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シングルマザーの収入はいくらあれば余裕?子育てに必要なお金をFPが解説!

シングルマザーの収入はいくらあれば余裕?子育てに必要なお金をFPが解説!

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森本 由紀

森本 由紀

行政書士、AFP(日本FP協会認定)、離婚カウンセラー

行政書士ゆらこ事務所・離婚カウンセリングYurakoOffice代表。法律事務所勤務を経て、2012年に行政書士として独立。メイン業務は協議離婚のサポート。養育費、財産分与など離婚の際のお金の問題や離婚後の生活設計に関するアドバイスなど、離婚する人の悩みを解決するためトータルなサポートを行っています。法人設立や相続に関する業務にも力を入れています。

この記事のポイント

  • シングルマザーの年間就労収入の平均額は200万円。
  • シングルマザーは養育費と手当を合わせても毎月20万円程度の収入しか得ていない。
  • シングルマザーが必要な貯金をするためには収入を増やすことが不可欠。
  • シングルマザーの収入を増やすためには養育費の確保も大切。

この記事は約9分で読めます。

離婚してシングルマザーになったら、子供を養っていくだけの収入が得られるかどうかが心配でしょう。本記事では、シングルマザーの収入はいくら必要かについて説明します。離婚するときには、子供との生活に必要な収入を確保できるよう、しっかりマネープランを立てておきましょう。

 

シングルマザーの平均年収は?

シングルマザーの平均年収は?

母子家庭の実態を知る手がかりとなるのが、厚生労働省の行っている全国ひとり親世帯等調査です。平成28年度全国ひとり親世帯調査の結果をもとに、シングルマザーの収入の実態を見てみましょう。

 

母子家庭の年間収入の平均額

母子世帯2060世帯(※離婚以外に死別や未婚も含む)を調査した結果、年間収入の平均額は次のようになっています。

平均年間収入(母自身の収入) 243万円
平均年間就労収入(母自身の就労収入) 200万円
平均年間収入(同居親族を含む世帯全員の収入) 348万円

調査結果によると、母子家庭の平均年間収入は243万円です。これは、年間に得られるすべての収入の合計額で、給料のほか養育費や手当なども含まれます。1か月あたりにすると約20万円ということになります。

 

シングルマザーの給料はどれくらい?

シングルマザー自身が働いて得られる年収の平均額(平均年間就労収入)は、200万円です。ボーナスを考慮しない場合には1か月あたり約16万円ということになります。就業しているシングルマザーの雇用形態は、次のグラフのような割合になっています。

シングルマザーの給料はどれくらい?

シングルマザーは、正規の職員・従業員が44.2%、パート・アルバイト等が43.8%でほぼ半々です。

同じひとり親でも父子世帯の父(シングルファーザー)の年間就労収入の平均は398万円で、シングルマザーの約2倍です。シングルファーザーの場合には、正規の職員・従業員が68.2%、自営業が18.2%となっており、パート・アルバイト等は6.4%しかいません。

シングルマザーは働いていても非正規雇用のパート・アルバイトの人が多く、自分の給料だけでは十分な収入になっていないことがわかります。

 

養育費の平均額は?

平成28年度全国ひとり親世帯調査では、養育費の取り決めについて、次のような結果が出ています。

養育費の取り決めをしている母子世帯の割合 42.9%
離婚した父親から養育費を現在も受けている人の割合 24.3%
養育費の取り決めをしている人の平均月額 4万3,707円

母子世帯のうち半数以上が養育費の取り決めをしておらず養育費を現在も受けているシングルマザー4人に1人です。養育費のある人は平均で月4万円程度をもらっているけれど、4人中3人は自分の給料や手当だけで生活していることになります。

 

手当はどれくらいもらえる?

母子世帯の収入としては、自治体等から支給される手当もあります。全国共通で支給される児童扶養手当・児童手当の金額を知っておきましょう。

 

児童扶養手当

児童扶養手当は18歳までの子供がいるひとり親に支給される手当です。児童扶養手当の金額は、所得(養育費の8割も含む)に応じて変わり、全部支給、一部支給、全部停止(支給なし)が決まります

平成31年4月以降の月額は、次の表のとおりです。

対象児童 全部支給 一部支給
1人目 42,910円 42,900円~10,120円
2人目 10,140円 10,130円~5,070円
3人目以降 6,080円 6,070円~3,040円

 

児童手当

児童手当は15歳までの子供がいる親に支給される手当です。ひとり親に限ったものではありませんが、離婚後は子供を養育している親が児童手当を受給できます。児童手当の金額は、次の表のとおりです。

児童の年齢 1人あたり月額
3歳未満 一律1万5000円
3歳以上小学校修了前 1万円(第3子以降は1万5,000円)
中学生 一律1万円

シングルマザーが受けられる手当については、以下の記事もご参照ください。

 

シングルマザーの収入は子育てするのに十分ではない

シングルマザーの毎月の平均的な収入は20万円程度、内訳としては給料が16万円、養育費や手当が4万円といった感じです。この金額では、毎月必要な生活費を賄うのにギリギリで、貯金をする余裕などないでしょう。

 

両親がいる世帯の半分以下

厚生労働省の「平成28年度国民生活基礎調査」によると、児童がいる世帯全体の平均年収は707.6万円です。シングルマザーの場合には、養育費や手当を含めても、一般的な子供がいる世帯の年収とは比べ物にならないくらい低い年収です。

 

シングルマザーは収入を増やすことが肝心

シングルマザーが安心して子育てしていくためには、収入を増やすことが欠かせません。手当はあくまで足りない分を補助してくれるものですから、安定した収入が得られる仕事に就き、養育費を確保することが必要です。

 

母親と子供の生活に必要な収入の目安は?

母親と子供の生活に必要な収入の目安は?

日本のシングルマザーの年収は、かなり少ないのが現状です。実際に離婚後の母親と子供の暮らしには、どれくらいの収入が必要なのでしょうか?

 

 

毎月かかる生活費は15~20万円以上

シングルマザーでも、毎月の支出金額は人それぞれです。たとえば、住居費1つとっても、公営住宅と民間の賃貸住宅とではかなり差があります。親と同居すれば家賃がかからないこともあるでしょう。

住む地域によって物価も変わりますし、子供の人数によってもかかる生活費は変わります。一般には、1か月あたりの生活費として15~20万円程度はかかるのが普通です。

シングルマザーと子供に必要な生活費については、以下の記事もご参照ください。

 

貯蓄に回す分も必要

毎月の収入の中から、将来に備えての貯蓄もしておいた方が安心です。特に、子供を大学や専門学校に進学させるとなると、まとまったお金がかかってきます。毎月少しずつでも貯蓄に回せるような生活設計が理想です。

シングルマザーに必要な貯金については、以下の記事もご参照ください。

 

教育費はどれくらい必要?

子供にかかる費用のうち、大きなウェイトを占めるのが教育費です。特に、将来かかる進学費用については、あらかじめ考えておく必要があります。

 

高校までは家計から出すことも可能

中学までは義務教育なので、それほどお金はかかりません。高校も公立高校に進学すれば、授業料も毎月の家計から出せるでしょう。

私立高校に進学する場合には、入学時に50万円程度はかかるため貯金が必要になってきます。私立高校の授業料は無償化されている都道府県もあります。

 

大学・専門学校への進学費用は貯金しておく

高校までの教育費は、貯金がなくても毎月の生活費でなんとか賄えるかもしれません。しかし、大学や専門学校に進学する場合には、毎月の生活費では対応ができないでしょう。たとえば、私立大学入学時には、入学金や前期授業料で100万~200万円程度かかるのが一般的です。

 

進学費用がない場合には奨学金も検討

進学費用を全額貯金で用意するのが困難な場合には、奨学金を利用する方法もあります。低所得世帯の人は返還不要の給付奨学金を利用できる可能性がありますので確認してみましょう。

なお、貸与奨学金を借りる場合には、子供が返還義務を負うことになるので、子供とよく話し合って決めることが大切です。

 

収入がいくらあれば安心して子育てできる?

シングルマザーが必要な収入について考えるときには、自分の家庭でかかる生活費を知ることが必要です。

 

まずは家計簿をつける

生活にかかる費用を把握するために、離婚する前から家計簿をつけましょう。現状を正確に把握することで、離婚後にかかる食費や光熱費、通信費、教育費などもイメージできるようになります。

 

家計簿をもとに生活設計

毎月かかる生活費をイメージできたら、自分の給料と養育費でそれを確実にまかなえるように生活設計します。毎月ギリギリではなく、月に1万円以上は貯蓄に回せるようにしましょう。離婚後の生活設計の仕方がわからない場合には、FPに相談してみるのもおすすめです。

 

シングルマザーが収入を増やす方法①正規雇用を目指す

シングルマザーが収入を増やす方法①正規雇用を目指す

シングルマザーが就労収入を増やすために、まず考えたいのが正規雇用を目指すことです。正社員になることで、収入を増やせるだけでなく、将来に向けての安心感も得られます

 

 

パート・アルバイトではなかなか収入が増えない

パートやアルバイトの場合、ボーナスが出なかったり有給休暇がとれなかったりして、十分な収入にならないことがあります。

子供が小さいうちは長時間の勤務が難しいこともあるでしょう。しかし、年齢が上がるにつれて正規雇用が難しくなってしまうのも事実です。40代前半くらいまでには正社員になることを目指しましょう。

 

正規雇用のメリット

シングルマザーが正社員になると、次のようなメリットがあります。

 

解雇のリスクが低い

パート・アルバイトの場合には、勤務先の都合で解雇される可能性もありますが、正社員になれば解雇のリスクも少なくなります

 

社会保険料の負担が軽い

正社員になれば勤務先の社会保険に加入することになります。会社が社会保険料の半分を負担してくれるので、自分で国民年金・国民健康保険料を払うよりも負担が軽くなります

 

社会保険のメリットを受けられる

また、社会保険に加入していれば、病気やケガで仕事を休んだ時にも傷病手当金がもらえます。一人で子供を育てなければならないシングルマザーにとって、もしものときに公的な手当金が出るのは非常に心強いはずです。社会保険に加入することにより、老後の年金も増やせます

 

シングルマザーが収入を増やす方法②資格を取得

シングルマザーが収入を増やす方法②資格を取得

手に職がないというシングルマザーは、資格を取得して就職・転職することを考えてみましょう。特に医療・介護系の仕事の需要は大きく、資格取得が直接収入アップに結び付きます。

 

看護師の資格を取得して収入アップ!

女性でも子供を育てていくのに十分な収入が得られる仕事として、看護師を思い浮かべる人は多いでしょう。

厚生労働省の行った「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は479.9万円、女性看護師のみの平均年収でも478.4万円です。つまり、看護師になれば、就労収入だけでシングルマザーの平均年収の約2倍になるということです。

 

公的な支援を受けながら看護師等の資格が取れる!

シングルマザーが看護師の資格を取る場合に活用できるのが、「ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金」です。給付金を利用すれば、勉強している期間中の生活費の心配もなくなりますし、資格取得後に収入アップも望めます。

 

毎月もらえる「高等職業訓練促進給付金」

看護師、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士などの資格を取るため養成機関(専門学校など)で勉強している期間中には、高等職業訓練促進給付金がもらえます。

給付金は月額で支給され、概ね次のような金額になります。

修業中の支給月額(通常時) 修業中の最後の12か月の支給月額
市町村民税非課税世帯 100,000円 140,000円
市町村民税課税世帯 70,500円 110,500円

※給付金の対象となる資格や給付金額は、都道府県によって異なるところがあります。

 

修了時にもらえる「高等職業訓練修了支援給付金」

養成機関での勉強の修了時には、一時金として高等職業訓練修了支援給付金が支給されます。給付金の金額は、次の表のとおりです。

市町村民税非課税世帯 50,000円
市町村民税課税世帯 25,000円

 

シングルマザーが収入を増やす方法③養育費を確保

シングルマザーが収入を増やす方法③養育費を確保

子供を育てていくにはお金がかかります。離婚しても父親には子供を養う義務はありますので、養育費を払ってもらいましょう。

 

養育費の取り決めは公正証書で

離婚時には、養育費を取り決めして、公正証書にしておくのがおすすめです。

 

公正証書とは

公正証書は公証役場にいる公証人に作成してもらう公文書です。養育費の取り決めを公正証書にすれば、証拠としての力が強くなります。公正証書があれば、元夫が約束通り養育費を支払わない場合に、差押えして回収することも可能になります。

 

公正証書等作成促進補助金(大阪市)とは

2019年4月より、大阪市では養育費に関する公正証書の作成に補助金を交付する制度(公正証書等作成促進補助金)が始まっています。大阪市在住の方は、制度の利用も検討してみましょう。

離婚公正証書の作成方法については、こちらの記事をご参照ください。

 

養育費保証を付ける方法も

養育費を確保するために、養育費保証を付ける方法もあります。

 

養育費保証とは

養育費保証は、保証会社に養育費の連帯保証をしてもらえるサービスです。保証会社に保証料を払う必要がありますが、養育費の滞納時には保証会社に最大12か月分を立て替えてもらえるほか、元夫への督促も任せられます。

 

一部の自治体では補助もある

2019年9月現在、大阪市及び兵庫県明石市の2つの自治体では、養育費保証料を公費で負担する制度があります。今後、同様の制度を設ける自治体が増えることが予想されますので、情報をチェックしておきましょう。

 

シングルマザーの収入に関するまとめ

シングルマザーの収入は、毎月の生活費を賄えるだけあればよいというものではありません。将来に備えて貯蓄ができるよう、収入を増やすことを考えましょう。収入を増やすためには、養育費の確保も重要です。離婚時に養育費の取り決めをし、公正証書を作成しておきましょう。

 

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