マネタス

個人事業主は住宅ローンを組める?審査条件&通過のポイントをFPが徹底解説

個人事業主は住宅ローンを組める?審査条件&通過のポイントをFPが徹底解説

カテゴリー:

著者名

棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士、国土交通大臣指定 マンション管理士、ファイナンシャルプランナー

大手人材派遣会社に正社員として入社。 主要取引先であったJASDAQ上場(当時)の株式会社エイブルへ出向。 その後ヘッドハンティングされ、完全に移籍。およそ3,000人の社員の中で、トップセールスを記録するなどして活躍。 その後管理職として複数年勤務後、独立。 行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

この記事のポイント

  • 個人事業主でも確定申告書が3期分あれば、住宅ローンの審査が通る可能性がある。
  • 都市銀行系よりも信用金庫、信用組合やネット銀行系の方が審査が通りやすい。
  • フラット35を使えば個人事業主でも審査が通りやすいが、購入する物件の担保価値はシビアに見られる点に注意。

この記事は約6分で読めます。

個人事業主は会社員に比べると、何かと融資が受けにくいイメージがあります。中でも心配する方が多いのが住宅ローンです。そこで本記事では、個人事業主が住宅ローンを利用する際に覚えておくべきポイントについて詳しく解説します。

 

個人事業主が住宅ローンを組む際の条件とは

個人事業主が住宅ローンを組む際の条件とは

個人事業主が会社員に比べて融資が受けにくいといわれている理由にはいくつかありますが、中でも一番大きいといわれているのが収入の安定性です。

会社員の場合は会社の規模にもよりますが、年収が概ね一定で安定していますので、金融機関としても安心して融資をすることができます。対して個人事業主の場合は、収入がその時の売り上げに左右されるので、安定性に欠けるというイメージがあるのです。

では、金融機関はどのようにして個人事業主の収入を審査するのでしょうか。

 

金融機関に確定申告書の提出が必要

個人事業主が住宅ローンを組む場合、絶対的に必要になるのが確定申告書です。これは会社員の方に源泉徴収票が必要になるのと同じで、個人事業主の場合は収入を証明する書類として確定申告書を審査書類としています。

個人事業主の中には、かなりの売り上げを上げているものの、確定申告を怠っていてしていないという方が時々いますが、この場合はいくら収入があったとしても住宅ローンを組むことができません。

個人事業主が住宅ローンの審査をクリアするためには、収入を証明するだけではなく、きちんと納税しているのかどうかも銀行は見ているのです。

なぜなら、無申告のまま営業を続けていて、万が一途中で税務調査が入って多額の追徴課税がされた場合、住宅ローンの返済がストップするリスクがあるからです。納税はあらゆる支払いにおいて優先されるため、税金の滞納は銀行にとって非常に大きなリスクになります。

 

3年以上営業しているメリット

3年以上営業しているメリット

個人事業主が住宅ローンを利用する際に必須となる確定申告書ですが、1期分だけあればよいというわけではありません。

個人事業主の収入を審査する際のポイントは安定性です。安定性を審査するためには、1期分の確定申告書を見ただけでは判断できないため、通常は直近3期分の確定申告書の提出が条件となります。

ということは、つまり営業を始めて3期以上経っていない個人事業主の方については、原則として住宅ローンを利用することができないのです。当該基準は会社員の場合も同様で、一般的に勤続年数3年以上といわれているのは3年分の源泉徴収票が必要になるからです。

「3年以上働いていれば住宅ローンが使える」とよくいわれがちですが、実際は「3年以上働いていれば住宅ローンの審査対象になる」といった方が正しいのです。個人事業主で住宅ローンを使うためには、個人事業を始めて3年は経過していないと審査対象に入りません。

 

住宅ローンの審査基準を会社員の場合と比較

住宅ローンの審査基準を会社員の場合と比較

住宅ローンは他のローンに比べて生活に対する必要性が高いので、条件を満たしていれば比較的審査は通りやすい傾向にありますが、個人事業主の場合は会社員に比べて次の点について不利な一面があります。

 

金融機関から借入できる金額

住宅ローンで借入できる金額は、ある程度の個人差はありますが会社員の場合は概ね年収の7倍といわれています。例えば年収500万円であれば3,500万円が1つの目安です。

ただ、個人事業主の場合は年収が毎年安定しているとは限らないので、直近の年収が500万円であってもその前が400万円であれば、400万円を基準にして借入上限を設定される可能性があります。

 

銀行から借入できる期間

個人事業主として長く営業を継続していくことは簡単ではありません。住宅ローンは最長で35年で組むことができますが、35年間同じ事業を続けていくことはとても大変です。そのため、個人事業主の場合は仮に住宅ローンの審査が通ったとしても借入期間が短く制限される可能性があります。

中には借入期間を25年程度に制限されるケースもあるようです。借入期間が短くなると、当然毎月の返済額が大きくなるので、慎重にキャッシュフローを考えないと返済不能になってしまう可能性があります。

 

借入できる金利

住宅ローンの借入金利は、他のローンに比べて非常に低い水準に設定されており、最近では0.975%をさらに下回り非常に低金利で借りることができます。

会社員の場合は、ここからさらに特別金利で低くしてくれるようなこともありますが、個人事業主の場合は特別金利どころか通常金利よりも高い金利に設定されるケースもあるようです。金利が高くなると総返済額が大きくなるので、非常に不利だといわざるをえません。

このように個人事業主の方は住宅ローンの審査が通ったとしても、会社員の方に比べると借入金額、借入期間、借入金利などの条件面において非常に不利になりやすいという特徴があります。

 

金融機関ごとの特徴を比較

金融機関ごとの特徴を比較

個人事業主が住宅ローンを利用するにあたっては、あらゆる面でハードルが高くなることはお分かりいただけたかと思います。

ただ、すべての金融機関が同じ目線で貸付条件を決めているわけではありません。そこでここでは、金融機関ごとの特徴について触れていきたいと思います。

 

 

大手都市銀行系

大手都市銀行系はもともと規模の大きい貸付を得意としているので、個人事業主に対する貸付についてはあまり積極的ではない印象です。もちろん、可能性がないというわけではありませんが、審査基準や貸付条件がシビアに判断される可能性があります。

例えば、個人事業主が事業として利用している銀行と同じ銀行であれば、銀行も相談がしやすいので借りやすいという可能性はありますが、反対に何の取引実績もない大手都市銀行となると住宅ローンが組めないという可能性はあるでしょう。

 

信用金庫、信用組合

個人事業主の方におすすめしたいのが、個人事業など中小企業の融資に積極的な信用金庫や信用組合です。これらの金融機関は大手都市銀行系に比べると規模は小さいですが、小口の貸付にも力を入れているので、個人事業主にも積極的に貸付をしてくれます。

そもそも信用金庫、信用組合は地域振興が目的でもあるので、貸付条件なども大手都市銀行系に比べると多少緩めです。

 

ネット銀行系

最近利用者が触れているのが、実態店舗を持たないネット銀行系です。手続きも比較的簡単で、個人事業主のような小規模事業者に対する貸付も行っているので住宅ローンも通りやすい傾向があります。

 

個人事業主におすすめのフラット35

個人事業主におすすめのフラット35

個人事業主の方が住宅ローンを組むにあたって、最もおすすめしたいのがフラット35です。フラット35とは住宅ローンの商品の中の1つで、住宅金融支援機構と民間の金融機関が連携して提供している長期固定金利の住宅ローンです。

フラット35は他の住宅ローンに比べると審査が比較的甘い傾向があるので、個人事業主でまだ実績が少ない方や、年収がそこまで安定していない場合でも審査が通ることがあります。

 

フラット35の審査傾向

フラット35の審査が他の住宅ローンと違うところ、それは確定申告書の審査です。先ほどもお伝えした通り、個人事業主の住宅ローンの審査には3期分の確定申告書が必要になります。

そのこと自体はフラット35でも同じですが、傾向からすると実際に審査で重要視されているのは直近1期分の確定申告書だけで、それ以上前のものについては多少変動があったとしても緩く判断しているのです。

例えば、直近が黒字でも前期が赤字というケースは事業をしていると決して珍しくはありません。通常の住宅ローン審査だとそういった場合にNGになる可能性があるところ、フラット35については比較的審査が通る傾向にあります。

 

銀行によってフラット35も違う

フラット35は民間の金融機関が窓口となっており、どの金融機関を利用するのかによって、フラット35でも手数料などが異なる可能性があります。

個人事業主におすすめなのはネット銀行系です。ネット銀行が取り扱うフラット35は、審査が早いのと金利が低いというメリットがあります。例えば、楽天銀行や住信SBIネット銀行などの場合、35年固定で1.09%と、まるで変動金利かのような低い金利設定になっているのです。

もともとフラット35は全期間金利が変動しない代わりに、変動金利よりも金利が高いというリスクを負うものですが、固定金利で1.09%となると昔の変動金利並みに低い金利なので、借りる方にはかなりのメリットがあるといえるでしょう。

 

フラット35の注意点

個人事業主の方が住宅ローンを利用するならフラット35がおすすめですが、1点注意すべきことがあります。それはローン審査です。先ほどフラット35の審査は緩めだという話をしましたが、一方で購入する物件に対する審査はシビアになります。

住宅ローン審査は、本人の所得に関する審査と購入する物件の担保価値に関する審査の2本立てで行われるため、本人の所得に関する審査が通過したとしても、物件の担保価値が基準を満たさずに落ちる可能性はあるのです。

例えば、地方の郊外にある物件や築年数が古い物件については担保価値が出にくいので、本人が気に入ったとしても審査で落ちる可能性があります。

 

不動産投資は厳禁

個人事業主の方の中には、住宅ローンを使って不動産投資をしようとする方が時々いるのですが、これは絶対にやめてください。

住宅ローンは他のローンに比べて審査が通りやすく、しかも低金利なので、自己住居を装って投資用で使おうとする方が時々いるのですが、これは契約違反です。不動産投資の場合は、投資用のアパートローンなどを利用しましょう。

不動産投資は厳禁

 

個人事業主の住宅ローンに関するまとめ

今回は個人事業主の方の住宅ローンについて解説してきました。会社員に比べると確かに厳しい部分はありますが、金融機関の特徴やフラット35をきちんと活用すれば十分審査に通る可能性があります。

大切なことは、このような審査傾向があることを知った上で物件を探すことです。フラット35は物件の担保価値に大きく左右されるので、事前にそのあたりを意識して物件を選定しましょう。

 

複数の金融機関の比較検討で、数百万円単位での節約の可能性も!

住宅ローンを新規検討する際は複数の金融機関を比較することが大切。数百万円単位での節約の可能性もございます。住宅本舗比較サービスは簡単な希望や条件を入力するだけで、80金融機関の中から比較、最大6銀行に一括仮審査申し込みができるのでおすすめです。

人生最大の買い物だからこそ、しっかりと比較検討しましょう。

住宅ローン一括審査申込

 

住宅ローンに関する以下記事もおすすめ☆