- ウェルスナビの投資対象は7種類。
- 運用期間13ヶ月の損失は-1.77%。
- 昨年は株式市場が下落したが、損失は限定されている。
- 短期的な値動きに影響されずに、機械的な運用を続けることが大切。
公開日:2019年3月11日
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ロボアドバイザーで最も人気があるWealthNavi(ウェルスナビ)。しかし「運用成果はどの程度なのだろう」「どのような銘柄で運用しているの?」と疑問を持っている方もいらっしゃると思います。
今回は、実際の運用を参考にしながら、組入れ銘柄やパフォーマンスはどうなっているのかを解説していきます。
出典:ウェルスナビ
ウェルスナビは、預かり資産1900億円を達成(2019年11月28日時点)を突破している、ロボアドアドバイザーで一番人気があるサービスです。
最低投資額は10万円。毎月同じ額を積み立てる「自動積立」なら月1万円から投資可能です。手数料は預かり資産の1%(年率)、3000万円以上の分は0.5%とさらに安くなります。
「ほったらかしで運用できる」「簡単に分散投資」できると評判が高いロボアドバイザーです。
おまかせで運用を行うことができるロボアドバイザーですが、ウェルスナビの人気が1番なのは、主に次のような理由があります。
預かり資産や運用者数が1番多いというのに加えて、みずほフィナンシャルグループや三菱UFJキャピタルなど大手金融機関・ベンチャーキャピタルによる出資を受けています。また、多数のパートーナーと提携していて、ウェルスナビのサービスが広がっていて始めやすいのもメリットです。例えば、次のような提携先から申し込むことも可能です。
SBI証券からウェルスナビを申し込むことができます。SBI証券のWEBサイトでウェルスナビの資産状況を確認することができます。
資産運用の開始や資産評価額に応じて、マイルが貯まります。
ウェルスナビは、流動性が高く低コストの米国ETF(上場投資信託)を毎月自動的に買付してくれます。2,000本以上のETFが米国市場に上場しているので、その中から厳選された7種類のETFに投資できるという安心感があります。
そして、ETFは各国の株式をカバーしているので、最大で世界50ヶ国、約1万1000銘柄に分散投資しているのと同じ効果があります。
また、常に最適なポートフォリオ(資産配分)になるように、値上がりした銘柄を売って、値下がりした銘柄を買うリバランスも自動で行ってくれます。
DeTAX(デタックス)は、ウェルスナビ独自のサービスです。分配金やリバランスから生じる税負担が一定額を超えた場合、含み損の出ている銘柄をいったん売却して損失を確定し、すぐに買い直します。そうすることで含み損を実現して税負担を繰り延べる機能です。
DeTAXにより、0.4~0.6%程度の税金負担が軽減されるので、運用手数料1%よりも実質上のコストは少なくなります。
ウェルスナビのデメリットについても確認しておきましょう。
ウェルスナビは、主に株式に投資する金融商品なので元本保証ではありません。ただ、ウェルスナビは10年以上の長期投資を前提としたサービスです。短期的には損失が出る年もありますが、株価が大きく下落したリーマンショック(2008年)前からのシミュレーションもあり、金融危機を経験しても保有期間を長くすれば、利益がでる可能性が高いことがわかります。
短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、長期的な視点で運用を行いましょう。そのためには生活費などとは別の余剰資金で投資することが重要です。
ウェルスナビが倒産した場合は、運用がストップします。ただ、ウェルスナビは自社の資産と顧客の資産を明確に区分して分別管理をしています。そのため、ウェルスナビが倒産しても資産は保護されます。
また、万一分別管理に不備があった場合でも。日本投資者保護基金により1000万円まで補償されます。
ウェルスナビの実際の評判を提携パートーナーであるじぶん銀行のお客様の声から見ていきましょう。
手間なく資産運用できる | 44% |
---|---|
リスクを抑えることができる | 21% |
高機能 | 17% |
20代 | 14.5% |
---|---|
30代 | 33.9% |
40代 | 29.8% |
50代 | 15.0% |
60代以上 | 6.9% |
20~50代の働き世代を中心に利用されているのがわかります。
2016年 | 6% |
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2017年 | 16% |
2018年 | 28% |
毎年、資産運用が初めてという方が増えています。それでは、実際の運用を詳しく見ていきましょう。
現在の運用は以下のようになっています(2019年1月31日時点)。
運用プランはリスク許容度5で、30年間の運用です。シミュレーションでは、リーマンショック前に運用を開始した場合、30年後には投資金額2011万円。89%の確率で2500万円以上になるという結果になっています。
ウェルスナビでは、リスク許容度に応じてポートフォリオを自動的に決定してくれて、リスク分散させています。
投資におけるリスクとは「危険」という意味ではなく、「不確実性」のことです。値動きの幅が大きいほど「リスク」が高いといいます。リスクが高いほどリターン(収益)も大きくなります。
つまり、リスク許容度とは「どの程度の損失に耐えることができるか」ということです。リスク許容度が高いほど、株式などのリスクが高い資産を多く組み入れることになります。
ウェルスナビではリスク許容度を1(リスク小)~5(リスク大)の5段階に分けています。
ウェルスナビは、地域・資産ごとの特性や、ETFを通じて長期投資が可能かなどを考慮して、以下の7つの資産のETFを運用対象としています。
以上、7つの資産をリスク・リターンで並べると、以下のようになります。リスク許容度が高いほど、米国株や新興国株の比率が上がります。
現在のリスク許容度は5なので、米国株33.7%、日欧株33.8%、新興国株14.5%とリスクが高い3つの資産で82%とリスクを取りながら、リターンを目指した運用を行っています。
2019年1月末の資産評価額は以下のようになっています。
円ベースでは38,833円のマイナス(-1.77%)となっています。しかし、昨年は各資産が大きく下落した年でした。下の表をご覧ください。
2018年 | |
---|---|
米国株 | -7.60% |
日欧株 | -16.7% |
新興国株 | -16.8% |
米国債券 | -2.65% |
金 | -4.00% |
不動産 | -6.78% |
各資産がこれだけ下がる中、―1.77%の損失で済んでいるので、損失は限定的と考えられます。昨年のパフォーマンスは悪かったものの、10年間のリターンは以下のようになっています。
10年間のリターン | |
---|---|
米国株 | 17.42% |
日欧株 | 10.62% |
新興国株 | 11.41% |
米国債券 | 5.54% |
金 | 5.30% |
不動産 | 17.09% |
ロボアドバイザーは、運用開始後には最適なタイミングでリバランス(銘柄の入替え)や税金の最適化を行います。30年の運用期間があるので、毎年の損益に一喜一憂することなく、淡々と積立投資を継続していくようにしましょう。
今回は、ウェルスナビにおける実際の運用を元に解説してきました。組入れ銘柄の特徴や資産配分がよくわかったのではないでしょうか。
実は、分散投資は下げ相場の時に効果を発揮します。銘柄の分散、時間の分散でリスクを抑えることによって、損失を軽減させることができるからです。
人が運用していると、相場環境に影響を受けて、予定通りに運用を行うことが困難な時もあります。特に、株式市場が下落してパフォーマンスが悪化すると迷いがでます。ですから、ロボアドバイザーに任せて、機械的な運用を行っていくことが大切なのです。