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雇用保険の失業認定日とは?認定に必要な書類・手続き場所etc.を専門家が解説!

雇用保険の失業認定日とは?認定に必要な書類・手続き場所etc.を専門家が解説!

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著者名

西岡 秀泰

西岡 秀泰

社会保険労務士、FP2級

生命保険株式会社に25年勤務し、FPとして保険・年金販売を関わってきました。現在は、社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険に関する企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所・相談員をしています。社会保険労務士は公的な保障制度により、FPは私的な保険を活用して「ひと」が抱えるリスクに対応します。両者の経験・知識、また関連する税金や金融商品についてお役に立つ情報をお届けします。

この記事のポイント

  • 失業保険とは、「雇用保険の基本手当」のこと。
  • 失業保険を受けるには、ハローワークが指定する4週間ごとの失業認定日に失業認定申請を行う。
  • 失業認定日はやむを得ない事情がない限り変更できない。
  • 失業認定日までに所定の求職活動を行う。
  • 失業中に仕事をしたら失業認定日に必ず申告する。

総務省の「労働力調査(基本集計)」によると、令和2年6月の完全失業者数は195万人で前年同月に比べ33万人も増加しました。完全失業者数が前年を上回るのは、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2月から5か月連続です。

もしも自分が失業したとき、頼りになるのが失業保険です。今回の記事では、雇用保険の失業認定日や認定に必要な書類などについて解説します。

 

失業保険とは

失業保険とは

一般的に失業保険や失業手当と呼ばれるものは、正式には「雇用保険の基本手当」といいます。雇用保険の基本手当を受け取るためには、ハローワークで下記3つの手続きが必要です。

  1. 求職の申込(→ハローワークが「受給資格の決定」を行う)
  2. 雇用保険受給説明会への参加
  3. 失業認定申請(→ハローワークが「失業の認定」を行う)

 

1.求職の申込(→ハローワークが「受給資格の決定」を行う)

離職後、最初の手続きがハローワークに対する「求職の申込」です。ハローワークの受付で「求職の申込」に来たことを伝えます。

「求職の申込」をすると、ハローワークでは受給要件を満たしていることや離職理由を確認し「受給資格の決定」をします。受給資格は下記2つの受給要件を満たすことです。

  • ハローワークで求職の申込をし、就職する意思と就職できる能力があり、かつそれにもかかわらず職業に就けない「失業の状態」であること
  • 退職日前の2年間に、雇用保険の加入期間が少なくとも12か月あること
    ただし、倒産・解雇等により離職した人は、退職日以前1年間に雇用保険の加入期間が少なくとも6か月あること

また、同日に雇用保険受給説明会の日時と「失業の認定日」が通知され、今後のスケジュールが確定します。

 

失業保険の給付日数

前述の「受給資格の決定」においては、受給資格の有無のほか、1日あたりの失業保険の給付金額(以下「基本手当日額」)や給付期間、給付日数(以下「所定給付日数」)を判定します。

基本手当日額は直前6か月の賃金日額により決まり、給付期間や給付日数は離職時の年齢や雇用保険の加入期間、離職理由により決定します。

会社都合退職の所定給付日数
離職時の年齢 被保険者期間(雇用保険の加入期間)
1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30才以上35歳未満 90日 120日 180日 210日 240日
35才以上45歳未満 90日 150日 180日 240日 270日
45才以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60才以上65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日
自己都合退職の所定給付日数
離職時の年齢 被保険者期間(雇用保険の加入期間)
1年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
全年齢 90日 120日 150日

離職理由による所定給付日数の違いは非常に大きいので、離職時に勤務先から渡される「雇用保険被保険者離職票」に記載されている離職理由欄を確認しておきましょう。会社都合の離職なのに自己都合と書かれているケースもあるので注意が必要です。

 

2.雇用保険受給説明会への参加

雇用保険受給説明会では、雇用保険制度の概要やこれからの求職活動の進め方、失業保険を受給するための手続きなどについて説明されます。

説明会参加時(※)に渡される「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」は、今後の手続きや求職活動で必要となりますので、失くさないように保管しておきましょう。

また、「1.求職の申込」から「3.失業認定申請」までの間に、決められた求職活動(ハローワークでの職業相談・紹介、ハローワーク以外の一般的な求人への応募など)を行う必要があります。求職活動は失業保険の支給要件です。

(※)ハローワークによっては、「求職の申込」をしたときに交付されることもあり。

 

3.失業認定申請(→ハローワークが「失業の認定」を行う)

指定された「失業の認定日」にハローワークで失業認定申請(=失業保険の支給申請)します。失業認定申請を行うと、ハローワークが「失業の認定」をします。認定されると1週間ほど後に失業保険が支給されます。

 

雇用保険の失業認定日とは

雇用保険の失業認定日とは

雇用保険の失業認定日とは、前述のとおり失業認定申請(=失業保険の支給申請)を行う日であり、ハローワークによって「失業の認定」される日のことをいい、ハローワークが決めます。失業保険を受給するには、原則、指定された日にハローワークでの手続きが必要となります。

 

 

求職者が行う「失業認定申請」

求職者が行う「失業認定申請」とは、雇用保険受給説明会で渡された「失業認定申告書」を記入しハローワークへ提出することです。申告書の記入方法は後で解説しますので参考にしてください。

 

ハローワークが行う「失業の認定」

ハローワークが行う「失業の認定」とは、求職者が本当に失業状態にあるかを確かめることです。具体的には、求職者からの失業認定申請にもとづいて下記項目(初回の申請時)を確認します。

  • 待期期間(「求職の申込日」以降の連続7日間で仕事をしていない期間)が満了していること
  • 「求職の申込日」から「失業の認定日」の前日までに決められた求職活動をしていること
  • 「求職の申込日」から「失業の認定日」の前日までに報酬支払いを受けたときはその内容や報酬の額

初回の支給金額は、失業状態にあった日に対し所定の基本手当日額が支給されますが、待期期間の7日分の失業保険は出ません。

 

失業認定日のサイクルは

ハローワークが指定する失業認定日は、4週間ごとの周期(サイクル)です。失業認定申請=失業保険の支給申請ですので、失業保険は4週間(前の失業認定日から今回の失業認定日前日までの期間)ごとに申請し、ハローワークが「失業の認定」を行うと4週間ごとに受給することになります。

1回目の支給金額は待期期間の7日分が控除されますが、2回目以降の申請では待期期間の控除はありません。

 

失業認定の注意点

失業認定の注意点

「失業の認定」を受けるために注意すべき点を解説します。一定要件を満たさないと「失業の認定」が受けられず、失業保険が受けられなくなるので留意してください。

 

失業認定日にハローワークに行けない場合

失業認定日にハローワークで手続きしないと、失業保険は受けられません。翌日以降にハローワークで手続きしようと思ってもできませんので、失念することのないようにしましょう。

ただし、対象となる4週間分の失業保険は受け取れませんが、所定給付日数が減るわけではなく受給が4週間遅れることになります。

また、やむを得ない理由で失業認定日に行けないときは、認定日前日までにハローワークへ申し出て失業認定日を変更してもらえます。

さらに、やむを得ない理由(下記の場合)で失業認定日に行けなかった場合に限って、次回の失業認定日に所定の証明書を持参して手続きすれば、失業保険2回分をまとめて受けることができます。

  • 病気やケガで行けない場合
  • ハローワークの紹介で採用面接に行った場合
  • 公共職業安定所長からの指示で公共職業訓練を受講した場合
  • 天災などやむを得ない理由が発生した場合

 

求職活動の実績がない場合

失業認定日の前日までに求職活動の実績がない場合も、失業保険は支給されません。失業保険の支給を受けるためには、下記活動を認定日前日までに2回以上(初回の認定日は1回以上)することです。

  • 求人に対する面接を受けること
  • ハローワークが実施する職業紹介や職業指導を受けること
  • 職業紹介事業者(民間の人材紹介会社など)が行う職業紹介や職業指導を受けること

所定の求職活動をしていない場合も所定給付日数は減りませんが、失業保険の受給が4週間後になってしまいます。

 

自己都合退職の場合

自己都合などで退職した場合、待期期間満了後3か月間は失業保険が支給されません。認定日までの期間が長くなるので、初回の認定日前日までに、3回以上の求職活動の実績が必要となります。

 

仕事をして報酬を受けた場合

仕事をして報酬を受けた場合は、報酬によって失業保険は支給されないか、減額となります。

無支給または減額となるのは仕事をした日だけで、失業保険を受ける権利がなくなるわけではないですが、就職とみなされる仕事に就くと失業保険の受給資格はなくなります。

また、報酬があった場合は、ハローワークへの状況報告が必要です。報告なしで失業保険を受けた場合は失業保険の不正受給となり、失業保険が受給できなくなるケースや、不正に受給した金額の3倍の金額を返金しないといけなくなるケースもあります。

 

その他の失業保険が受けられないケース

上記以外で失業保険が受けられないのは、傷病手当金や老齢厚生年金を受け取る場合です。

 

傷病手当金を受け取る場合

傷病手当金とは、失業保険の受給資格者が求職の申込をした後で病気やけがになり、連続15日以上の間、仕事できない場合に支給されるものです。

傷病手当金を受け取ると、「失業の状態」の要件の1つである「就職できる能力があること」を満たさなくなり失業保険は支給されません。

 

老齢厚生年金を受け取る場合

老齢厚生年金と失業保険は同時に支給されることはありません。老齢厚生年金は「老後の生活」を保障し、失業保険は「失業中の生活」を保障するものであるため、両方同時に受け取ることはできません。

老齢厚生年金と失業保険の手続きを両方していると、失業保険が優先して支給され老齢厚生年金は支給停止されます。老齢厚生年金を受給したい場合は、失業保険の手続き(求職の申込)をしてはいけません。

 

失業認定の手続き場所と必要な書類

失業認定の手続き場所と必要な書類

失業認定の手続き場所と必要な書類は下記のとおりです。

 

 

失業認定の手続き場所

失業認定の手続き場所は、住民票に記載されている住所を管轄するハローワークです。求職の申込など、失業保険に関する手続きは原則として管轄のハローワークで行います。

管轄のハローワークをこちらから確認できます。

厚生労働省「全国ハローワークの所在案内」

 

失業認定の必要書類

失業認定の必要書類は、雇用保険受給説明会に参加したときに交付された「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」です。「失業認定申告書」は事前に下記事項を記入して提出準備しましょう。

  • 失業認定日前日までの就業の有無(仕事をした場合は、仕事をした日と収入など)
  • 求職活動の状況(求職活動の実績としてカウントできる活動のみ)
  • 就職または自営開始の有無(就職などをした場合は、開始日)

失業認定の必要書類

 

転職が決まった場合

転職が決まった場合も、「失業認定申告書」を提出して転職先での就労開始日前日までの失業保険を受け取れます。失業認定日ではなく、転職先の就業日の前日に最後の失業認定申請をしましょう。

また、早期に転職が決まり失業保険をあまり受け取っていなかった場合は、「就業促進手当」を受給できます。「就業促進手当」には、就職先によって再就職手当、就業促進定着手当、就業手当などの種類があります。

 

再就職手当について

「就業促進手当」のなかで利用が多いのは、再就職手当です。再就職手当は、失業保険の受給資格がある人が安定した職業に就いた場合、基本手当の支給残日数(所定給付日数-失業保険を受給した日数)が所定給付日数の1/3以上あれば支給されます。

再就職手当の手続きは、最後の失業認定申請のときに「再就職手当支給申請書」を受け取り、就職先にて事業主欄に記入してもらい、本人が申請者欄を記入してハローワークに提出(郵送、電子申請も可)します。

 

失業保険の認定日に関するまとめ

失業保険は正式には「雇用保険の基本手当」とよび、ハローワークで下記の手続きが必要です。

  1. 求職の申込(→ハローワークが「受給資格の決定」)
  2. 雇用保険受給説明会への参加
  3. 失業認定申請(→ハローワークが「失業の認定」)

ハローワークが指定する4週間ごとの失業認定日に失業認定申請を行い、ハローワークから「失業の認定」を受ければ失業保険を受け取ることができます。

失業認定日はやむを得ない事情がない限り変更できず、また失業認定日前日までに所定の求職活動の実績がないと失業保険が受けられないので気をつけましょう。また、もし失業中にアルバイトなどした場合は、必ずハローワークに申告してください。

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