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自転車保険の義務化とは?入らないと罰則?2019年最新動向をチェック!

入らないと罰則?《自転車保険の義務化》に関する2019年最新動向をチェック!

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佐藤 元宣

佐藤 元宣

佐藤元宣FP事務所代表CFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士、経理実務士

税理士や社会保険労務士といった士業事務所経験と保険代理店を行った経験などを活かし、生活する上で避けて通れない「お金」の相談に幅広く応じている独立系FP。家計の収支状況と専門性を融合したプランニングを提供しています。

自転車保険の義務化とは、自転車に乗る場合において、あらかじめ自転車保険に加入しておかなければならないことを言います。

ただし、自転車保険の義務化は、平成31年3月現在において、全国共通のルールではなく、お住まいの都道府県や市区町村によって、加入の取り扱いが異なっています。

そこで本記事は、自転車保険の義務化などにおける2019年度のおもな動向やポイントについて紹介をしていきます。

 

【自転車保険加入の義務化①】が全国の自治体で義務化になってきた背景

自転車保険の加入が全国の自治体で義務化になってきた背景

自転車保険の加入が全国の自治体で義務化になってきた背景には、当時小学5年生だった子供が起こした自転車事故によって、被害者が寝たきりになり、これによって、その母親に対して約9,500万円という高額な損害賠償を支払うことを命じた判決が下ったためです。

この判例がきっかけで、自転車事故があった兵庫県では、自転車保険の加入が義務化され、その後、大阪府や名古屋など、大きな自治体でも自転車保険の加入義務化が広がりました。

 

自転車事故によって高額な損害賠償金の支払いが命じられたおもな判例一覧

実のところ、先に紹介した兵庫県の自転車事故よりも前に高額な損害賠償金の支払いが命じられた判例があったのですが、ここでは、自転車事故によって高額な損害賠償金の支払いが命じられたおもな判例一覧を紹介します。

兵庫県の判例は、平成25年のものですが、平成15年、平成19年、平成20年にも自転車事故による高額な損害賠償金の支払いが命じられていることがわかります。

 

【自転車保険加入の義務化②】加入が義務化されているおもな地域

自転車事故を起こした場合、場合によっては、高額な損害賠償の支払いを命じられることがあります。

そのため、被害者の確実な補償確保や加害者の賠償責任をしっかりと果たせるようにするため、自転車保険の加入を義務化している地域もあり、平成31年3月現在におけるおもな義務化地域は以下の通りです。

  • 兵庫県
  • 滋賀県
  • 大阪府
  • 静岡市
  • 鹿児島県
  • 名古屋市
  • 京都府
  • 埼玉県
  • 金沢市
  • 相模原市
  • 仙台市

 

【自転車保険加入の義務化③】加入が努力義務となっているおもな地域

努力義務とは、ざっくり説明しますと、自転車保険に加入するように努めなければならないといった意味であり、加入義務のように自転車保険に加入しなければならないといったことではありません。

そのため、自転車保険の加入が強制されているわけではありませんが、平成31年3月現在において、自転車保険の加入が努力義務となっているおもな地域は以下の通りです。

  • 北海道
  • 群馬県
  • 千葉県
  • 東京都
  • 鳥取県
  • 徳島県
  • 香川県
  • 愛媛県
  • 福岡県
  • 熊本県

 

【自転車保険加入の義務化④】条例が制定されている場合、入らないと罰則はある?

自転車保険の条例が制定されている場合、入らないと罰則はある?

自転車保険の加入が義務化されているおもな地域と努力義務になっているおもな地域について紹介しましたが、自転車保険の条例が制定されている場合、必ず入らないと罰則はあるのか気になる方も多いと思います。

こちらの疑問につきましては、埼玉県のWEBサイトにわかりやすい回答がありましたので引用して紹介しておきます。

自転車保険は、加入義務や努力義務の地域でも、加入しなかったことによる罰則がないことがわかります。

 

 

未成年の子供が起こす自転車事故の懸念とリスク

自転車保険は、加入義務や努力義務の地域に住んでいたとしても、自転車保険に加入しなかったことによる罰則がありません。

しかしながら、そもそもの問題点として、ご自身だけではなく、自転車をおもに活用する未成年の子供が自転車事故を起こしたことによって、相手方に損害を与えた場合、監督義務者である親が賠償責任を被る部分にあります。

未成年の子供だからといって、賠償金額が少なくなるといったことはないわけです。

 

自転車保険は強制加入の地域に住んでいなくても加入検討する

兵庫県の判例のように、仮に、未成年の子供が起こした自転車事故によって、私たち親が高額の損害賠償を負わなければならないことになった場合、当人だけではなく、周りの家族の人生は破綻すると言っても過言ではありません。

未成年の子供が、判例でこのようなことがあったと理解することは、当然に難しいわけでありますから、監督義務者にあたる親が、万が一のリスクヘッジ対策として自転車保険の加入を検討する必要があります。

 

【自転車保険加入の義務化⑤】自転車保険の保険料はどのくらいかかるのか

自転車保険の保険料は、選んだ保険会社や補償内容によって保険料に違いはあるものの、最低限準備しておきたい賠償責任補償のみであれば、とても保険料が安くなっています。

上記は、損保ジャパン日本興亜の自転車保険の例ですが、これまで紹介した裁判例を見た時に、高額な賠償責任さえ何とか保険で補償されればと感じている親御さんもおそらく多いと思います。

このような考えの方であれば、プランA(ネット契約で年間保険料1,230円)で足りるため、お守り料金として十分割り切れる保険料なのではないでしょうか?

 

その他の保険に加入している方は、念のため補償の重複確認を

前項で紹介した保険料プランの図(赤枠で囲った部分)にもありますように、仮に、個人賠償責任保険などに加入している方は、念のため、自転車保険と補償の重複になっていないか確認して下さい。

仮に、個人賠償責任保険に加入しており、自転車事故の補償についても補償対象である場合は、保険の重複による無駄な保険料支出を抑えられます。

ポイントは、自転車事故が補償対象になるかどうかを必ず確認しておくところです。

 

ケガの補償も重複確認を

自転車事故によってケガをした場合は、加入している医療保険や都道府県民共済などで補償される場合も十分考えられます。

特に、小さな子供を持つ親御さんの中には、共済金が安価な都道府県民共済に加入している世帯も多い傾向にあるため、加入している生命保険や共済と補償が重複していないかどうかを確認しておくことも大切と言えます。

自転車事故で保険金などが支払われるかどうかの確認を忘れないようにするのがポイントです。

 

【自転車保険加入の義務化⑥】保険会社間で比較検討して選ぶことが大切

自転車保険も保険会社間で比較検討して選ぶことが大切

自転車保険を選ぶ際は、生命保険や自動車保険のように、現在加入している他の補償との重複確認をした上で、保険会社間で比較検討して選ぶことが大切です。

当然のことながら、補償に厚みが増すほど保険料の負担が増加することになりますが、補償の重複確認と保険会社間の比較を行うことで、無駄な自転車保険料を削減できることは確かです。

 

【自転車保険加入の義務化⑦】自転車保険の必要性は、お住いの地域や環境によっても変化

自転車保険の必要性は、お住いの地域や環境によっても変化します。

たとえば、任意加入で、かつ、雪国の地域や人口が少ない地域などは、関東地方や近畿地方の人口の多い地域と比べると、自転車保険の必要性に差が生じることは確かです。

ただし、全国的に自転車保険の加入条例が広がっていることを踏まえますと、お住いの地域では、いつから条例が新たに制定される予定があるのか、調べてみるのも良いかもしれません。

 

自転車保険の義務化に関するまとめ

自転車事故における高額賠償金の判例を見ますと、とても他人事ではないと感じられた方も多いと思います。

現状、自転車保険の義務化地域、努力義務の地域、任意加入の地域が混在しているものの、どの地区にお住まいであったとしても、自転車保険の必要性は共通しています。

自転車保険料は、決して高いものではありませんので、安心への備えとして、特に、子育て世帯の方々は、一度、よく検討されてみることが望ましいと感じます。

 

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