- 40代の平均収入は男性608万円、女性316万円。
- 40代の約3割、およそ400万人が非正規雇用。
- 未来が暗いなら「未来を変える行動」をすることが大切。
公開日:2020年7月22日
こんにちは、婚活FP山本です。最近では終身雇用による年功序列が崩壊しつつあり、40代になっても「年収が低い、上がらない」という声をよく聞きます。
そればかりか40代でリストラされたという声も増えつつありますから、年収を含めた40代の実態がイマイチ分かりにくくなっているのが実情です。そこで今回は、40代の年収事情をさまざまな角度でお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。
目次
まずは早速、40代の平均収入についてお伝えします。国税庁の平成30年「民間給与実態統計調査」によれば、40代の男女別の平均年収は以下のとおりです。
40代全体で見れば、平均年収は男性608万円、女性316万円となっています。ただ、この統計は非正規雇用の方も混ざっているため、正社員に限定すると相応に変わってくるのが実情です。一方でだからこそ、正社員なのに上記より低いなら考えものかもしれません。
この統計によると、正社員と非正規の給与の違いは以下のようになっています。
同じサラリーマンでも、正社員か非正規かで給与は全然違うのが実情です。もちろん非正規もさまざまですが、非正規なら多くは40代でも低水準なことが多いといえます。そして最近では、冒頭でも触れたとおり40代でのリストラも横行していますから、十分に注意・警戒しておきましょう。
次に、企業規模別の年収事情についてお伝えします。40代に限定しているものではありませんが、先ほどの統計によると、従業員数で区分した平均年収は以下のとおりです。
区分 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1~4人 | 401万円 | 240万円 |
5~9人 | 483万円 | 264万円 |
10~29人 | 507万円 | 287万円 |
30~99人 | 518万円 | 303万円 |
100~499人 | 524万円 | 306万円 |
500~999人 | 572万円 | 328万円 |
1000~4999人 | 623万円 | 310万円 |
5000人以上 | 682万円 | 281万円 |
全体平均 | 545万円 | 293万円 |
男性は分かりやすく、勤め先の企業規模が大きいほどに年収も高い傾向にあります。また女性の場合は、大手ほどに非正規である可能性が影響していますが、正社員に限れば同じく高くなっていく傾向です。
40代になってから大手への転職を希望しても厳しいことが多いですが、相応の技術や経験を持ち合わせているなら不可能でもありません。できれば、よりよい条件のところへの転職を目指しましょう。
先ほどの統計によると、ここ10年の平均年収は以下のように推移しています。
たとえ男性正社員でも、基本給を含めた給与が伸び悩んでいるのが今の日本です。統計上は年功序列の名残が残っているものの、もはや「40代ならこれくらい稼げるはず」などという年齢上の常識など通じません。十分に今後の働き方を考えておきましょう。
ここからは統計を変えて、40代の平均年収についてお伝えします。dodaの2018年9月~2019年8月の年齢別集計結果によると、40代の平均年収は男性583万円、女性413万円という結果です。またその内訳は、以下のようになっています。
国税庁の統計でも40代男性の平均年収は約600万円でしたが、これを上回る方は3割程度です。40代ともなると、平均年収を稼げていれば十分に勝ち組といえるかもしれません。「年収が低い」と感じている方は、冷静に自分の年収や立ち位置を考えてみましょう。
先ほどの内訳を見ると、40歳代の年齢でも半数は年収500万円未満です。1割程度の方は300万円にも届いていませんから、40代ともなると格差が大きくなっているのが確かな現実といえます。少なくとも、40代なら誰もが年収は高くて当然とはいえなくなっているのが実情です。
その一方で、「稼げない時代なのだから仕方ない」と諦めていいものでもありません。現役時代を60歳までの40年と考えるなら、40代はまだ「折り返し直後」です。今一度、今後の仕事を再設計しましょう。
次に、40代の年収事情を業種別にお伝えします。先ほどのdodaの集計結果によると、40代の業種別の平均年収は以下のとおりです。
業種別に見ると、40代ならIT・金融・メーカーが強いという結果になっています。これらの業種は全般的に平均年収が高いので、早期の転職を目指したいところかもしれません。逆に下位2種は極端に平均年収が低いので、特に早期に転職することをおすすめします。
この集計結果を職種別に見ると、以下のような結果になっています。
業種による格差も大きいですが、「どんな仕事をしているか」もかなり重要というのが伺える結果です。ひとまず管理職を除けば、専門職や技術系が上位を占めています。営業は結果による個人差が大きいものですから、売れない人は技術や知識を学んだほうが無難かもしれません。
ここからは、40代の方が年収を考える際の注意点についてお伝えします。まず、総務省統計局の令和元年「労働力調査」によると、40代前後の非正規雇用者は以下のとおりです。
40代の約3割、およそ400万人程度が非正規雇用となっています。男女比率でいえば、ざっくり男性2割、女性8割です。男性の割合が少ないといえば少ないものの、約60~80万人はそこまで少なくもなく、「女性は非正規でも大丈夫」という時代でもありません。
そして、非正規雇用の年収の低さは先ほどお伝えしたとおりです。40代でリストラされ、非正規になると正社員に戻ることは極めて困難といえます。そうなる前に、何らかの備えをしておきましょう。
知るぽると(金融広報中央委員会)の令和元年「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40代の既婚者の2割、独身者なら実に4割の方が「貯金がない」という結果です。その背景はさまざまですが、40代で貯金がないというのは極めて危険ではないでしょうか。
年収が低いほどに貯金額も少ない傾向にありますが、この状況で何らかの対策を取らないことも大きな問題です。気力が沸かないという声も多いですが、諦めずに何か対策を考えて貯金ができる家計状態を目指しましょう。
なお、上手に貯金を増やす方法を知りたい方は以下記事も参考にどうぞ。
最後に、ライフプラン上の肝心なポイントをお伝えします。結論からいえば、40代ともなれば今後の教育費や老後資金がいくら必要かを意識することが重要です。たとえば結婚して子供がいるなら、数年後には大学費用として一人700万円程度が必要になります。
仮に独身であっても、令和元年には「老後資金として2000万円必要」という発表があったほどです。将来的にいくらのお金が必要かは個人差がありますが、誰もが相応の大金が必要になるという点は変わりません。あなたは今、どの程度の貯金ができているでしょうか。
定年後も働こうと考えている方は多いですが、定年後は働けても年収半減が一般的であり、そして65歳までしか働けません。働けるかどうかも分からず、働けても貯金はできないのが普通です。ぜひ、まだ40代のうちから未来への備えを始めておきましょう。
最近の40代はリストラが横行する一方、仮に会社に残れたとしても多くの場合で年収上昇が望めなくなる年代です。転職も厳しくなる年代だからこそ、40代以降は「独立」を視野に入れることをおすすめします。独立さえできれば、年齢はおろか定年すら関係ありません。
このままでは明るい未来が望みにくい非正規の方なら特に、です。自分がイメージしている未来が明るくないのであれば、ぜひ「未来を変える行動」を取っていきましょう。
なお、別角度で40代、特に独身者の立ち位置を知りたい方は以下記事も参考にどうぞ。
今の40代の年収は格差が起こっています。年収だけでなく、40代でも一定数の非正規雇用の方がいるほどです。正社員でも油断はできず、誰がいつリストラされても不思議はありません。今はこのような時代という現実をしっかりと受け入れ、その現実に自分を合わせていきましょう。
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