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「少額短期保険」の魅力と賢い活用法とは?これから妊娠・出産を考える人必見!

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岡崎 隆宏

岡崎 隆宏

社会保険労務士・1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP®。 1児の父親として育児に携わりながら、妻の妊娠・出産に立ち会う中で、妊娠・出産における社会保障制度についてどうあるべきかについて真剣に考える。 現在は、社会保障とお金の関係について講演やブログで情報を発信することで、一人でも多くの人にお金と社会保障について正しい認識を持ってもらうための活動を行っている。 得意分野は「妊産婦等の社会保障制度」「年金」「ワークライフバランス」「家計見直し」など。

少額短期保険とは、2006年4月の保険業法の改正によって新たに誕生した保険制度です。少額短期保険の特徴としては、従来の生命保険などと比べると保険期間が短く、低い保険料で加入する事が可能です。

そのため、妊娠から出産までの約1年間程をピンポイントで保障を手厚くしたいと思う人にとっては、この少額短期保険は魅力的なものと考えられます。

今回は、少額短期保険とはどのような保険であるかについて、特徴・保障内容などを分かりやすく説明していきます。

 

少額短期保険の特徴

少額短期保険は、名前の通り「保険料が少額」「保険期間が短期である」という特徴があり、少額短期保険の種類としては、ペット保険、入院に特化した保険、女性特有の病気に特化した保険などがあります。

 

少額短期保険の主な特徴

  • 生命保険・損害保険・共済制度とは、全く別の保険の分類とされている
  • 保険期間は最長で1年間(損害保険の場合は2年間)
  • 保険金額は最大で1,000万円
  • 少額短期保険販売業者でなければ取り扱うことができない(生保・損保の登録業者であっても販売業者登録をしなければ、扱うことができない)

少額短期保険は、少額短期保険業者の登録業者がまだ少ないため、保険商品の種類はまだまだ少ないところではありますが、女性特有の病気に対する保障など、ニーズの高い内容についての商品は充実しているともいえます。

 

生命保険や損害保険と少額短期保険の違い

生命保険、損害保険と少額短期保険は、内容としては重なる部分がありますが、実際には似て非なるものと考える必要があります。その根拠として、生命保険会社や損害保険会社は「生命保険商品、又は、損害保険商品のみを取り扱うことができる」のに対して、少額短期保険業者は「生命保険・損害保険のいずれの内容の商品も扱うことができる」という点で大きく異なるところです。

そのため、生命保険会社や損害保険会社の保険商品は「長期、かつ、保障を充実」という性格の商品が多い為、保険料も割高になることがありますが、少額短期保険業者の保険商品は「短期、かつ、最低限度の保証」という性格の商品が多いため、保険料の負担も少なく済むといえます。

 

共済と少額短期保険の違い

共済も保険料が安いという点で少額短期保険と同じですが、共済と少額短期保険の決定的な違いは、共済は「加入するために組合員にならなければならない」ということです。

共済は、もともと「非営利団体の事業が行っている保険制度」ですので、その団体に加入している人の保障を加入している全ての人で助け合う仕組みとなっているため、その共済を運営している団体(JAや都道府県民共済など)に組合員として加入することで保障を受けることができるようになります。

これに対して、少額短期保険業者は民間の会社や業者が経営していますので、組合などを組織して活動をしているわけではないため、加入するも止めるも自由にできます。

 

少額短期保険の種類

生命保険や損害保険ではカバーできない、もしくは、補償範囲としては少額・小規模のもので保障をしてほしいものについては、少額短期保険が行う保険の範囲となるため、その種類や内容も様々なものがあります。具体的に少額短期保険にはどのようなものがあるかを、保障対象や目的別に分けて説明します。

  • 家財保障・賠償保障:賃貸住宅入居者用 家財保険・賠償責任保険など
  • 医療保障:糖尿病患者向け医療保険、高齢者向け保険、知的障害者向け保険、女性特有疾病保障など
  • ペット保障:ペットの通院・入院・手術、葬祭費など
  • その他:地震費用保険、レスキュー費用保険、弔慰見舞金保障、お天気保険など

 

少額短期保険のメリット・デメリット

少額短期保険は様々な種類がありますが、加入を検討するするうえで注意しなければならないメリット・デメリットがあります。

 

少額短期保険のメリット

少額短期保険のメリットには、以下のようなものがあります。

 

①保険料が比較的少額なものが多く、最低限度の保障の準備をすることが可能

少額短期保険は、保険料が生命保険や損害保険に比べると少額のものが多いため、最低限度の保障の準備を考えている人が加入を考えるうえで重要な要素といえます。また、最長で1年(損害保険は2年)と比較的短期間の保証となるため、ピンポイントの期間で必要な分だけ保障の準備を考えることも可能といえます。

 

②種類が豊富で、必要に応じた保障を付けることが出来る

少額短期保険は、先ほど述べたように種類が多岐にわたり豊富にあり、中には、生命保険や損害保険では取り扱っていないような内容の保障の保険商品があります。そのため、生命保険や損害保険の保障内容を補完する形で加入することもできます。

 

生命保険では、加入することが出来ない人でも加入することが出来る場合がある

生命保険では、持病がある等(例えば、高齢者、持病を持っている人、過去5年以内にガンなどの病気で大きな手術をした人など)で加入が難しい、もしくは、加入を断られてしまった人であっても、少額短期保険では、そういった人たち向けの保険商品があります。

 

少額短期保険のデメリット

少額短期保険のデメリットとしては、以下のようなものがあげられます。

 

①保険料が生命保険料控除の対象にならない

生命保険の保険料は「生命保険料控除」の対象となる保険料として、所得税の計算上、所得控除(税金が課税される金額から控除することが出来る金額のこと)とされますが、少額短期保険の保険料については、この「生命保険料控除」の対象とならない保険料です。

 

②生命保険会社よりも会社が倒産するリスクがある

少額短期保険を取り扱う保険会社は、生命保険や損害保険を取り扱う保険会社に比べると、小さな規模の会社が多いです。そのため、生命保険会社や損害保険会社に比べると、会社が倒産するリスクが高くなります。

さらに、保険会社が倒産してしまった場合は、生命保険や損害保険の場合は、「生命保険(損害保険)契約者保護機構」によって保障(破綻時点の責任準備金(契約者に対して保険金を確実に支払うために、保険会社が積み立てている準備金のこと)の90%までを保障する。)が行われますが、少額短期保険の場合は、この保障制度がありません。

 

これから少額短期保険に加入を考えるうえで注意すべきポイント

これから少額短期保険に加入を考えている人が注意すべきポイントとしては、以下の通りになります。

  • 現在加入している保険の内容を見直す
  • 将来のライフイベントにおいて、必要な保障がどのようなものなのかを整理する

現在加入している保険の内容がどのような保障内容かを把握したうえで、補償の範囲外となっている部分の保障を少額短期保険でカバーすることで備えることが大切です。

その上で、今後のライフイベントにおいて、必要な保障はどのようなものなのかについて事前に把握しておくことで、今後のリスクに備えるために必要な少額短期保険の準備をすることが出来ます。

 

まとめ

少額短期保険は、生命保険や損害保険とは別の種類の保険ですが、短期間の保証で、かつ、少額で加入することが出来るものが多いため、組み合わせによっては、さらに手厚い保障を準備することが出来ます。

生命保険や損害保険でも同じような保障の保険商品の取り扱いをしていることがあるため、現在加入している保険が、いつ、どのような状態になったときに補償の対象になるのかなど、加入している保険の内容を今一度見直すとともに、その保険の保障がカバーできないところに備えることで、将来的なリスクに備えることが大切です。

これから妊娠・出産を考えている人であれば、妊娠中の所得補償や妊娠中の病気などに対して保障されない部分のカバーをどのように準備すればよいかなどについて、今一度、見直すきっかけに少額短期保険を活用してみるといいかもしれません。

 

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