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資産運用する前に知っておきたい!種類やそれぞれの特徴・リスクをチェック

【初心者向け】資産運用する前に知っておきたい!種類やそれぞれの特徴・リスクをチェック

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著者名

山下 耕太郎

山下 耕太郎

証券外務員1種

一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト・デリバティブディーラーを経て個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に、現物株、FX、CFDなど幅広い商品に投資しています。証券会社勤務と実際の投資経験を活かし、初心者の方にもわかりやすい記事作成を心がけています。

この記事のポイント

  • 資産運用の主な種類は「預金・国内債券・外国債券・国内株式・外国株式・投資信託」の6つ
  • 資産運用の利益には「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の種類があり、リスクとリターンを考えながらどちらを重視するか決める。
  • 初心者の方には、1本で幅広く分散投資できる「バランス型の投資信託」がおすすめ

人生100年時代といわれています。今後日本では少子高齢化が進み、これまで当たり前に受けてきた企業や国からのサポートが手薄になる可能性があります。ですから、老後の備えをするために「資産運用」をする必要があります。

しかし、資産運用の種類は多くあるので、初心者の方は「どの資産運用を選べばいいのだろう?」と迷われるでしょう。そこで、初心者の方におすすめの資産運用法を6つ厳選し、特徴やリスクについて詳しく解説していきます。

 

銀行預金と投資の違い

銀行預金と投資の違い

将来に向けてお金を準備するには、「資産運用」行うことになります。資産運用には、「貯蓄」と「投資」の2種類あります。

一般的に「貯蓄」とはお金を蓄えることで、銀行預金などのことです。一方、投資とは利益を見込んでお金をだすことで、株式や投資信託などの購入のことです。

日常生活に必要なお金は自由に引き出すことのできる「貯蓄」で、教育や老後資金など将来に向けて必要なお金は「投資」で、長い時間をかけて少しずつ増やしていくようにしましょう。

 

インカムゲインとキャピタルゲイン

インカムゲインとキャピタルゲイン

資産運用で利益をあげる手法には「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類があります。

  • インカムゲインとは、資産を保有することで得られる利益のことです。銀行の預金や、債券の利子、株式の配当などがあります。
  • キャピタルゲインとは、値上がり益を狙うことです。株式の売却益などがあります。

 

資産運用方法6種類と特徴

初心者におすすめの資産運用方法6種類と特徴

それでは、資産運用の種類と特徴を見ていきましょう。以下の6つをご紹介します。

  1. 預金
  2. 国内債券
  3. 外国債券
  4. 国内株式
  5. 外国株式
  6. 投資信託

1~3は主にインカムゲイン。4~6はインカムゲインとキャピタルゲイン狙いの資産運用になります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

1.預金

預金は金利というリターンを得ることができるので資産運用の1つですが、低金利が続いているため、資産を増やすのではなく、守るという側面が強い金融商品です。預金のメリット・デメリットを確認しましょう。

 

預金のメリット

  • 元本が保証されている:預金保険制度により、1,000万円までの元本と利息が保証されています。
  • いつでも引き出すことができる:お金が必要になったときや生活費として使いたい場合に、すぐに引き出すことができます。万が一の事故や病気の際には、まとまったお金が必要になるので、ある程度の額は預金しておく必要があります。

 

預金のデメリット

  • 金利が低い:いつでも引き出すことができる普通預金は、0.001%に設定されている銀行が多く、預けていてもほとんどお金を増やすことはできません。定期預金にしても金利はそれほど変わらず、いつでも出金できるというメリットがなくなります。

 

2.国内債券

債券は、国や企業などが投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券です。国が発行する債券を「国債」、企業が発行する債券を「社債」と呼びます。

国や企業にお金を貸して、半年~10年以上までの期間が決まっていて、利息と元金を返してくれる金融商品です。

個人の方に人気があるのが「個人向け国債」です。主な特徴は次の2つです。

 

個人向け国債の特徴

  • 元本割れしない:預金も元本保証ですが、1,000万円までという条件があります。個人向け国債は、元本と利息の支払いを国が保証しているので、安全にお金を運用したい人にとって、優れた金融商品です。
  • 安定した利回りを得られる:金利は、年率最低0.05%の最低金利保証です。満期(償還)は3年(固定金利)、5年(固定金利)、10年(変動金利)の3つがあります。10年の変動金利なら金利が上昇局面になっても、個人向け国債の金利も上昇します。ただし、換金が可能になるのは最短で1年後。預金のようにいつでも引き出せるわけではないので注意してください。

 

国内債券のメリット・デメリット

  • 国内債券のメリット:半年に1度など定期的に利息がつき、満期には額面(購入金額)で返ってくるので、わかりやすいというのがメリットです。
  • 国内債券のデメリット:預金と違って、発行体(国や企業)が破綻した場合は、お金が返ってこない可能性もあります。

 

3.外国債券

外国債券とは、海外の国や企業が発行する債券です。基本的にドルやユーロなど、外貨建てで発行されます。

 

外国債券のメリット

  • 金利が高い:日本の金利と比べると、海外は日本より金利の高い国がたくさんあります。外国債券を購入することで、高利回りの債券を購入することができます。

主な国の10年国債の利回りを見てみましょう(2019年3月現在)。

日本 -0.040%
アメリカ 2.632%
ドイツ 0.067%
オーストラリア 2.030%

このように、先進国でもアメリカやオーストラリアなら2%を超える金利を得ることができます。

 

外国債券のデメリット

  • 為替相場の影響を受ける:外国債券は為替の影響をうけます。円安になれば利益になりますが、円高が進むと損失になってしまいます。米ドルやユーロなど外貨建てベースでは元本で返ってくる可能性は高いものの、円ベースでは値段が下がってしまうこともあるので要注意です。

 

4.国内株式

株式投資は、企業が発行している株を購入することです。安く買って高く売ることで得る利益(キャピタルゲイン)と配当などのインカムゲイン(両方)を狙うことができます。

 

国内株式のメリット

預金や国債よりも大きな利益が狙えます。インカムゲインの配当利回り(配当 ÷ 株価)は約2%。預金や国債の金利よりも高くなっています。また、配当だけでなく値上がり益も狙うことができます。

 

国内株式のデメリット

高いリターンを目指せる国内株式ですが、株価の変動により損失がでる可能性があります。業績悪化や不祥事などにより、上場廃止や倒産ということになれば、大きな損失になることもあります。

 

5.外国株式

国内だけでなく、海外の株式を資産運用に加えると、より安定してリターンを目指すことができます。特に米国はアップルやマイクロソフト、コーラやマクドナルドなど世界に通用するブランド企業がたくさんあります。

 

外国株式のメリット

  • 世界経済の成長を享受できる:国内株式でもリターンを目指すことができますが、世界には日本よりも高い成長力の国がたくさんあります。世界経済の成長を享受するためには、外国株への投資が欠かせません。

 

外国株式のデメリット

  • 為替の影響を受ける:外国債券と同じように、外国株式も為替の影響を受けます。外国株式の値下がりと円高で損失が膨らむ可能性があります。

 

6.投資信託

投資信託とは、ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、株式や債券など幅広い銘柄で運用を行う金融商品です。

 

投資信託のメリット

  • 幅広く分散投資できる:投資信託は、集めた資金を株式や債券など複数の投資先に分けて投資するので、簡単に分散投資ができます。運用もプロのファンドマネージャーに任せることができるので、金融や経済に対して詳しい知識がなくても資産運用を始めることができます。
  • 少額から購入できる:株式投資では数十~数百万円の資金が必要になりますが、投資信託なら100円から購入できるネット証券もあります。少額から資産運用をはじめることができるのも、投資信託のメリットです。

 

投資信託のデメリット

  • 元本保証ではない:幅広い銘柄に分散投資してリスクを軽減させることができる投資信託ですが、元本保証ではありません。値下がりすることもあります。
  • 保有コストがかかる:プロに運用をまかせるので、その分のコストがかかります。保有コストは「信託報酬」といいます。一般に年間0.5~2%程度の信託報酬が発生します。

 

金融商品のリスクとリターン

ここまで解説した金融商品のリスクとリターン(利益)を確認しましょう。リスクとリターンは表裏一体の関係で、リターンを目指すほどリスクが高くなります。安全性を重視したいのか、リターンを得たいのかで選択する金融商品は異なります。

各金融商品を分類すると、以下のようになります。

預貯金や国内債券はローリスク・ローリターンです。国内株式や外国株式がハイリスク・ハイリターンになります。投資信託は多くの種類があるのですが、債券の比率が高いほどリスクとリターンは下がり、株式の比率が高いほど上がります。

 

初心者に適したお金の運用方法は?

初心者に適したお金の運用方法は?

資産運用が初めての方は、分散投資でリスクを軽減させながら、ミドルリスク・ミドルリターンを目指せる投資信託を選ぶようにしましょう。

投資信託は6,000種類以上ありますが、その中でもバランス型の投資信託がオススメです。バランス型の投資信託は、国内外の株式や債券に幅広く投資するので、今回ご案内した金融商品にまとめて投資するのと同じような効果があります。

例えば、三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS バランス4資産均等型」では、日本を含む先進国の株式や債券に投資を行うので、1本で幅広く分散投資することができます。

eMAXIS バランス4資産均等型

 

eMAXIS バランス4資産均等型

  • 基準価額:11,206円
  • 純資産総額:14.99億円
  • 購入時手数料:なし
  • 信託報酬:年率0.54%(税込み)

基準価格および純資産総額の推移

銘柄の組み合わせは以下のようになっています。

 

基本投資割合

 

資産運用まとめ

今回は次の6つの資産運用について特徴やリスクについて解説しました。

  1. 預金
  2. 国内債券
  3. 外国債券
  4. 国内株式
  5. 外国株式
  6. 投資信託

初心者の方には、幅広く分散投資できるバランス型の投資信託で資産運用を始めることをオススメします。そして、慣れてきたら資産運用の目的や目標に応じて、株式や債券を組み合わせていくようにしましょう。この記事が資産運用を始めるきっかけになれば幸いです。

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