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住宅ローンの繰上返済はオトク?制度を知って賢く返済!

住宅ローンの繰上返済はオトク?制度を知って賢く返済!

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田中祐介

田中祐介

住宅ローンアドバイザー、2級ファイナンシャルプランナー

大学卒業後、大手金融機関にて融資業務を担当。その後外資系生命保険会社にスカウトされ転職。 主にライフプランニングを中心に活動。以後、保険代理店へと移籍。移籍後は数多くの企業と提携し 個人向けマネーセミナーを開催中。金融業界で経験した知識、経験を基に「お金」にまつわる幅広い知識を 「いかに分かり易くお伝えするか?」をモットーに日々活動しています。

この記事のポイント

  • 繰上返済には2種類あり「期間短縮型」と「返済額軽減型」がある。
  • 利息軽減効果が大きいのは「期間短縮型」である。毎月の負担が軽くなるのは「返済額軽減型」である。
  • 繰上返済の時期によって軽減効果が異なる為、事前にシミュレーションをお勧めします。

住宅ローン返済が始まると、長い期間返済を行わなければなりません。

今回は返済期間を短縮する方法として、また返済額を軽減する方法でもある「繰上返済」についてお話をしていきますね。

 

繰上返済とは

繰上返済とは

住宅ローンは自動車ローンとは異なり、最長35年(50年というローンもあります)に渡って返済を続けていかなければなりません。

人生100歳時代と言われる昨今において、住宅ローンの期間は約3割を占める事になる訳です。長期に渡るローンはなるべく早く返済したいですよね。

そこで利用されるのが「繰上返済」という制度です。

 

繰上返済とはこんな制度

繰上返済とは、毎月の返済とは別に、ある程度まとまったお金を返済する方法です。こうする事で「返済期間」が短くなったり、あるいは毎月の「返済額」が少なくなったりする効果を得る事ができ、早く返済を終える手段として活用されます。

例えば35歳で住宅ローンを組んだ場合、最長で35年のローン期間だとします。

ずっと返済を続けていけば、最終支払い年齢は70歳になる訳です。

では70歳の時。仕事しているのでしょうか?それとも年金を受給しているのでしょうか?

随分先の話なので、イメージが湧かないかもしれませんが、仮に年金受給していたとすると、住宅ローンの返済額の負担は大きなものになりますよね。

70歳前には終わらせておきたい!と考えた場合に少なくとも5年間返済期間が短縮出来たとしたら、最終支払い年齢は65歳となります。

一般的に退職する年齢になるのではないでしょうか?

この様にまとまったお金を「いくら」入金するかによって返済期間がどれだけ短縮できるのかも決まります。

 

いくらから繰上返済できるのか?と言いますと、金融機関によって異なりますが、1万円以上からだとか、10万円以上から、または100万円以上といった様にバラツキはありますので、借入を検討する際には、この点も良く見ておいた方が良いですね。

また「毎月の返済額、少しでも安くならないかな?」と考える方も少なくはありません。

そこで「繰上返済」を実施します。すると毎月の返済額が安くなる訳です。

 

例えば上記と同じく35歳でローンを組み、35年間の支払いだったとします。

仮に毎月9万円の支払いをしていたとします。「繰上返済」を行い、毎月の支払額が85,000円にする事も可能なんです。

いずれにしても返済の負担を軽減できる制度ですので、利用したいですね。

 

繰上返済には2種類ある

繰上返済には2種類ある

先程の説明の中に返済期間が短くなる、返済額が少なくなると書いてきました。

繰上返済には2種類の返済パターンがありますので、解説していきたいと思います。

 

期間短縮型

期間短縮型とは、字の通り、返済期間を短くする方法です。

毎月の返済額に変更はありませんが、本来支払うべき利息をカットしてくれるので、後述の返済額軽減型と比べると利息軽減効果は大きいです

ここで期間短縮型のメリットとデメリットに触れておきます。

 

期間短縮型のメリット・デメリット

メリット

  • 利息軽減効果が大きく、返済期間を短縮する事ができる
  • 1度きりだけでは無く、何度も行う事が出来る為、期間がどんどん短くなる

 

デメリット

  • 毎月の返済額に変更が無い為、月々の負担軽減には繋がらない
  • 金融機関によって繰上する為の最低金額が高額な場合もある。また手数料も金融機関によっては異なる。

 

返済額軽減型

先程は、返済期間を短くする方法に触れました。ここでは、毎月の返済額負担を軽減する方法をご説明いたします。

この方法も字の通りです。月々の支払いが高額な住宅ローンですが、毎月の支払負担を軽くしてくれます

期間短縮型と比べますと、利息軽減効果は小さいです

しかしながら、ライフプランの観点から考えるとお子様の学費が上昇するタイミングで、毎月の支払負担が軽くなる事など考慮して行うのも手です。

また、収入が下がった!給料が安くなった!等、将来における収入面の不安も軽減できます。

ここでも返済額軽減型のメリットとデメリットに触れておきますね。

 

返済額軽減型のメリット・デメリット

メリット

  • 毎月の返済額を軽減する事ができ、支払い及び家計の負担が軽くなる
  • 期間短縮型同様、何度でも利用可能な為、返済額の圧縮に繋がる

 

デメリット

  • 期間短縮型ほど利息軽減効果が無い為、比較すると総支払額は多い

 

いかがでしたか?どちらの繰上返済を選ぶかは皆様のお考え次第ですが、効果がどれ位あるのか?メリット・デメリットを踏まえて検討して頂きたいと思います。

また、私の所にご相談に来る方も、どっちがいいですか?と聞かれる事が多々あります。

単純に効果だけ見れば「期間短縮型」の利息軽減効果が高い為、オススメではありますが、ご相談に来る方々の「ライフプラン」無くしては、どちらがいいか?とは答えにくい部分もあります。

 

見た目の数字や効果だけに目を奪われがちですが、しっかりと将来の事も考えて計画的に繰上返済を実施していきましょう。

 

期間短縮型と返済額軽減型を比較してみました

期間短縮型と返済額軽減型を比較してみました

では、ここで条件を同じにして具体的に比較してみたいと思います。

 

 

【ケース1】10年後に繰上返済を行った場合

条件

  • 借入金3,000万円
  • 金利1%(全期間固定金利)
  • 返済期間35年
  • 返済方法 元利均等方式(ボーナス払い無しとする)
  • 121ヶ月目に300万円を繰上返済の為入金する(手数料は掛からないものとする)

 

繰上返済をしない場合

上記の条件で繰上返済をしなかったら次のような返済金額と支払総額になります。

  • 毎月返済金額 84,685円
  • 支払総額 35,567,700円

 

繰上返済(期間短縮型)の場合

  • 毎月返済金額 84,685円
  • 毎月返済軽減額   0円
  • 支払総額 34,796,418円
  • 短縮期間 3年8カ月短縮
  • 軽減効果 771,282円

 

繰上返済(返済額軽減型)の場合

  • 毎月返済金額 73,379円
  • 毎月返済軽減額 11,306円
  • 支払総額 35,175,900円
  • 短縮期間      0年
  • 軽減効果 391,800円

 

このような試算結果が出ました。実際に数字で見ると期間短縮型の軽減効果は大きいですね。

しかし、返済額軽減型も毎月の負担が11,306円軽くなるのは、家計にとって非常に大きいと思います。

 

【ケース2】1年後に繰上返済した場合

条件

  • 借入金3,000万円
  • 金利1%(全期間固定金利)
  • 返済期間35年
  • 返済方法 元利均等方式(ボーナス払い無しとする)
  • 13ヶ月目に300万円を繰上返済の為入金する(手数料は掛からないものとする)

 

ここでも繰上返済をしなければ、先程の結果と変わりはありません。

 

繰上返済(期間短縮型)の場合

  • 毎月返済金額 84,685円
  • 毎月返済軽減額   0円
  • 支払総額 34,453,915円
  • 短縮期間 4年短縮
  • 軽減効果 1,113,785円

 

繰上返済(返済額軽減型)の場合

  • 毎月返済金額 76,009円
  • 毎月返済軽減額 8,676円
  • 支払総額 35,027,892円
  • 短縮期間      0年
  • 軽減効果 539,808円

 

10年後に繰上返済した場合と比較すると、期間短縮型は軽減効果が大きくなっています。

これは元利均等方式の返済計画の影響もあります。

返済当初は利息負担が大きい為、早めに繰上返済を行うとその分効果も大きいという事になる訳です。

期間も4年間縮まっていますね。

では返済額軽減型はと言いますと、10年後に繰上返済するよりも毎月の支払金額が減っていません。しかし、長い目で見た場合の軽減効果は10年後に行うよりも大きくなっています。

長期的な事を考えて実施するのか?今の負担を考えて実施するのか?悩む所ですが、前述の通りライフプランに基づいて計画したいですね。

 

住宅ローンの繰上返済に関するまとめ

今回は返済に関わる「繰上返済」という制度について解説してきました。

借りたものは返すのが当然ですが、そこに「利息」という負担がついてきます。

この負担を軽減する為に繰上返済する訳ですが、大きな金額を入れるとなると、他に使うはずの予定をこなせなくなるケースもあります。

行き当たりばったりでの返済計画でなく、計画をしっかり立てて、上手に賢く返済していきましょう。

 

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