- 資産運用の方法は「貯蓄」と「投資」の2種類。資産をふやすためには投資を行うことが必要。
- 投資信託なら初心者でも簡単に始めることができる。
- 投資信託の資産運用法は「積立投資」「つみたてNISA」「ロボアド」の3つがおすすめ。
公開日:2019年8月17日
投資初心者の方は、「資産運用を始めたいけど、どうすればいいのだろう」「少額から気軽にできる方法はないの? 」といった疑問があると思います。投資や資産運用というと怖いイメージもあります。そこで、初心者が気軽に少額から始められるおすすめの方法を3つご紹介します。まずは、資産運用の定義から確認していきましょう。
将来に向けてお金を準備するために、持っている現金や株、不動産などの資産を管理・運用して増やしていくことを「資産運用」といいます。資産運用の方法には「貯蓄」と「投資」の2種類があります。貯蓄とは、お金を蓄えることで、銀行の預金などです。一方、投資とは利益を見込んでお金を出すことで、株式や投資信託の購入のことです。資産運用を行う場合は、「リターン」と「リスク」について理解しておく必要があります。リターンとリスクの関係について詳しく見ていきましょう。
リターンとは、資産運用を行うことで得られる収益のことです。
リスクとは、「危険」という意味ではなく、「結果が不確実であること」を意味します。具体的には、収益(リターン)の振れ幅のことです。以下の図をご覧ください。
有価証券(株式や債券)の値動きを比較したものです。有価証券Aより、有価証券Bの方が価格の変動幅が大きくなっています。この場合、有価証券Bの方が「リスクが高い」と判断します。
金融商品のリターンとリスクを見てみると、預貯金などリスクの低い金融商品はリターンが低く、株式などリスクの高い金融商品はリターンが高くなる傾向にあります。つまり、リスクとリターンは表裏一体の関係といえます。以下の図をご覧ください。代表的な金融商品(預貯金・債券・投資信託・株式)のリターンとリスクの比較です。
大きな収益(リターン)を期待するとリスクが大きくなり、損失の可能性も増すことになります。それでは、これらの金融商品の中から資産運用を行っていくのは何がいいのでしょうか?
預貯金ではほとんど資金が増えません。資産運用で資金を増やしていくためには、「債券」や「株式」「投資信託」などで投資を行っていく必要があります。
その中で、初心者の方が資産運用を始めるのは「投資信託」がおすすめです。その理由は次の3つです。
株式や債券では、ある程度まとまった資金が必要になります。しかし、投資信託であれば、ネット証券で100円から購入することができます。手軽に始めることができるのが、投資信託の魅力です。
投資の基本は、資金をいくつかの商品や銘柄に分けてリスクを分散させる「分散投資」です。株式や債券で分散投資しようとすると多くの資金が必要になりますが、投資信託は投資家から集めた資金を、まとめて大きな金額で運用するので、様々な資産に分散投資し、リスクを軽減することができます。
個別株投資に必要な知識を個人投資家が学ぶのは大変なことです。企業の業績や売上、今後の見通しなどを分析しなければいけません。また、基本的な経済や金融の知識や、チャートの見方も覚える必要があります。
しかし、投資信託なら運用のプロであるファンドマネージャーに任せることができます。投資信託の種類を選んだら、運用報告書などで組み入れ銘柄やパフォーマンスを確認するだけで済みます。
多くのメリットがある投資信託ですが、株や債券など金融商品で運用するので、元本保証ではありません。値下がりするリスクもあるので注意しましょう。そこで、初心者やリスクを軽減させたい投資家におすすめの運用方法をご案内していきます。
初心者は資産運用をどのように始めればいいのか迷うと思います。特に、日中働いているサラリーマンの方などは、時間も限られています。そこで、投資信託を利用したおすすめの資産運用法を3つご案内します。
まずは、投資信託の積立投資です。積立投資とは、一定期間(毎月など)ごとに決まった金額の投資信託を購入していくことです。例えば、投資信託を毎月1万ずつ購入していきます。積立投資のメリットは以下の3つです。
投資信託のメリットでも説明しましたが、SBI証券や楽天証券などネット証券大手では、投資信託による積立投資を100円から始めることができます。実際に毎月100円ではほとんど資産は増えませんが、気軽に少額からトライすることができます。
ドルコスト平均法とは、定期的に一定金額の投資信託を購入する方法です。積立投資は、このドルコスト平均法と同じ購入方法になります。投資信託の価額が高値の時には少ししか買わず、安値のときに多く買うことができます。以下の図をご覧ください。
投資信託を毎月10,000円購入(ドルコスト平均法)と、毎月10,000口購入した場合の比較です。ドルコスト平均法では、基準価額(投資信託の値段)が20,000円の時に5,000口、15,000円の時に6,647口など、高くなるほど少ない口数を購入します。一方、基準価額が8,000円の時は12,500口、5,000円の時は20,000口など多く購入していることがわかります。
平均買付価額は、ドルコスト平均法で9,230円、毎月10,000口購入で11,600円となります。このようにドルコスト平均法で購入すると、平均買付金額を低くすることができます。
投資信託の積立投資なら、毎月の金額や買付日、買付銘柄を設定しておけば、後は口座に資金を用意しておくだけで、自動で買付けをしてくれます。わざわざ自分で毎月購入する必要はないので、忙しい方でも無理なく資産運用を続けることができます。
投資信託を始めるには口座を開設する必要があります。銀行や証券など多くで投資信託の取扱いがございますが、一番のおすすめはSBI証券です。業界屈指の格安手数料や、豊富なサービス・商品ラインナップを誇るネット証券業界最大手です。
投資信託については以下記事で詳しく説明していますのでよろしければご覧下さい。
このように様々なメリットがある積立投資ですが、さらにつみたてNISAを利用することで、税金を減らすこともできます。つみたてNISAの制度について確認しましょう。
出典:金融庁
つみたてNISAの対象は投資信託です。金融庁が「長期・積立・分散」に適した約160本の投資信託を厳選しています。年間40万円までの投資金額に対して値上がり益や分配金に税金がかかりません。そして、非課税期間は20年なので、最大800万円分(40万円×20年)の非課税投資枠となります(下図)。
出典:金融庁
毎年40万円が上限なので、毎月約33,000円まで積立投資をすることができます。約33,000円まではつみたてNISAで、上限を超える分は通常の投資信託で積立投資を行っていくことで、効率的な資産運用を行うことができます。
積立NISAを行う際にもSBI証券がおすすめです。口座開設ナンバー1で手数料水準も低く、初心者でも使いやすい金融機関です。
しかし、積立投資もつみたてNISAも銘柄を自分で選ぶ必要があります。「銘柄選びから資産配分まで、すべて自動でできるサービスはないだろうか? 」というニーズを満たすのが、ロボアドバイザー(ロボアド)です。
ロボアドはいくつかの簡単な質問(収入や年齢など)に答えるだけで、最適な資産配分(ポートフォリオ)を決定してくれて、商品の購入から調整(リバランス)までおまかせで運用することができます。
多くのサービスがありますが、「ウェルスナビ」と「THEO(テオ)」の2社が有名です。
ウェルスナビとテオの投資対象は、「海外ETF」です。ETFとは、証券取引所に上場している投資信託で、取引時間中はいつでも、リアルタイムで取引することができます。
ロボアドは、厳選された海外ETFの中から、投資家に最も適した銘柄を自動で購入してくれます。さらに、ウエルスナビは10万円、テオでは1万円から投資を始めることができます。
「資産運用に手間をかけたくない」「投資対象をおまかせでお願いしたい」と考える投資家には、ロボアドが最適です。
最後に、ご紹介した金融商品の比較表を掲載しておきます。資産運用を始める際の参考にしてください。
積立投資 | つみたてNISA | ロボアド | |
---|---|---|---|
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 1万円 |
購入手数料 | 0〜3% | ノーロード(手数料ゼロ)が多い | なし |
運用手数料用(信託報酬) | 0.2%〜2% | 0.2%〜1% | 1% |
銘柄数 | 約2000銘柄 | 約160銘柄 | 10〜30銘柄 |
税金 | 課税 | 非課税(上限年間40万円) | 課税 |
今回は、初心者でも低資金から資産運用できる方法として、
の3種類をご紹介してきました。積立投資は、幅広い銘柄の中から自分で選んで投資できます。また、つみたてNISAでは、金融庁が厳選した約160の投資信託から銘柄を選択し、値上がり益や分配金が非課税というメリットがあります。
ただ、それぞれ自分で銘柄を選ばなければならないので、手間をかけたくない、資産配分を決めてほしい、と考える投資家にとってはロボアドが最適です。次回は、ロボアドの詳しい内容と、おすすめのロボアドバイザーをご案内します。