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住宅ローンの借入額の目安はいくら?年収と適正額のベストバランスをFPが解説!

住宅ローンの借入額の目安はいくら?年収と適正額のベストバランスをFPが解説!

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逆瀬川 勇造

逆瀬川 勇造

宅建士、FP2級技能士(AFP)、相続管理士

大学卒業後、地方銀行に勤務しリテール業務を担当。その後、不動産会社に転職し住宅営業業務に従事しました。 不動産会社で住宅営業部長を務めた後、金融・不動産を中心としたフリーライターとして独立しました。 個人の資産運用や相続等の記事執筆が得意分野。仕事以外の時間はもっぱら2歳になる息子と遊ぶという生活を送っています。

この記事のポイント

  • 年収に対する適正額は年収や年齢、家族構成等によって異なる。
  • まずは返済負担率20~25%程度に収めることを目標にしよう。
  • 詳細に検討するときはFPに相談してライフプランニングをしてもらおう。

住宅ローンは35年など数十年に及ぶ返済ということもあり、借入額をいくらにするのか迷うものです。金融機関が住宅ローンでいくら融資してくれるかは年収により決まりますが、実際のところ、年収に対してどのくらいの借入をするのがよいのでしょうか。

本記事では、住宅ローンの借入可能額の計算方法などに触れながら、年収と適正額のベストバランスについてご紹介していきたいと思います。

 

住宅ローンの借入額はいくらくらいがいい?

住宅ローンの借入額はいくらくらいがよい?

住宅ローンを組むと数十年にわたり、毎月返済していくことになりますが、年収に対してどのくらいまで借入してよいものなのでしょうか?

 

借入できる金額を目安にしてはいけない

年収に対していくらまでなら借りてよいかという疑問に対し、明確な答えはありません。これは、生活費や食費など毎月かかる費用がどのくらいかといったことや、貯蓄額など家庭によって大きく異なるからです。

一方、金融機関に審査を申し込むと、「年収○○万円なら□□万円まで借入できる」という借入可能額は明確に計算できることから、この数字を1つの目安とする方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、実際のところ、金融機関の借入可能額を目安にすると負担が大きくなることが多いです。

借入可能額については、あくまでも自分の年収で借りられる最大額でしかないという意識を持ち、住宅ローン借入額の適正額を決める際の目安にしてはいけないということをまずは覚えておくとよいでしょう。

 

住宅ローンの借入可能額の計算

住宅ローンの借入可能額の計算

ここで、住宅ローンの借入可能額の計算方法を見ていきたいと思います。住宅ローンの借入可能額の計算では、返済負担率と審査金利の2つが用いられます。

 

返済負担率とは

返済負担率とは、住宅ローンとそのほかのローンを含めて、年収に対していくら返済しているのかを表すものです。

例えば、年収400万円の方が住宅ローンを借りると、住宅ローンの返済額で8万円/月、自動車ローンなどそのほかのローンで2万円/月返済する場合、返済負担率は以下のように計算されます。

  • {(8万円/月+2万円/月)×12カ月}÷400万円×100(%)=30%

返済負担率については、金融機関ごとに上限が定められており、その上限を超える金額は原則として借入できないこととなっています。

例えば、住宅金融支援機構のフラット35の場合、年収400万円未満の場合で返済負担率の上限は30%、年収400万円以上の場合で返済負担率の上限は35%と定められています。

つまり、上記ケースでは返済負担率35%まで借りられることとなり、借入可能額の基準はクリアすることになります。

 

住宅ローン以外のその他ローンに注意

返済負担率についてポイントとなるのは、住宅ローン以外のローンも対象となることです。自動車ローンやウェディングローン、教育ローンなどを返済中の方は返済負担率の計算に入れる必要がありますし、ほかにも携帯電話の分割費用や奨学金なども対象となります。

これら借入情報については、自己申告ではありますが、審査時には個人信用情報をチェックされるため、申告漏れがあったらばれてしまいます。

なお、そのほかのローンについては、自己資金などで住宅ローン実行時までに完済することができれば、返済負担率の計算から除外できます。

 

審査金利とは

返済負担率の計算上、住宅ローンの返済額を求める際には、住宅ローンの適用金利ではなく、金融機関ごとに定められた審査金利が用いられます。審査金利は金融機関ごとに異なりますが、3%程度で設定されることが多いようです。

例えば、住宅ローンの適用金利が1%で審査金利が3%という金融機関の場合、35年の借入で毎月2万円ほど返済額が異なるのが一般的です。借入可能額の計算上、審査金利は重要なポイントとなります。

 

フラット35の審査金利は住宅ローンの適用金利

住宅金融支援機構のフラット35の場合、審査金利は住宅ローンの適用金利と定められており、このことから民間の金融機関と比べて高い借入可能額としやすくなっています。

フラット35の場合、場合によっては年収の10倍程度を借入できる計算となることもありますが、冒頭でお伝えしたとおり、借入できるからといって満額まで借りてしまうと、返済が厳しくなってしまうことが少なくありません。

 

年収と毎月返済額の適正額は?

年収と毎月返済額の適正額は?

年収に対して、住宅ローンの毎月返済額の適正額はいくらくらいなのでしょうか?

 

 

返済負担率20~25%を目指す

まずは、返済負担率を20~25%に収めることを目指してみましょう。実際には、年収や年齢、家族構成などによって適正額は異なるのですが、目安としてこの辺りを意識しておくと余裕を持った資金計画を組みやすくなります。

例えば、年収400万円の方の場合、返済負担率20%だと年間80万円の支払いで、おおよその毎月返済額は7万円ほどとなります。7万円/月というと、金利1%、借入期間35年の場合で2,500万円程度の借入となる計算です。

 

月々の収入と支払額を把握しよう

上記で借入額の目安について、返済負担率をおおよそ20~25%程度に収めるようお伝えしましたが、実際には年収により税負担や社会保険料などが異なるため、注意が必要です。

上記は目安として考えつつ、実際に借入額を決めるときは、毎月の収入と支出を洗い出して計算してみるようにしましょう。

 

手取り収入の把握

まずは、手取り収入がどのくらいかを把握することから始めます。手取り収入については、預金通帳を見れば毎月の額を把握できるので、まずは確認してみましょう。

 

毎月の費用の把握

次に、食費や水道光熱費、携帯電話などの通信費で、月額いくらの費用がかかっているかを大雑把に書き出し、その合計額を求めます。こうして、手取り収入から毎月の費用を差し引き、そこから住宅ローンの返済額を差し引いたら手元にいくら残るかを求めてみましょう。

実際には、想定外の費用が発生することも少なくないため、この段階ではかなり余裕を持った資金計画を立てることをおすすめします。

 

年齢や家族構成によっても適正額は異なる

年齢

また、年齢や家族構成によっても適正額は異なります。例えば、年齢については、30歳で住宅ローンを組むのと、50歳で住宅ローンを組むのとでは計算が大きく変わってきます。

というのも、住宅ローンの多くは完済時年齢を80歳前後とする必要があり、50歳の借入だと最長でも30年しか借りることができません。また、65歳で定年退職することを考えると、退職後に住宅ローンをどのように支払っていくのかも考えないといけません。

 

家族構成

家族構成については、子どもが何人いて、教育費にどのくらいの費用がかかるかも計算しておく必要があります。とはいえ、ここまで計算するのは一般の人にはなかなか難しいことでしょう。

詳細に計算したければ、FPに相談してライフプランニングをしてもらうことをおすすめします。

 

借入可能額いっぱいの借入でも問題ないという考え方もある

借入可能額いっぱいの借入でも問題ないという考え方もある

一方、借入可能額いっぱいの借入でも問題ないという考え方もあります。

住宅ローンは、一般的にすべてのローンの中で最も金利が低く設定されています。金融機関からすると、住宅ローンを貸すだけでは人件費などを考えると貸すだけ赤字になると考える人もいるほどです。

アベノミクスによる異次元の金融緩和やマイナス金利の導入により金利は下がり続けており、1%以下の金利で借りられることも少なくありません。

 

住宅ローン控除で借りれば借りるほどお得になる?

さらに、政府により、住宅取得を積極的に行ってもらう目的で、住宅ローンを組む際にさまざまな特典を受けられるような制度が設けられています。具体的には、住まい給付金や住宅ローン控除が挙げられますが、ここでは特に住宅ローン控除について取り上げたいと思います。

住宅ローン控除とは、借入してから13年間、住宅ローン年末残高の1%について所得税や住民税から控除を受けられるというものです。

先述のとおり、住宅ローンの金利は1%を切るものも多い中、住宅ローン控除で1%分の還付を受けられるとなると、場合によっては「借りれば借りるほどお得」という状態になるのです。

ただし、住宅ローン控除で受けられるのはあくまでも所得税や住民税に対する控除で、これらはそもそも年収がある程度高く、所得税や住民税を納めていないと還付は受けられません。

サラリーマンの方は、職場から交付される源泉徴収票で納税額を計算できるので、確認してみるとよいでしょう。

 

借りたものは返さないといけない

とはいえ、当たり前ではありますが、住宅ローンで借りたお金は返さないといけません。借りれば借りるだけお得だからといって、例えば無駄に設備にお金をかけるなど、不要な分も借りてしまうのは問題です。

手持ち資金が豊富にある場合に、手持ち資金を手付金として入れるのではなく、手元にお金を残しておくといった使い方ではおすすめできますが、手持ち資金がないのにも関わらず多額の借金をしてしまっては、借入後の生活が厳しくなる可能性が高いです。

金利1%程度に対して、税金の還付で1%受けられるからといって、無駄に融資額を大きくするのではなく、あくまでも収入に対していくら返済していく必要があるのかを、なるべく余裕のある水準で計算しておくようにしましょう。

その際には先述のとおり、1つの目安として、年収に対する返済負担率を20~25%に収められるかどうかを基準にしておくことをおすすめします。

 

住宅ローン借入額の目安に関するまとめ

住宅ローン借入額の目安についてお伝えしました。年収に対していくらまで借りてよいかについては、すべての家庭に当てはまる便利な公式などはありません。

1つの目安として、返済負担率20~25%程度に収めることを目標にするとともに、より詳しくは、収入と支出の把握や、年齢や家族構成を元にしたライフプランニングを作成するなどして計算していくことをおすすめします。その際には、FPなど専門家に相談してみるのも1つの方法です。

 

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