- 仮想通貨とは、特定の国による価値の保証がなく、暗号化されたデジタル通貨。
- 仮想通貨の取引は取引所方式がおすすめ。
- 24時間365日取引でき、少額から取引可能。
- 仮想通貨取引所を選ぶときはセキュリティと取引量に注意する。
公開日:2020年3月26日
仮想通貨の歴史は浅く、代表格のビットコインも2009年に誕生したばかりです。しかし、現在の仮想通貨は1,500種類以上あるといわれており、その種類も増え続けています。
2017年にはビットコインの価格が11万7,353円の安値から157円万まで13倍以上も値上がりしたことが話題になりましたが、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)の中には数百倍にも値上がりした通貨があります。
今回は、トレード対象として人気が高い仮想通貨の仕組みについて解説します。
仮想通貨とは紙幣や硬貨といった実体がない「価値を持ったデジタルデータ」で、主に次の2つの特徴があります。
米ドルや日本円などのように、国がその価値を保証している通貨を「法定通貨」といい、貨幣や紙幣など目に見える形で存在します。
そして、米ドルは「FRB(米連邦準備理事会)」、日本円は「日本銀行(日銀)」といった中央銀行が通貨発行の役割を担っています。また、日常の買い物や商取引の決済などの支払いにおいて、受け取りを拒否できない強制力が法定通貨にはあるのです。
一方、仮想通貨は特定の国によって一定の価値が裏付けられるのではなく、インターネット上でやりとりされる「電子データ」にすぎず、物理的な実体はありません。
しかし、仮想通貨は、米ドルや日本円などの法定通貨でおこなう「決済・送金・融資」などができます。また、法定通貨とも交換できることが、仮想通貨の経済的価値の土台になっています。
仮想通貨が通貨や資産として認められつつある背景として、暗号化技術があります。
ハッシュ関数(入力した値に対して、まったく別の値が出力されるという暗号方式)や、公開鍵暗号(誰でもデータを暗号化したり、復号したりして元のデータを得ることができる方式)などの暗号化技術により、仮想通貨の偽造や二重払いといった問題を回避できるように設計されているからです。
また、暗号化技術をブロックチェーンに適用することで、データの信憑性を高めています。ブロックチェーンは仮想通貨の中核をなす技術で、日本語では「分散型台帳」と訳されます。
仮想通貨を使った「送金」や「決済」などの記録を「ブロック」と呼ばれる単位で記録し、「チェーン(鎖)」につなげていきます。
これらの作業は、インターネット上で世界中のコンピューターに分散されているので、誰かがデータを書き換えて不正しようとしても、ほかのコンピューターによって阻止されるので、改ざんはほぼ不可能といわれているのです。
ですから、ブロックチェーンは非常に安全性が高く、取引の記録も公開されているので透明性が高いという特徴があるのです。
仮想通貨は、仮想通貨取引所で手に入れることができます。仮想通貨取引所には、大きく分けて次の2つがあります。
販売所は、その名のとおり、仮想通貨を販売しているところです。仮想通貨取引所が提示している価格で、自分が購入したい数だけ仮想通貨を購入できるというメリットがあります。
ただし、販売所では仮想通貨取引所に手数料を支払うことになるので、取引を繰り返して利益を上げるトレーディングには不向きです。
取引所形式では、その仮想通貨取引所に口座を開設している人同士で仮想通貨の売買をおこないます。つまり、買いたい人と売りたい人が集まって、マッチングをおこなうやり方です。
取引所形式の場合、売却したい投資家がいなければ仮想通貨を購入することはできませんが、販売所に比べて手数料を抑えています。ですから、利益を最大化するためには、手数料が安い取引所形式での取引がおすすめです。
仮想通貨はマイナーなものも含めると1,500種類以上もあるので、「どの通貨を選べばいいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。初心者は仮想通貨の中で人気があり、将来も期待されている次の3つの通貨から始めるようにしましょう。
ビットコインは、もっとも最初にできた仮想通貨です。2009年に「サトシ・ナカモト」なる人物がインターネットコミュニティに投稿した論文を元に、有志による開発が進められました。
仮想通貨でもっとも人気があり、流動性が高い通貨なので、投資する際も安定した取引をすることができます。仮想通貨といえば、ビットコインを思い浮かべる人も多いでしょう。
イーサリアムはビットコインの次に時価総額が高くて有名な仮想通貨。初リリースは2015年7月と、ビットコインより歴史は浅いものの、「スマートコントラスト」というビットコインにはなかった新しい機能がついています。
スマートコントラストとは「賢い契約」のことで、第三者機関が介入しないでも、ブロックチェーンの記録だけで契約書から債務履行までを勝手におこなってくれることです。
さまざまなアプリケーションをイーサリアム上で開発できるというプラットフォームの役割を担っており、非常に将来性が高い仮想通貨といえるでしょう。
リップルは、リップル社というアメリカの企業によって開発された仮想通貨。海外送金のコストやスピードを改善するために開発されました。これまでの海外送金は、送金に2~3営業日かかり、送金手数料も数千円かかっていました。
しかし、リップルを使えば、手数料が数十円・数秒で送金が完了します。三菱UFJフィナンシャル・グループなど多くの金融機関と提携していて、将来の実用化に向けて着々と準備が進んでいる仮想通貨です。
仮想通貨の価格は日々動いています。仮想通貨取引所では、仮想通貨を買った額と売った額の差額が利益になったり損失になったりします。たとえば、1BTC(ビットコイン)を100万円で買ったとします。ビットコイン価格が110万円になったところで売却すれば10万円の利益になります。
逆に90万円まで下がったところで売ると10万円の損失になります。つまり、株式などほかの投資商品と同じように、仮想通貨で儲けるためには安いときに買って、高くなったら売るのが大原則です。
しかし、現時点の仮想通貨の価格が安いのか高いのかは誰にもわかりません。仮想通貨の変動要因にはいろいろありますが、もっとも大きいのは「需要と供給」。つまり、仮想通貨を欲しい人が多ければ価格は上昇し、欲しい人が減れば価格は下がるのです。
ただ、需要を考えるときに注意したいのは、日本の需要だけで価格が変動するとは限らないことです。仮想通貨は世界中で取引されているので、日本で人気がなくなっても、海外で仮想通貨に対する需要が高まれば、仮想通貨の価格は上昇するのです。
それでは、実際に仮想通貨の取引の仕組みについて見ていきましょう。
仮想通貨は数百円程度の少額から購入できます。まとまった資金がなくても始められるので、最初は練習のつもりで少額から取引してみても良いでしょう。
たとえば、2020年3月17日時点のビットコインのレートは、1BTC=582,044円です。仮想通貨は最低購入単位が細かく設定されているので、0.001BTCの取引所であれば、約582円で取引できます。
株式取引は通常100株単位で取引されています。日本を代表する企業であるトヨタ自動車の株価は6,360円(2020年3月17日)なので、最低でも63万6,000円の資金が必要になります。
また、通貨を取引するFXでは、最低取引単位を1,000通貨にしているFX業者が通常です。米ドル円のレートを110円とすると、11万円が必要です(レバレッジをかけない場合)。
このように、仮想通貨は非常に少額で取引できるので、これまでまとまった資金が必要な株式やFXに手を出せないでいた人でも気軽に投資を始められるのです。
仮想通貨は、取引時間の面でも株式やFXに比べて優れています。仮想通貨は株式やFXと違い、24時間365日取引できるからです。
株式の一部では夜間取引が可能ですが、基本的には証券取引所が開いている日中(平日9時~11時30分、12時30分~15時)しか取引できません。株価を見ながら取引したいと思っても、仕事をしている人は思い通りに取引できません。
また、FXは平日なら24時間取引できますが、週末は為替市場が休みになるので取引できません。しかし、仮想通貨なら24時間365日取引できるので(仮想通貨取引所のメンテナンス時間を除く)、仕事から帰ってきた夜や土日の休みなど、自分のペースで取引できます。
もちろん仮想通貨にもリスクがあります。次に挙げるリスクをしっかりと把握した上で、仮想通貨投資を始めるようにしましょう。
ボラティリティとは、価格変動率のことです。値動きの大きさは仮想通貨の魅力ですが、メリットが大きい反面、大きな損失を出してしまうリスクがあるのです。価格変動を考えるとき、株やFXはファンダメンタルズの影響を受けますが、仮想通貨にはそれがありません。
ファンダメンタルズとは、経済の基礎的条件のことで、株式なら企業の売上や利益、FXなら国の経済成長率や物価上昇率などがこれにあたります。
たとえば株式なら企業の決算などによって株価が動きますし、FXであればアメリカの雇用統計など、大きな値動きをするタイミングはある程度決まっています。
しかし、仮想通貨にはこれらにあたる指標がないので、変動要因を予測することが難しく、突然数十%以上の暴落や暴騰をすることもあるのです。
取引所リスクとは、仮想通貨取引所の倒産によって資産を失うリスクのことです。悪意のあるハッカーによる攻撃や、経営不振などによって取引所が破綻してしまう可能性があります。
しかし、仮想通貨取引所は信託銀行にお金を預ける「信託保全」が義務化されていないので、資産が戻ってくるかは各仮想通貨取引所によって対応が異なります。自身の資産を守るためには、セキュリティが強固で財務体質が良い仮想通貨取引所を選ぶ必要があるのです。
仮想通貨の税制は株やFXに比べるとまだきちんと整備されていません。日本では仮想通貨で取引した利益に対して最高45%の所得税、一律10%の住民税がかかります。
また、仮想通貨の利益は「総合課税」という扱いになるので、会社の給料などほかの所得と合算した金額で計算する必要があるのです。
一方、株式投資やFXでは申告分離課税となり、会社の給料などほかの所得と分けて計算できます。さらに税率は、一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)。仮想通貨は、株式やFXに比べて税制面で不利で、確定申告時の計算も大変なのです。
仮想通貨を取引するには、仮想通貨取引所に口座を開く必要があります。それでは仮想通貨取引所はどのようにして選べば良いのでしょうか。仮想通貨取引所を選ぶ上で見るべきポイントを確認していきましょう。
仮想通貨の取引には、まず口座開設が必要です。そのためには、仮想通貨取引所を選ぶ必要があります。ただ、仮想通貨取引所をひとつに絞る必要はなく、複数の仮想通貨取引所に口座を開いても問題ありません。仮想通貨取引所を選ぶポイントは、以下の4つです。
ひとつの取引所で、さまざまな種類の仮想通貨を取引できた方が、利益を稼ぐチャンスが増えます。仮想通貨取引所のサイトで、どの仮想通貨が取引できるのか確認しておきましょう。とくに、自分が取引したい仮想通貨に対応しているかを、必ずチェックするようにしてください。
セキュリティは、もっとも重要な要素です。ハッカーの攻撃や不正アクセスなどを防ぎ、顧客の資産やシステムそのものの安全性を保てる仮想通貨取引所を選ぶことが大切です。
仮想通貨は国が管理していないので、盗難被害遭っても自己責任になってしまいます。しかし、仮想通貨取引所の中には保険会社などと連携して盗難に遭った場合の盗難補償をおこなっている取引所もあります。
万が一の時でも資金を失わないよう、補償サービスがある取引所を使えば、安心して仮想通貨の取引ができるのです。
仮想通貨取引所の取引量が多いほど注文決済が通りやすく、損をするリスクは少なくなります。取引量が少ないと、売りたいときに売れない、買いたいときに買えないという流動性リスクが高まるからです。
取引を円滑に進めたいのであれば、取引量が多い仮想通貨取引所を選ぶようにしましょう。
手数料は取引所ごとに異なるので、必ずチェックしておきたいポイント。取引手数料だけではなく、入出金やビットコインの送金手数料などがかかることもあります。各取引所のサイトなどで確認するようにしましょう。
また、スプレッドにも注意しなければいけません。スプレッドとは、仮想通貨の売値と買値の差のことです。仮想通貨取引所は、スプレットを明確に公表していないので、「見えない手数料」ともいわれています。
スプレッドが大きいと余計なコストがかかるので、できるだけスプレッドが小さい仮想通貨取引所を選ぶようにしましょう。
今回は仮想通貨の仕組みやメリット・デメリットについて解説しました。数百円と少額から始められ、24時間365日取引できる仮想通貨は、トレード対象として魅力です。ただし、流動性やセキュリティに注意する必要があります。
きちんとした仮想通貨取引所を選び、少額から投資を始めるなどして、リスクを抑えた取引を心掛けるようにしましょう。
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