- 不労所得とは労働によらず得られる収入のこと。
- 不労所得を得るには仕組み作りが必要。
- 活用できる資産やスキルが少なくても不労所得を作っていくことは可能。
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日々の生活や人生を充実させるには、自由に使えるお金や時間を増やすことも重要な要素といえます。そのひとつの方法が不労所得を作ることです。ここでは不労所得とは何かをテーマに、これから不労所得を作っていこうという人におすすめの不労所得の作り方をご紹介していきます。
まずは不労所得とはどのようなものなのかを押さえておきましょう。
不労所得(不労収入)とは、労働によらず得られる収入のことをいいます。
とはいえ、相続した不動産や株式などから家賃や配当金が入ってくるようなケースを除き、何もせずに不労所得が得られることはありません。まずは自身で収入が得られる仕組みを作る必要があるのです。
不労所得の場合、どれだけの収入を得られるかはその仕組みによって変わり、方法によっては損失が出る場合もあります。不労所得を得るためにかけた時間や労力に対して、確実に収入が得られるとは限らないのです。
労働の対価として得る勤労所得(勤労収入)は、どれだけ働けばどのくらい収入を得られるかをある程度予想でき、基本的に収入がマイナスになることはありません。不労所得と勤労所得にはこのような違いがあります。
不労所得を得るには主に次のような方法があります。
持っているお金を活用して不労所得を得る代表的な方法としては、金融機関にお金を預けて利子を受け取る「預貯金」があります。
そのほか、人にお金を貸して金利を受け取る方法もあります。ただし、これを継続的に行うには、貸金業者として内閣総理大臣または都道府県知事へ登録しなければなりません。もし無登録で行えば違法となり罰則があります。
最近では、お金を貸したい人とお金を借りたい人をネットを介してつなぐ「ソーシャルレンディング」という方法も登場しています。ソーシャルレンディングは貸金業者である金融機関を介してお金を貸すため、お金を貸す(出資する)本人は貸金業者として登録する必要がありません。
預貯金は金融機関によって元本が保証されています。一方、お金を貸す方法では貸したお金を回収できなくなるリスクをともなうため、預貯金よりも多くの金利を受け取れるのが一般的です。
土地や建物などの不動産を持っていれば、それを人に貸して不労所得(賃貸収入)を得られます。
最近では多くのシェアリングサービスのプラットホームがあり、利用していない家や、自宅の空いているスペース、所有している自動車やブランド品などを気軽に貸し出せるようになっています。
このほか家の軒先などに自動販売機を設置し、売上の一部を受け取るといった方法もあります。
資産を持っていない場合でも、不動産や株式、債権、投資信託などの資産に投資し、運用することで不労所得を得られます。投資では投資資金が多いほど有利です。
たとえば、同じ年3%の配当が受け取れる商品に投資する場合でも、元手(元本)が100万円であれば配当は3万円、元手が1,000万円あれば配当は30万円になります。
給与所得者であれば、まずは本業の収入アップを図り、より多くの投資資金を確保することが不労所得を効率よく増やすことにつながります。まとまった資金がなくても、継続的に買い増していくことで資産は積み上がり、不労所得は増えていきます。
投資には購入する資産に応じてさまざまなリスクがあり、購入した資産の価格が下落すれば損失が出ることもあります。
投資は当面使う予定のない余裕資金で行うことを基本に、生活費や急な出費に備える資金など、近いうちに必要な資金は預貯金のようにすぐに現金化できる安全性の高い商品で保有するのが安心です。
自身でブログや動画、書籍、イラスト、楽曲などのコンテンツを作成して、印税や版権収入といった不労所得を得る方法もあります。自身のブログなどで商品やサービスを紹介し、購入にいたった場合に報酬が得られる「アフィリエイト」という仕組みもあります。
不労所得を作るにはさまざまな方法がありますが、これから不労所得を作っていこうという人におすすめするのは次のような方法です。
現在の低金利ではあまり効率的な方法とはいえませんが、利用しやすく、ほとんどリスクなく不労所得を得られる点はやはり魅力です。生活費や急な出費に備える資金など、安全性と流動性の高さが求められる資金については、預貯金で保有・運用するのが望ましいといえます。
金利は金融機関や商品によって異なるため、利用する金融機関や商品の選択が重要なポイントです。
銀行名 | 普通預金金利(年率・税引前) |
---|---|
あおぞら銀行BANK支店 | 0.20% |
GMOあおぞらネット銀行 | (GMOクリック証券との連携口座利用時) 0.11% (通常) 0.001% |
auじぶん銀行 | (auカブコム証券との口座連携サービス利用時) 0.10% (通常) 0.001% |
東京スター銀行 | (給与振替口座指定時) 0.10% (通常) 0.001% |
楽天銀行 | (楽天証券との連携口座利用時) 0.10% (楽天カード利用金額引落しあり) 0.04% (通常) 0.02% |
SBJ銀行 | (年金受取口座指定時「年金プラスα」) 0.20% (特別金利付与型普通預金「普通預金プラス」) 0.10% (通常) 0.02% |
住信SBIネット銀行 | (SBI証券との連携口座利用時) 0.10% (通常) 0.001% |
各行ホームページをもとに作成(2020年6月時点)
銀行名 | 定期預金金利(年率・税引前) | ||
---|---|---|---|
1年 | 3年 | 5年 | |
あおぞら銀行BANK支店 | 0.20% | 0.15% | 0.15% |
オリックス銀行 | 0.15% | 0.27% | 0.30% |
SBJ銀行 | 0.20% (ミリオくん2) |
0.15% | 0.20% |
各行ホームページをもとに作成(2020年6月時点)
投資信託やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)は、少額から分散投資ができる点が魅力の投資商品です。まとまった資金がなくても無理のない金額から投資を始めることができ、資産を積み上げていくことで不労所得を増やせます。
資金が少なくても投資対象や投資時期を分散しやすく、リスク軽減を図りやすいメリットもあります。
ETFは株式市場に上場している投資信託です。一般的な投資信託に比べて売買手数料や信託報酬などが割安な傾向があるため、同じ対象に投資する場合には有力な選択肢となります。
REITは不動産を投資対象とする投資信託です。実物不動産への投資では、まとまった資金が必要となったり、換金しにくかったりというデメリットがありますが、REITであれば少額から投資でき、取引所に上場しているREITであればすぐに換金できます。
また利益の多くを配当する仕組みとなっているため、安定して比較的高い配当が期待できるのも魅力です。
投資信託は商品によって、運用による収益を毎月分配(配当)するもの、年1回分配するもの、分配を行わないものなどがあります。投資信託では分配金が「不労所得」となりますが、その都度受け取ると複利効果がなくなり、投資効率は低下します。
資産を増やす目的であれば、なるべく配当頻度の少ない商品を選ぶ、あるいは配当を再投資し、お金が必要になったタイミングで必要な分だけ解約するほうが効率的といえます。
分散投資によりリスクは軽減されますが元本保証ではないため、元本割れのリスクがあります。
株式は株の値動きによる利益(キャピタルゲイン)と、配当による利益(インカムゲイン)が期待できる投資商品です。得られる売買益や配当は株の保有額に比例して増えるため、資金力のある人ほど効率よく不労所得を得られます。
同じ年5%の配当を行う企業の株に投資するにしても、100万円分の株を持っている人と1,000万円分の株を持っている人が受け取れる配当は、それぞれ税引後で約4万円と約40万円、10倍の違いがあります。
株価は日々変動しており、購入した株が値下がりして損失が出るリスクがあります。もし投資した企業が倒産すれば投資した資金は戻ってきません。配当も一定ではなく、業績によって引き下げられたり、支払われないこともあります。
株式投資にはこのようなリスクがあると理解した上で、当面使う予定のない余裕資金で行うのが原則です。
資金が特定の銘柄に偏っていると、その企業の業績などにより大きく影響を受けてしまいます。1銘柄への投資額を投資資金全体の5〜10%程度に留めたり、投資する銘柄を分散したりして、リスクの限定や軽減を図ることも大切です。
シェアリングサービスとは、保有する資産を人に貸し出して収益を得る仕組みのことです。すでに持っている資産を活用する場合には、元手が必要なく気軽に始められるのが特徴です。
出典:一般社団法人シェアリングエコノミー協会「シェアリングエコノミー 領域map」
シェアできる資産は、空間(スペース)、モノ、スキルなど多岐にわたりますが、不労所得を得る方法としては、空間(スペース)やモノのシェアということになるでしょう。
空間(スペース)のシェアリングサービスとしては、使っていない家などを宿として貸し出す「民泊」や、自宅などの空きスペースを駐車場として貸し出すものなどがあります。
モノのシェアリングサービスとしては、マイカーや保有しているブランド品などを貸し出すものがあります。
シェアリングサービスでは、貸し出しを行うために利用者とやりとりしたり、部屋の清掃が必要となるものもあります。利用者とのトラブルや貸し出したモノが壊れてしまうこともあるため、保険などの備えも必要です。
不動産賃貸による家賃収入は代表的な不労所得です。まとまったお金がなくても、ローンの審査に通れば手持ち資金以上の物件を購入できるため、資金効率を高めることができ、家賃収入がローンの返済や税金といった支出を上回れば、その分が不労所得になります。
家賃収入から実際にかかった経費と減価償却費を差し引いて利益がマイナスとなった場合、そのマイナス分は給与所得などほかの所得と相殺できるため、節税効果も期待できます。
一方で不動産投資は金額も大きく、空室リスクやすぐに換金できない流動性リスクなどがあります。得られる収益や将来売却する場合の売却価格は、立地などの要素に大きく左右されるため、物件の選択も非常に重要です。
不動産への投資は、維持管理にかかるコストや将来の売却を考慮し、収支計画をしっかりと立てて行う必要があります。
コストを含まない表面利回りを強調したり、実際の収支がマイナスになるにもかかわらず、節税効果によって実質的な利益があるように見せたりして、投資用マンションの購入を勧める業者も少なくありません。
表面的なメリットだけでなく、コストやリスクを十分理解した上で、判断することが大切です。
不労所得にはさまざな種類がありますが、何もせず、すぐ確実に収入が得られるようなものは基本的にありません。自身が持っている資産やスキルなどを活用し、リスクを理解した上で、働かなくても収入が得られる不労所得の仕組みを作る必要があるのです。
収入や資産、スキルの少ない20代の人でも、本業の収入やスキルを高める努力とあわせ、始めやすい方法で不労所得の仕組みを作っていけば、不労所得を増やしていくことは十分可能です。
日々の生活や人生をより豊かなものとするために、不労所得作りを始めてみてはいかがでしょうか。
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