- 借り換えを行う前に必ず「諸費用」をチェックし事前にシミュレーションして下さい。
- 新規借入と同様に臨まなければ借り換え出来なくなる可能性もありますので注意は必要です。
- 住宅ローン控除を受けている最中の借り換えも事前シミュレーションして控除額を取るか、負担軽減を取るか検証してください。
公開日:2019年10月20日
「住宅ローン借り換え」という言葉を皆さんは少なくとも聞いた事はあるのではないでしょうか?実際に借りている方が行う事になりますが、一体どんな事をやるのでしょうか?そしてどんなメリット、デメリットがあるのかを今回の記事で解説していきたいと思います。
本題に入る前に住宅ローンの借り換えについて触れておきたいと思います。住宅購入は人生で最も高額な買い物と言われており、殆どの方が35年の長きに渡って支払いを続けていきます。
人生100年時代と言われるようになった昨今で考えると約3分の1は支払い続けなければなりません。そうなると、支払いをどうにか安くしたい!負担を軽減したい!と考えるのは当然です。しかし「金利」という数字によって皆さんの負担は変わります。
購入のタイミングによっては高い金利だった方もいらっしゃるかもしれません。そこで、今借りている金利水準より低い金利で「借り換える」方が先々の負担も軽減できる様にする為、銀行各行は借り換えの商品を並べている訳です。
将来に渡る金利負担を軽くする為、借り換えという方法がある訳ですが、メリットデメリットがあります。これからご紹介していきますので、しっかりと押さえておきましょう。
まずメリットからお話します。最大のメリットは支払い総額の軽減に尽きます。こちらの図をご覧ください。
借り換えなし | 借り換え(諸費用一括払い) | 借り換え(諸費用をローン) | |
---|---|---|---|
借入額(ボーナス分含む) | 23,000,000円 | 23,000,000円 | 23,243,249円 |
うちボーナス返済分 | 0円 | 0円 | 0円 |
金利 | 2% | 0.60% | 0.60% |
返済期間 | 25年0ヶ月 | 25年0ヶ月 | 25年0ヶ月 |
一括払い諸費用 | ー | 243,250円 | ー |
返済額(通常月) | 97,486円 | 82,579円 | 83,453円 |
(-14,907円) | (-14,033円) | ||
ボーナス月返済額 | 97,486円 | 82,579円 | 83,453円 |
(-14,907円) | (-14,033円) | ||
利息 | 6,245,798円 | 1,773,696円 | 1,792,461円 |
(-4,472,102円) | (-4,453,337円) | ||
総支払額 | 29,245,798円 | 25,016,946円 | 25,035,710円 |
(-4,228,852円) | (-4,210,088円) |
図の借り換えの条件を書いておきます。
上記試算は極端かもしれませんが、以前固定金利で借りた方が、変動金利に変更した場合をシミュレーションしました。ご覧のように、支払いの軽減額が約420万円も軽くなりましたね。軽くなるのであれば是非やった方がお得だという事が分かります。
次なるメリットですが、固定金利型や変動金利型への選択変更が可能になります。上記シミュレーションは固定から変動へ切り替えたものです。選択肢の自由があるのは有難いですよね。
そして、例外的な対応ではありますが、場合によって返済期間の延長を行ってくれる銀行もあります。(殆どが対応はしていないようです)返済額を軽減したいなというお考えであれば、延長に対応してくれる銀行での借り換えも視野に入れておいても良いのではないでしょうか?
逆に返済期間を短縮する事も出来ます。(こちらは対応可能な銀行多数です)月々の返済額を変えず、返済期間が短縮になればその分、支払いも軽減されますね。以上が借り換えのメリットです。
では、逆にデメリットはと言いますと、借り換え前よりも返済総額が増える事も考えられます。というのも、単純に金利が今より低くなればいいのでは?と思ってしまいがちですが、先程の図に「諸費用」という項目を入れていました。
今回諸費用を少なめに(概算シミュレーションで)入れましたが、金融機関によって諸費用は異なります。ここが膨らんでしまうと折角の負担軽減も意味が無くなってしまう事もありますので、借り換えを検討する前にしっかりと諸費用をチェックしておいて下さい。
他にデメリットで言えば、最近は少なくなったかなと思いますが、借り換え手数料を取る銀行もあります。これは先程の諸費用とは別になりますので、ある意味負担です。負担を増やさない為にも、事前にチェックしておいて下さいね。
さて、借り換えの概要はお話してきました。ここでからは借り換えのポイントに触れていきますね。
よく住宅ローンの借り換えを検索すると出てくる言葉でもありますが、これは何を意味するのか?これは、借り換えをする際にメリットになる方の条件を簡単に表したものです。具体的には
という3つの条件を満たせば恩恵は受けられますというものです。皆さんの借入を行っている住宅ローンは上記に当てはまりますか?当てはまらない方も一度シミュレーションしてみて下さい。
これはFPとしての意見ですが、金利が1%以上無くても、返済期間が10年以下でも、シミュレーションして返済総額が安くなる条件もあります。
最近ではネット銀行が増え、手数料や諸費用等0円で済む銀行も出てきました。借り換える側にとってみれば朗報です。何度も言うようですが、法則に当てはまっていなくても、まずはシミュレーションしてみて下さいね!私が良く利用するサイトのURLですので参考になればと思います。
住宅ローンを借りた事がある方はお分かりかと思いますが、手続きに中々時間を要した事と思います。どなたに聞いても「面倒だ」といった回答が多く、その書類の多さには正直うんざりする方も多いのではないでしょうか?
準備書類だけでなく、記入書類や捺印箇所も多く本当に大変だと思います。借り換えは同じように書類や手続きが必要になる為、思わず思い出して嫌になる方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、先程の図で示した様に、仮に400万円以上の負担軽減ができるのであればと考えると、多少は我慢も必要かもしれませんね。
新規借入同様に審査は必須です。事前審査、本審査と進まなければならず、当然借入を起こした当初と債務状況や、勤務状況等変化が大きく生じていた場合、借り換えすら難しくなる事もあり得ます。
例えば、新規借入して数年後、転職した場合。勤続年数もそうですが、年収も異なっているでしょう。また他ローン関係も増えていたりするかもしれませんし、先々で借り換えを視野に入れていらっしゃる方は、審査対策も必須となりますので、注意しておきたいポイントです。
住宅ローンを借りる際は必ずと言って良いほど団信(団体信用生命保険)に加入を義務付けられます。
過去記事に書いてはきましたが、新規借入時は健康で団信に加入出来ても、借り換えする際に何かしらの事情で健康状態が悪い場合、団信に加入すらできないケースもあるかもしれません。そうなると融資そのものが出来ない為、要注意ですね。
皆さんご承知の住宅ローン控除ですが、借り換えするとどうなるのか?ですが、結論から言えば「要件を満たせば問題ありません!」となります。
国税庁HPでは「できませんよ」と書いてある様に思えるかもしれませんが、ポイントとしては、借り換え後の住宅ローン返済期間が10年以上ある事、新規借入の住宅ローンを借り換えますといった事が分かれば要件を満たすと解釈してください。
注意すべきは、控除対象の期間は絶対に10年間だけになります。例えば5年間控除を受けて借り換えた場合は残り5年間は控除対象になるという事です。
過去にこんなご質問がありました。「住宅ローン控除が終わった10年後に借り換えしたら、また控除期間が10年間ありますか?」という内容でした。
答えは追加で10年間はできませんとなります。あくまでも、新規借入から10年間が対象になっていますので、借り換えをする度に延々と控除を受けられる事はありません。
控除対象期間内の範囲内での借り換えをご検討の方は金利を下げる事が借り換えの目的であると同時に控除の恩恵も軽減してしまう可能性もありますので、何度も言いますが事前にシミュレーションはやっておいて下さいね。
今回は借り換えに関するポイントをご紹介しました。新規で借りる際も、比較検討は必要である事と同じで借り換え時もどうすれば損でどうすれば得なのかをシミュレーションして実行に移すことをお勧め致します。是非、今より良い条件で借り換えが出来るといいですね。
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