- エントリーポイントに絶対はないため、確率で考えるべき。
- エントリーポイントはテクニカル指標を組み合わせて見つける。
- 必ず根拠を持ってエントリーする。
公開日:2020年10月3日
FXをこれからトレードする上で、必ず学んでおきたいのが「エントリーポイント」です。なんとなくトレードするのではなく、エントリーポイントを学ぶことで、トレードの勝率を上げることができるからです。
そこで、今回はエントリーポイントの正しい見つけ方や、私が考えるエントリーポイントを紹介していきます。
まず最初に申し上げたいのが「必ず勝てるエントリーポイント」は存在しません。また、効果的なエントリーポイントは、相場・時代によって異なります。以前は有効であったエントリーポイントが、今通用するかどうかは分かりません。
そのため、この記事でおすすめする「エントリーポイント」は、あくまで現在、勝てる確率が高いと想定されるエントリーポイントのことだと認識していただけたらと思います。
それでは、まずは具体的なエントリーポイントを学ぶ前に、エントリーポイントに関する心構えを見ていきましょう。
いついかなるときも絶対に勝てる「エントリーポイント」はありません。そのため、エントリーポイントを見つけるにあたっては、確率で考えることが大切です。
どういうことかと言うと、100%勝てるエントリーポイントを探すのではなく、例えば[勝てる確率75%:負ける確率25%]のエントリーポイントを見つける、といった感じです。
確率で考えることができれば、負けも想定しているため損切りをしっかりできますし、負けの確率に併せてポジションサイズも調整できます。
「エントリーポイントは何%の確率で勝てるのか・負けるのか」と考えるクセをつけるようにしましょう。
エントリーポイントはもちろん重要です。だからこそ、この記事ではエントリーポイントをテーマに掲げています。しかし、エントリーポイントだけでは勝ち負けは決まらず、決済タイミングも重要であることもまた事実です。
勝っているトレーダーは利益確定や損切りが非常にうまいです。一方で、特に初心者は損切りがなかなかできず、塩漬け状態になってしまうこともしばしばあります。
また、逆に考えると「ある程度エントリーポイントを間違えたとしても、決済でうまく逃げられること」もあります。
理想のエントリーポイントを追い求め過ぎると、いつまで経ってもエントリーできない可能性もありますので、そういう方は「多少エントリーを間違えたとしてもうまく逃げてやる」くらいの気持ちでもいいかもしれません。
エントリーポイントを見つける際には、エントリールールを設ける必要があります。なぜなら「エントリールールを設けずにエントリーする=なんとなく上がりそうだから(下がりそうだから)エントリーする」ということになり、負けてしまった場合の検証作業が進まないためです。
トレードに負けてしまう理由は、エントリーか決済のタイミングか、または両方が間違っていたからにほかなりません。エントリールールを設ければ、エントリーの何が間違っていたかを検証し、エントリールールを改善していくことができるのです。
さて、それでは私が考えるエントリーポイントの正しい見つけ方を2つ見ていきましょう。
個人的にはトレンド方向に沿ってエントリーポイントを探し、エントリーすることをおすすめします。理由は、レンジ相場で「下で買って、上で売る」というトレードの方が、難易度が高いと考えるからです。
過去のチャートでレンジ相場の部分を見ると「ここで買って、ここで売ればいいじゃん」と思えて、簡単そうに見えます。しかし、実際は1秒先も分からない状況でトレードしなければいけません。また、いつかは必ずレンジ相場はブレイクします。
そのため、ある程度トレンドが発生したときに絞ってエントリーポイントを探り、エントリーをして利益を伸ばすことをおすすめします。
レンジ相場:一定の価格帯を上下する相場
テクニカル分析に使用するテクニカル指標は数多くあります。パッと挙げるだけでも移動平均線、ボリンジャーバンド、一目均衡表、RSIなどなど。これらのテクニカル指標を組み合わせて、売買シグナルが一致したタイミングがエントリーポイントです。
なお、テクニカル分析には、移動平均線などトレンドを分析する「トレンド系」のテクニカル指標と、ストキャスティクスなど逆張りに有効な「オシレーター系」のテクニカル指標の2種類があります。
組み合わせとしては、「トレンド系+トレンド系」もしくは「トレンド系+オシレーター系」を使うことをおすすめします。(オシレーター系のみの組み合わせの場合、トレンドが出たときに対応できないため)
テクニカル指標はインジケーターとも言います。
エントリーポイントを見つけてエントリーをする際にぜひ心掛けていただきたいのが、「必ず根拠を持ってエントリーをする」ということです。その理由を2つ見ていきましょう。
根拠を持ってエントリーしないと決済タイミングが分からなくなり、最悪の場合、塩漬けもしくはロスカットになってしまいます。
なんとなく大丈夫そうだという理由で、スキャルピングで数十銭の利幅を狙ってエントリーしたとします。
その直後に急に不利なレートに動いても、なんとなくエントリーしたため「また戻ってくるんじゃないか」という根拠のない希望が生まれて決済せず、結果ロスカットになってしまうこともあり得ます。
根拠を持ってエントリーすれば、その根拠が崩れたときが決済タイミングですので、塩漬け・ロスカットになることはありません。
精神的な話ですが、個人的な経験上、根拠を持ってエントリーすると、負けたとしても納得がいきます。なぜなら負けたときの根拠もはっきりとするためです。
例えば、「ブレイクアウトしたから買う。しかし、だましだったら負ける。」→「損切り」→「だましだったから負けたんだな」という風に思えるのです。
負けたときの根拠を見つけられれば(それが正しいか正しくないかは置いておいて)、検証作業をすることもできますので、エントリーする際には根拠を持つようにしましょう。
だまし:テクニカル分析において、売買シグナルと逆の動きをすること。
最後に、エントリーポイントとして参考にしていただきたいタイミングを4つ紹介していきます。もちろん、100%利益を上げられるわけではありませんが、確率としては高いと言われているポイントです。ぜひこの4つのタイミングを自分なりに活用していただけたらと思います。
金融政策の転換時には、大きく一方向にトレンドが形成される傾向があります。
一番分かりやすいのは、2013年4月から始まった「アベノミクス」の第一の矢・「金融緩和」ではないでしょうか。日本銀行が市場にお金をどんどん供給していったため、しばらく円安トレンドが形成されました。
ただし、金融政策の転換は頻繁に起こるものではありません。そのため、金融政策の転換時にエントリーする、もしくはトレンドに沿って長期保有する際に大きな効果を発揮します。
一方で、短期トレードをする場合には、金融政策のトレンドを大きな流れとして頭に入れつつ、テクニカル分析をしてトレードすることをおすすめします。
ブレイクアウトをしたタイミングもエントリーポイントになります。ブレイクアウトとは、節目のラインを越え、大きく伸びる動きのことです。
画像:著者作
ブレイクアウトは例えば、上記のような動きを指します。赤線のような節目となるライン(上の図では上値抵抗線)を越えたあとに、大きく一方向に伸びていくことがしばしば起きます。
節目のラインは多くの投資家が意識をしており、ポジションがたまっています。そのためラインを抜けると、たまっていたポジションも巻き込んで、大きな動きになる可能性があるのです。
節目のラインは、相場の高値・安値や、ラウンドナンバーと呼ばれるキリの良い数字(100.00や105.00など)に引かれることが多い。
ただし、だましの場合もあります。そのため、例えば節目のラインを越えたとしてもすぐに飛びつかず、第1波を見送り、その後の動きから、レートがブレイクアウトした方向に動くことを確認してからエントリーをしても、個人的にはいいと考えます(ただし、その場合は利益確定幅は大きく取らない)。
直近高値(安値)を越えたとき、トレンド方向の売買へ仕掛けてみてもいいでしょう。
出典:著者作成
上の図は、直近高値を越え、上昇トレンドを形成していることを示しています。赤丸が直近高値を越えたときの「買いエントリーポイント」です。上がってきたので少し怖い気もしますが、直近高値を越えてきたということはトレンドが発生している可能性が高いので、買いエントリーを検討しましょう。
一方で、高値を抜けた直後にトレンドが終わる可能性もあります。そのため、その後トレンドが続くかどうか、しばらくは値動きをしっかり確認しましょう。
三角持ち合いとは、下記画像のように、値動きが徐々に収斂していき、チャートの形が三角形になるパターンを指します。
画像:著者作
三角持ち合いの場合、値動きが収斂してもみ合った後に、大きく動き出す場合があります。トレードではこの特性を利用してエントリーしていきましょう。
例えば上の図の場合、どんどん安値を切り上げていきながら、チャートが三角形に収まっています。三角持ち合いの典型的なパターンです。もみ合いを抜けたら(ブレイクしたら)、上方向へ大きく動く可能性が高いため、ブレイク後の赤丸でエントリーをします。
ただやはり、だましもあります。そのため慎重な方は、ブレイクを確認してからエントリーしてもいいと思います。
FXトレードで利益を上げるためには、「エントリーポイントをどこにするか」がポイントです。しかし、エントリーポイントに絶対はありません。今回紹介したエントリーポイントも、もしかしたら、あなたには合わないかもしれません。
ただ、もしエントリーポイントに悩んでいる、もしくはこれからFXトレードをするという方なら、今回紹介したエントリーポイントを実践の中で活用・改善し、そしてより高確率で稼げるエントリーポイントを見つけていただけたらうれしいです。
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