マネタス

住宅ローン金利は変動・固定どっちがいい?メリット&デメリットをFPが徹底比較!

住宅ローン金利は変動・固定どっちがいい?メリット&デメリットをFPが徹底比較!

カテゴリー:

著者名

逆瀬川 勇造

逆瀬川 勇造

宅建士、FP2級技能士(AFP)、相続管理士

大学卒業後、地方銀行に勤務しリテール業務を担当。その問、不動産会社に転職し住宅営業業務に従事しました。 不動産会社で住宅営業部長を務めた後、金融・不動産を中心としたフリーライターとして独立しました。 個人の資産運用や相続等の記事執筆が得意分野。仕事以外の時間はもっぱら2歳になる息子と遊ぶという生活を送っています。

この記事のポイント

  • 変動金利は金利下降局面だけでなく横ばい曲面にも強い。
  • 固定金利は多少金利が高くとも安心して返済したいという方におすすめ。
  • 変動金利と固定金利のどちらがいいかについては、考え方や資産状況によって異なる。

この記事は約8分で読めます。

住宅ローン金利は、変動金利と固定金利に大きく分けることができますが、住宅ローンの融資を受ける際にどちらを選べばいいか迷う方は多いようです。

本記事では、これから住宅ローンを組むという方や借り換えを検討している方に向けて、変動金利と固定金利それぞれの特徴や違い、メリット・デメリットなどをご紹介していきます。

 

住宅ローンにおける変動金利と固定金利の違い

住宅ローンにおける変動金利と固定金利の違い

住宅ローンには大きく変動金利と固定金利があり、銀行によって金利設定などの違いはあるものの、基本的な内容はどの銀行を利用しても同じです。

 

変動金利

両者の違いを簡単にお伝えすると、変動金利は借入期間中に金利が変動する金利タイプで、金利が変動するリスクがある分、低めの金利水準となっています。

 

固定金利

一方、固定金利とは借入期間中ずっと同じ金利で利用できるもので、金利が変動しないという安心感がある分、変動金利と比べると金利設定は高めです。

次項から、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

変動金利のメリット・デメリット

変動金利のメリット・デメリット

まずは変動金利について、メリット・デメリットなどを見ていきましょう。

 

 

固定期間選択型金利と変動金利

住宅ローンは大きく分類すると2種類とお伝えしていますが、もう少し細かく分類すると「変動金利」と「固定期間選択型金利」、「全期間固定金利」の3種類に分けることができます。

この内、固定期間選択型金利とは「10年固定金利」など、当初設定した期間について金利を固定するというもので、変動金利と全期間固定金利のミックスのようなものです。

この固定期間選択型金利については、固定と名前が付いているものの、実は変動金利の1種と考えたほうが分かりやすいです。

というのも、固定期間選択型金利で当初選択した期間が経過した場合、その時点で再度固定期間を選択するか(金利の再選択)、変動金利に移行するかを選ぶことになります。

こうした制度設計から、固定期間選択型金利は「変動金利の当初〇年間だけ固定する」タイプの金利だと考えるとよいでしょう。

 

変動金利のメリット

変動金利のメリットには以下のようなものがあります。

  • 金利水準が低い
  • 金利が急激に上がっても返済額はすぐには上がらない
  • 金利の下降局面または横ばいのときに有利

それぞれ見ていきましょう。

 

金利水準が低い

変動金利は金利が変動するリスクがある分、金利水準が低くなっています。

なお、変動金利は「金融機関が最優良起業に貸し出す短期の金利レート」を示す短期プライムレートに連動しますが、この短期プライムレートは2009年以降ずっと動いていません。

長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降

このことから、変動金利は長い間ほとんど変動していないのにも関わらず、低い金利で融資を受けることができているといえます。

金利は、経済の原則からすると景気がよくなったときに上昇するもので、将来どうなるかは分かりませんが、一般的な見方では今後しばらくは大きく上昇することはないと考えられます。

ちなみに、一般的な金融機関において変動金利は1%程度であることが多く、住宅ローンの借入から13年間、住宅ローン年末残高の1%分の控除を受けられる住宅ローン控除と組み合わせると、金利を支払うどころか、税金の還付を受けてプラスになるという状況が続いています。

 

金利が急激に上がっても返済額はすぐには上がらない

変動金利は借入期間中、金利が上がると返済額も増えてしまうことになります。ただし、変動金利は「返済額の変更は5年間に1回」かつ、「変更がある場合も前回の返済額から1.25倍までしか増えない」という決まりがあります。

これは、金利の急激な上昇により住宅ローンの返済ができなくなることを防ぐためのものです。仮に金利が急上昇したとしても、返済額の上昇が猶予されている間に次の手立てを考えることができるといえます。

 

金利の下降局面または横ばいのときに有利

先述のとおり、変動金利は金利が変動するリスクがある分、金利水準が低く設定されているため、金利が下がる局面はもちろん、横ばいのときにも有利に働きます。

変動金利が不利になるのは「金利が上昇局面のとき」だけと考えると、固定金利よりも有利なケースのほうが多いといえるでしょう。

 

変動金利のデメリット

一方、変動金利のデメリットには以下のようなものがあります。

  • 固定金利のほうが先に上昇する
  • 金利返済分と元本返済分

それぞれ見ていきます。

 

固定金利のほうが先に上昇する

変動金利は金利の下降局面や横ばいに強く、上昇局面に弱いため、下降局面や横ばいのときには変動金利にしておき、上昇局面になったら固定金利に借り換えすればよいのではないか、と考える人もいるかもしれません。

しかし、原則として固定金利は変動金利より先に金利が変動するとされており、変動金利が上昇し始めたときにはすでに固定金利は上昇してしまっていることが考えられます。

また、固定金利は変動金利よりも頻繁に変動しやすく、固定金利が動き始めた段階で、変動金利から固定金利に上手に借り換えすることはかなり難しいといえるでしょう。

 

金利返済分と元本返済分

先程、変動金利のメリットとして金利が上昇してもローンの返済額の変更は5年に1回で、かつ変更がある際も最大1.25倍までしか増えないことをお伝えしました。

これは確かに安心できるポイントではあるのですが、金利が増えても返済額が増えていない分については、毎月の返済額の内、元本返済分と金利返済分の割合に影響を与えます。

つまり、返済額が増えない分、金利返済分が増えて元本返済分が減ってしまうのです。これにより、住宅ローンを返済しているのに元本の減りが遅くなってしまうリスクがあります。

なお、最終的に住宅ローンの最終返済日まで返済できない元本分がある場合には、そのすべてを最終返済日に支払う必要があります。万が一ではありますが、最終日の返済額が数百万円といった単位になる可能性もあるのです。

 

固定期間選択型金利は金利優遇幅に注意

なお、固定期間選択型金利について注意しておきたいこととして、当初選んだ固定期間選択終了後は、金利優遇幅が小さくなるのが一般的ということが挙げられます

2020年現在、住宅ローンはおおむね1%前後で融資を受けられるようになっていますが、これは「住宅ローンを新規で利用する方向けのキャンペーン金利」であり、実際の店頭金利は2.5%程度に設定されていることが多いです。

つまり、通常は2.5%程度の融資なのに対し、1.5%の金利優遇を受けて1%で融資しているという形です。実は、このキャンペーン金利については、当初固定期間が終了した後の金利の再選択時や変動金利への移行時には「新規融資」ではないため適用されません。

代わりに1%など、キャンペーンによる金利優遇幅より小さな優遇幅が適用されることが多く、仮に金利水準が変わっていなかったとしても適用金利が高くなってしまうことが多いのです。

店頭金利 優遇金利 適用金利
キャンペーン金利 2.50% 1.50% 1.00%
当初固定期間終了後 2.50% 1.00% 1.50%

この点は、特に初めて住宅ローンを利用するという方には分かりづらい部分なので十分に注意が必要です。

 

固定金利のメリット・デメリット

固定金利のメリット・デメリット

続いて、固定金利についてご紹介します。

 

 

固定金利のメリット

固定金利のメリットとしては以下のようなものがあります。

  • 金利変動を気にすることなく生活できる
  • 融資実行時に最終日まで返済額を把握できる
  • 金利の上昇局面に有利

それぞれ見ていきましょう。

 

金利変動を気にすることなく生活できる

変動金利では常に金利変動を気にする必要がある旨をお伝えしました。

一方で、固定金利は融資を受けた後は金利が変動する心配がないため、例えば世界的な大恐慌が起こったときや、その逆に経済バブルが発生したようなときでも、金利を気にすることなく生活できるというメリットがあります。

 

融資実行時に最終日までの返済額を把握できる

全期間固定金利では融資実行日に、初月返済額から最終月の返済額まで把握することができます。これにより、長期間のライフプランニングなど立てやすくなる点もメリットだといえるでしょう。

 

金利の上昇局面に有利

全期間固定金利は金利水準が上昇する局面でも、すでに融資の実行を受けていれば融資実行時の金利で返済し続けることができます。なお、全期間固定金利は「10年国債利回り」に連動します。

こちらは変動金利の指標となる短期プライムレートと比べて変動幅も変動の頻度も大きいですが、全期間固定金利の場合は一度融資を受けた後は金利の動向を負う必要もありません。

 

固定金利のデメリット

一方、固定金利のデメリットとしては、変動金利と比べて金利水準が高いということに尽きるでしょう。このため、金利水準が下降局面にあるときだけでなく、横ばいのときでも変動金利を選択するより損をする結果となってしまいます。

なお、固定金利を選択すると金利の動向を気にしなくてもよい旨をお伝えしましたが、金利の下降局面や横ばいのときは、人によっては「変動金利を選んでおけばもっとお得だった」と悔やんでしまう可能性はあるといえます。

 

変動金利と固定金利を比較するとどっちがいい?

変動金利と固定金利を比較するとどっちがいい?

変動金利と固定金利についてそれぞれのメリット・デメリットをご紹介しましたが、結局のところどちらを選ぶとよいのでしょうか?

 

変動金利と固定金利の差

変動金利と固定金利の差を比較してみると、以下のようにまとめることができるでしょう。

  • 金利:変動金利は金利が低く、固定金利は金利が高い
  • 情勢:変動金利は下降局面・横ばいのときにお得、固定金利は上昇局面でお得
  • リスク:変動金利は変動リスクがあり、固定金利には変動リスクがない

 

結局どちらがおすすめ?

変動金利と固定金利について、どちらがおすすめかについては一概には言えません。住宅ローンを利用する方の考え方や資産状況によっておすすめの金利が変わると言えます。

ここでは、どんな人にどの金利タイプがおすすめなのか、いくつかのケースをご紹介していきたいと思います。

 

すぐに完済できる資産がある人には変動金利がおすすめ

変動金利は金利が上昇したときに負担が大きくなってしまうリスクがあります。そのため、金利が急上昇したときに残債を一括返済できる資産がある人には間違いなくおすすめできるといえます。

「そもそも住宅ローンを完済できる資産があるのであれば、お金を借りる必要がないのではないか」という考え方もあるかもしれません。

ですが、一般的に住宅ローンはマイカーローンや教育ローンなどほかのローンと比較して最も金利が低く、また住宅ローン控除があるため、ほとんど金利負担なしで多額の融資を受けることができます。

手元にお金を残しておくことで何かあったときにすぐに対応できるため、完済できる資産があったとしても住宅ローンを利用するメリットは大きいといえるでしょう。

なお、上記以外でも変動金利は最も低い金利水準ということもあり、住宅ローン実行後も金利の変動を追うことができ、状況に応じて借り換えなど検討できる方にもおすすめだといえます。

 

固定期間終了時に住宅ローンを完済できるなら固定期間選択型金利

次に、上記と同じ理由で、10年固定金利など当初期間経過後に一括返済できるだけの資産があるのであれば、固定期間選択型金利の利用がおすすめです。

特に10年固定の場合、当初13年間について税金の控除を受けられる住宅ローン控除の期間とも近く、「10年後を目処に完済する」という目標を立てやすいといえます。

 

金利を気にせず生活したいという方は全期間固定金利

全期間固定金利を選べば、融資を受けた後は金利が変わらないというメリットがあります。このため融資を受けた後、金利動向を気にしたり、借り換えするか迷ったりしたくないという方には全期間固定金利がおすすめです。

返済額を比較してみると、変動金利と全期間固定金利とでは数千円の差が出ることも多いですが、上記のメリットと比較してどちらが自分に合っているかを判断するとよいでしょう。

 

変動金利・固定金利の住宅ローンに関するまとめ

住宅ローンについて、変動金利と固定金利のそれぞれのメリット・デメリットと、ケース別にどちらがおすすめなのかをお伝えしました。変動金利と固定金利はそれぞれにいい点と悪い点があり、必ずしもどちらがいいということはありません。

本記事でご紹介したとおり、考え方や資産状況などによって、自分にあった金利タイプを選ぶようにするとよいでしょう。

 

複数の金融機関の比較検討で、数百万円単位での節約の可能性も!

住宅ローンを新規検討する際は複数の金融機関を比較することが大切。数百万円単位での節約の可能性もございます。住宅本舗比較サービスは簡単な希望や条件を入力するだけで、80金融機関の中から比較、最大6銀行に一括仮審査申し込みができるのでおすすめです。

人生最大の買い物だからこそ、しっかりと比較検討しましょう。

住宅ローン一括審査申込

 

住宅ローンに関する以下記事もおすすめ☆