- 20代の平均年収は男性344万円、女性288万円。
- 正規・非正規で年収は倍以上も違う。
- 今の日本は終身雇用が崩壊しつつある。
公開日:2020年7月9日
こんにちは、婚活FP山本です。社会に出たての20代なら、まだあらゆることが分からないものですが、真っ先に知りたいこととして「周囲の年収」が挙げられるのではないでしょうか。
特に「給料が安い」と感じている人ほど、給料が高そうな別の職場を求めるものですから、余計に気になるのが一般的です。ぜひ、この機に知っておきましょう。今回は、20代の平均年収や関係する情報をたっぷりお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。
目次
まずは早速、20代の平均年収についてお伝えします。国税庁の平成30年「民間給与実態統計調査」によると、20代と30代の男女別の平均年収はそれぞれ以下のとおりです。
20代だけを取り上げ、前半と後半を合算して割ると、20代の男女別の平均収入は男性344万円、女性288万円となります。これは非正規の方も加えた数字なので一概にはいえませんが、正社員なのにこれより給料が安いなら、転職を考えるのもよいかもしれません。
なお、統計上もっとも平均年収が高くなるのは男性なら「50代後半」で、全体的に年功序列の名残が残っています。一方の女性は総じて300万円少々です。まずは、このような数字を知っておきましょう。
あくまで統計上の話ですが、平均年収は男性も女性も20代前半から20代後半にかけて一番上がっています。ここで十分な年収上昇が見込めるかどうかが、その後の年収を図るうえで大切なのかもしれません。上がらないようなら、会社や業種を変えるのもよいでしょう。
なお、女性の平均年収が上がらないのは、本当に年収が上がらないのではなく、結婚などを通して専業主婦やパートになる方がまだまだ多いためです。この点には気を付けましょう。
次に、業界相場としての平均年収をお伝えします。同じく国税庁の平成30年「民間給与実態統計調査」によると、業界・業種別の平均年収は以下のとおりです。
順位 | 平均年収 | 業界・業種 |
---|---|---|
1位 | 759万円 | 電気・ガス・熱供給・水道業 |
2位 | 631万円 | 金融業・保険業 |
3位 | 622万円 | 情報通信業 |
4位 | 520万円 | 製造業 |
5位 | 502万円 | 建設業 |
6位 | 496万円 | 学術研究、専門・技術サービス業、教育・学習支援業 |
7位 | 446万円 | 不動産業・物品賃貸業 |
8位 | 445万円 | 運輸業・郵便業 |
9位 | 437万円 | 複合サービス事業 |
10位 | 397万円 | 医療・福祉 |
11位 | 383万円 | 卸売業・小売業 |
12位 | 363万円 | サービス業 |
13位 | 312万円 | 農林水産・鉱業 |
14位 | 251万円 | 宿泊業・飲食サービス業 |
全体平均 | 441万円 | – |
特に平均年収が高いのは、上位3つに該当する業種でしょうか。逆に下位6業種は、平均年収より給料が低い仕事ということになります。業界相場として年収が安いなら、20代のうちはおろか今後も年収アップは望みにくいのが実情です。
逆に平均年収が高い業種なら、今後の年収アップも望みやすいといえます。このような業界的な平均相場をもとに、今後のことを考えていきましょう。
なお、業界的な事情をもっと知りたい方は以下記事も参考にどうぞ。
同じサラリーマンでも、正規・非正規で年収は全然違うという点には注意が必要です。先ほどの統計によると、それぞれの平均年収は以下のようになっています。
このように正規・非正規で倍以上の開きがあるのが現実です。一度でも非正規になると簡単には正社員になれないという声も多いですが、諦めるのも問題といえます。何とか正社員になれる方法を模索しましょう。
今度は、統計を変えて20代の平均年収をお伝えします。dodaの2018年9月~2019年8月の年齢別集計によると、20代の平均年収は男性367万円、女性319万円という結果です。またその内訳は、以下のようになっています。
およそ9割程度の方が年収500万円以下、400万円を超えていれば十分に勝ち組水準といえるのが20代の年収事情といえます。ちなみに年代が上がるほどにバラつきが出てきますから、20代のうちは少々の差など気にしなくてもよいのかもしれません。
どちらの統計を見ても、少なくとも同じ立場で働くなら、男性・女性の性差はなくなりつつあるといえます。一方で、まだまだ女性からは、産休や育休のとき、またはシングルマザーなどの仕事と家庭の両立の際に、働きにくさを訴える声も多いのが実情です。
20代なら、職場の先輩を見れば「自分の未来」も想像しやすいのではないでしょうか。残るべきか、早めに転職すべきか……ぜひ早くから考えておきましょう。
次は、20代に限った業種別の平均年収についてお伝えします。dodaの集計によると、20代の業種別の平均年収は以下のとおりです。
順位 | 平均年収 | 該当業種 |
---|---|---|
1位 | 370万円 | 総合商社・メーカー |
2位 | 368万円 | IT |
3位 | 366万円 | 金融 |
4位 | 364万円 | 建設・プラント・不動産 |
5位 | 350万円 | インターネット・広告・メディア |
6位 | 346万円 | メディカル |
7位 | 344万円 | 専門商社 |
8位 | 322万円 | サービス |
9位 | 306万円 | 小売り・外食 |
20代に限れば全体的に大きな違いはないものの、それでも総合商社やメーカー、ITや金融などが上位となっています。逆にサービス業や小売業・外食あたりは先々を含めて、見通しが暗いのが実情です。何か、「武器にできる専門的な技術や知識」を身に付けましょう。
先ほどお伝えしたとおり、正規・非正規という働き方で年収は大きく違います。非正規の方なら、まずは正社員を目指すのもおすすめです。その一方で、たとえ正社員であっても業種・業界の構造上的に年収が上がりにくいところもあるのが現実といえます。
どんなにやりたい・やりたかった仕事であっても、延々と年収が上がらない状況が続けば耐えられなくなることも多いです。ぜひ「働き先」にも注意を払いましょう。
なお、年収と幸福度の関係性が気になる方は以下記事も参考にどうぞ。
ここからは、自分の年収を考える際に大切な補足情報をお伝えします。まずは、都会と地方の「給料格差」についてです。厚生労働省の平成30年「賃金構造基本統計調査」によると、各都道府県の男女別の平均賃金は以下のようになっています。
都道府県 | 男性の平均賃金 | 女性の平均賃金 |
---|---|---|
北海道 | 338万円 | 225万円 |
青森 | 262万円 | 211万円 |
岩手 | 271万円 | 208万円 |
宮城 | 311万円 | 226万円 |
秋田 | 265万円 | 204万円 |
山形 | 270万円 | 207万円 |
福島 | 295万円 | 217万円 |
茨城 | 328万円 | 239万円 |
栃木 | 324万円 | 233万円 |
群馬 | 312万円 | 227万円 |
埼玉 | 332万円 | 249万円 |
千葉 | 328万円 | 257万円 |
東京 | 420万円 | 301万円 |
神奈川 | 366万円 | 277万円 |
新潟 | 291万円 | 222万円 |
富山 | 308万円 | 232万円 |
石川 | 303万円 | 235万円 |
福井 | 302万円 | 224万円 |
山梨 | 313万円 | 222万円 |
長野 | 306万円 | 225万円 |
岐阜 | 323万円 | 230万円 |
静岡 | 321万円 | 234万円 |
愛知 | 350万円 | 251万円 |
三重 | 331万円 | 241万円 |
滋賀 | 324万円 | 231万円 |
京都 | 326万円 | 255万円 |
大阪 | 364万円 | 265万円 |
兵庫 | 327万円 | 249万円 |
奈良 | 325万円 | 259万円 |
和歌山 | 302万円 | 233万円 |
鳥取 | 277万円 | 221万円 |
島根 | 270万円 | 216万円 |
岡山 | 311万円 | 234万円 |
広島 | 324万円 | 247万円 |
山口 | 302万円 | 230万円 |
徳島 | 293万円 | 227万円 |
香川 | 310万円 | 233万円 |
愛媛 | 285万円 | 208万円 |
高知 | 289万円 | 225万円 |
福岡 | 317万円 | 238万円 |
佐賀 | 282万円 | 211万円 |
長崎 | 282万円 | 211万円 |
熊本 | 280万円 | 219万円 |
大分 | 301万円 | 217万円 |
宮崎 | 276万円 | 198万円 |
鹿児島 | 283万円 | 211万円 |
沖縄 | 269万円 | 215万円 |
全体平均 | 338万円 | 248万円 |
やはり一番、平均年収が高いのは男女ともに「東京」です。100万円以上も違ってくる地方もあります。一方で、地方といってもさまざまですから、「細かな差」については無視するのもおすすめです。大きめに違う場合は、引っ越しや転職も視野に入れていきましょう。
当然ながら、誰もが給料・年収は高いほうがうれしいです。しかし額面的な給料・基本給とともに、「支出面」も考えることをおすすめします。たとえば、確かに東京は平均年収では1位ですが、家賃を筆頭とした支出面も極めて高額です。必ずしも住みやすいわけではありません。
一方で、地方のほうが住みやすいとは言い切れず、都会にはなかった人間関係などに悩む声もよく聞きます。一部分だけを見るのではなく総合的に考えて、最終判断をしていきましょう。
次に、大手と中小の給与格差についてお伝えします。国税庁の平成30年「民間給与実態統計調査」によると、従業員数で区分した平均給与は以下のとおりです。
従業員数 | 平均給与(男性) | 平均給与(女性) |
---|---|---|
10人未満 | 447万円 | 252万円 |
10~29人 | 507万円 | 287万円 |
30~99人 | 518万円 | 303万円 |
100~499人 | 524万円 | 306万円 |
500~999人 | 572万円 | 328万円 |
1000~4999人 | 623万円 | 310万円 |
5000人以上 | 682万円 | 281万円 |
ひとまず男性なら、「大手ほど給料が高い」は紛れもない現実といえます。また女性も、大手ほど非正規という可能性が高まりますが、男性と同じく正社員なら同じく年収も高くなるのが基本です。どうしても同じ仕事がしたいなら、せめて大手への転職を目指しましょう。
合わせて押さえておきたいのが「平均給与の推移」です。この統計によると、ここ10年の平均給与は以下のように推移しています。
ここ2年は上昇基調ですが、それでも10年スパンで見れば35万円しか上がっていません。1年あたりなら3.5万円、月々なら3000円程度です。一部の大手を除いて、今は本当に「年収が上がりにくい時代」ということをしっかり理解しておきましょう。
ここからは、ライフプランの観点から20代の年収についてお伝えします。結論からいえば、20代なら「少々の年収差よりライフプランの作成を意識すべき」です。あなたは今後の人生において、仕事やプライベートをどのように充実・発展させていきたいでしょうか。
ここまでお伝えしたとおり、今は年収が上がりにくく、業種による格差も顕著です。「ただ真面目に働くだけ」では、明るい未来は望みにくいといえます。仕事での不調はプライベートにも直結しやすく、男女ともに結婚できない人も増えているのが実情です。
「平均年収の高い業種の正社員」以外の方は、特に大切といえます。今後の人生をじっくり考えて、その先に未来がなさそうなら「歩みを変える努力」に努めていきましょう。
例外もありますが、基本的に転職も結婚も「30代半ば」が1つのリミットです。20代ならば、色んな意味で十分にやり直しができます。非正規やブラック企業、平均年収の低い業種や若いうちしかできない環境で働いている方は、人生を見直すなら今のうちです。
すでにそのような気力を失っている方も多いかもしれませんが、嘆いていても変わらず、未来を変えられるのは「あなただけ」といえます。若さは若者の最高の武器ですから、存分に活かしていきましょう。
なお、40代の現実を知っておきたい方は以下記事も参考にどうぞ。
最後に、もう1つの大切なポイントをお伝えします。結論からいえば、「今は終身雇用が失われつつある」という点です。日本人には当然だった終身雇用ですが、今や大手企業でも40代でリストラが横行しています。新型コロナで、さらに加速するかもしれません。
この時代に大切なのは「起業家精神」です。実際に起業するかどうかはともかく、いざとなれば起業できるだけの経験や実力を身につけておく必要があります。仕事によっては起業しにくいものもありますから、それも含めて仕事を選ぶことも重要です。
まずは平均年収が高い業種での正社員を目指すのもよいのですが、さらにその先を見据えることも大切といえます。ぜひ20代のうちから、しっかり未来を見据えて動きましょう。
独立・起業というと、多くの方がリスクを考えて避けようとします。その気持ちは分かるものの、「独立しない・できないリスク」も思った以上に大きいかもしれません。劣悪な環境の勤め先しか見つからないのなら、覚悟を決めるのも大いにアリではないでしょうか。
もっとも一般的に独立や起業というのは、思い立ったらすぐにできることではありません。数年後の独立・起業を目指して、今のうちから準備に励んでおきましょう。
20代の平均年収は、男性なら344万円、女性なら288万円です。一方で正規・非正規の格差は大きく、業種による差もかなり大きくなっています。さらに今は終身雇用が失われつつありますから、20代のうちに今後のライフプランをしっかり考え、計画性のある行動を心がけましょう。
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