- ネット証券を選ぶ前に自分はどういう投資をしたいのか確認する事。
- ネット証券を選ぶポイントは「手数料体系」と「株取引のしやすさ」。
- ネット証券の「SBI証券」は最大手でサービスも多いのでおすすめ。
- 楽天のサービスを多く使う人であれば「楽天証券」が良い。
- 外国株をやりたいという事であれば、「マネックス証券」を推奨。
公開日:2020年4月9日
今やネット証券会社の数は70を超える程になり、楽天証券などの有名所やニッチなサービスを展開する所など様々です。今回の記事では、特に初めてネット証券を利用する方向けに、ネット証券の選び方やおすすめをランキング形式でご案内します。
また、ファイナンシャルプランナー目線からおすすめのポイントなども併せてご紹介したいと思います。
現在では多数のネット証券ができ、初めての方はどういう基準で選んだら良いか迷われると思います。そこで選ぶ際のポイントを3つに絞ってご提案したいと思います。
その3つのポイントとは、
の3点です。1つずつ解説させて頂きます。
まず、ネット証券を選ぶ前に自分はどういう株取引や投資をしたいのかをよく考える事が大事です。とは言っても難しく考える必要はありません。
例えば、株取引を始めてみたいものの、よくわからないし自信もないという事であれば、初心者向けのサポートの手厚い所を選ぶのが良いでしょう。そういった所は大手のネット証券に多く、サポートやサービスが手厚いという特徴があります。
また、逆に自分はじっくりと投資について勉強をして、入念に検討を行いたいという事であれば、分析ツールや情報提供に力を入れている所が良いでしょう。
他には、日本以外の外国の株取引をしてみたいというのであれば、外国の株に力を入れている所に口座を開設するのが良いです。特に最近では、勢いのある中国の株に力を入れている所もあります。
ネット証券も自社のサービスの宣伝に余念がありませんから、自分が受けたいサービスを提供している所を見つける事は難しくありません。しかし、自らの投資スタンスが定まっていない為に、なんとなしに評判や口コミで証券を選ぶ方も多いです。
また、税の優遇などを受けられるNISAやiDeCoを併せて使うという事であれば、証券会社は自分に合った所をきちんと決めて口座開設した方が、余分な手間が省けます。
ネット証券では、基本的に売買手数料というのは安くなっています。会社同士の価格競争もあるので、日に日に安くなっていると言っても過言ではありません。しかし、売買の金額が大きくなりがちな株取引では、それに伴って手数料も高くなる事があります。
また、手数料は計算をきちんとしさえすれば、確実な数字がわかる項目でもあります。不確定な要素のある株取引ですから、確実にわかる手数料に関してはいくらシビアになっても、シビアになりすぎるという事はありません。手数料に関しても、自分の投資スタンスを確認する事は大事です。
例えば、今まとまった金額のお金があり、その内のいくらかを投資に使うつもりだが、当面追加で投資するつもりはないという事であれば、売買手数料が一定金額以上は増えずに固定されている手数料体系になっている証券会社を選ぶのが良いでしょう。
また逆に、月々のお給料から一定金額を株取引に捻出する予定という事であれば、少額の取引の売買手数料が安いネット証券が良いでしょう。
ネットでの注文が基本となるオンライントレードでは、株取引の為の画面やツールが使いやすいという事が重要です。
また、スマホを利用して株取引を行うというつもりであれば、スマホに力を入れているネット証券がおすすめです。一般的に言って、株価の分析や統計の為のツールが豊富であればあるほど、選択肢も豊富で操作や使い勝手は複雑になる傾向にあります。
自分は株価の分析などにはあまり興味がなく、購入予定の株も決まっているというのであれば、使いやすさをアピールしているネット証券を使うのが良いでしょう。
さて、選び方についてはご説明してきましたので、ここからは、人気が如実に表れる口座開設数を元に作ったランキングでおすすめのネット証券をご案内したいと思います。
口座開設数などの情報は、2020年4月7日の各社提供の情報などを元に作成致しました。
順位 | 証券会社名 | 口座開設数 |
---|---|---|
1位 | SBI証券 | 約500万件 |
2位 | 楽天証券 | 約400万件 |
3位 | マネックス証券 | 約185万件 |
4位 | 松井証券 | 約120万件 |
5位 | auカブコム証券 | 約115万件 |
6位 | GMOクリック証券 | 約42万件 |
SBI証券は業界シェアトップのネット証券です。口座開設数も2位の楽天証券が400万件ですから圧倒的な単独トップです。業界シェアトップだけあって手数料などの料金も安く、サービスも豊富です。
取り扱いのある金融商品は日本株に加えて、米国の株や中国の株も豊富に取り揃えており、その他にもFXや債券、先物やオプションなどバラエティーに富んでいます。SBI証券に口座があれば、購入できない金融商品がないのではないか?というぐらい多いです。
他にも、証券取引所の営業時間以外でも株取引が可能な夜間取引やPTSのサービスを提供しています。さらに、単元未満株(S株)というサービスも提供しています。株取引というのは通常、売買する株ごとに単元株数というのが決まっています。
単元株数:その単元株数毎に売買をしなければいけない最少数。
例えば、単元株数が1000株という事であれば、1000株2000株と購入しなくてはならず、1株とか3株とかだけを購入する事はできません。また、単元株数が1000株という株は多くスタンダードです。
しかし、単元未満株(S株)であれば、1株単位の株の売買が可能になります。ただ、通常の購入と違い、リアルタイムな購入ができない・売買手数料が割高であるなどのデメリットもあります。
そして、IPOの実績が良いという点があります。簡単にいえば、これから新しく市場に出てきた株を購入する権利・機会が与えられるというものです。
また、サービスだけでなく売買手数料もかなりの安さです。スタンダードプランであれば、10万円までの取引は90円、50万円までの取引は250円になります。取扱商品・サービスだけでなく料金も業界トップクラスです。
2位は楽天証券です。1位のSBI証券に匹敵するサービスの豊富さと手数料の安さがあります。しかし、なんといっても一番の魅力は他の楽天のサービスとの連携でしょう。楽天証券を利用する事で楽天ポイントが貯まりますし、逆に楽天ポイントを楽天証券で使う事が可能です。
また、楽天証券の魅力は楽天ポイントだけではありません。米国の株や中国の株の取扱いも豊富ですし、投資信託の取り扱いも2600本以上とトップクラスの多さです。夜間取引や債券・FXの取り扱いもあります。
売買手数料も、10万円までは税込99円、50万円までは税込275円とSBI証券と一緒です(2020年4月7日現在)。余談ですが、SBI証券と楽天証券は、料金改定などがあった時に同じかほぼ同額まで値下げする事が多いです。
加えてMarket SpeedとMarket Speed2という高性能取引ツールを無料で使用する事が可能です。楽天系のサービスをよく利用される方は一考の余地があるでしょう。
3位はマネックス証券です。マネックス証券の大きな特徴は外国株の取り扱い数の多さです。取り扱い数は米国株3000銘柄以上、中国株などの外国株と合計すると5000銘柄以上になり、日本のネット証券の中ではダントツの1位です。
手数料に関しては、10万円までの売買が100円(税抜)と前述の二つの証券会社より高いものの、1日何回取引しても2,500円(約定金額300万円ごと)の一日定額手数料コースなどがあり、上手く使えば手数料をかなり低めに抑える事ができるでしょう。
サービス面では、バロンズ・ダイジェストなどの海外の株取引に関係ある情報や、高性能取引ツールのマネックストレーダーなどが無料で使えます。
しかもスマートフォンやiPad向けのマネックストレーダーである、『マネックストレーダー株式 スマートフォン』や『マネックストレーダー株式 タブレット』があります。
さらに、過去10年の業績(売上高や営業利益等)から銘柄を検出する『マネックス銘柄スカウター』も無料で利用でき、分析や情報収集の為のツールには事欠かないものになっています。余談ですが、筆者である私もマネックス証券をよく使っています。
4位は松井証券です。松井証券はかなり歴史が長く、前身となる株式会社松井商店は1931年頃から営業しており、2001年にはインターネット専業のネット証券として、初めて一部上場した大変歴史のある会社です。
松井証券の手数料体系は、すごくシンプルでわかりやすいものになっています。1日の売買料金が50万円までなら何回取引しても無料です。例えば、1日の内に20万円の株を買い、20万円の株を売ったとすると、合計の売買料金は40万円ですので、売買手数料は無料になります。
利用する方の投資スタンスによってはかなり手数料が抑えられる可能性があります。1日に一定の金額しか使わない予定であればおすすめです。
また、デイトレーダー向けサービスとして『一日信用取引』というサービスがあります。これは1日の間であれば、何回信用取引をしても売買手数料は無料という他社にはない独自のサービスになっています。
ただ、個人的には信用取引もデイトレードもあまり初心者にはおすすめできないので、興味が特別にある方向けのサービスといって良いでしょう。
auカブコム証券はユーモラスで特徴的な名前ですが、名前の通りauフィナンシャルホールディングスが株主の証券会社です。また、三菱UFJフィナンシャル・グループでもあります。
auカブコム証券の特徴は取引ツールやアプリに強い所です。特に『ウルトラチャート』はツールの中でもトップクラスの性能があります。テクニカル分析の移動平均やボリンジャーバンドはもちろん、MACDやRCI等30種類にも対応しており、プロ並みのツールと言えるでしょう。
また料金面に関しては、10万円までは税込99円と今までご紹介してきたネット証券と同レベルの安さになっています。
また、 三菱UFJフィナンシャル・グループという事もあってか、『auユーザーに対する割引』『シニア割』といった携帯電話の料金プランの様なサービスもあります。
『auユーザーに対する割引』は、文字通りauユーザーの手数料が1%引きになるというサービスです。『シニア割』は、60歳以上4%、50歳以上60歳未満2%という単純明快でわかりやすいサービスになっています。もし該当するのであれば、デメリットのない良いサービスですね。
最後はGMOクリック証券です。様々なインターネットサービスを提供するGMOインターネットグループの証券会社です。特徴としては株だけでなくFXにも強く、株・FX共に手数料が安いです。
また、 SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券と同様に、NISA口座での現物の売買手数料が恒久的に無料です。変わったサービスとして、株主優待を検索する「株主優待検索機能」というものがあります。
株主優待:株式会社が株主を惹きつけ投資をしてもらう為に送るサービスの事。自社商品を保有株数などに応じて送る事が多いが、ポイントや他社サービス・品物を送る所も。
株主優待は配当などと同じく、ある時期に保有していれば確実にもらえるサービスなので株主優待の愛好家も多いですが、それを優待内容や権利日などで検索できるのは便利ですね。
また、他社と同様に無料で使える取引ツールの『スーパーはっちゅう君』などがあり、必要なサービスは一通り揃っている印象です。
今回はランキング形式でネット証券のご紹介をさせて頂きました。料金体系やサービスをきちんと確認し、自分に合ったネット証券を選ぶのがコツです。
ネット証券自体は複数加入する事ができ、大抵の証券会社は口座の維持費がない事が大半ですから、今回ご紹介した証券会社の口座を全て持つ事も可能ですが、手間と時間がかかりますしあまり意味がありません。
また、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度は一人当たり一口座しか持てませんので、きちんと調べて自分に合うネット証券を選ぶのが良いでしょう。