- 損保ジャパンの自転車保険は保険料が破格。
- 自転車保険の義務化が始まっているので、早めに加入しておく。
- 交通安全協会にも同時に加入できる。
公開日:2020年4月13日
今回の解説は自転車保険についてですが、損保ジャパン日本興亜(以下損保ジャパン)より販売されている自転車保険を深堀していこうと思います。
どの保険会社の商品が良いのかなど選択に悩んでいる方や、損保ジャパンを選ぼうかとしている方は、是非今回の解説を参考にして頂ければと思います。
目次
はじめに会社の評判から解説していきますね。損保ジャパンはどんな会社でどんな評判なんでしょうか?
損保ジャパンは代理店を中心に販売網を展開し、今では業界大手の損害保険会社へと成長しています。これほどまでに大きくなった理由は、「合併」という事で2つの会社が1つになる事を選択してきたためです。
日本興亜損保と合併する事によって単体での損害保険会社としては日本国内最大となりました。
では損保ジャパンの評判はどうなのか?という事ですが、この評判に関しては賛否分かれる事になります。というのも、私自身が損保ジャパンに加入していないので、実際に確かめる術がありません。調べるとしてもネットやSNSでの口コミを参考にするしかありません。
事故対応が悪いと言ってSNSに書き込む方もいらっしゃいます。結果悪い事はあっという間に拡散されてしまう事になります。じゃあ損保ジャパンの対応は悪いんだねという結論には至りません。
何故なら、逆の良い事、対応の良かった事はSNSやネットにはアップされる事がほとんどないからです。これでは参考になりません。フェアじゃないというのが私の見解です。
この損保ジャパンに限った事ではなく他社も含め、悪い事ほどネットやSNSに書かれており、逆の良かった事は書かれることが少ないようです。
では評判について何も分からないという事になりますが、1つだけ言える事は、業界内でも大手の損害保険会社であり、お客様がいるから今があるという事です。
損保会社が補償を販売していますので、契約内容に沿った形であればちゃんと補償される事は言えますが、対応の担当者の言葉遣いや対応、態度など均一化されていないのは他社含め同じです。加入するのであればご自身で判断のモノサシを持っておく事が重要でしょう。
次に損保ジャパン取扱いの自転車保険「サイクル安心保険」について解説していきます。気になる補償内容や金額、自転車保険で最も重要な個人賠償の補償額など細かく解説していきますね。
サイクル安心保険は自転車に特化した保険で、任意加入となります。自転車保険という事ですので、会社への通勤、学校への通学時の補償はもちろん、日常生活内での自転車運転での事故やケガも対象になります。そして主な特徴として「自転車会員に加入」がセットになっているところです。
自転車会員とは、「一般財団法人全日本交通安全協会」が運営していて自転車を利用している方が加入できる会となっています。交通安全協会と言えば、免許証の更新などで声を掛けられる事で思い出す方が多いかもしれませんね。交通事故を防ぐ事を目的として普及活動を展開しています。
加入した時のメリットとして、地元の割引クーポンを貰えたり、協会によっては事故で入院したとき20日以上の入院であれば3万円の見舞金が出たりしますが、あまり知られていない事が多いようです。
自動車から始まった交通安全協会ですが、今では自転車に乗る方へ普及を開始しており、損保ジャパンのサイクル安心保険に加入すると同時に加入する事ができます。
自転車保険は任意加入です。自動車保険の自賠責のように強制加入ではありません。自動車は自賠責に入っておかなければ運行する事はできません。しかし自転車は自賠責がなく、またその性質上他人に危害を加える可能性がある乗り物です。
自転車事故で非常に高額な賠償金が命じられた判決もあり、国内最高額では約9,600万円もの賠償金支払い命令が判決として出されています。約1億円もの金額負担は誰もが想像できません。しかし、人の命を奪ってしまう事、後遺症を遺してしまう事だってあるわけです。
そこで各自治体では自転車に乗る方が増えた今、自転車保険に加入義務を課す事にしたわけです。交通安全協会としても加害者になった方が被害者へしっかりと補償できるように普及に努めている訳ですね。
2020年4月現在での自転車保険義務化の自治体がこちらになります。また、加入に関して強制でなく努力義務とする自治体、全く不問とする自治体と様々です。まずは皆さんがお住いの県がどの様な対応をしているのか確認してみて下さい。
加入が義務となっている自治体 | 加入を努力義務としている自治体 |
---|---|
宮城県仙台市、石川県金沢市、愛知県名古屋市、 長野県、埼玉県、東京都、神奈川県、静岡県、 滋賀県、奈良県、京都府、大阪府、兵庫県、鹿児島県 |
北海道、千葉県、群馬県、鳥取県、 香川県、徳島県、愛媛県、福岡県、熊本県 |
結論から言えば罰則はありません。これは条例で制定されているレベルで、一人一人加入を確認するのは困難です。
しかし義務化に踏み切っている自治体以外に、努力義務としている自治体は先々義務化を検討しています。義務化にも努力義務にも指定していない自治体でも、先々では義務とする事も考えられるでしょう。
また、考え方として罰則がなければ入る必要はないと考えるのでなく、他人に迷惑をかけてはいけないから入っておくと考える方が良いでしょう。
先程も解説しましたが、賠償金がいくらになるのかは被害者側のケガの程度によるところが大きいです。軽傷で擦り傷などであれば高額になる事はまず考えられません。
しかし判決の出ている事例は頭部骨折や重度の後遺障害、最悪死亡となっています。リスクを軽減したいのであれば加入はしておくべきですね。
ではここからサイクル安心保険の全容について解説をすすめていきますね。
前述しました自転車会員の団体保険でサイクル安心保険に加入する事ができる内容となっています。つまり、保険に入ったから会員になったのではなく、会員になったから保険が付いてきたとお考え下さい。
団体保険のメリットは一般で加入するよりも保険料が安くなります。この制度を利用し会員の自転車保険を安くする事ができるのです。
では保険料や補償内容に関して解説します。こちらをご覧ください。
補償内容 | プランA 賠償のみ |
プランB 個人補償付き |
プランC 家族まで補償 |
||
---|---|---|---|---|---|
賠償責任 | 保険金額1億円+示談交渉サービス付き | ||||
ケガの補償 | 死亡・後遺障害 | 本人 | ― | 1,000万円 | 1,000万円 |
家族 | ― | ― | 750万円 | ||
入院日額 | 本人 | ― | 2,000円 | 3,000円 | |
家族 | ― | ― | 3,000円 | ||
年間保険料 | Web | 1,230円 | 2,650円 | 4,380円 | |
郵送 | 1,430円 | 2,850円 | 4,580円 |
出典:https://www.shougaihoken.info/
損保ジャパンのHPより引用しました補償内容と料金表をまとめたものです。シンプルで分かり易い作りになっています。特徴としては賠償だけでいいのか、ご自身がケガで入院した時も含めるのか、ご家族も含めるのかという3パターンに分かれています。
もし他にケガの補償にご加入しているのであればプランAでいいですし、ご家族も含めるという事であればプランCが良いでしょう。
上記表の掛け金に関してですが、この金額の中に自転車会員の年会費が含まれています。自転車会員の年会費が30円、制度運営費370円となっており合計400円で自転車会員になれます(Web申込の場合。郵送申し込みであれば年会費合計600円となります)。
Web申込のプランAだと実質損害保険料は830円、プランBだと2,250円、プランCは3,980円となり、保険料ベースで考えるとかなり破格でのご提供である事が分かりますね。
ではメリットとデメリットについて解説しますね。まずはメリットから見ていきましょう。
1つ目は1億円もの範囲でカバーしてくれる個人賠償保険です。判決事例にある最高約9,600万円の高額賠償もカバーできますね。
そして嬉しいのは示談交渉サービスが付いているという事です。事故が起きると加害者と被害者に分かれます。自動車事故であればお互いの保険会社同士で話し合う事がほとんどです。
自転車の場合は保険に未加入の事が多いため、相手方との交渉は難航する事もあります。そんなときに代りに交渉してくれる方がいるのはメリットと言えるでしょう。交渉担当はもちろん引受保険会社の社員になりますので、損保ジャパンにお任せできるという事で安心ですね。
2つ目のメリットとして、損害保険料を考えた際に安く保険を掛けることができるということですね。Web申込でプランAであれば年間830円で済みます。月単位で計算すると1ヶ月約70円の計算です。コスパを考えるならかなりお得なメリットと言えそうです。
次にデメリットですが、上記のプラン以外の補償はなく、万が一自転車を盗難されてしまったときの補償がありません。補償があるに越したことはないという方にはデメリットと感じてしまうかもしれませんね。
2つ目のデメリットですが、この点は他社と比較しても見劣りする部分でしょう。ケガの補償は自転車事故のみというまでは理解できますが、個人賠償に関しても自転車事故のみを対象としています。
他社であれば日常生活における事故も含まれますので、補償範囲が狭い点はデメリットと言えます。この点を確認しておかないと勘違いしてしまうこともありますので、加入の際は十分確認しておきましょう。
今回は損保ジャパンの自転車保険について解説してきました。特徴的な自転車保険である事がお分かり頂けたのではないでしょうか。自転車保険をご検討の方にとってこの記事が比較のお役に立てたなら幸いです。