- ウェルスナビとテオはロボアドバイザーの2強
- シミュレーション結果や実績は両者ともに高いパフォーマンス
- 人気や資産残高などで選ぶ場合は「ウェルスナビ」、手数料や最低投資額では「テオ」の方が有利
公開日:2019年5月4日
ウェルスナビとTHEO(テオ)は、国内の数あるロボアドバイザーの中でも2強といわれています。いくつかの質問に答えるだけで、ロボアドバイザーが最適な投資対象を決めてくれて、自動で資産運用してくれます。
ただ、サービス内容が似ているので、「どちらのロボアドバイザーにすればいいのだろう?」と迷う人も多いと思います。そこで、今回はウェルスナビとテオの違いを詳しく解説します。
まずは、ウェルスナビとテオの違いをみてみましょう。以下の表をご覧ください。
ウエルスナビ | テオ | |
---|---|---|
サービス開始 | 2016年7月 | 2016年2月 |
運用者数 | 34万口座(2020.10.9時点) | 6.5万人 |
預かり資産 | 3,100億円(2020.11.10時点) | 360億円 |
投資対象 | 海外ETF | ETF |
最低投資金額 | 10万円 | 1万円 |
運用報酬料(※1) | 1%(最小0.9%) | 1%(最小0.65%) |
リバランス | 半年ごと | 月1回 |
自動積立 | 1万円~ | 1万円~ |
(※1)運用手数料は、2社とも3,000万円を超える部分は0.5%。テオの運用報酬料最小0.65%の詳細については、後ほどご説明いたします。
それでは、ウェルスナビとテオの特徴を見ていきましょう。
出典:ウェルスナビ
ウェルスナビは2016年7月にサービスを開始。現在の預かり資産は3,000億円(2020年10月9日時点)、34万口座を突破(2020年10月9日時点)、ロボアドバイザーで1番人気のあるサービスです。最初にいくつかの質問に答えるだけで、最適なポートフォリオ(資産の組み合わせ)から、商品の買付、リバランス(資産の入替)まで自動で行ってくれます。
ウェルスナビの運用方針は、王道とされている「長期・積立・分散」投資です。以下詳しく解説いたします。
ウェルスナビは、画面構成や手数料がシンプルで、わかりやすいというのも人気の秘密です。
出典:テオ
テオは、お金のデザイン社が提供するロボアドバイザーで、2016年2月にサービスを開始。ウェルスナビと同じように世界中の資産に分散投資することにより、リスクを抑えながら安定的なリターンを目指します。
日本は低金利でほとんど利息がつきませんが、グローバル分散投資によって、世界経済の成長を資産形成に取り入れることができます。以下のシミュレーションをご覧ください。
出典:テオ
2007年の世界金融危機直前からテオのポートフォリオを運用したシミュレーションです。リーマンショックなどの金融危機で原本を割り込む期間があるものの、長期的にはプラスの成績がでていて、年平均+8.4%のリターンとなっています。
それでは、ウェルスナビとテオの違いを見ていきましょう。
※両社とも3000万円を超える分は年0.5%
出典:ウェルスナビ
「長期割」は、ウェルスナビを続けた期間と運用金額に応じて、6カ月ごとに手数料の割引が拡大するサービスです。50万円以上なら0.01%、200万円以上なら0.02%ずつ、最大0.90%まで手数料が割引されます。
出典:テオ
テオでは、対象期間最終月の翌々月より3カ月間、カラーに応じた手数料が適用されます(毎月積立をしている場合)。
例えば、対象期間A(4,5,6月)に毎月積立を行い、4~6月の平均預かり金額が26万円だった場合、COLOR(カラー)は「ブルー」が適用され、手数料は0.90%になります。
出典:テオ
「コストを下げたい」という投資家は、「テオ」を利用した方がおトクです。
最低投資金額は、ウェルスナビが10万円、テオが1万円です。テオの方が少額から始められます。
運用者数、運用資産残高はウェルスナビの方が多くなっています。資産残高が多いということは、それだけ人気が高いということです。
ウェルスナビは三井住友銀行、みずほキャピタル、SB I証券などから出資を受けています。一方、テオは新生銀行、NTTドコモ、丸井グループなどから出資を受けています。
ウェルスナビ、テオともに大手企業やベンチャーキャピタルなどから出資を受けているので、サービスへの期待の高さがうかがえます。
テオのポートフォリオ(資産の組み合わせ)は、最大30種類以上のETFから構成されています。ETFとは、株式市場に上場している投資信託です。テオの投資対象は、世界86カ国の国・地域にわたり、最終的な投資対象は11,000銘柄以上になります。
出典:テオ
ウェルスナビはテオと比較するとシンプルで、米国株、日欧株、新興国株、米国債券、物価連動債、金、不動産など7つの資産に投資するETFで構成されています。
ウェルスナビでは、リスク許容度(1~5)に合わせて比率を変えます。例えば、リスク許容度3(リスクが中程度)のポートフォリオは以下の通りです。
出典:ウェルスナビ
投資対象が多ければリターン(収益)が増えるというわけではありませんが、より幅広い銘柄に分散投資した方がリスクを軽減させることができます。
リバランスとは、ポートフォリオにおいて、資産の再配分を行うことをいいます。運用していると、時間の経過とともに相場が変動し、最初に設定した資産配分が変わってきます。そこで、定期的に資産配分の比率を元の計画通りに戻すのです。
ウェルスナビは、原則半年ごと、テオでは月に1回リバランスを行います。個人でリバランスすると、そのたびに手数料がかかりますが、ロボアドは手数料に含まれています。コストや手間を考えると、ロボアドのリバランスサービスは非常におトクです。
ウェルスナビとテオの運用実績を見てみましょう。
出典:ウェルスナビ
ウェルスナビの実績(2016年1月~2019年3月)は、リスク許容度(1~5)に応じて以下のようになっています(円建て)。
リスク許容度は、1が最も低く、5が一番高くなります。リスク許容度に応じて7.5%~18.6%まで安定した結果が得られています(手数料1.08%控除後のパフォーマンス)。
過去25年間の運用パフォーマンスは以下の通りです。(2017年4月時点のシミュレーション)
出典:ウェルスナビ
先ほども見ましたが、テオのシミュレーション結果は以下の通りです。
出典:テオ
運用期間の違いがあるので、ウェルスナビとテオのどちらが優れているかはわかりませんが、両社とも高いパフォーマンスをだしていることが分かります。
最後にウェルスナビとテオのサービス内容の比較を以下にまとめています。
比較結果 | |
---|---|
手数料 | テオの方がおトク |
最低投資額 | テオの方が低い |
運用資産残高 | ウェルスナビの方が多い |
投資対象 | テオの方が多い |
リバランス | テオの方が多い |
運用実績 | シミュレーション結果や実績は両者ともに高いパフォーマンス |
人気や資産残高などで選ぶ場合は「ウェルスナビ」、手数料や最低投資額では「テオ」の方が有利になります。今回紹介した比較を参考に、利用するロボアドバイザーを検討してみてください。