- まず養老保険の概要を知ってから加入を検討しよう。
- 全国の郵便局で手続き可能なかんぽ生命は利便性が高い。
- 保険料が比較的安いJA共済は継続しやすい。
- 保険会社の健全性や信頼度で日本生命もランクイン。
- FWD富士生命は更新可能なところがメリット
公開日:2020年5月12日
養老保険は、かつては貯蓄性の高い生命保険商品として人気でした。しかし、現在では低金利の影響から、以前ほど原資が増える商品ではなくなったため、人気は低迷しています。このことから、養老保険の販売を取りやめた保険会社もあります。
とはいえ、現在でも約11社の保険会社が養老保険を販売しており、ニーズ自体はあるということです。
今回は、最新の養老保険おすすめランキングとして、4社を比較しながらご紹介します。養老保険の商品解説も併せて紹介していきますので、どうぞ参考になさってください。
養老保険とは、簡単にいうと「生命保険と貯蓄性商品のいいトコどり」の商品です。
養老保険に加入していれば、死亡保障も持つことができて万が一のときは遺族にお金を遺すことができますし、満期まで生存していれば自分でまとまったお金を受け取ることもできます。まさに一石二鳥ともいえます。
ここからはメリットとデメリットに分けて、さらに詳しく解説します。
養老保険のメリットとしてまず挙げられるのは、生命保険と貯蓄がいっぺんにできることです。
養老保険は加入時に満期を設定しますが、その保険期間中に万が一のことがあれば、死亡保障として遺族に死亡保険金が支払われます。満期まで存命である場合は、当初の予定どおりに満期金を受け取ることができます。
デメリットとして挙げられるのは、保険料の高さです。メリットとして「生命保険と貯蓄のいいとこどり」であると紹介しましたが、裏を返せば「生命保険と貯蓄どちらも併せた保険料を払っている」ということです。
つまり、定期保険(死亡保障)として加入するには保険料が割高になってしまいます。貯蓄分と保険料、どちらもいっぺんに払っているので便利な反面、保険として考えるには負担が大きい商品であるといえます。
また、近年販売されている養老保険は利息もほとんど付きませんし、満期が来たら保険契約も消滅します。一般的に、養老保険は満期後の更新はできない仕組みになっています。
養老保険は、保険と貯蓄どちらの側面も持ち合わせていて、一石二鳥で魅力的な商品です。しかし、満期金というまとまった金額を受け取ることで、場合によっては税金が発生します。
もちろん、養老保険の新規加入時には、この税務の話は担当者から受けているはずなのですが、養老保険とは10年超の保険期間を設定することがほとんどであるため、加入時の説明をすっかり忘れていることも少なくありません。
養老保険の税務に関しては、非常に大切なことです。以下、要点をまとめますので参考になさってください。
養老保険の契約者とは、すなわち保険料を負担している方ということです。この保険料を負担している方が、自分の貯蓄を兼ねて養老保険に加入し、満期になったら自分で受け取る場合、その満期金は【一時所得】とみなされ【所得税】の課税対象となります。
課税金額は、以下の計算式で求めます。ちなみに課税対象となる金額を計算して、マイナスまたはゼロなった場合は、課税されないということです。
課税対象金額=(満期金ー既払込保険料総額ー特別控除額50万円)×1/2
契約者と受取人が別の場合の例として、夫が保険料を負担する契約者であり、妻が満期金の受取人とされている場合が挙げられます。この場合、夫のお金で保険料を払って、貯まったお金を妻に贈与するとみなされ【贈与税】の対象となります。
養老保険の場合は保険契約を介してはいますが、自分の資産を他人に渡すのと同じことです。
贈与税の課税対象となる金額は、満期金額から基礎控除額110万円を引いた額です。
養老保険の受け取り方法として、満期時に一括で受け取るだけではありません、保険会社によっては、満期金を一定期間据え置いてよいとしている場合もあり、その据え置いている期間は所定の利息のみ受け取ることになります。
この「利息」についても、実は課税対象となります。こちらは【雑所得】とみなされます。ただし、会社員などご自身で確定申告をされていない方は、年間20万円以下であれば申告しなくてよいことになっています。
それでは早速、実際に現在発売されている養老保険について、人気の4社をランキング形式でご紹介します。なお、今回取り上げる4社は、いずれも円建てで運用しているものです。
近年、外貨建ての養老保険も多く発売されていますが、仕組みが複雑であったり、外貨については少々わかりづらい面があったりしますので、今回は対象から外しています。
また、これはあくまでも筆者のリサーチした結果に基づくランキングであり、特定の商品をすすめるものではありません。あらかじめご了承ください。
おすすめランキングの1位は、かんぽ生命の養老保険「新フリープラン」です。金融庁からの行政処分などもあり、今後の信頼回復が注目されていますが、「養老保険といえばかんぽ」というくらい、養老保険の代名詞として広く世間に認知されています。
おすすめのポイントとして、「新フリープラン」は死亡保険金の設定や、払込期間などの条件別に5種類に分かれているところです。当然、貯金の側面もありながら、より生命保険としてもラインナップ豊かなところが魅力です。
医師による診査は不要で、告知扱いのみで加入できる手軽さもポイントです。また、全国の郵便局で取り扱っているので、どこでも加入でき、どこでも質問できる安心感は心強いですね。
かんぽ生命の養老保険については、こちらの記事にも詳しくまとめていますので、ご一読ください。
2位は、JA共済「養老生命共済」です。かんぽ生命の養老保険とともに、昔から根強い人気があります。特に、祖父母や親が、お子様やお孫様のために掛けてあげる養老保険というイメージも強いですね。
JA共済の「養老生命共済」のおすすめポイントは、ほかの民間生命保険会社の養老保険と加入条件を同じとして試算した場合、保険料が安いということが挙げられます。養老保険は長期間に渡って掛け続けるものですので、保険料の安さは有難いですね。
また、JA共済の養老生命共済では、独自に「中途給付金」という仕組みがあります。これは、満期を待たずに、途中でまとまった金額を受け取ることができるシステムです。
途中のタイミングとしては、加入時に設定することになります。加入後5年ごとに中途給付金をもらえる設定のほか、あらかじめ設定した節目の年齢での中途給付金受け取りも可能です。
通常の養老保険であればただひたすら満期を待つ必要がありますが、JA共済の養老生命共済では、より自在性に富んだ養老保険の設計をすることができます。
JA共済の共済(保険)に加入する際には、保険料とは別に「出資金」として最低1000円は支払わなければいけません。出資金を支払うことで「組合員」になるので、それから各共済(保険)に加入する権利がもらえるというシステムです。
日本生命の主力商品である「みらいのカタチ」は、さまざまな保険商品を組み合わせることで、より顧客のニーズに応えることができる商品です。その中の1つである養老保険は、主契約として据えることもできますし、養老保険単体で加入することもできます。
おすすめ3位に選んだ理由としては、日本生命の安定性と企業の健全性です。冒頭でもご紹介しましたが、いまや円建て養老保険では、各社ほとんど元本割れします。
満期金だけでなく配当金を含めたとしても、せいぜい既払込保険料相当分が戻ってくる程度です。どんなによくても、せいぜい返戻率100%ということです。
では、安心して保険継続できるかどうか、万が一のときの対応はどうなのかなど、ほかの部分で検討した場合、日本生命は保険料収入や保有契約高ではトップを走り続けていることから、信頼のできる保険会社であるといえます。
ちなみに養老保険単体で加入した場合の解約返戻率は、年齢条件などにもよりますが、日本生命ではおおむね90%前後です。特に利率がよいというわけではありませんが、そこまで悪いともいえませんので、ランキング3位としました。
4位はFWD富士生命の養老保険です。FWD富士生命の養老保険のおすすめポイントは、養老保険には珍しく、期間満了の後も希望すれば90歳まで自動更新が可能なところです。
通常、養老保険とは満期が来たら満期金を受け取り、そこで生命保険契約も消滅します。その後の更新ができる保険会社は珍しく、特にこちらのFWD富士生命では、公式ホームページにもトップに掲載されており、更新できることをセールスポイントとしているようです。
肝心の保険料や返戻率ですが、他社とそこまで大きな差はなく、FWG富士生命でもやはり返戻率は100%に届かないものとなっています。
養老保険を販売している4社をランキング形式でご紹介しました。実際にご自身が加入しようとした際、どこをポイントに比較検討したらよいのか、ここからはタイプ別で解説していきます。
加入を検討している方が男性である場合、加入年齢が10代や20代であれば月々の保険料が大きな負担になることは少ないと思いますが、30代を超えると保険料は割高になってきます。
これは一般の生命保険がそうであるということに加え、特に養老保険は保険料が割高になることが多いので、注意が必要です。
すでにご結婚されてご家族をお持ちの男性の方など、なるべく保険料を抑えて養老保険に加入したいと考える場合は、養老保険の掛け金が比較的安いJA共済はいかがでしょうか。まずは、各社の見積もりを取り寄せて比較することをおすすめします。
女性の場合、出産や妊娠という一大イベントを迎える方が多くいらっしゃいます。妊娠出産は病気ではありませんが、その際に万が一健康上の不安を抱えることになってしまった場合に備え、養老保険とは別に、掛け捨てでもよいので医療保険に加入しておくことをおすすめします。
例えば、養老保険を主契約として医療特約を付加していた場合、養老保険の満期を迎えると、もちろん医療特約も同時に消滅します。
保険が消滅した際に、健康であればほかの保険に新規加入も可能ですが、万が一既往症などがあり、加入が容易ではなくなっていたら、保険に加入できないという不安が続くことになってしまいます。
どうしてもほかの医療保険には加入せず、養老保険だけに加入したいと考える場合は、FWD富士生命の養老保険であれば、最大90歳まで自動更新が可能ということですので、検討されてみてはいかがでしょうか。
祖父母が孫に、親が子に養老保険を掛けてあげて、将来のプレゼントにする方もいらっしゃいますよね。
毎月コツコツ掛け続ける楽しみもありますが、まとまった資金のある時に保険料を一括で支払ってしまい(一時払い)、あとは満期の際にお子さんやお孫さんが受け取るだけ、という加入方法も選択できます。
お子さんやお孫さんが将来満期金を受け取る際に、一番便利で手続きが簡単なのは、かんぽ生命の養老保険です。
全国どこの郵便局でも手続きが可能であり、お子さんやお孫さんが大人になって全国どこに住んでいても安心です。この利便性の高さは、かんぽ生命の養老保険の最大のメリットですね。
いかがでしたか。今回は4社の養老保険をランキング形式で紹介しました。同じ養老保険の仕組みであるにも関わらず、各社それぞれの特色があって非常に面白いランキングになったのではないかと思います。
加入の手軽さや、全国の郵便局で簡単に加入・請求ができる安心の「かんぽ生命」、保障性を重視するなら企業の健全性・安定性バッチリの「日本生命」、保険料が安くて継続しやすい「JA共済」、満期後も更新可能な「FWD富士生命」、ご自身のニーズにより近い会社の養老保険を選ぶとよいでしょう。
養老保険は、加入時に設定した満期の時期までコツコツ払い込むことで本領発揮する商品です。ほかの保険に比べて保険料が割高であるので、月の保険料は継続的に支払っても負担にならない額にすることをおすすめします。
途中で解約してしまっては、解約金も少なく、保障もなくなってしまい、デメリットしか残りません。加入検討時には、ぜひその点もご留意ください。
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