- 普通預金より定期預金のほうが高い金利を適用されるのが一般的。
- ネット銀行は店舗がない分高い金利設定となっていることが多い。
- 条件に当てはまれば、地方金融機関の中にも高い金利で定期預金を預けられるケースがある。
公開日:2020年9月19日
銀行にお金を預けると利息を受け取ることができますが、最近の低金利では「利息はないものといってよい」と感じられている方も少なくないでしょう。一方、金融機関によっては高金利の定期預金を用意しているケースもあります。
本記事では、金利の基本的な内容についてお伝えするとともに、特に高金利の定期預金を提供している銀行をランキング形式でご紹介していきたいと思います。
目次
1990年代にバブルが弾けて以降、日本では長く低金利時代が続いています。金利の底と言われる状態が続く中で、2016年には金融緩和政策としてマイナス金利が導入されるなど、これまでの常識を超えてさらに低金利な時代となりました。
この状況がさらに進展すると、利用者は銀行にお金を預けるのに、利息を受け取るのではなく、利息を支払わなければならない可能性もあるといいます。こうした状況の中、高い利息を受け取れる金融機関はあるのでしょうか?
金利について考えるにあたり、まずは利率や利息、利子など似た言葉の違いについて理解しておくとよいでしょう。それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
上記どおり、基本的に金利と利率は同じ意味で、利息はお金を預けたときに受け取れるもの、利子は融資を受けたときに銀行に支払うものと考えるとよいでしょう。
金融機関にお金を預けると、利息を受け取ることができます。これは、金融機関がお金を預かって、そのお金を何らかの方法で運用し、増やしているからです。
銀行への預金者が銀行に対してお金を貸しており、その対価として利息を受け取っていると考えると分かりやすいのではないでしょうか。
この利息の割合、つまり金利はお金を預ける金融機関によって異なります。利用者としては、同じお金を預けるのであればできるだけ高い金利をつけてくれる金融機関がよいと考えるのは当たり前のことでしょう。
例えば、みずほ銀行の普通預金金利は2020年8月時点で0.001%となっています。仮に100万円預けたとしても、20%の税金を際引いて8円しか受け取れない計算です。
一方、同じみずほ銀行で普通預金ではなく、定期預金として預ける場合は金利が0.002%となり、2倍高い利息を受け取れる計算となります。
上記と同じように100万円預けるケースでは、1年間で普通預金の2倍の16円を受け取れます。このように、同じ金融機関でも普通預金より定期預金のほうが金利が高く設定されているのが一般的です。
これは、銀行側ができるだけ長くお金を預けてもらいやすい定期預金の金利を上げることで、定期預金の利用を促す効果を期待してのことです。
また、金利は金融機関によっても異なります。例えば、住信SBIネット銀行であれば、1年ものの定期預金は0.020%とみずほ銀行のおよそ10倍に設定されています。
銀行にお金を預ける際には普通預金より定期預金を選ぶとともに、少しでも高い金利をつけてくれる金融機関を選ぶことが大切です。
先程みずほ銀行と比較した住信SBIネット銀行は店舗を持たないネット銀行ですが、一般的にネット銀行は店舗のある金融機関と比べて金利が高く設定されています。
これは、ネット銀行は店舗を持たないが故に事務所の賃料等支払う必要がなく、結果として高い金利を実現しやすくなっていると考えられます。
できるだけ高い利息を受け取りたいと考えるのであれば、ネット銀行を中心に見てみると早いはずです。
とはいえ、ネット銀行以外にも金利の低い金融機関もあります。以下で、ネット銀行・都市銀行を含めて定期預金の金利が高い銀行を徹底比較していきたいと思います。
ここでは、ネット銀行や都市銀行を中心に、定期預金の金利が高い人気の銀行をランキング形式でご紹介します。(2020年8月時点)
auじぶん銀行はKDDIと三菱UFJ銀行の共同出資によるネット銀行で、預入期間3カ月ではありますが、新規口座開設時に限り「3ヶ月もの円定期預金」が0.50%で利用できるようになっています。
また、ほかの金融機関からauじぶん銀行に預金を移す場合、その振込金額について預入期間3カ月は0.30%に優遇されます。
ただし、3カ月が過ぎると通常の金利適用となり、預入期間3カ月の場合は0.040%という金利設定となります。0.040%でも十分に高い金利ではありますが、預入期間については注意が必要です。
例えば、100万円を1年間預ける場合、以下のように計算できます。
auじぶん銀行の定期預金は1円単位から預入できるため、ちょっとしたまとまったお金ができたときに小まめに貯めていきたいといった方にもおすすめです。
また、auじぶん銀行に300万円以上の資金預けていると、ATM手数料が月に11回、他行宛て振込手数料が月に15回無料になるなど、預入資金によって受けられるサービスが変わります。
SBJ銀行はShinhan Bank Japanの略で、韓国の大手銀行である新韓銀行を中核とする「新韓金融グループ」の日本現地法人です。
韓国の金融機関のグループ会社ではありますが、韓国の銀行の日本支社という扱いではなく、日本の銀行であり、預金保険機構の対象になっています。
SBJ銀行では2020年現在「サンキューキャンペーン」を実施しており、ネットバンキングからの申し込みに限り、預入期間2年、3年の定期預金を0.35%で利用できます(SBJ銀行で新規口座開設する場合)。
適用金利こそauじぶん銀行より低いですが、SBJ銀行は預入期間2年、3年で高い金利設定となっているため、長期でお金を預けたいと考えている方におすすめだといえるでしょう。
例えば、預入期間2年で定期預金100万円を預ける場合、その内1年間の利息は以下のように計算できます。
ただし、指定した期間を経過する前に定期預金を解約した場合には、上記金利は適用されない点に注意が必要です。
なお、SBJ銀行はセブン銀行やイオン銀行、みずほ銀行、ゆうちょ銀行など提携ATMが多い点でも魅力的です。近くのコンビニやゆうちょでも入出金できるため、基本的にはどこに住んでいても利用しやすい金融機関だといえるでしょう。
さらに、セブン銀行とイオン銀行のATM手数料が無料、他行宛の振込手数料が月に7回まで無料等、定期預金以外にもお得なポイントが多数あります。
オリックス銀行は大手総合リース企業オリックス傘下の銀行で、インターネット専用定期預金「eダイレクト預金」が魅力です。
オリックス銀行は預入期間5年で0.30%のほか、1年もの0.12%、3年もの0.27%といずれも高い金利設定となっています。特筆すべきは、いずれも特別キャンペーン金利ではないということでしょう。
キャンペーン適用金利の場合、当初の適用期間が経過した後は、低い金利設定になってしまいますが、オリックス銀行であればそうした心配もありません。
auじぶん銀行やSBJ銀行より当初の適用金利が低くとも、長期的に見るとオリックス銀行のほうがお得になる可能性は高いでしょう。
例えば、預入期間5年の定期預金を100万円分預けた場合、その内1年間について利息を計算すると以下のようになります。
ちなみに、手間がかかりますし銀行からいい顔はされませんが、例えばauじぶん銀行のキャンペーン適用金利を利用した後、オリックス銀行に預金を移すといったことも可能です。
ローソン銀行は大手コンビニエンスストアローソンで利用できる銀行で、通常の適用金利は0.030%ですが、キャンペーン実施期間中に限り、預入期間3カ月まで0.25%の適用金利で利用できます。
例えば、ローソン銀行でキャンペーン金利の適用を受けて、100万円を定期預金として1年間預けた場合、利息は以下のように計算できます。
なお、ローソン銀行は300万円以上を普通預金で預けると金利が0.15%となる制度も用意されています。
普通預金ですからいつでも引き出し可能で、またキャンペーン金利のように期間が過ぎると金利が低くなるわけでもないため、300万円以上のまとまった資金の預け先を探している場合には、定期預金ではなくローソン銀行の普通預金を利用するのも一つの方法です。
GMOあおぞらネット銀行はあおぞら銀行グループとGMOインターネットグループによるネット銀行で、6カ月以上1年未満と1年以上2年未満の定期預金金利が0.030%となっています。
ここでご紹介したほかの銀行と比べると低い金利のようにも見えますが、一般的には十分高金利な設定といっていいでしょう。
仮に1年間、100万円分を定期預金として預ける場合の利息を計算してみると以下のようになります。
地方銀行や信用金庫など地方を拠点とする金融機関の中にも、高い定期預金金利で利用できるものがあります。
エリアによっては利用できないこともありますが、ここでご紹介する地方金融機関の近くにお住まいの方は利用を検討してみるとよいでしょう。
以下の信用組合や信用金庫では、最大1.00%で定期預金を預けることができます。
例えば、100万円の資金を金利1%で1年間預けた場合、受け取れる利息を計算すると以下のようになります。
1年間で1万円の利息を受け取れると考えると、利用価値は高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
ただし、医師信用組合は医師限定、東京都職員信用組合は新入東京都職員限定となっているほか、預入額1,000万円以上からなど条件が厳しいことがほとんどです。
次に、以下のような金融機関では、最大0.50%以上で定期預金を利用できるようになっています。
例えば、100万円の資金を金利0.60%で1年間預けた場合、受け取れる利息を計算すると以下のようになります。
東京スター銀行は東京都の第二地方銀行ですが、この金利で利用できるのは相続専用資金、つまり相続で得た資金を定期預金として預ける場合のみとなっています。
また、朝銀西信用組合では、満75歳以上に適用されるシニア定期預金で上記の金利の適用を受けることが可能です。
いずれも、条件はありますが、医師信用組合のように特定の職域限定というわけではないため、条件を覚えておくことで将来利用できる可能性があるかもしれません。
ここでご紹介したもの以外にも信用金庫や信用組合、地方銀行でも高い金利設定の定期預金は複数あります。
これらは、基本的に対象の金融機関の営業エリア内に住んでいる方が対象となりますが、お近くの金融機関でもこうした高金利設定の定期預金を利用できる可能性があるため、確認してみるとよいでしょう。
定期預金の金利が高い金融機関について、都市銀行やネット銀行をランキング形式でお伝えするとともに、いくつかの地方金融機関についてもご紹介しました。
日本では金利が非常に低い時代が続いていますが、こうした中でも資金を集めるために、高い金利設定を打ち出している金融機関はあります。
店舗の場所や振込手数料・ATM手数料等、金利以外の利便性等、総合的に判断しながら、より利用しやすい金融機関を探してみるとよいでしょう。
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