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妊婦健診費用は平均どれくらい?助成制度の活用方法や助成額も合わせてご紹介

妊婦健診費用は平均どれくらい?助成制度の活用方法や助成額も合わせてご紹介

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岡崎 隆宏

岡崎 隆宏

社会保険労務士、1級FP技能士、CFP

社会保険労務士・1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP®。 1児の父親として育児に携わりながら、妻の妊娠・出産に立ち会う中で、妊娠・出産における社会保障制度についてどうあるべきかについて真剣に考える。 現在は、社会保障とお金の関係について講演やブログで情報を発信することで、一人でも多くの人にお金と社会保障について正しい認識を持ってもらうための活動を行っている。 得意分野は「妊産婦等の社会保障制度」「年金」「ワークライフバランス」「家計見直し」など。

この記事のポイント

  • 妊婦検診の費用は平均10万円程(費用助成前の総額)
  • 妊婦検診の費用助成を受けることが出来る対象者は、医療機関等で妊娠が確認された女性
  • 自分が住んでいる自治体の役場にて妊娠届出書を提出すると妊婦健診補助券が貰え、妊婦健診を受診する際に提出することで費用が助成される
  • 妊婦健診の費用助成額は都道府県によって、大きな差が出ている
  • 妊婦健診の助成制度を活用後の自己負担額はトータルで平均約58,000円

この記事は約5分で読めます。

子どもが欲しいと考えている人が知っておかなければならないことが多い中、一番気にするところとしては「お金がどれくらいかかるか?」だと思われます。

妊娠が判明してから最初に大きなお金が発生するところは「妊婦検診」です。妊婦検診の費用は、お住いの市町村などから費用助成が行われるところもありますが、どれくらいかかるのか、具体的にどのような補助を行われるのか、手続きはどのような流れで行われるのか?といったことを正しく把握しておくことが必要となります。

今回は、妊婦検診の費用負担額、助成制度の具体的な内容・助成額・申請手続きの流れについて説明していきます。

 

助成制度を使用せず、妊婦検診を受診した場合の費用平均額は?

妊婦検診の費用は、1回あたり平均で約5,000円といわれています。この費用は、妊婦検診の助成制度を使用しないで、妊婦検診を受診した場合に実費として支払う費用の平均額になります。

妊婦検診の回数は、自治体にもよりますが「妊娠から出産までの間に14~16回」行われますので、全ての妊婦検診を、実費で行った場合には、妊婦検診の費用は平均で約7万~8万円はかかるということになります。

また、妊娠に関する「初診費用」や「妊婦検診以外の検査費用」などについては、保険の適用対象外となるため、実費で支払わなければならないため、約2~3万円くらいは、別で発生する可能性があることを覚えておいてください。

 

妊婦検診の受診頻度

妊婦健診の受診頻度は、妊娠何週目かによって回数が異なります。具体的な目安については、厚生労働省からも出ており、それによると、標準的な妊婦検診の回数は14回とされています。

 

具体的な受診頻度

  • 妊娠初期から妊娠23週まで:4週間に1回
  • 妊娠24週から35週まで:2週間に1回
  • 妊娠35週以降:1週間に1回

 

主な妊婦健診の健診費用の目安

妊婦健診の費用は、健診の内容によって費用が異なりますが、おおよその目安は以下のとおりとなります。なお、妊婦健診の費用は、保険対象外となりますので、注意が必要です。

  • 初診:5,000円~10,000円
  • 2回目以降:5,000円~8,000円
  • 健診費用総額:7万円~15万円

 

妊婦健診の内容

妊婦健診では、以下のような健診の内容を行っています。

 

1.問診

医師から体調の変化などについて質問されます。

 

2.腹囲・子宮底長測定

腹囲や子宮底長について測定します。

 

3.浮腫(むくみ)検査

足のすねや甲を指で押してチェックします。多少、むくみがあったとしても血圧が正常であれば問題ないといわれます。

 

4.超音波検査

妊娠初期は腟から、中期はおなかの上にプローブをあてて子宮内の様子を観察します。胎児の位置(頭位・逆子なのか等)、発育、形態、羊水量、胎盤位置などを確認します。

 

5.血液検査

初期は血液型、貧血、風疹抗体の有無、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV(エイズ)、トキソプラズマ抗体、不規則抗体、T型白血病(ATL)などを中心に検査が行われます。中期、後期については貧血検査が中心となっています。

 

6.内診

経腟超音波が一般的になり、初期の内診は少なくなりました。後期は子宮口の状態、児の下降などをチェックします。

 

7.説明

一通り検査が終わった後に、問題がないようであれば「問題ありません」と言われますが、気になることがあれば、この時に質問をすることになります。

 

妊婦検診の助成制度とは?

妊婦検診額は高額となるため、都道府県の公費負担によって助成金が賄われております。公費負担は都道府県によって、大きな差がでています。

 

都道府県別の妊婦健康診査の公費負担額

以下は厚生労働省が発表している都道府県別妊婦健康診査の公費負担額です。(平成28年4月1日時点)

厚生労働省 妊婦健康診査の公費負担の状況にかかる調査結果

こちらの資料を見ると、妊婦1人当たりの公費負担額の全国平均は102,097円。最も公費負担の多いところは岐阜県で119,570円、最も公費負担が少ないところは神奈川県で69,644円です。

 

妊婦健診の助成制度を活用後の自己負担額

たまひよnet「先輩ママデータ」の調査よると、妊婦健診の助成制度を活用後の自己負担額はトータルで平均約58,000円になるということです。

参照:たまひよnet / 妊娠初期 / 妊娠・出産 お金の話

 

妊婦検診の費用助成制度の対象者と申請時期・申請に必要なもの

妊婦検診の費用助成を受けることが出来る対象者は、医療機関等で妊娠が確認された女性です。医療機関等で妊娠が確認された女性は、自分が住んでいる自治体の役場にて、妊娠届出書を提出します。

妊娠届出書を提出すると、母子手帳妊婦健診補助券が役所からもらえ、母子手帳と一緒にもらうことができる妊婦健診補助券を妊婦健診を受診する際に出すことで、妊婦健診を(一部の検診内容については)無料で受診することができます。

ただし、妊婦健診の内容によっては、補助券の対象とならない検査があり、それについては自費で受診をする必要が出てきます。

 

具体的な妊婦健診の費用の助成方法

妊婦健診補助券

妊婦検診の費用が結構かかることが分かった上で、具体的な妊婦健診の費用の補助についてはどのように行われているのか?というところが気になるところだと思います。

お住まいの自治体によって、助成の内容が異なる部分はありますが、最も一般的なものとして「妊婦健診の補助券」があります。妊婦健診の補助券は、妊娠届出書を市町村の役場に提出した際に、役場の方から母子手帳と一緒に渡されるものです。

 

補助券についての注意点

妊婦健診の費用を補助するための補助券については、気をつけなければならないポイントとして、以下のものがあります。

 

①再発行は行われません

補助券は母子手帳に綴られているものであるため、紛失等をしてしまった場合であっても、再発行は行われませんのでご注意ください。

 

②引越しをした際は、引っ越し前に住んでいた自治体の補助券は利用できません

妊産婦健診の補助券は、住んでいる自治体ごとに費用補助ができる内容が異なっているため、新しい自治体に引越しをした場合は、原則として、従来住んでいた自治体の補助券は利用できません。そのため、引越しをして新しい自治体へと住居が変わった場合は、自治体に補助券の交換の手続きを行う必要があります

なお、隣接する市や区に引越しをした場合については、同じ補助券を使うことができることがありますが、引越し先の自治体に直接、利用できるかの確認をするといいでしょう。

 

③里帰り出産を考えている場合

里帰り出産を考えている人についても、引越しをした場合と同様に、里帰り出産をする自治体へ補助券の交換の手続きをする必要がありますので、注意が必要です。

また、里帰り出産をした場合については、里帰り中に受診した妊婦健診の費用の領収書を、現在住んでいる自治体へ提出することで、受診等の費用の一部を助成してもらうことができることがあります。

 

医療費控除もチェック

医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間において、本人や配偶者をはじめ生計を同一にしている家族の医療費を支払った場合で、支払った医療費が一定額を超えるときに受けられる税金の軽減制度です。妊婦健診費用も医療費控除の対象になりますので、適用を受けた場合は還付金を受けれます。詳しくは以下記事をご覧ください。

 

妊婦健診費の助成についてのまとめ

妊婦健診の費用は保険対象外となるため、妊娠中の女性にとっては、経済的負担が大きいため、自治体が行っている妊婦健診の費用助成の制度を活用することで、少しでも経済的な負担を軽減することが狙いとなります。また、自治体によって費用の補助額に幅があったり、補助の対象となる検査の範囲が異なることもありますので、住んでいる自治体への確認をしっかりと行うようにして下さい。

妊婦健診は約10カ月という期間に14回~16回の妊婦健診を受診するため、その費用もかなり高額となりますが、補助券を活用することで、妊婦検診の費用の一部の負担を軽減することが出来ます。それでも、妊婦検診以外の検査(必要に応じて行う医学的検査など)を受診すると、全額自費負担(保険適用外であるため)となりますので、それなりの費用は発生するものと考えておく必要があります。

里帰り出産等を行うことを考えている人は、補助券の交換が必要になるなど、やらなければならないことが増えるため、事前に自治体に相談をするなど、相当の準備をすることが大切です。

 

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