- 借入の審査には信用情報を参照される為、些細な支払い遅れ等も記録として残るケースもある。
- 信用情報に異動情報があるとほぼ審査が通らない可能性が高い。原因究明の為には開示請求も行った方が良い。
- クレジットカードの大量保有、携帯料金の未納等も住宅ローン審査に引っかかる可能性有るので、要注意!
公開日:2018年12月13日
今回も住宅ローン審査に纏わるお話ですが、審査に出してみて、「落ちた・・」「通らない・・」といった結果を受けた方もいらっしゃるかもしれません。今回のお話は何故通らなかったのか?という理由等を解説していきたいと思います。
今回の記事は、これまでに住宅ローン審査が通らなかった方はもちろん、これから審査に臨む方もぜひご覧ください。
なお、住宅ローン審査について以下記事を先に読まれることをおすすめします。
目次
住宅ローン審査に通らなかったケースではその理由を教えてくれると大変助かるのですが、実は金融機関は教えてくれません。これは筆者自身、金融機関に勤務していた頃にも上司から、口酸っぱく言われていました。
開示には中々協力的ではないのは致し方ありませんが、納得はいきません。筆者の所にもご相談に来る方もいますが、私は過去の経験からこの様にお伝えします。「なぜ通らなかったのか、思い当たる節を考えてみましょう」と。
思い当たる節を考えて頂く訳ですが、ひょっとすると、現在や過去の借入状況が引っかかっているケースも少なくありません。ここで借入が引っかかるポイントをいくつかご紹介致します。
これは、住宅ローンと並行して借入がある場合です。例えば自動車ローンや教育ローン等返済がある場合、全てのローンを返済するとなると、返済負担率が圧迫されてしまします。
返済負担率に関しては、以下記事にて詳しく説明しています。
また、簡単に借りられるカードキャッシング等の借入まで調べられます。簡単に借りられるので、つい手持ちが無い時は借りてしまいがちですが、これも審査ではマイナスポイントになりますので要注意です。
しかも、このカードキャッシングは配偶者には言えない内緒のケースもありますよね。この結果を金融機関が開示すると、とんでもない事になるのは想像がつきます。まずは借入などが無いかを良く洗い出してみて下さい。
既に返し終わっている借入に関してですが、ここも要注意です。借入状況を調べる時に、過去どんな返済だったのかまで分かる場合があります。
特に分かり易いのは今回借入を行う銀行で過去に借りている場合です。これは取引履歴を見れば一目瞭然ですが、以前の借入の返済が遅れていたり、若干滞っている場合は履歴に残っています。
金融機関ですので、履歴は10年以上保管されているものと考えて間違いありません。もしも過去の借入で遅れた事がある場合などは要注意です。
先程は、今の借入と過去の借入について触れました。ここでは、借入を調べる際に利用される信用情報について解説していきます。
皆さんは「信用情報」というものを聞いた事はありますか?借入をする際に、貸し手側はこの「信用情報」を必ず参照します。ここで少し「信用情報」について触れますね。
信用情報とは、クレジットやローンなどの信用取引に関する契約内容や返済・支払状況・利用残高などの客観的取引事実を表す情報です。
信用情報には、クレジットやローンなどを利用した際の契約内容や返済・支払状況(期日通りに返済・支払したかなどの利用実績)、利用残高などに関する情報が記録されており、新たにクレジットやローンなどの利用を希望する際にクレジット会社やローン会社などが皆さまの「信用力」を判断するための参考情報として確認しています。
この様に、クレジットやローン等の借入や支払いに至るまでの情報が記録されています。なお、記録は完済(全額返済)後から5~7年は保存の対象となります。
参考までに国内の信用情報の会社のサイトです。殆どの借入情報はこちらの会社に情報が集まる事になります。
借入を行う際、各金融機関はこの信用情報を参照し審査の参考にする訳です。
借入情報に「異動情報」という項目があります。ここでも用語解説しますね。
異動情報とは、クレジットカード、ローン、キャッシング、信販会社、保証会社、消費者金融等の支払いに際し、遅延等が発生した場合、上記「信用情報」にマイナス情報を記録する事。
たった1日の支払い遅れでも異動情報が記載される事もありますので、支払い日や引落日は確実に守るべきです。この異動情報には次の様な内容が記載されます。
上記は代表的な異動情報ですが、他社での借入事情もしっかりと記録が残ってしまうのです。また、遅延、延滞等は各会社によって報告の目安が異なるケースもあります。
例えば1日遅れで信用情報に遅延報告する会社もあれば、3ヶ月以上で報告する会社等様々です。しかし返済が遅れている事に何ら変わりはありませんので、審査にとってのマイナスポイントと同時に、ここに情報記載があればほぼ一発アウトだと考えて下さい。
また各信用情報機関には開示請求ができますので、不安のある方等は、前もって開示請求してみるのも良いと思います。
先程までは借入に対する情報を解説してきました。確かに、他の借入の返済が遅れていると、どこも見逃してはくれません。また借り過ぎとなっても審査に響いてしまします。
しかし、借入も無い、借入があったとしても、返済は遅れた事が無いにも関わらず、審査に引っかかってしまう方もいらっしゃいます。しかも意外な事で。
見出しにも書きましたが、実はクレジットカード。これ意外な盲点なんです。クレジットカードは今や誰もが利用している大変便利なカードです。当然ポイントや頼まれて作った等で保有枚数もいつの間にか増えてしまう事も。年会費が掛からなければ持っていても問題は無いと思います。
しかし、クレジットカードにはある機能が備わっています。それが「キャッシング機能」です。お買い物だけでなく、借入機能まで備わっているのはご存知かと思いますが、この「キャッシング枠」を審査対象にしている事もあります。
例えばAカード、B信販、Cファイナンスと3枚程クレジットカードを持っていたとします。Aカードには100万円、B信販には50万円、Cファイナンスには70万円とキャッシング枠が付いていれば、合計220万円までは借入が出来る訳です。
いつでも簡単に借りられるので、利用する側は便利だなと思っていても、審査する側は「懸念材料」と捉える訳ですね。当然借入が増える事を嫌うので、審査上不利になるのです。
またカード自体、勝手にキャッシング枠が上がる事もあります。これは取引が優良な方のみに実施されますが、頼んでもいないのに枠が上がる。結果審査に引っかかり易くなりますよね。
今手持ちのカードですが、利用しないのであれば必要最低限の枚数にしておくのも大事なポイントです。
携帯電話料金も、意外に引っかかってしまう方多いんです。電話料金なのに?とお思いの方いらっしゃるかと思いますが、最近ではスマホの普及に伴い殆どの方が、スマホを所有していますよね。
機種変更等する際に、本体価格の高さに驚いた事はありませんか?でも何故か保有していますよね。理由は「携帯電話本体の割賦販売」が可能になっているからなんです。
具体的には、毎月引落されている携帯電話料金に一部ですが「機種本体のローン分」も含まれているということ事になります。では電話使用料が引落できなかったらどうなるでしょう?ご想像の通り、「ローンの滞り」に直結する事になります。
あまり意識する事は無いかもしれませんが、1日の遅れでも信用情報に返済遅れとして記録が残れば、理由はどうあれ審査の心証は悪くなりますので、皆さんも携帯電話の引き落としは注意をしておいて下さい。
今回は借入や信用情報、それに紐づく身近で意外な落とし穴について触れました。
便利な世の中になり、生活も豊かになりましたが、無意識の内に携帯電話のローンだったり、キャッシング枠だったりと、住宅ローン審査に響く要素が溢れています。
しかし、審査に通らないとなっても、時間が経過すれば、信用情報も記録の期間が決まっていますので、解消されます。決して諦めずに憧れのマイホームを手にしてほしいと思います。
次は、本審査通過後、融資実行前にやってはいけない事をご説明いたします。
住宅ローンを新規検討する際は複数の金融機関を比較することが大切。数百万円単位での節約の可能性もございます。住宅本舗比較サービスは簡単な希望や条件を入力するだけで、80金融機関の中から比較、最大6銀行に一括仮審査申し込みができるのでおすすめです。
人生最大の買い物だからこそ、しっかりと比較検討しましょう。
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