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掛け捨て型の死亡保険はおすすめ?メリット・デメリットをFPが徹底解説!

掛け捨て型の死亡保険はおすすめ?メリット・デメリットをFPが徹底解説!

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大野 翠

大野 翠

芙蓉宅建FPオフィス代表、宅地建物取引士、2級FP技能士(きんざいFPセンター正会員)

芙蓉宅建FPオフィス代表。金融業界歴10年目(2020年現在)。お金と不動産の専門家。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを行っています。一般消費者の金融に関する苦手意識を払拭すべく、ライフワークとして「超・初心者向けマネー勉強会」を毎月テーマを変えて開催しています。

この記事のポイント

  • 掛け捨て型は安価で大きな保障を持ちたい方におすすめ。
  • 相続対策としても活用できる。
  • メリットはとにかく保険料が安いこと。
  • デメリットは解約金がないこと。

みなさんは【掛け捨ての保険】と聞くと、どのようなイメージがありますか?なんだか文字だけ見るととても乱暴な言葉に見えますよね。「捨てる」という文言が入っているから勘違いされがちですが、何も捨てるわけではありません。

むしろ一定期間をしっかり守ってくれる意味のあるもので、お得に使えばとても有意義な保険です。ぜひ【掛け捨て型】のメリットとデメリットの両方を知っておきましょう。今回は、掛け捨て型の死亡保険についてまとめていきます。

FP執筆の死亡保険全体の人気ランキングはこちらをご覧ください。

 

 

掛け捨て型死亡保険の概要

掛け捨て型死亡保険の概要

掛け捨て型死亡保険とは、定期保険のことを指します。定期保険とは、一定の期間のみの保険という意味です。

私は普段のコンサルティングで【掛け捨て型】に加入することを「空っぽの箱を買うイメージ」であると例えます。掛け捨て型の死亡保険は、ある一定のスペースを埋めるために、そのスペースにぴったりの大きさの空っぽの箱を置くというイメージですよ、とお伝えします。

箱の大きさは、保険期間のことです。【掛け捨て型】は、一定の保険期間での死亡保障を持つ目的があります。【掛け捨て型】は「空っぽの箱」なので、中には何も入っていません。つまり、解約返戻金はほとんどありません。

あくまでも「一定期間の保障目的」だとイメージしてください。【掛け捨て型】は貯蓄性もなければ、更新もできません。保障を必要としている期間のみ補う商品であるということです。

 

掛け捨て型の死亡保険のメリット

掛け捨て型の死亡保険のメリット

【掛け捨て型】の一番のメリットは「保険料を安く抑えることができる」ということに尽きます。一般的に【掛け捨て型】の死亡保険では、希望する保険期間を定め、その期間のみの死亡保障として加入します。

保険期間の設定でよくあるものは、10年、20年、30年などの長期間のものか、65歳まで、80歳までなど節目の年齢までのものがあります。

保険会社によっては、保険期間を1年単位で調整できる場合もあります。(例えば加入時に27歳で、40歳までの死亡保険を希望する場合、13年の【掛け捨て型】に加入できるということです)

 

保険料が安い理由

【掛け捨て型】の保険料が安い理由は、解約返戻金がほとんどないからです。貯蓄の性質が一切なく、純粋な死亡保障のみを目的に加入するイメージです。

保険会社によっては、掛け捨てでも配当金のみ少し付く商品(有配当)もありますが、より保険料を抑えたい場合は「無配当」の【掛け捨て型】を選ぶとよいでしょう。

 

掛け捨て型の死亡保険のデメリット

掛け捨て型の死亡保険のデメリット

掛け捨て型】のデメリットは、解約金がないことです。解約金がないことは【掛け捨て型】という言葉の「捨て」の部分に当たるのですが、いくら安価であっても保険料は払い続けることになりますので、「保険料を捨てている」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

これは考え方次第で、メリットにもデメリットにもなり得るのではないでしょうか。

 

保険期間満了後のリスクも

一定期間のみの保障を持つのが【掛け捨て型】ですが、その保険期間が終わった後、さらに保険が必要であれば新たに加入しなおす必要があります。例えば定期保険に新規加入したのが20歳で、保険期間20年の【掛け捨て型】に加入していたとします。

20年後の40歳で保険期間が終わりますよね。40歳で新たに死亡保障を持とうとした場合、かなり保険料が上がっていることが考えられます。(生命保険料は年齢が上がれば上がるほど保険料が高くなる仕組みです。)保険料があまりに高額な場合は、保障を下げる必要もあるでしょう。

また、新たに加入するときに健康であればよいのですが、健康上に告知の必要な状態があれば、【掛け捨て型】の保険期間満了後の再加入のハードルはグッと上がることになります。引き受け緩和型の保険もありますが、通常よりも保険料は割高です。

 

【参考】保険料はどれくらい違うのか

【参考】保険料はどれくらい違うのか

オリックス生命保険では【掛け捨て型】の定期保険と、貯蓄性のある【終身保険】のどちらも取り扱っているため、保険料比較のために公式ホームページにて試算をしてみました。

 

 

定期と終身・試算結果

前提条件は40歳男性で、死亡保障として1000万円を準備したいと考えていると仮定します。

  • 1000万円定期保険(定期保険ブリッジ)・10年更新で月額2,090円
  • 1000万円終身保険(終身保険RISE)・終身払込で月額16,530円

同じく1000万円の保障を準備するとしても、定期と終身では約8倍もの保険料の差があります。定期と終身、どちらを選ぶかは加入を検討している方のニーズで違います。よりご自身の意向に沿った保険に加入することをおすすめします。

なお、インターネット上では多くの保険会社が無料見積もりページを公開しています。個人情報の入力は必要なく、気軽に試算ができますのでぜひお試しください。

2020年現在の、人気終身保険ランキングはこちらです。参考になさってください。

 

掛け捨て型の死亡保険はこんな方におすすめ

掛け捨て型の死亡保険はこんな方におすすめ

メリット・デメリットを知ったうえで、どのような方に【掛け捨て型】がおすすめなのか、タイプ別に例を挙げて紹介します。

 

シンプルな生命保険を希望する方

生命保険では、さまざまな種類の保障が発売されています。何が、どうなれば給付金をもらえるのか、少しわかりにくい場合もあります。

一方【掛け捨て型】の定期保険は、「死んだら給付金が出る」という極シンプルなものです。生きている間、本人がもらうことはなく、死んだら受取人に保険金が支払われるという仕組みです。

さらに、そもそも貯蓄性がないので、解約金がどうであるなども考えなくて済みます。よりわかりやすく、シンプルな生命保険を希望する方には【掛け捨て型】はおすすめです。

 

遺すお金に意味を持たせたい方

【掛け捨て型】は「死んだら保険金が支払われる」保険であると解説しました。【掛け捨て型】は解約金もなく、保険の対象である方が亡くなった場合に、あらかじめ設定している受取人に保険金が支払われるシンプルな仕組みです。

このシンプルな仕組みを上手に利用し、遺したい方に確実にまとまった額の財産を遺すことができます。

【掛け捨て型】は貯蓄性が全くないので、加入時に設定した保険金額より増えもせず減りもしません。また、受取人以外に支払われることもありません。3000万円で契約した【掛け捨て型】は、3000万円として受取人に支払われます。

 

相続での活用例

例えばお子さんが3人いる方が平等な資産を遺してあげたいと考えた場合、3人の子どもそれぞれを受取人にした同じ保険金額の【掛け捨て型】に加入しておくことで、名前を付けてお金を遺すことができます。

【掛け捨て型】は貯蓄性のある終身よりも安価で加入できますので、このような相続対策として複数名に保険でお金を遺したい場合でも、保険料が負担になりにくいという側面があります。

生命保険の受取人と税務に関しては、こちらも参考になさってください。

 

掛け捨て型の死亡保険・まとめ

いかがでしたか。今回は【掛け捨て型】のメリット・デメリットについて簡潔にまとめました。掛け捨て型の定期保険と、掛け捨てではなく貯蓄性のある終身保険の保険料比較は、数字で見るとリアルに保険料の差を感じていただけたのではないでしょうか。

また、メリットとデメリットのどちらも理解しておくと、今後保険加入を検討する際に「自分は掛け捨てがよいのか、終身がよいのか」、よりふさわしいほうを選ぶことができるようになります。

私はFPの立場から【掛け捨て型】は比較的おすすめすることが多いです。なぜなら、安価で大きな保障を持つことができるからです。もちろんデメリットもお伝えしたうえでのおすすめにはなりますが、特に若い方は【掛け捨て型】の保険料が月額数百円の場合もあり、それでも十分だと考えます。

ご自身の家族構成なども考慮したうえで【掛け捨て型】がよいと思われた場合は、ぜひ各社の見積もりをして比較検討してみましょう。

 

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