- サラリーマンや初心者におすすめの運用方法は「投資信託の積立投資」。
- 投資信託の積立投資では長期保有しやすい「インデックスファンド」を選ぶ。
- 株価が暴落する場面でも積み立てを続けることが大切。
- 税制メリットがある「つみたてNISA」や「iDeCo」をうまく活用する。
公開日:2020年9月29日
平均寿命が延びたことで、老後の生活費をどのように確保するかが課題になっています。2019年には「老後2000万円問題」が話題になり、投資に関心を持つ個人が増えました。低金利の預貯金だけで資産を増やすのは難しいため、投資にも取り組む必要があります。
しかし、仕事が忙しいサラリーマンの場合、投資にかけられる時間はそれほど多くありません。サラリーマンが投資で成功するには、どのような運用方法を選べばよいのでしょうか。今回は、サラリーマンや初心者におすすめの運用方法について詳しく解説します。
目次
サラリーマンが投資で成功するための考え方は以下3つです。
それぞれ確認していきましょう。
本業があるサラリーマンの場合、投資を始めることで仕事に支障が出ないように注意しましょう。たとえば、投資銘柄の株価が気になって、仕事中にスマホで株価をチェックしてしまうようなケースです。
投資によって仕事に集中できなくなると、ミスを連発して会社からの評価が下がり、最悪の場合は仕事を続けられなくなるかもしれません。まずは収入が上がるように本業に集中し、仕事が終わった後の時間や休日を利用して投資を始めましょう。
「投資」という言葉を聞くと、儲かりそうな銘柄を探したり、常に株価をチェックしたりするイメージを持つかもしれません。しかし、個人の資産運用では、それほど時間や手間をかけなくても無理なく資産を増やせる方法があります。
サラリーマンとして本業に集中できるように、簡単にできる投資方法を選ぶことが大切です。
個人の資産運用では、時間をかけて資産を増やしていくことも重要なポイントです。短期間の値動きに注目して売買を繰り返すような投資方法は、うまくいけば資産を増やせるかもしれませんが、大きく損をするリスクも高くなります。
大切なお金を運用するのであれば、すぐに結果を求めず、時間をかけてじっくり資産を増やしていくことが大切です。
個人が資産を増やすには、具体的にどんな運用方法を選べばよいのでしょうか。ここでは、サラリーマンや初心者におすすめの運用方法を紹介します。
サラリーマンや初心者の方におすすめの運用方法は、投資信託の積立投資です。投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を一つにまとめ、専門家が株式や債券などで運用を行う金融商品です。その運用成果は、投資金額に応じて投資家に分配される仕組みになっています。
投資信託は、少額から国内外の資産に分散投資できるのが特徴です。毎月一定額を購入する積立投資にも対応しているので、積立貯金と同じような感覚で投資を始められます。保有中は「信託報酬」と呼ばれるコストが運用資産から日々差し引かれ、中には購入時手数料がかかるファンドもあります。
投資信託には、大きく以下の2種類があります。
それぞれの特徴について説明します。
インデックスファンドとは、特定の指数(日経平均株価など)と連動するように運用される投資信託です。基準価額が目標とする指数と同じように変動するため、投資成果がわかりやすいのが特徴です。
たとえば、日経平均株価のインデックスファンドであれば、日経平均株価が上がるとファンドの基準価額も上がり、日経平均株価が下がると基準価額も下がる仕組みになっています。
また、信託報酬などの運用コストが低いため、長期保有しやすいのもメリットです。投資信託の積立投資に取り組むなら、インデックスファンドがおすすめです。
アクティブファンドとは、市場平均を上回る投資成果を目指して運用される投資信託です。ファンドマネージャー(運用の専門家)が投資銘柄を選定し、銘柄の入れ替えなども行いながら運用を行います。
アクティブファンドは運用がうまくいけば大きな利益を得られますが、運用がうまくいく保証はなく、投資成果がインデックスファンドを下回ることもあります。
また、インデックスファンドに比べると信託報酬が高く、購入時手数料がかかるファンドも多いため、長期保有には向きません。
ここでは、投資信託の積立投資のメリットについて詳しく説明します。
「まとまったお金がないと投資を始められない」と思っているかもしれませんが、投資信託の積立投資なら月1,000円程度から始められます。一部のネット証券では、月100円から積み立てることも可能です。
まずは試しに少額から始めてみて、慣れてきたら少しずつ積立金額を増やしていくとよいでしょう。
投資信託の積立投資は、証券口座を開設して積み立ての設定をすれば、あとは証券会社が毎月自動で購入してくれます。投資銘柄を細かく分析したり、投資戦略や購入タイミングを考えたりする必要はありません。
やり方がとても簡単なので、忙しいサラリーマンや投資経験がない方でも長く続けやすい投資方法です。
投資信託を活用すれば、国内外の株式・債券などに分散投資が可能です。
たとえば、1つの会社に投資をする場合、その会社の株価が下がると大きく損をしてしまいます。しかし、複数の銘柄に分散投資をすれば、1つの会社に投資するよりもリスクを下げられます。
「全世界株式型」「バランス型」といった投資信託なら、1本で世界中の株式・債券などに分散投資できます。
投資は元本保証ではないので、必ず利益が出るわけではありません。しかし、金融庁の資料によれば、資産や地域を分散した積立投資を長期間続けると、結果的に元本割れの可能性が低くなることがわかっています。
投資信託の積立投資では、短期の値動きに一喜一憂せず、長期間積み立てを続けることが大切です。
複利効果とは、運用で得た利益を元本に組み込むことで資産の増え方が大きくなる効果のことです。
たとえば、元本100万円で利回り5%の場合、1年目には5万円(100万円×5%)の利益を得られます。何もしなければ2年目に得られる利益は5万円のままですが、1年目の利益5万円を元本に組み込めば、2年目に得られる利益は5.25万円(105万円×5%)に増えます。
このように、投資信託の運用で得た利益を再投資して元本に組み入れていくと、長く運用するほど複利効果によって資産は大きく増えていきます。
投資信託の積立投資には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットや注意点もあります。
投資信託の積立投資は、投資先を分散した積み立てを長く続けることで資産を増やす運用方法です。そのため、短期間で資産を増やすのは難しいでしょう。
どうしても短期間で資産を増やしたい場合は、ほかの運用方法を検討するしかありません。ただし、その場合はハイリスク・ハイリターンの投資を選択するしかなく、大きく損をする可能性があります。
投資信託の積立投資に取り組んでいると、株価が暴落して一時的に資産が大きく目減りする可能性があります。直近では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、世界的に株価が値下がりする場面がありました(以下は日経平均株価のチャート)。
出典:ヤフーファイナンス
しかし、一時的には元本割れしても、積み立てを長く続けることで元本割れする可能性は低くなりますし、複利効果も期待できます。投資信託の積立投資では、株価が暴落しても解約せずに積み立てを続けることが大切です。
投資で得た利益には通常約20%の税金がかかるので、利益がそのまま手元に残るわけではありません。しかし、以下の制度を利用すれば、投資信託の積立投資で得た利益が非課税になります。
ここでは、サラリーマンが投資で利用したい制度を2つ紹介します。
つみたてNISAとは、2018年にスタートした個人の資産形成を支援するための制度です。つみたてNISA口座で投資信託の積立投資を行うと、年40万円(20年間で最大800万円)の投資まで非課税で運用できます。
つみたてNISAの対象商品は、金融庁が長期の積立投資に適した投資信託を厳選しているため、初心者でも安心して投資できるのも魅力です。これから投資を始めるのであれば、まずはつみたてNISAを検討するとよいでしょう。
iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)とは、自分で掛金を払って運用を行う年金制度のことです。「非課税で運用できる」「掛金が所得控除になる」「受取時も所得控除が適用される」など、つみたてNISAよりも税制面で優遇されています。
iDeCoの掛金の拠出限度額は、職業や勤務先の状況によって異なります。たとえば、自営業者は月額6.8万円、会社員は企業年金の加入状況に応じて月額1.2~2.3万円を拠出できます。
iDeCoは原則60歳になるまで掛金を引き出せないので、手元資金が不足して困ることがないように注意が必要です。
サラリーマンや初心者が投資で成功するには、投資信託の積立投資でコツコツ資産を増やしていくのがおすすめです。資産が増えるまでには時間がかかりますが、手間がかからないので仕事に集中できますし、長く運用するほど元本割れリスクも低くなります。
投資信託の積立投資に取り組む際は、税制メリットがあるつみたてNISAやiDeCoをうまく活用しましょう。
NISAや投資信託など資産運用を始めるには口座を開設する必要があります。銀行や証券など多くでNISAや投資信託などの取扱いがございますが、一番のおすすめはSBI証券です。
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