、少々保険料が高くなるものの、女性の場合、若い内から女性特有の疾病やがんにかかる確率も男性に比べて高い統計もあることから、この辺が心配な女性の方は、女性限定のがん保険も視野に入れてみると良いでしょう。

 

がん保険の選び方に関するまとめ

がん保険は、がん治療に特化した生命保険といった大きな特徴があるため、まずは、がん保険の基本部分を理解した上で、そもそも加入する必要性があるのかどうかについて再確認することが大切です。

仮に、がん保険が必要と判断した場合は、一時金給付と治療給付のどちらに重きを置くのかなどといったがん保険の選び方を再確認し、選んだ給付に強みのあるがん保険(保険会社)選びをすることが大切だと言えます。

 

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