- 銀行によって金利には差がある。
- 金利がメガバンクの数百倍というネット銀行は多い。
- 従来型銀行のインターネット支店やキャンペーン特別金利なども要チェック。
- 手数料や使い勝手など金利以外のポイントも比較して選択を。
公開日:2019年8月5日
預金金利が高いイメージのあるネット銀行ですが、金利は銀行によって違います。この記事ではネット銀行を比較した上で、金利の高いネット銀行をその特徴とともにご紹介します。
目次
預金金利(利率)によって受け取れる利息は違ってきます。仮に100万円を3年間定期預金として預けた場合、受け取れる利息は以下の表のようになります。
現在の低金利では利息額が大きく違うとまでは言えないかもしれませんが、いずれもリスクの同じ元本保証の商品。同じ金額を同じ期間預けるなら、少しでも金利の高い銀行に預けるほうが有利です。
金利(約定利率・年率) | 税引き前利息 | 税引き後利息 |
---|---|---|
0.01% (メガバンク等の金利水準) |
300円 | 240円 |
0.02% | 600円 | 479円 |
0.10% | 3,002円 | 2,393円 |
0.20% | 6,005円 | 4,786円 |
0.35% | 10,509円 | 8,375円 |
※楽天銀行定期預金利息シミュレーションによる概算
預金金利の高さではネット銀行が群を抜いていますが、都市銀行や地方銀行など従来型の銀行でも、インターネット支店などでネット銀行を上回る高い金利を設定している銀行もあります。
出典:あおぞら銀行
あおぞら銀行が2019年7月16日から提供を開始した新しいマネーサービス「BANK」では、普通預金金利が業界最高となる年0.20%(2019年7月31日現在)に設定され、注目を集めました。
定期預金金利についても年0.25%(1年・単利)と高水準。銀行を比較、検討する際には従来型銀行のインターネット支店も要チェックと言えます。
まずは普通預金金利の高いネット銀行(従来型銀行ネット支店含む)をランキングでご紹介します。
参考:メガバンクの普通預金金利 年0.001%
(2019年7月31日現在)
東京スター銀行は首都圏を中心に店舗を持つ銀行。給与振込口座に指定した場合に普通預金金利が年0.10%となります(通常金利:年0.001%)。パートやアルバイトの給与振込でも適用されます。
自動振込サービスの手数料が0円のため、東京スター銀行で一旦給与を受け取り、別の銀行の口座に振り分けるといった使い方もできます。
出典:東京スター銀行
コンビニなどの提携ATM手数料が月8回まで実質無料(※1)、ネットバンキング利用の他行宛振込手数料が月3回まで実質無料(※2)などのメリットもあり、普段使いのメインバンクとしてもおすすめです。
(※1)一旦手数料を支払い、翌月振込によりキャッシュバック(手数料発生月の預金平均残高の10%がキャッシュバック上限)。
(※2)インターネットバンキングに登録し口座取引明細を郵送しない設定にしている人が対象。一旦手数料を支払い、翌月振込によりキャッシュバック。
普通預金金利(通常) | 年0.001% |
---|---|
普通預金金利(給与振込口座) | 年0.10% |
楽天銀行の普通預金通常金利は年0.02%。通常でもメガバンクよりも高いのですが、楽天カードのカード利用代金の引落があれば年0.04%、楽天証券との口座連携サービス「マネーブリッジ」を利用した場合に、普通預金金利が年0.10%まで金利がアップします。
出典:楽天証券
取引状況に応じて提携ATM手数料が最大月7回まで無料、他行宛振込手数料が最大月3回まで無料となるほか、楽天スーパーポイントなど楽天の各種サービスと併用すればさらにお得に利用できます。
普通預金金利(通常) | 年0.02% |
---|---|
普通預金金利(楽天カード利用代金引落あり) | 年0.04% |
普通預金金利(マネーブリッジ利用あり) | 年0.10% |
GMOあおぞらネット銀行は、あおぞら銀行とGMOインターネットグループが共同で設立したネット銀行。GMOクリック証券との口座連携サービスである「証券コネクト口座」を利用すれば、普通預金金利が年0.11%となります(通常金利:年0.001%)。
出典:GMOあおぞらネット銀行
適用条件なく誰でも提携ATM手数料が月2回まで無料、他行宛振込手数料も月1回無料となるメリットもあります。
普通預金金利(通常) | 年0.001% |
---|---|
普通預金金利(給与振込口座) | 年0.11% |
イオン銀行では対象となるイオングループの金融サービス・取引の利用に応じて「イオン銀行Myステージ」が決まり、普通預金金利が最高年0.15%(プラチナステージ)までアップします。
ステージによって優遇内容は異なるため、自分が無理なく達成できるステージの優遇内容によってメリットの大きさは変わります。
イオン銀行Myステージの各ステージごとの金利や手数料優遇の内容は下図の通り。プラチナステージとなるためにはイオン銀行スコアが150点以上必要です。(対象取引とイオン銀行スコア配点一覧)
出典:イオン銀行
普通預金金利(通常) | 年0.001% | |
---|---|---|
普通預金金利 (イオン銀行Myステージ優遇あり) |
プラチナ | 年0.15% |
ゴールド | 年0.10% | |
シルバー | 年0.05% | |
ブロンズ | 年0.03% |
あおぞら銀行BANK支店は、あおぞら銀行のインターネット支店を新サービス開始に合わせリニューアルしたものです。BANK支店限定で適用される普通預金金利年0.20%は業界最高水準であり、他行を圧倒しています。
この金利は特定のサービスをするなどの条件はなく、口座を保有しているだけで適用されます。振込手数料の優遇はありませんが、ゆうちょ銀行ATM手数料は月3回まで無料です。
普通預金金利(通常) | 年0.20% |
---|
続いて、定期預金金利の高いネット銀行(従来型銀行のネット支店含む)をランキングでご紹介します。
参考:メガバンクの定期預金金利 年0.01%
(預入金額300万円未満・預入期間1年 2019年7月31日現在)
ソニー銀行では、預入期間6カ月、1年、2年の定期預金金利が高く設定されています(2019年7月31日現在)。また、円定期と外貨定期を同時に申し込むことで金利がアップする「セット定期プログラム」という独自の仕組みに特徴があります。
一定の条件を満たせば提携ATM出金手数料は月4回〜無制限、他行宛振込手数料は最大月11回まで無料となるメリットもあります。
預金科目 | 預入期間 | 金利 |
---|---|---|
定期預金金利 | 1カ月 | 年0.01% |
3カ月 | 年0.01% | |
6カ月 | 年0.15% | |
1年 | 年0.15% | |
2年 | 年0.15% | |
3年 | 年0.02% | |
5年 | 年0.02% | |
7年 | 年0.02% | |
10年 | 年0.02% | |
参考:普通預金金利 | 通常 | 年0.001% |
セット定期プログラムとは、申込金額に対する円定期と外貨定期の比率と預入通貨によって円定期に上乗せ金利がつく優遇サービス。
たとえば外貨預入比率75%、預入通貨米ドル、預入期間3カ月の条件で申し込んだ場合、通常金利(年0.01%)に金利が上乗せされ、円定期部分には年2.68%の金利が適用されます(外貨定期部分の金利は年1.90%)。
出典:ソニー銀行
外貨預金には為替変動や預金保険の対象とならないといったリスクも伴いますが、そのリスクを理解した上で外貨預金(外貨定期)を利用するのであればソニー銀行がおすすめです。
住信SBIネット銀行では、預入期間3カ月、1年の定期預金金利が高く設定されています(2019年7月31日現在)。
一定の条件を満たせば提携ATM出金手数料、他行宛振込手数料が最大月15回まで無料となるメリットや、デビットカード機能付きのキャッシュカードなど生活口座としても使いやすい銀行です。
預金科目 | 預入期間 | 金利 |
---|---|---|
定期預金金利 | 1カ月 | 年0.02% |
2カ月 | 年0.02% | |
3カ月 | 年0.30% | |
6カ月 | 年0.02% | |
1年 | 年0.20% | |
2年 | 年0.02% | |
3年 | 年0.02% | |
4年 | 年0.02% | |
5年 | 年0.02% | |
参考:普通預金金利 | 通常 | 年0.001% |
SBIハイブリッド預金 | 年0.01% |
あおぞら銀行のインターネット専用支店である「BANK支店」は定期預金金利も高く、預入期間1年の年0.25%は通常金利としてはトップ水準の金利です。
ただし預入期間1年以外では普通預金のほうが金利が高くなります。普通預金には金利が変動するリスクがありますが、現状では預け入れ期間1年以外の定期預金を選択するメリットはほとんどないと言えます。定期預金は50万円以上から預け入れが可能です。
預金科目 | 預入期間 | 金利 |
---|---|---|
定期預金金利 | 6カ月(単利) | 年0.15% |
1年(単利) | 年0.25% | |
3年(半年複利) | 年0.10% | |
5年(半年複利) | 年0.15% | |
参考:普通預金金利 | 通常 | 年0.20% |
SBJ銀行は、韓国大手銀行「新韓銀行」の日本法人として2009年に設立された銀行。外資系銀行ですが、日本法人であり預金保険の対象です。
定期預金金利は通常時も高い水準ですが、キャンペーン時の特別金利は業界トップ水準。SBJ銀行の定期預金を利用するのであれば、キャンペーン狙うのがお得です。
出典:SBJ銀行
普通預金金利も通常で年0.02%、年金受取口座に指定した場合は年0.20%と高く、ATM利用手数料は月10回、振込手数料は月7回まで無条件で無料(SBJダイレクト利用の場合)となるメリットがあります。
ただし公共料金や税金の引落口座として利用できないといったデメリットもあります。
預金科目 | 預入期間 | 金利 |
---|---|---|
定期預金金利 | 1週間 | 年0.10% |
1カ月 | 年0.05% | |
3カ月 | 年0.05% | |
6カ月 | 年0.05% | |
1年 | 年0.15% | |
2年 | 年0.20% | |
3年 | 年0.20% | |
5年 | 年0.25% | |
100万円上限定期預金 (ミリオくん1・2) |
1年 | 年0.20% |
2年 | 年0.25% | |
参考:普通預金金利 | 通常 | 年0.02% |
年金受取口座 | 年0.20% |
オリックス銀行は運用目的の商品をメインに取り扱う銀行。預金商品も、日常的な現金の出し入れや公共料金等の振替口座としての利用が前提となっておらず、生活口座として使うには向きません。
定期預金は最低預入金額が100万円以上(2週間定期預金は50万円以上)とややハードルは高めですが、その分金利が高く設定されています。
預金科目 | 預入期間 | 金利 |
---|---|---|
定期預金金利 (eダイレクト定期預金) |
2週間 | 年0.10% |
6カ月 | 年0.15% | |
1年 | 年0.20% | |
2年 | 年0.25% | |
3年 | 年0.30% | |
5年 | 年0.35% | |
参考:普通預金金利 (eダイレクト普通預金) |
通常 | 年0.01% |
※インターネット取引の場合。通販型(郵送)取引とは金利が異なります。
ネット銀行は外貨預金金利が比較的高く、為替手数料も割安な銀行が多いことから優位性があります。
イオン銀行では外貨預金として3通貨を取り扱っています。
預金科目 |
預入期間 |
通貨 |
---|---|---|
米ドル | ||
外貨普通預金金利 | 年0.70% | |
外貨定期預金金利 | 1カ月 | 年1.40% |
3カ月 | 年1.70% | |
6カ月 | 年1.80% | |
1年 | 年2.00% | |
為替手数料 | 円→外貨 | 0銭 |
外貨→円 | 50銭 |
ソニー銀行では外貨預金として12通貨を取り扱っています。
預金科目 |
預入期間 |
通貨 |
---|---|---|
米ドル | ||
外貨普通預金金利 | 年0.70% | |
外貨定期預金金利 | 1カ月 | 年1.60% |
3カ月 | 年1.90% | |
6カ月 | 年1.80% | |
1年 | 年1.80% | |
2年 | 年1.55% | |
3年 | 年1.55% | |
為替手数料(片道) | 4〜15銭 |
為替手数料は通常でもメガバンクに比べ割安ですが、優遇プログラム「Club S」のステージに応じた優遇があり、さらに割安になります。
通貨 | 基準為替コスト | シルバー | ゴールド | プラチナ |
---|---|---|---|---|
米ドル | 15銭 | 10銭 | 7銭 | 4銭 |
ユーロ | 15銭 | 12銭 | 10銭 | 8銭 |
英ポンド | 45銭 | 30銭 | 25銭 | 20銭 |
豪ドル | 45銭 | 30銭 | 25銭 | 20銭 |
取扱通貨のうち人民元、ブラジルレアルを除く10通貨については、ソニー銀行のデビットカード「Sony Bank WALLET」で貯めた外貨をそのまま使えるメリットがあります(海外ショッピング支払い・ATMでの現地通貨引き出しに対応)。
「セット定期プログラム」を利用して円定期預金と外貨定期を同時に申し込めば、円定期の金利が上乗せされる仕組みもあります(前項参照)。
住信SBIネット銀行では外貨預金として9通貨を取り扱い、外貨預金金利は業界トップ水準、為替手数料も業界最安水準です(2019年7月31日現在)。
預金科目 |
預入期間 |
通貨 |
---|---|---|
米ドル | ||
外貨普通預金金利 | 年0.70% | |
外貨定期預金金利 | 1カ月 | 年1.60% |
2カ月 | 年1.60% | |
3カ月 | 年2.10% | |
6カ月 | 年2.10% | |
1年 | 年2.20% | |
2年 | 年1.70% | |
3年 | 年1.70% | |
為替手数料(片道) | 4銭* |
※キャンペーンにより、2019年9月27日17時約定分までの買付時為替手数料は0銭。
金利は銀行を選ぶ際の重要な要素。ただし取引にかかる手数料や使いやすさなど、金利以外のポイントも比較して選ぶことが大切です。
ATMや振込を頻繁に利用する人は、受け取れる利息よりも手数料が多くなることも少なくありません。そのような人は、金利が多少低くても無料利用回数が多い、あるいは手数料が割安な銀行を選ぶほうがトータルではお得です。
それぞれのネット銀行の特徴を理解した上で比較検討し、目的に応じて複数のネット銀行を併用するなど賢く利用していきましょう。