- 年収上昇による幸福度アップは一定の頭打ちがある。
- 大半の人はまだまだ幸せになれる!
- 不幸にならないためにも年収アップが必要!
公開日:2020年4月2日
こんにちは、婚活FP山本です。年収が低い方の多くは「もっと年収を上げたい」と考えるものですが、意外と年収が高い方でも何らかの不満を抱えていることも多いといえます。
昨今ではワークライフバランスが言われていますが、では実際どの程度の年収の方が、一番幸福度が高いのでしょうか。そこで今回は、年収と幸福度の関係について様々な角度でお伝えしつつ、合わせて注意点もお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。
目次
まずは、年収と幸福度の関係についての基本をお伝えします。これはアメリカでの45万人を対象にした調査結果になるのですが、それによると以下のような結果です。
2020年3月のレートでいえば、日本円で4万ドルは約440万円、7.5万ドルは約830万円になります。年収830万円で幸福度が頭打ち……少し意外に感じる方もいるかもしれませんが、これも一つの結果です。ひとまず、必ずしも年収と幸福度は比例関係にない点を知っておきましょう。
先ほどの結果は、理屈としては理に適っています。お金は必要性や使い道がなければ稼いでも大きく喜べず、むしろ多忙による疲労やストレスのほうが勝るものです。昇給するほど仕事が忙しくなるのは当然ですし、中にはお金を使うヒマがないという方も意外と沢山います。
それに、贅沢はたまにするから贅沢であり、日常になれば普通です。贅沢を追い求めて破滅する年収の高い方も、想像以上に多いのが実情といえます。逆に、日常さえ不十分な方なら安定した日常を送れるだけで充実の日々です。ぜひ、このような大局観も知っておきましょう。
次は、日本の統計結果についてお伝えします。内閣府の令和元年「満足度・生活の質に関する調査」によると、世帯年収で「2000万円以上3000万円未満」までは比例上昇しますが、その後は年収が上がるほど満足度・幸福度が下がる結果です。
同様に「世帯の金融資産残高別」の調査によると、頭打ちは「1億円以上3億円未満」で、それより増えると満足度が下がっています。それより増えると、相続や税金対策などに頭を悩ませる方も多いですし、経営者なら後継者に悩むことも多いですから、納得の結果です。
世帯年収で2000~3000万円なので、共働きを前提にすれば個人単位では年収1000~1500万円といえます。これは一般的なサラリーマンの限界年収ですから、結局のところ「普通が一番」なのかもしれません。
労働はお金や幸せを稼げる反面、ストレスや苦痛も稼ぐことが多いです。特に最近では、会社員の「職場の人間関係によるストレス」を本当によく見聞きします。たとえ一般的にホワイト企業と呼ばれる会社からでも同じことを聞きますし、本当にバランスを取るのが難しい問題です。
とはいえ、ほとんどの人は年収1000~1500万円に到達していませんから、これはむしろ幸せなことなのかもしれません。あなたの幸福度を上げる余地は十分あります。ぜひ、まだまだ年収を上げる努力に努めていきましょう。
今度は、幸福度の推移についてお伝えします。内閣府の平成26年「人々の幸福感と所得について」によると、この半世紀で幸福度は減少傾向にあるという結果です。最低だったのは就職氷河期で有名な2000年頃ですが、バブル崩壊で日本の幸福度は低いままになっています。
また、なぜ幸福度が低くなったかといえば、特に「家計の状況」において「自分の理想との比較、将来への期待や不安」が原因という結果です。まだまだ裕福だったバブル世代の常識が基本・根底にあり、どうしても比較してしまったのかもしれません。
家計の厳しさというのは、今や至るところで聞くようになりましたから、この結果も十分に納得できるものといえます。最近では老後破産はおろか、非正規労働の方を中心に現役世代でもお金に苦しんでいる方も多いのが現実です。
何とか、少しでも将来への期待を持てるよう自助努力に励んでいきましょう。
なお、業界的な年収水準が気になる方は以下記事も参考にどうぞ。
同調査によると、現在の日本の生活の質はOECD(経済協力開発機構)加盟国34ヶ国中21位という結果です。未だに経済大国と言われる日本ですが、けして幸せとは言えない国になってしまったのかもしれません。そして今後の見通しも、悲観論のほうが多い結果です。
見れば見るほど厳しい結果ばかりとなりましたが、少なくとも全ての人が不幸になる訳でもありません。実際、7人に1人くらいは「良い方向に向かっている」という結果ですから、ぜひ諦めず励んでいきましょう。
今度は、実際の「幸福な人」の数についてお伝えします。先ほど日本の幸福度は年収1000~1500万円で頭打ちとありましたが、国税庁の平成30年「民間給与実態統計調査」によると、年収1000万円以上の人の割合は男性7.7%、女性1.2%という結果です。
つまり、ほとんどの人は頭打ちと感じるような年収に到達していません。見方を変えれば、「幸福になれる余地がある」とも言えます。とはいえ、年収が上がるほどストレスも上がることになりますし、やはり感じ方・考え方は様々ですから、柔軟に考えていきましょう。
ちなみに先ほどの調査によると、全ての年代において男性より女性のほうが、幸福度が高い結果が出ています。平均年収が低い女性のほうが、幸福度が高い訳ですから、考え方次第な側面も大きい問題かもしれません。
先ほどの内閣府による10点満点調査によると、4点以下の方が少ない一方で9点以上の方も少なく、多くの方が「5~8点」の幸福感があると回答しています。大きな幸福感は得られていないものの、そこまで大きな不幸を感じている方も少ないのが実情です。
ほとんどの人は年収1000万円という分岐点以下ですが、意外とみんな相応の幸福状態にあるといえます。不幸と思いたくない、普通と思いたい要素も見受けられますが、周囲の人も同じと思えれば、このような結果になるのかもしれません。
今度は、お金と仕事に関する興味深い情報をお伝えします。先ほどの内閣府の令和元年の調査によると、幸福度は男女ともに年齢が高まるほどに低くなり、60歳を過ぎると急上昇しているという結果です。60歳を過ぎるということは、つまり定年を意味します。
若い頃は夢や希望に満ち溢れていたものの、実際の仕事をするほどに幸福感は薄れていき、そして定年によって仕事から解放されると一気に満たされる……そのような結果です。これが仕事というより、会社員が感じる「お金と仕事の実態」なのかもしれません。
そういえば、よく会社員からは「早期リタイアしたい」という声を聞きます。少なくとも会社員にとって仕事は、幸福感を得るより「お金を稼ぐだけの目的」なのも一つの見方です。少なくとも、無理に仕事に幸福感ややりがいを求めなくても良いのかもしれませんね。
年収の頭打ちや幸福度の流れを見ると、会社勤めのストレスは想像以上と言えるものかもしれません。しかし一方で、サラリーマンにとって起業はハードルの高い行為ですし、他の十分な収入を得る手段も中々持てないのが実情です。
未だに女性の3割は専業主婦希望ですし、最近では男性でも主夫になりたがる声が増えつつあります。その背景には、それほど会社勤めに対する不満やストレスがあるのかもしれません。ぜひとも、会社員の方を労わる姿勢で接していきましょう。
なお、結婚相手の年収が低いと感じる方は以下記事も参考にどうぞ。
最後に、大切な補足情報をお伝えします。現在はワークライフバランスが推奨されていますが、実際には2極化が進んでいる時代です。もっと言えば、一部の方に過労死するほど仕事が集まり、他の多くの方は餓死するほど仕事がないか低収入な状況になっています。
しかも、むしろ2極化の流れは加速中です。この状況下で年収を適度な水準で保つのは、かなり難しいといえます。どちらかと言えば、仕事に幸福度を求めるのではなく、むしろ仕事は収入を得るためと割り切って、早期リタイアを目指すのも対処法の一つです。
今はなかなか年収も上がらない時代ですが、これが方向性としては一つの正解といえます。先ほどの統計でもありましたが、長引くほどに気力体力や幸福度を奪われるだけですから、少しでも若いうちに大金を稼ぎ、早期にリタイアする方向性で努めていきましょう。
年収を上げても幸福度は頭打ちがありますが、年収が下がるほどに不幸度が増すのも現実です。結局のところ、お金はあっても困りませんが、ないと困ります。幸せになるためではなく、不幸にならないために仕事をする、仕事に励むのも十分にアリな考え方です。
そもそも今は「老後資金2000万円問題」もあります。これは多くの方がムリと感じている問題です。そして、この問題への対処法は、やっぱり仕事をしてお金を稼ぐのが基本となります。幸せを追い求める一方で、不幸にならないためにも改めて仕事に励んでいきましょう。
頭打ちはあるものの、多くの方はその水準を稼げていません。このため、まずは幸福度を高めるためにも年収を上げていくことが大切です。一方、年収は下がると不幸を感じますから、不幸を感じないためにも仕事に励むことが大切といえます。
幸せになるためと不幸にならないため、その両面を考えて、また明日から仕事に励んでいきましょう。
なお、もっと年収と幸福度の関係を知りたい方は以下記事も参考にどうぞ。
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