- 米国株投資を始めるには証券総合口座とは別に外国株式口座が必要。
- 米国株投資の口座を選ぶときは手数料やサービス内容を比較する。
- 米国株投資の口座は手数料が安いネット証券がおすすめ。
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米国株を取り扱っている証券会社で口座開設すれば、国内にいながら米国株に投資できます。米国は世界最大の株式市場で、世界的な有名企業に投資できるのが魅力です。
日本株とは特徴が異なるため、取引経験がないと米国株の買い方がわからないかもしれません。また、証券会社によって手数料やサービスに違いがあるので、比較検討したうえで口座を選ぶことが大切です。
今回は、米国株の特徴や購入方法、米国株投資におすすめの口座について解説します。
目次
米国株は、世界的な有名企業に投資できるのが魅力です。米国は世界最大の株式市場で、アルファベット(グーグル)やアマゾン、アップルなど、日本人にも身近なグローバル企業が多く上場しています。
以下は、米国の代表的な株価指数であるS&P500のチャートです。
出典:Google
S&P500指数は、1980年から2020年までの40年間で約30倍に拡大しています。一時的に暴落している局面はあるものの、長期的には上昇を続けているのがわかります。米国は世界経済の中心であり、今後も人口増加が続くと予想されていることから、長期的な成長が期待できます。
米国株投資を始める前に、日本株との違いを確認しておきましょう。具体的にどのような違いがあるのかをまとめました。
それぞれ、詳しく説明していきます。
日本株には単元株制度があるので、通常は100株単位の取引になります。たとえば、株価が1,000円の銘柄であれば、最低投資金額は10万円(1,000円×100株)です。
一方、米国株は1株から購入可能で、中には1万円以内で購入できる銘柄もあります。米国株なら、まとまった資金を用意しなくても、少額から気軽に投資を始められます。
日本株は、配当が年1~2回の銘柄が多く、配当金をもらえるのは半年に1回程度です。それに対して、米国株は多くの銘柄が年4回配当を行っています。年間の配当総額は同じですが、3か月ごとに配当がもらえます。
米国株は株主還元に注力している企業が多く、配当利回りは比較的高い傾向にあります。
株主優待とは、企業が株主に対して自社製品や優待券などを贈呈する制度です。日本株は株主優待を実施している銘柄が多く、個人投資家に人気があります。
株主優待は日本株独特の制度で、米国株に株主優待はありません。ただし、米国株は株主還元に注力しており、配当利回りが高い銘柄が多いです。
日本株には値幅制限があり、1日の株価の変動幅に制限が設けられています。株価の高騰や暴落により、投資家に大きな損失を与えないようにすることが目的です。
値幅制限いっぱいまで株価が上昇することを「ストップ高」、値幅制限いっぱいまで株価が下落することを「ストップ安」と言います。
米国株には値幅制限がないので、うまく取引すれば大きな利益を得られるかもしれません。ただし、損失も大きくなる可能性があるので注意が必要です。
日本と米国は時差があるため、米国株の取引時間は日本時間の深夜になります。米国株式市場の取引時間は、現地時間の9:30~16:00です。日本時間では23:30~6:00(サマータイム期間は22:30~5:00)になります。
日本時間の日中でも注文を出すのは可能です。しかし、デイトレなど、リアルタイム株価を確認しながら取引したい場合は、深夜に取引する必要があります。
米国株は、日本株に比べると手数料はやや高めです。日本株の場合、1日の約定金額が一定額までは、手数料無料で取引できる証券会社もあります。
一方、米国株は手数料が安い証券会社でも、約定金額の0.5%程度の売買手数料がかかります。また、米国株は米ドル建ての取引なので、為替手数料も負担しなくてはなりません。米国株投資で利益を得るには、手数料が安い口座を選ぶことが大切です。
米国株は日本株と特徴が異なるため、「投資をするのが難しい」と感じるかもしれません。しかし、米国株の買い方は日本株とほぼ同じです。
米国株を購入する手順は以下のとおりです。
それぞれの項目について、詳しく確認していきましょう。
米国株を購入するには、証券会社の外国株式(海外株式)口座が必要です。
すでに証券総合口座を保有している場合は、別に外国株式口座の開設手続きを行いましょう。これから証券総合口座を開設する場合は、証券総合口座と外国株式口座は同時に開設できる証券会社が多いです。
証券総合口座や外国株式口座の口座開設料・口座管理料は基本的に無料ですが、念のため、口座開設をする前にコストがかからないかを確認しておきましょう。
外国株式口座を開設できたら、米国株の購入資金を入金します。米国株は米ドル建ての取引なので、外国株式口座に米ドルを入金する必要があります。証券口座に円を入金したあと、為替取引で米ドルに両替するのが一般的です。
ただし、円貨決済に対応している証券会社であれば、円のまま米国株を購入できます。
購入資金を口座に入金したら、銘柄を選んで買い注文を出しましょう。日本株と同じように、株数と価格、決済方法などを指定して注文します。
こちらはSBI証券の注文画面ですが、外貨決済と円貨決済を選択する以外は、日本株の注文画面と大きな違いはありません。
出典:SBI証券
日本株への投資経験があれば、同じような感覚で取引できると思います。ただし、米国株は値幅制限がなく、株価が大きく動くこともあるので注意が必要です。
複数の証券会社で米国株を取り扱っていますが、手数料やサービス内容には違いがあります。米国株投資を始めるなら、証券会社ごとの特徴を理解したうえで、自分に合った口座を選ぶことが大切です。
ここでは、米国株投資の口座を選ぶときに比較すべきポイントを紹介します。
米国株を取引するときは、売買手数料がかかります。米国株の売買手数料は証券会社によって異なり、最低手数料が設定されていることもあります。
米国株投資の利益を最大化するには、売買手数料が安い証券会社を選ぶことが大切です。少額取引の場合、最低手数料が高いと手数料負けしてしまうため、最低手数料が0円の証券会社がおすすめです。
米国株は米ドル建ての取引なので、円を米ドルに両替するときに為替手数料がかかります。これは外貨決済だけでなく、円貨決済の場合も同じです。
米国株を1,000米ドル購入するケースについて、為替手数料を比較しました。
1米ドルあたりの為替手数料が片道4銭の証券会社であれば、購入時の為替手数料は40円で済みますが、片道50銭の証券会社の場合は500円かかります。米国株投資の取引コストを節約できるように、為替手数料が安い証券会社を選びましょう。
一部の証券会社では、米国株の積立投資(定期買付サービス)に対応しています。
一度積立の設定をしておけば、毎月決まったタイミングで自動的に発注してくれるので、時間や手間がかからないのがメリットです。また、購入タイミングを分散することで、リスク軽減にもつながります。
「毎月決まった日に購入したい」「時間や手間をかけずに投資したい」といった場合は、米国株の積立投資ができる証券会社を選ぶといいでしょう。
貸株サービスとは、保有中の株式を証券会社に貸し出すことで、貸株金利を受け取れるサービスです。一部の証券会社では日本株だけでなく、米国株の貸株サービスにも対応しています。
貸株サービスを利用すれば、売却益や配当以外の収入源を確保できます。米国株を長期保有する場合は、貸株サービスを利用して貸株金利を受け取るのがおすすめです。
米国株は大手証券会社でも取り扱っていますが、これから投資を始めるならネット証券がおすすめです。
店舗を持たないネット証券は人件費を節約できるので、手数料が格安に設定されています。また、ネット証券は場所を選ばず、空いた時間にパソコンやスマホから取引できるのも魅力です。
相談できないことに不安を感じるかもしれませんが、初心者の方でも問題なく取引できるように、サイトにはわかりやすい説明が掲載されています。どうしてもわからないことがあれば、電話で質問することも可能です。
米国株投資におすすめのネット証券は以下の3社です。
それぞれの特徴やメリットなどを紹介していきます。
SBI証券は、為替手数料の安さと充実したサービスが魅力のネット証券です。住信SBIネット銀行との「外貨入出金サービス」を利用すれば、為替手数料は片道4銭で済むので取引コストを大幅に節約できます。
また、SBI証券は今回紹介する3社の中で唯一、米国株の定期買付サービスと貸株サービスに対応しています。米国株の積立投資がしたい場合、貸株金利を受け取りたい場合は、SBI証券がおすすめです。
マネックス証券は米国株を3,600銘柄以上取り扱っており、大型株から中小型株までさまざまな銘柄を取引できます。また、指値、成行といった通常の注文方法以外に、ツイン指値(OCO注文)なども用意されています。
マネックス証券は外貨決済なら24時間発注可能なので、時間を選ばずに自分の好きなタイミングで取引できます。
楽天証券も米国株の取扱銘柄数が豊富で、売買手数料や為替手数料も格安です。スマホアプリのiSPEEDを使えば、日本株と米国株を同時に取引できます。
楽天証券はポイントが貯まりやすいのも魅力のひとつです。手数料コースで「超割コース」を選択すると、売買手数料の1%分の楽天ポイントがもらえて、貯まったポイントは日本株や投資信託の買付代金に充当できます。
米国株投資の口座を選ぶときに、特に確認しておきたいのが手数料です。先ほど紹介したSBI証券、マネックス証券、楽天証券の3社について、米国株の手数料を比較しました。
比較項目/証券会社名 | SBI証券 | マネックス証券 | 楽天証券 |
---|---|---|---|
売買手数料 | 約定代金の0.45%(税込0.495%) ・最低手数料:0米ドル ・上限手数料:20米ドル(税込22米ドル) |
約定代金の0.45%(税込0.495%) ・最低手数料:0米ドル ・上限手数料:20米ドル(税込22米ドル) |
約定代金の0.45%(税込0.495%) ・最低手数料:0米ドル ・上限手数料:20米ドル(税込22米ドル) ※売買手数料の1%分のポイントバックあり |
為替手数料 (米ドル/円) |
・片道4銭(外貨入出金サービス) ・片道25銭(為替取引) |
片道25銭(為替取引) | 片道25銭(為替取引) |
売買手数料は3社とも同じですが、楽天証券は売買手数料の1%がポイントバックされます。為替手数料は、外貨入出金サービスで片道4銭になるSBI証券が最も有利です。
これから米国株投資を始めるなら、個人的に一番のおすすめはSBI証券です。今回紹介したSBI証券、マネックス証券、楽天証券の3社は、売買手数料や取扱銘柄数に大きな差はありません。
しかし、SBI証券は外貨入出金サービスを利用することで、為替手数料を大幅に節約できます。また、定期買付サービスや貸株サービスに対応しているのも大きなメリットです。
今回は、米国株投資の口座を選ぶときのポイントやおすすめのネット証券を紹介しました。複数の証券会社で米国株を取り扱っていますが、売買手数料や為替手数料、サービス内容には違いがあります。
各証券会社の特徴をよく比較したうえで、自分の投資スタイルに合った口座を選びましょう。これから米国株投資を始めるなら、手数料が安く、サービスが充実しているネット証券がおすすめです。