- 住宅ローン審査は嘘偽りなく申告する事は最も大事です。
- 就業形態によって提出書類が異なりますので、事前に押さえておきましょう。
- 自営業者や会社経営者の方は3年前から売り上げ見られます。計画的な住宅購入プランを。
公開日:2018年12月6日
本記事のテーマは住宅ローンの審査について。これまで、住宅ローンに関する「金利」や「返済プラン」等を数回に渡ってご紹介してまいりました。今回からは実際に借りる段階のお話に触れていきます。
タイトルにもあるように、何を審査されるのか?気になりますよね。これから借りようかな?と計画されている方は是非ご覧ください。
なお、住宅ローンの金利の決まり方について知りたい方は以下の記事をどうぞ。
目次
住宅ローンを借りる際、いきなり「貸して下さい!」「はい!分かりました!」という訳にはいきません。なぜなら「高額」であるから他なりません。
また個人間でのやり取りでもありませんので、少し時間がかかる訳です。時間がかかる訳は「この方に貸して返済してくれるかな?」という点において細かくチェックします。
これが「審査」なんですね。では住宅ローン審査に追ってみます。
まず最初に「事前審査」というものがあります。住宅ローンを借りる場合はこの「事前審査」に臨まなければなりません。
何を調べるのかと言いますと、「年収から判断し、物件購入できるのか?」「融資した金額に対して返済余力は十分あるのか?」「融資実行しても問題ないのか?」等調べていきます。
何だか尋問みたいですが、当然銀行も大きな金額を融資するので、「貸したお金が返ってこない!」なんてリスクを負うわけにはいかないのです。この段階で、申込した方の返済能力や信用力、借入に対する返済プラン等が確認される事になります。
事前審査に必要な書類をまとめてみました。こちらになります。
大体こんな感じですが、就業形態によって提出書類も異なります。ここからは就業形態別に触れていきます。
サラリーマンの方であれば源泉徴収票が必要になります。この書類には年収が記載されていますので、口頭での申告でなく裏付けが取れますよね。
銀行によっては2年分提出を求める所もあるようです。2年分請求されても大丈夫にしておくために、しっかり保管しておきましょう。
次に自営業を営んでいらっしゃったり、歩合給や保険外交員報酬での就業形態の方は確定申告書が必要になります。しかも3年分必要になります。理由は、サラリーマンと違って、毎月、毎年の売り上げが異なるケースが多いからです。
返済が出来るかどうかを判断する為には少なくとも3年分は必須の様です。ここで、筆者の所にご相談に来られた実際のケースをご紹介します。
相談者(以下Aさん)は確定申告するに当たって経費をどれだけ申告して、納税を安くするのか?等、先々を考えずに申告していました。(それが決して悪いという事ではありません)
ところが、最近になってお子様が大きくなってきた事、個室が欲しい等の環境が変化した為、家を購入しようとなった訳です。そこで、物件を見ていざ銀行に!確定申告書の3年分提出を求められました。
ここで、事前審査に通らなかったんですね。理由は、先程も書きましたが、経費をかなり申告していた為、所得を著しく低くし過ぎていたからなんです。
「家を買う事が分かっていれば・・・3年前からきちんと考えて申告したのに・・・・。」残念ではありますが、家を買うのはもう少し先延ばしになりました。
実はこの様なケースは実は少なくありません。確定申告は、自分で出来るので、意外とざっくりやってしまう方も少なくないんです。(過去筆者も自分でやっていた事はありました)
しかし、ざっくりすぎて審査に影響が・・・とまで考えないですよね。住宅購入においては、これまで何度も言いましたが、「ライフプラン」を立てて、お子様の成長や、将来の計画や予測を立てて考えた方がいいと思います。
次に決算書3期分ですが、会社経営者の方に求められます。上記と同じ内容ではありますが、会社経営の売り上げや役員報酬などを見て判断されます。
やはり自営業や、会社経営となると、シビアに見られます。これは貸し手側からすると、回収できるかどうかを判断する材料になりますので従わざるを得ませんね。
他の書類は共通です。本人確認書類や健康保険証等は必須となりますので、しっかり提出できるようにしておきましょう。
また引っ越しなどで、免許証の裏書(住所書き換え)等もやっていなければ突っ込まれますので、審査前にはしっかり済ませておきましょう。
今回は「審査」をテーマに話を進めていますが、私自身、過去に金融機関に勤務しておりまして、主に融資業務を担当していました。その時の経験や、貸し手側の考え等をお話させて頂きたいと思います。
私が勤務していた時代も同じくローン申し込みはありました。しかし、今ほどネットが普及していませんでしたので、店頭に来て、申込書等を記入して頂く必要があった訳です。
そこで、見ていたポイントですが、書類の数字だけでなく、人物評価も行っていました。
例えば、横柄な態度だったりすると、もし貸した後に返済に関してトラブルがあったとしたら、スムーズに回収できるだろうか?といった懸念に代わる訳です。
また、申込書の字が乱雑な場合等も(ここでは走り書きをイメージして下さい)若干マイナスポイントではありましたね。
金融機関はクリーンで健全なイメージですので、ちょっとした書類の不備や、フリガナ漏れ等、何度も取り直しを行った記憶もあります。
この繰り返しによって、審査が完全にダメだといった事はありませんでしたが、審査部に出す仲介役でもあるので、「このお客さんは大丈夫なの?」と何度か言われた事もありました。
また、先程も書きましたが、免許証の裏書。これも行っていなければ、印象は悪くなります。
裏書自体必須ではないのかもしれませんが、無いというだけで、「詐欺」というとんでもなく飛躍した考え方に行き着いてしまうんです。
もちろん、ちゃんと現住所と一致さえしていれば何の問題もありませんので、引っ越し等した際には、きちんと裏書を行っておいて損は無いかと思います。
先程、必要な書類に他ローン明細等と書きました。これは他にローンがあるのか、無いのかを判断する為ですが、自動車ローンや教育ローン、またはカードローン等も審査対象に含まれます。
これも経験談ですが、自動車ローンや教育ローンの申告は正しいのですが、カードローン(キャッシング)等の申告は結構アバウトだったりもするお客様は多かったです。
借入を人に知られたくないからなのかもしれませんが、実は、申告した数字と他社借入を調べた結果が一致しなければ、ほぼアウトだと考えても良いと思います。借入の件数や残高等、たとえ1件でも違っていれば厳しいです。
事前審査でローン明細を求める事はほぼ少なかったですが、今どれくらいの残高があって、いくら毎月返済して、何年残っているという事も織り込んで住宅ローンと合わせて審査します。
いくら口頭で言ったとしても、調べた結果と一致しなければ、金融機関を欺く行為と見なされてしましますので、一気に心証は悪くなります。ローン審査に臨む場合は、決して嘘偽りない様にしておかなければ、審査を通る事は難しいとお考え下さい。
今回は審査に関してお話をさせて頂きました。今回のお話はほんの一部に過ぎません。
大事なことは、高額なお金を借りるのだから、きちんと正確にお話お伝えする事が最も大事だという事です。次回も審査に纏わるお話をさせて頂きたいと思います。今回はここまでといたします。
次は本審査について以下の記事をご覧ください。
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