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住宅ローン本審査通過後、融資実行前にやってはいけない事8つ【住宅ローン審査の流れ④】

住宅ローン本審査通過後、融資実行前にやってはいけない事8つ【住宅ローン審査の流れ④】

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田中祐介

田中祐介

住宅ローンアドバイザー、2級ファイナンシャルプランナー

大学卒業後、大手金融機関にて融資業務を担当。その後外資系生命保険会社にスカウトされ転職。 主にライフプランニングを中心に活動。以後、保険代理店へと移籍。移籍後は数多くの企業と提携し 個人向けマネーセミナーを開催中。金融業界で経験した知識、経験を基に「お金」にまつわる幅広い知識を 「いかに分かり易くお伝えするか?」をモットーに日々活動しています。

この記事のポイント

・事前審査、本審査が通ったからといって安心はできない。

・融資実行までに変化が生じると融資出来ない事態になる事もある!

・ハウジングメーカー、工務店の担当者の経験値によりアドバイスがあったり無かったりするので注意を!

今回のお話は住宅ローン本審査を通過し、いよいよ融資!しかし、そこまでに、やってはいけない事をご紹介致します。ひょっとすると、「融資出来ません!」と言われてしまう事もありますので、是非ともチェックしてみて下さいね。

これまで、住宅ローン審査について以下の流れで説明してきました。まだ読まれていない方は、ぜひ①からご覧ください。

 

 

融資実行までにやってはいけない事とは?

まず、やってはいけない事を纏めました。

  1. 退職
  2. 転職
  3. 新規借入が増える
  4. 支払いが遅れる
  5. 法的手続きを行う
  6. 虚偽の申告がばれる
  7. 病気となって団信に入れなくなる
  8. 死亡してしまう

なぜやってはいけないのでしょう。それぞれ理由をお話していきますね。

 

1.退職してはいけない

これは事前審査から本審査と勤務していた会社を退職してしまった場合です。理由は明白ですね。支払い能力が無いと判断されてしまいます。職業選択の自由はあるかもしれませんが、融資実行前に退職は出来る限り避けたい所です。

 

2.転職してはいけない

上記退職よりも問題無さそうではありますが、実際には融資が出来ない事例になります。

事前審査、本審査の書類には今までの勤務実績や年数、年収が記載されていました。しかし、勤務先や年収が変わる事により支払いに関する懸念が出てくる訳です。勤続年数もリセットされ1年未満となりますし、勤務先の規模も場合によっては大手から中小へと変わるかもしれません。また何より年収も以前よりも低くなる可能性も高い。もちろん貰っていないお給料をアバウトに申告しなければなりません。

つまり返済能力に変化が生じた為、実行は難しくなるという理由です。

 

3.新規借入が増える

前回記事でも書きましたが、信用情報に数字の変化があった場合です。これまでの残高が減っていれば何ら問題はありませんが、逆に事前審査、本審査時よりも借入が増加している場合は要注意です。過去に住宅を購入するとご相談のあったお客様ですが、事前審査、本審査は何事も無く通過しました。しかし、次にお会いした際に??あれ?車が変わってる??

代車でも無く、住宅ローン通ったから、車を購入されたとの事でした。購入方法は何とローン!!誰が見ても高級車に入る車両でしたので、そこそこ良いお値段だと思われますが、結果、融資出来ない事態になってしまったという訳です。

あくまでも、審査を通過したタイミングでの借入残高で問題無いのに、そこから、上乗せで別ローンは返済能力、返済負担率に変化が生じますので、厳しいものになります。

またクレジットカードでのお買い物も注意が必要です。これも借入と見なされるケースもあります。金額が少額だから大丈夫!と思っていても、何かの間違いで引落しが出来なかった場合、信用情報に異動情報が載る事も考えると、融資実行まではお買い物も控えておいた方が無難だと筆者は思います。

 

4.支払いが遅れる

これまでに組んでいるローン等の返済が遅れ、異動情報が載ってしまったケースです。事前審査、本審査までは問題無い取引であっても、引落日を間違えていたとか、残高不足で一部引落できなかった、といった遅延情報が発生すると融資にはかなりマイナスイメージとなります。異動情報もどんな内容が記載されるかにもよりますが、払拭するまでは時間と労力を要しますので、どんな金額でもくれぐれも引落だけはきちんとしておきたいですね。

 

5.法的手続きを行う

これは、破産や債務整理、差し押さえといった、法律に則った手続きを行ったケースです。さすがに破産や債務整理となれば、ある程度の借入がある為、事前審査で通らない事が殆どかと思いますが、場合によっては自分の借入ではなく、他人の連帯保証で返済できない為、着手するといった方もいらっしゃいます。また再三に渡る督促を無視してしまい、給与や資産等の差し押さえが実行されると、確実に融資はして貰えません。

これらの情報は当然信用情報に紐づきます。結果お金に関してルーズと思われ、返済が滞る可能性は極めて高い、または出来ない為、融資直前でストップがかかってしまう事になります。

 

6.虚偽の申告がばれる

これは事前審査の段階でやってはいけない事に該当しますが、時として、誤った情報で事前審査に臨んでしまい、後日「誤ってました」となるケース、または銀行側からの指摘です。借入を行うに当たって「金銭消費貸借契約」という契約を結びます

契約ごとに於いて、相手方を欺く行為は犯罪となってしまいます。(もちろん最初から欺く為に申し込む方はいらっしゃらないと思います)軽微なものから、重大なものまで、様々ですが、貸出金融機関は「マネーロンダリング」等にも細心の注意を払う義務があります。

例え軽微であっても、重大な事態に発展させない為にも徹底的に2重3重とチェックされます。その上での指摘となると、心証も悪くなってしまいます。これくらいバレないだろうと思っていても、虚偽の申告は絶対に止めておきましょう。

7.病気となって団信に入れなくなる

団信とは団体信用生命保険の事で、住宅ローン債務者は加入が必須(義務)となります。これが融資条件なくらい絶対重要なんです。(住宅支援機構での借入の場合は必須ではないです)そもそも団信とは、借入している方が、万が一亡くなった際、住宅ローンの残債を保険で全て賄うものになります。大変有効な保険だと言えますが、「保険」ですので、健康状態が良好でなければ、引受すらできない事もあります。団信に入れない=融資出来ないという事になってしまします。金融機関は確実に融資金額を回収する為にこの保険加入を義務付けるわけですね。

筆者も保険代理店で仕事していますが、健康状態はコントロールできません。

別の話ではありますが、住宅を購入するご相談を受け付ける際に「住宅を買うタイミングはいつが良いですかね?」と聞かれる事もあります。その際には「健康であるうちに買いましょう」とお伝えします。銀行は病気した方には融資してくれません。

もしかしたら、明日、大きな病気が見つかるかもしれませんし、何が起こるか分かりません。

ご相談のお客様には「病気は選べません」と常々お伝えしています。いつ病気になるのか、なりたい病気はといった事は選択できないのです。だからタイミングを見計らっても、健康が阻害されていれば、住宅ローンすら通らない事もあり得ますので注意しておいて下さいね。

 

8.死亡してしまう

これは融資実行前に亡くなるケースです。やってはいけないと言うより、予期せぬ出来事でしょうか。当然契約になりますので、契約のお相手方がいなければ契約自体成立しません。

残念ながらこのケースですと融資は難しいですね。

 

 

デメリットって何?

ここまで、本審査での承認が覆るケースを書いてきました。余程の事が無い限り覆る事はありませんが、極めてレアなケースだと言えます。逆に上記の事が無ければ問題無いと思って頂いても構わないと思います。もしも「やってしまった!」となった場合どうなるのでしょうか?

 

融資実行前の落とし穴!

まずはハウジングメーカーや工務店さんを決めて、話はスタートします。具体的な打合せ等はここでは割愛します。お金の動きとしては、事前審査、本審査も承認、最後に金銭消費貸借契約を交わし、融資実行となります。この融資実行の前にストップがかかる訳です。

もう読んでいてお分かりになった方もいるかと思いますが、住宅は完成してしまっています。つまり、ハウジングメーカーさんや工務店さんに支払いが出来なくなってしまう訳です。家は完成したのに、借りる事が出来ず、支払えない!!!!!これは大変な事ですね。

こうならない様にする為にも、一事が万事だとお考え頂ければと思います。

 

まとめ

今回は審査通過後のお話を書いてきましたが、実際にあったお話でもあります。こうならない様にする為、ハウジングメーカーさん、工務店さんはアドバイスとして一言添えて下さいますが、中には担当者が経験不足で、アドバイスもままならない事だってあります。「知識は身を助ける」といった格言がある様に、知っておいて頂きたい事例でした。参考になればと思います。

 

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