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マイナポイントの使い方とは?制度の概要・登録方法・還元率etc.を徹底調査!

マイナポイントの使い方とは?制度の概要・登録方法・還元率etc.を徹底調査!

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大野 翠

大野 翠

芙蓉宅建FPオフィス代表、宅地建物取引士、2級FP技能士(きんざいFPセンター正会員)

芙蓉宅建FPオフィス代表。金融業界歴10年目(2020年現在)。お金と不動産の専門家。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを行っています。一般消費者の金融に関する苦手意識を払拭すべく、ライフワークとして「超・初心者向けマネー勉強会」を毎月テーマを変えて開催しています。

この記事のポイント

  • マイナポイント登録にはマイナンバーカードが必須。
  • 年齢問わず全国民がマイナポイントの対象となる。
  • マイナポイントの基本還元率は25%(上限5,000円)。
  • ポイント還元のほか、キャッシュレス各社が上乗せキャンペーンも実施。
  • 15歳未満の子どもは、親がマイナポイントの代理申請も可能。

2020年7月から、マイナポイントの登録が始まりました。新聞広告やテレビCMなどで見かけた方もいるのではないでしょうか。実際の運用は2020年9月からですが、制度の仕組みについて早く理解しておくと安心です。

本記事ではマイナポイント制度の概要から、その周辺知識まで徹底調査し、わかりやすく解説していきます。

 

マイナンバー制度について

マイナンバー制度について

マイナポイント事業についてまとめる前に、密接な関係のある「マイナンバー制度」についてまずはご紹介します。

マイナンバーに関するこちらの記事もご参照ください。

 

マイナンバーって何?

マイナンバーとは、2015年10月より運用が開始された制度です。開始当初は「国民総背番号制」と呼ばれることもありました。赤ちゃんからお年寄りまで、すべての国民に一つの番号(個人番号)が付与されます。

健康保険などの社会保障に関する情報や、納税に関する情報など、さまざまな個人情報を紐づけて管理する目的でスタートしました。

将来的には、健康保険証や運転免許証もマイナンバーカード1枚で管理できるようになるのではないか、という話もあがっています。

 

マイナンバーカードの実態

制度開始時に届いたマイナンバー通知カード(紙製)をもって、写真入りのマイナンバーカードを申請し交付を受けることになります。

しかし、実際は写真入りのマイナンバーカードを発行せずとも、通知カード記載の個人番号さえわかれば便宜上済む手続きも多く、その発行は伸び悩んでいました。

実際、2020年6月現在のマイナンバーカード発行率は、交付対象全体のうち約17%程度であるという結果が総務省より発表されています。

 

マイナンバーカードの利便性

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための政府対策として、全国民に特別定額給付金が支給されました。その申請の際にマイナンバーカードを持っている方は、給付金の交付が早かったのは記憶に新しいかと思います。

ほかにも、個人事業主などで確定申告が必要な方は、カードリーダーを利用することで手続きが簡単になることも挙げられます。また、住民票など行政書類の一部について、コンビニエンスストアで24時間発行することができるなど利便性も高いと言えます

そして今回発足した「マイナポイント事業」においては、マイナンバーカードの申請・交付が前提条件となります。マイナポイントを登録しお得に活用したい方は、まずマイナンバーカードを申請しましょう。

 

交付・申請に時間を要する場合も

マイナンバーカードの申請について、2020年8月現在、とても混み合っている状況です。特別定額給付金の申請の際に便利であったことから、これまで発行していなかった多くの方が一斉に申請したことが一因であるとも言われています。

筆者は昨年のうちに申請しすでに交付を受けていましたが、通常の場合でも1か月ほどはかかりました。現在混み合っている状況を考えると、1日でも早く申請しておくことをお勧めします。

 

マイナポイント事業とは

マイナポイント事業とは

マイナポイント事業とは、マイナンバーカードを使って予約・申し込みを行い、利用者の選んだキャッシュレス決済で購入やチャージをすることでポイント還元が受けられる制度です。

2020年7月から登録開始、2020年9月~2021年3月末の間にポイント還元事業が展開されます。なお、この事業は総務省が主体となっています。

注意点として、最初に選んだキャッシュレス決済は後の変更はできません。選べる決済も1つのみです。

 

ベースとなるポイント還元率

選んだキャッシュレス決済を利用して購入やチャージなどを行った場合、利用金額の最大25%のポイントがキャッシュバックされます。ただし、一人当たり5,000円が上限なので、実質2万円の購入またはチャージが上限ということになります。

 

各社独自で上乗せキャンペーンも

基本となるポイント還元に上乗せして、キャッシュレス決済ごとに独自のキャンペーンも展開しています。

たとえば楽天Payでは、楽天カードでチャージすることで還元率が0.5%上乗せされ、その後楽天Payを利用することでさらに1%の上乗せとなるキャンペーンを展開しています。ベースとなる還元率との合計で、26.5%の還元率ということになります。

このように、各社特色のあるキャンペーンを公表していますので、マイナポイントを選ぶ際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

多くのキャッシュレス決済が対象

多くのキャッシュレス決済が対象

マイナポイントは、多くのキャッシュレス決済で利用できます。キャッシュレス決済とは、最近利用者が増えているスマートフォン決済を始め、従来のクレジットカードやデビットカードも含まれます。

以下、それぞれの決済で代表的な会社をご紹介します。

キャッシュレス決済全体の概要については、こちらの記事をご一読ください。

 

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、カード発行時に事前審査が必要です。個人の信用情報に基づき利用可能額が設定されます。キャッシュレス決済の中でも「後払い」のジャンルに分けられます。

  • 楽天カード
  • イオンカード
  • 三井住友カード
  • dカード
  • オリコカード

 

デビットカード決済

デビットカード決済は「即時払い」です。銀行の預金残高の範囲内で利用し、デビットカードで決済するとすぐに残高から支払われます。事前審査は不要ですが、預金残高がないと利用できません。

  • イオン銀行
  • ジャパンネット銀行
  • 三井住友カード

デビットカードに関しては、2020年8月現在この3社のみ公表されています。(総務省ホームページ参照)

 

QRコード決済

QRコード決済は、前払いで事前にチャージしておくことで利用可能な決済方法です。

QRコード決済にチャージする方法としては、クレジットカードやデビットカードを紐づけることで、即時にチャージできる方法がよく利用されています。

  • PayPay
  • LINE Pay
  • 楽天Pay
  • d払い
  • メルペイ
  • ゆうちょpay

 

プリペイド・電子マネー

プリペイド・電子マネーは、前払いで事前にチャージしておくことで利用できます。

プリペイドや電子マネーに関しては、必ずしもスマートフォンを保有しておく必要がなく、カードさえ持っていれば取り扱い店舗で現金チャージも可能であることから、幅広い年齢層で利用される傾向にあります。

  • Suica
  • nanaco
  • WAON
  • 楽天Edy
  • Kyash(プリペイドカード)

 

最新情報は総務省HPにて確認

マイナポイントへ登録できるキャッシュレス決済各社については、総務省ホームページ内マイナポイント特設サイトにて検索することができます。

検索する日時点の最新情報を確認することができますので、登録前には必ずご確認いただくことをお勧めします。

 

マイナポイントの予約・申込方法

マイナポイントの予約・申込方法

ここからは、実際の予約・申請方法について流れを解説します。

 

 

申請に必要なもの

申請の際に必要なものは以下のとおりです。

  • マイナンバーカード
  • マイナンバーカード登録時に設定した4桁の暗証番号
  • 決済サービスIDまたはセキュリティーコード

決済サービスによっては、事前登録が必要な場合もあります。あらかじめ各サービスHPにてご確認ください。

 

登録方法

マイナポイントの登録方法は、基本的にはオンラインで完結します。

総務省HPによると、推奨している方法はスマートフォンに専用アプリをダウンロードして登録する方法です。パソコンでの登録方法も掲載されています。

スマートフォンやパソコンの環境がない場合は、一部のコンビニエンスストアのマルチコピー機でも申請可能です。郵送の対応はしていません。

 

マイナポイントに関するQ&A

マイナポイントに関するQ&A

ここまでマイナポイントについてまとめましたが、よくある質問について以下紹介します。

 

1、赤ちゃんのマイナンバーカードってどうする?

マイナンバー制度とは、全国民にひとつの番号を付与すると解説しましたが、赤ちゃんがマイナンバーカードを作る場合、どうしたらよいのでしょうか。

赤ちゃんに限らず、15歳未満の子どもに関しては「法定相続人」が代理で行うことができます。法定代理人とは、一般的に親御さんにあたります。また、マイナンバーカードには本人の顔写真が必要ですが、赤ちゃんの場合も当然顔写真が必要です。

 

2、子どものマイナポイント申請は?

マイナポイントは子どもも対象となります。その前提としてマイナンバーカードの交付を受けておく必要があります。

しかし、お子さんではマイナポイントに紐づけする決済サービスを選ぶことや、スマーオフンアプリで申請することは難しいでしょう。

この際もポイントとなるのは「法定代理人」、つまり親御さんです。お子さんの代理で親御さんが申請し、ポイント還元を受ける流れになります。

 

代理申請の注意点

例えば、父親、母親、長男、長女の4人家族だったと仮定します。お子さんは2人とも15歳未満である場合、父親か母親のいずれかが法定代理人としてマイナポイントの代理申請が可能です。

ここで注意点があります。父が長男と長女の申請をする場合、父が選んだキャッシュレス決済に3人分のポイント還元を受けることはできません。

なぜなら、マイナンバーやマイナポイントは「一人に一つ」の原則があります。たとえお子さんの分を代理申請するとはいえ、父名義の決済サービスに3人分まとめてポイント付与することはできないということです。

ただし、キャッシュレス決済によっては未成年者の登録がそもそもできない場合もあります。この場合は、父親あるいは母親名義の、別の決済サービスを子ども用として別に紐づけする必要があります。

 

代理申請の例

  • 父親…ゆうちょPay
  • 母親…PayPay
  • 15歳未満の長男…父親が代理申請し、父親名義のd払いにて登録
  • 15歳未満の長女…父親が代理申請し、父親名義の楽天Payにて登録

 

マイナポイントの使い方・まとめ

本記事ではマイナポイントについての概要をまとめました。マイナポイントの登録をするために、まずはマイナンバーカードの申請が必要です。赤ちゃんからお年寄りまで、すべての方が申請・交付を受けることができます。

マイナンバーカード発行までには最短でも1か月前後の時間を要しますので、その間にマイナポイントに紐付けをする決済を検討してもよいですね。

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