- 定期預金よりも普通預金のほうが金利が高いこともある。
- 金利年0.20%以下の定期預金を選ぶメリットは小さい。
- さまざまな銀行、商品を比較して選ぶことが大切。
公開日:2019年9月18日
リスクをとれる資金であれば株や投資信託などで運用したほうがよいと言えますが、投資初心者や元本割れしては困る資金を安全に運用するには、やはり銀行預金、定期預金が選択肢となります。
定期預金は基本的にはどの商品もリスクは同じ。それならば少しでも有利な条件で運用したいところ。
この記事では定期預金を比較して選ぶ際のポイント、定期預金におすすめの銀行について解説します。どの銀行を選べばいいか迷っている人、どの銀行でも同じではないかと思っている人は一読ください。
目次
銀行預金には主に以下のような種類があります。
日本国内に本店のある銀行(ネット銀行を含む)や信金などが取り扱う普通預金、定期預金などは、金融機関が破綻した場合であっても、預金保険制度により「元本1,000万円とその利息」が保障されています(*)。
*元本1,000万円を超える部分は、破綻時の金融機関の財産状況によって減額される可能性があります。
定期預金は満期まで引き出さないことを条件に高めの金利がされています。満期前に資金を引き出す場合の利息は中途解約利率で計算され、当初約束した通りの利息を受け取れないペナルティがあります。
中途解約利率は商品や解約するタイミングによって異なりますが、元本は割れはしないようになっています。
解約までの預入期間 | 当初預入期間 | |||
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1年以下 | 1年超2年以下 | 2年超3年以下 | 3年超5年以下 | |
1年未満 | 普通預金金利 | |||
1年以上2年未満 | – | 約定金利×40% | 約定金利×20% | 約定金利×10% |
2年以上3年未満 | – | – | 約定金利×50% | 約定金利×25% |
3年以上4年未満 | – | – | – | 約定金利×40% |
4年以上5年未満 | – | – | – | 約定金利×50% |
たとえば預入期間3年、金利(約定利率)0.30%の定期預金を預入から2年経過後に中途解約した場合、利息は中途解約利率0.15%(=0.30%×50%)を使って計算されます。
定期預金は一定期間解約しないことを条件に、普通金利よりも高い金利が設定されているのが特徴です。しかし一部では、普通預金金利が定期預金金利を上回る逆転現象も起きています。
あおぞら銀行が2019年7月16日からサービスを開始したインターネット専用支店「BANK支店」の普通預金金利は、業界最高水準の年0.20%(2019年9月1日現在)。金利が高いとされるネット銀行の定期預金金利をも上回る高い金利が設定されています。
年0.20%というのは無条件ですべての利用者に適用される金利であり、かなりの好条件と言えます。
一定の条件を満たした場合に普通預金金利がアップする銀行もあります。
イオン銀行では取引状況に応じて決まるイオン銀行Myステージに応じて、普通預金金利が年0.001%から最高年0.15%までアップします(いずれも税引前・2019年9月1日現在)。
出典;イオン銀行
GMOあおぞらネット銀行では、GMOクリック証券との連携口座「証券コネクト口座」の利用で、普通預金金利が年0.001%から年0.11%にアップします(いずれも税引前・2019年9月1日現在)。
楽天銀行では、楽天証券との連携口座「マネーブリッジ」の利用で、普通預金金利が年0.02%から年0.10%にアップします(いずれも税引前・2019年9月1日現在)。
東京スター銀行では、給与振込口座に指定することで普通預金金利が年0.001%から年0.10%にアップします(いずれも税引前・2019年9月1日現在)。
SBJ銀行では、公的年金の受取口座に指定することで普通預金金利が年0.02%から年0.20%にアップします(いずれも税引前・2019年9月1日現在)。
あおぞら銀行BANK支店を利用すれば普通預金金利で年0.20%。定期預金には途中引き出しのペナルティがあることを考えると、金利が年0.20%を下回る定期預金のメリットは小さいと言えます。
*普通預金は金利が随時変動するのに対し、定期預金は預入期間中の金利が固定されます。そのため預入期間中に普通預金金利の引下げがあると、金利が年0.20%を下回る定期預金が有利になる可能性はあります。
定期預金を利用するならどの銀行を選べばいいのか。ここからは金利年0.20%以上の条件を満たす定期預金を取り扱う銀行をピックアップしてご紹介します。
普通預金で業界トップ水準を誇るあおぞら銀行のBANK支店。預入期間は6ヶ月、1年、3年、5年の定期預金を扱っており、預入期間1年とした場合に最も高い金利(年0.25%)が適用されます。それ以外の預入期間では普通預金金利のほうが高くなっています。
6ヶ月 | 年0.15% |
---|---|
1年 | 年0.25% |
3年 | 年0.15% |
5年 | 年0.15% |
オリックス銀行はローン商品や信託商品など貸出や運用に強みのあるネット銀行で、高金利の定期預金を提供しています。運用に特化した銀行であり、キャッシュカードは発行されず、入出金は振込・振替によってのみ可能です。
2週間定期預金 | 2週間 | 年0.10% |
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eダイレクト定期預金 | 6ヶ月 | 年0.15% |
1年 | 年0.20% | |
2年 | 年0.25% | |
3年 | 年0.30% | |
5年 | 年0.35% |
SBJ銀行は韓国大手銀行「新韓銀行」の日本法人として2009年に設立された銀行です。外資系銀行ですが日本法人として国内に本店があるため預金保険制度の対象となっています。
定期預金の金利水準は高く、ATM利用手数料や振込手数料の無料回数が多いのが特徴です。
1週間預金 | 1週間 | 年0.10% | |
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定期預金 | 1ヶ月 | 年0.05% | |
3ヶ月 | 年0.05% | ||
6ヶ月 | 年0.05% | ||
1年 | 年0.15% | ||
2年 | 通常金利 | 年0.20% | |
(特別金利) | (新規口座開設者対象)年0.40% (既存顧客対象)年0.35% |
||
3年 | 年0.20% | ||
5年 | 通常金利 | 年0.25% | |
(特別金利) | (新規口座開設者対象)年0.50% |
*SBJ銀行では特別金利キャンペーンを行っており、2019年12月30日入金分までを対象に預入期間2年と5年(新規口座開設者のみ)の定期預金に特別金利が適用されます。
SBJ銀行には1人1口座100万円を上限に、通常の定期預金よりも高い金利が適用される「100万円上限定期預金(通称:ミリオくん)」という商品もあります。
金利以外は通常の定期預金と変わらないため、預入期間1年または2年、100万円までの預け入れであれば「ミリオくん」を利用するのが有利です。
ミリオくん | 1年 | 年0.20% |
---|---|---|
ミリオくん2 | 2年 | 年0.25% |
ネット銀行に負けない高金利の定期預金を扱っている地銀や信金も多くあります。地銀や信金は通常利用できる地域が限られますが、インターネット支店のある地銀・信金であれば全国どこに住んでいても利用できます。
1人100万円までの金利が優遇される1年もの定期預金です。
金利トッピング定期預金 | 1年 | 年0.20% |
---|---|---|
2年 | 年0.20% | |
3年 | 年0.21% | |
5年 | 年0.22% | |
超金利トッピング定期預金 | 1年 | 年0.27% |
1人100万円までの金利が優遇される1年もの定期預金です。
四国八十八カ所支店定期預金 | 300万円未満 | 300万円以上 | ||
---|---|---|---|---|
通常 | 改元記念特別金利 | |||
6カ月 | 年0.20% | 年0.20% | 年0.20% | |
1年 | 年0.20% | 年0.20% | 年0.25% | |
2年 | 年0.20% | 年0.20% | 年0.25% | |
3年 | 年0.20% | 年0.20% | 年0.25% | |
4年 | 年0.10% | 年0.10% | 年0.15% | |
5年 | 年0.10% | 年0.10% | 年0.15% | |
100万円限定だんだん定期預金 | 1年 | 年0.27% |
1人100万円まで金利が優遇される1年もの定期預金です。
スターマイン定期預金 | 1年 | 年0.20% |
---|---|---|
2年 | 年0.20% | |
3年 | 年0.20% | |
正三尺玉定期預金 | 1年 | 年0.25% |
ネットプラス | 3カ月 | 年0.15% |
---|---|---|
6カ月 | 年0.20% | |
1年 | 年0.25% | |
3年 | 年0.25% | |
5年 | 年0.25% |
ウル虎支店専用定期預金 | 1年 | 年0.25% |
---|---|---|
3年 | 年0.25% | |
5年 | 年0.25% |
定期預金金利よりも普通預金金利が高いケースや預入期間の短いほうが金利が高くなるケースなど、実際に商品を比較すると定期預金の一般的なイメージとは異なるケースも少なくありません。より有利な条件の固定概念にとらわれず、さまざまな銀行、商品を比較して選ぶことが大切です。