- ゆうちょ銀行では、個人名義では原則一人一口座。
- 通常貯蓄貯金口座と通常貯金口座は一口座ずつ開設できる。
- 両者の特徴を活かして使い分けをしていく。
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あなたは普段、ゆうちょ銀行を利用しているのでしょうか?
いつもはあまり意識せずにゆうちょ銀行からお金を下ろしていて、ATM利用手数料が無料という恩恵を受けているのですが、ふと「このキャッシュカードを失くしたらどうしよう。口座を増やせないかな」と考えることもありますよね。
そこでこの記事では、ゆうちょ銀行で開設できる口座の数や複数口座を持つ場合のポイントについて解説いたします。
そもそも、ゆうちょ銀行で複数の口座を持つことはできるのでしょうか?大変残念なお知らせですが、ゆうちょ銀行では現在原則一人一口座しか持てないことになっています。
ゆうちょ銀行とはもともと郵便局で、ほかの都市銀行やネット銀行とは成り立ちが違っており、双方間でお金のやり取りをすることは不可能ではありませんが少し面倒になっています。したがって、ゆうちょ銀行をメインで利用している人はこちらの口座のみを利用しがちになります。
できればゆうちょ銀行の口座を複数持って紛失リスクに備えたい所ですが、原則一人一口座と言われてしまえばどうしようもないでしょうか?いいえ、「原則」一人一口座と申し上げました。ということは、例外もありそうです。
ということで、ここではゆうちょ銀行で開設できる口座の数について述べていきます。
そもそもこの一人一口座という根拠は、ゆうちょ銀行のホームページの記載にあります。そこには、「個人名義では一人当たり一口座しか開設できない」旨が書かれています。このようにはっきりと書かれていますので、一見すると全く取り付くしまがないように思われます。
また、すでに口座を持っていて新たに口座開設を申込んできた場合には、開設を断る場合もあるとまで書かれています。とぼけて二重に申し込んでもダメだということでしょう。
ただし、昔は口座を複数持つことも許されていたようです。当時複数口座を持っていた場合も一つにされてしまうのかというと、そこまではされないようです。
ちなみに私がゆうちょ銀行で口座を作った際には、すでに複数の都市銀行やネット銀行で口座を持っていました。それでもなぜ追加で口座を作ったのかというと、地方の田舎にある生産工場に数週間泊りがけで作業をすることが決まったからです。
そんなところでまともにお金を下ろせるATMは、当時ここしかありませんでした。田舎に住む人は、ゆうちょ銀行で一口座しか持てないと不便であることは想像できます。
ただし、一人一口座という記載のすき間を突くことはできます。
まず「個人名義では」という部分ですが、これは裏を返すと別の名義であれば口座を別に持てることになります。具体的には、家族の名義で口座を作ることができます。
「それは問題なのでは」と思われるかもしれません。しかし、例えば子供が生まれて、その子名義で口座を作って学費用の資金を貯金することは少しも問題ではありません。ゆうちょ銀行の口座作成には年齢制限がありませんので、こうしたことも可能になります。
また、ゆうちょ銀行のホームページで、ゆうちょ通帳アプリのQ&Aのところに、アプリは「氏名・生年月日が同一の総合口座(通常貯金または通常貯蓄貯金)を、計二口座まで」利用できるとあります。
先ほどの記載と矛盾するようでわかりにくいですが、実は通常貯金と通常貯蓄貯金をそれぞれ一口座、計2つ開設することは可能です。これは都市銀行でも普通預金と貯蓄預金の2つを持てる場合があるのと同じことです。
ただしこれは、自分の通常貯金口座を2つ作るわけではありませんので、注意しておかなければいけないポイントもあります。
まず家族の口座を作成する際には、自分の本人確認だけではなく、その家族の本人確認も必要になります。本人確認書類を忘れないようにしましょう。
また、通常貯金口座と通常貯蓄貯金口座は、全く同じように使えるわけではありません。それぞれの特性を事前に把握して使うようにしましょう。
副業などをしている場合に、管理上どうしても個人事業用の口座を別に持っておきたい、という場合もあるでしょう。さきほども申し上げたように、生活用の口座をゆうちょ銀行に持ち、事業用の口座を都市銀行に持っていると、双方でお金を移動させるのが面倒です。
実はゆうちょ銀行では、個人事業用の口座であれば別に持つことが可能です。これは朗報といえるでしょう。ただし、個人事業用の口座の住所には屋号を入れる必要があります。「~商店」「~事務所」といった文言になります。
屋号付き口座については、下記をご覧下さい。
このように、ゆうちょ銀行の口座は原則一人一口座でも2つ持てる場合があります。ただし多くの場合、複数口座は通常貯金と通常貯蓄貯金で持つ、というパターンが多いのではないでしょうか?ここでは通常貯蓄貯金の中身と、通常貯金と通常貯蓄貯金の使い分けについて見ていきましょう。
なぜここで通常貯蓄貯金口座について紹介するかというと、あまりなじみがないと思われるからです。実際、私も通常貯蓄貯金口座については開設していません。ただし通常貯蓄貯金は通常貯金とは違いますので、使い方も少し違ってきます。
そこで、通常貯蓄貯金口座にはどのような特徴があるのかについて説明していきます。
通常貯金口座と通常貯蓄貯金口座の違いを挙げるとすれば、下記のようになります。
通常貯金口座は主に入出金に使うのに対し、通常貯蓄貯金口座は貯蓄に使います。当然、通常貯蓄貯金へのお金の出し入れの回数は比較的少ないです。その性格は、給与振り込み・公共料金支払い・年金受取に使えないことからも特徴づけられます。
また、利子に関しては2020年現在両者は全く同じとなっています。
通常貯蓄貯金口座でも通常貯金口座と全く同様に別の通帳が発行されます。その通帳は、やはりATMでも使えて同じように引き出しができます。さらに、通帳だけではなくキャッシュカードも別に発行されます。もちろん、通常貯金口座のものと同様に使用できます。
それでは、通常貯金口座に加えて通常貯蓄貯金口座を作る理由は何でしょうか?また、この2つをどのように運用していったらよいでしょうか?
先ほど述べた両者の違いを考え合わせると、やはりメインでは通常貯金口座を使うのがよいでしょう。ここに給料の振込や生活費の引き出しなど、日々のやり取りを集中させます。
そうして家計を運用し、余裕が出たら通常貯蓄貯金口座に移して貯金するというやり方をします。では、通常貯蓄貯金口座に貯金したお金は何に使うのかというと、こちらは余裕資金となりますので、まとめて大きな買い物のときに引き出すとか、投資資金に使うといった運用をしていきましょう。
このようにすると、複数の口座をうまく使い分けることができます。
貯金については、下記の記事をご覧下さい。
ゆうちょ銀行では、個人名義では原則一口座しか持つことができません。ただし家族の口座を開設したり、通常貯蓄貯金口座を持ったりして、2つ以上の口座を手にすることも可能です。
また、通常貯蓄貯金口座は通常貯金口座とは違う点もあり、そこを利用して2つを上手に使い分けることもできます。
ゆうちょ銀行をメインに使っていて、紛失などに備えて口座を複数持ちたくても、なかなか難しいものです。しかし、それは決して不可能ではありません。工夫をすることで、2つの口座を上手に運用していきましょう。
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