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金融機関経験者が解説!年収・勤務先etc.住宅ローン審査でチェックされる7項目とは?

金融機関経験者が解説!年収・勤務先etc.住宅ローン審査でチェックされる7項目とは?

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田中祐介

田中祐介

住宅ローンアドバイザー、2級ファイナンシャルプランナー

大学卒業後、大手金融機関にて融資業務を担当。その後外資系生命保険会社にスカウトされ転職。 主にライフプランニングを中心に活動。以後、保険代理店へと移籍。移籍後は数多くの企業と提携し 個人向けマネーセミナーを開催中。金融業界で経験した知識、経験を基に「お金」にまつわる幅広い知識を 「いかに分かり易くお伝えするか?」をモットーに日々活動しています。

この記事のポイント

  • 審査チェック項目で最重要なのは7項目。
  • かなり細かくチェックされるが、審査基準や貸付規定に当てはまっていれば何の問題もありません。
  • 住宅ローンだけを見ず全体的な支出も見ておく事は非常に大事です。

前回、住宅ローン審査について触れましたが、元金融機関職員だった筆者から言うと、まだまだ言い足りない位あります。今回は筆者の勤務時代の実体験を基に、どんな点をチェックするのかを解説していきたいと思いますので、住宅ローンを検討中の方は是非ご覧ください。

住宅ローン審査に関する前回の記事はこちらからどうぞ。

 

 

貯金額は聞かれる?住宅ローン審査の「ヒアリング7項目」

確実に聞かれる「ヒアリング7項目」

まず、住宅ローンを申し込む際に「事前審査」があると前回記事では書きました。その際に、申込用紙に記載していく項目(ヒアリング項目と筆者は呼んでいました)に必ず書かなければならない必須項目があります。まずそこを押さえておきたいと思います。

確実に見ておかなければならない項目がこちらになります。

  1. 借入時年齢
  2. 健康状態
  3. 担保評価
  4. 勤務先(就業形態・役職含む)
  5. 年収
  6. 勤続年数
  7. 連帯保証

少なくとも7項目は確実に見られます。というか記入しなければなりません。ここから一つずつ「なぜこんな事記入しないといけないのか?」を貸し手側の理論で説明していきますので、ご覧になっている皆さんも「貸し手側」になったつもりで見て下さい。

 

「ヒアリング7項目」を詳しく解説

「ヒアリング7項目」を詳しく解説

 

 

1.借入時年齢

原則、住宅ローンは完済時の年齢が80歳と決められている銀行が殆どです。よって借入をする際に年齢を記入しますが、最長35年で組んだ場合、完済の年齢が見えてきます。

35歳の方であれば70歳に完済、40歳の方であれば75歳といった具合になります。昨今定年退職の年齢が引き上げられる様になってきていますが、一般的に65歳以降も支払いは可能かを判断する為でもあり、住宅ローンはなるべく若い年齢で組む事の方が有利と言えそうです。

 

2.健康状態

筆者が勤務していた時代に「貸付規定」と呼ばれる、融資に際してのルールブックのようなものがありました。その中に「入院中の方には貸出禁止」と記載があったのを記憶しています。

理由はお察しの通りですが、健康でなければ仕事ができない=返済できないという懸念が出てくる訳です。入院中などは論外でした。

また、銀行で住宅ローンを借りる際に「団体信用生命保険(通称:団信)」という保険に入らなければ、お金を借りる事が出来ないのです(住宅支援機構で借入の場合は任意加入となります)。

 

団体信用生命保険とは?

この保険は、ローン契約者が返済中に万が一亡くなった場合などに、残りの残債を保険で一括清算するもので、借り手側からすると、住宅ローンを遺族が払わなくて良いというメリットと、貸し手側は融資金額の回収が確実に出来るというメリットが発生します。

但し「保険」という文字が付いていますので、加入に際して健康状態が良くなければ「保険」に加入できません。健康でなければ、融資も難しいですし、保険にも加入できない。こんな所まで銀行は見る訳です。

 

3.担保評価

これは、今回購入予定の物件や土地の事を調べます。融資する際、建物や土地に「抵当権」という権利を設定します。ここで簡単に「抵当権」について解説しておきますね。

抵当権とは、お金を借りた人が返さない等、返済が滞ってしまった場合に「抵当権」の付いてある物件を競売にかけて売却し残債を回収する権利の事

何とも物々しい権利ですが、これも融資実行の際には必須となります。建物と土地に対して付けるのが一般的です。しかしながら、最近では担保評価自体あまり重要視されない傾向にもあります。なぜなら、建物自体は購入直後から担保価値が下がるからです。

自動車でもそうですが、一旦新車で手に入れても、すぐに売却するとなると価値が下がっていますよね。これと同じ理屈です。つまり、残債が満額回収できるとは考えにくいと考える訳です。とは言え設定は必須となります。

銀行はあらゆる貸し倒れリスクを軽減しなければなりません。重要視されないのであれば見る必要はあるのか?という解釈もできますが、決して見ていない訳ではありませんし、担保評価に代わり重要に見る項目が次の勤務先です。

 

4.勤務先(就業形態・役職含む)

これは、借りる方がどの会社に勤務しているのか?を調査します。サラリーマンなのか?自営業なのか?会社経営者なのか?です。サラリーマンですと、会社名を聞けば誰もが知っている会社かもしれませんし、中小、零細企業かもしれません。

 

重要視されるのは、正社員・嘱託・契約社員etc.かどうか

ここで重要なのは、就業形態です。就業形態とは主に「正社員・嘱託・契約社員・派遣社員・パート・アルバイト」を指します。筆者が勤務していた時代は「正社員」のみが対象となっていました。今でも同じく「正社員」が住宅ローンでは必須の様です。

理由は書類上、安定した雇用である事の判別を付ける為です(もちろん転職等考えられますが、そこまでは審査範囲ではありません)。嘱託、契約社員や派遣社員、パート、アルバイトは審査する上で非常に厳しいと言わざるを得ません。

見るべきポイントは返済能力ですたとえ大手の勤務先でも契約社員や派遣社員であればいつまで在職できるのか?と思われ35年に渡って雇用されるかどうかシビアに見られます

貸し手側に立つと回収の判断が一つのポイントと言えそうです。また、役職とありますが、係長や課長、部長といった形で年収や今後の勤務において長くいるのかどうか?という判断にヒアリングしてもいました。後述する年収にも直結する部分でもあります。

 

審査は担保評価と人物評価共に行われる

ここで、先程「担保評価」で触れた関連性ですが、審査は担保評価と人物評価共に行われます。担保評価は先程記載した通りです。人物評価とは、勤務先の知名度や役職における地位等を考慮し、返済出来るかどうかを重要視する傾向が高くなっているという事です

担保価値は年々下がる事もあり、先々返済が難しくなった際の回収リスクを考えると、人物評価に重きを置く傾向であるという事を覚えておいていただければと思います。

貸し手側の考えでは担保も人物もどちらも回収を考えると重要で、序列を敢えて付けるなら、人物⇒担保という順番です。

 

5.年収

年収は絶対に見られます。年収に対しどれ位まで融資可能なのかを判断しますが、一般的に年収の8倍までは融資可能と判断する銀行は多い様です。また年収に対する住宅ローンの返済割合(これを返済負担率と言います)も合せて見られます

貸し手側にもある一定のルールがあり、年収に応じて返済負担率が決まっておりその範囲内でしか融資はできません。参考までに住宅支援機構と民間の銀行の返済負担率を表にまとめてみました。

住宅支援機構の
返済負担率基準
銀行住宅ローンの
返済負担率基準
年収 400万円未満 400万円以上 100万円以上
300万円未満
300万円以上
450万円未満
450万円以上
600万円未満
600万円以上
基準 30%以下 35%以下 20%以下 30%以下 35%以下 40%以下

表の見方ですが、例えば銀行で借りる場合、年収600万円以上だったら、600万円×40%=240万円以下が1年間に返済可能であるとみなされます。240万円を12ヶ月で割ると、1ヶ月20万円のローン負担は問題ないと判断されます。

年収で判断される事は致し方ありませんが、最近ではご夫婦での合算年収で審査してもらったり、夫婦それぞれが借主になる事もあります。ご希望の融資額を得る為に貸し手側からのアドバイスもありますので、前もって聞いてみるのも良いでしょう。

 

トータルの支払いを考えて物件価格を設定すべき

ここで1点注意頂きたいのは、筆者が金融機関に勤務していた頃は、あくまで希望融資額の貸出が出来るかどうかに尽きました。つまり、貸した金額が返ってくる可能性だけを見て審査に出す訳です。ところが、その他支払い関連等はあまり見られなかった事を思い出します。

何かと言うと、お子様の学費や生涯通じて大きなお買いもの(例えば自動車等)の事は見ていませんでした。住宅ローンの返済だけでなく、学費や自動車購入など、トータルの支払いを考えて物件価格の設定はしておいた方が得策だと思います

住宅ローン通った!これで家を購入できる!と思っていても、学費の捻出が厳しい等の状況に陥らない様にする為にも、事前に支出の想定をライフプランで算出してみて下さい。

 

6.勤続年数

勤続年数は転職を繰り返していたり、短かったりすると審査に通りにくくなります。銀行側としては、「長続きしない」などの憶測で見てしまい、結果返済が滞る可能性に繋がります。少なくとも勤続年数は2年以上が望ましいと言えます。

また必要書類に健康保険証の提出がありますが、これは勤務先や入社年月日を確認できる書類でもあります。記入するだけの書類に勤務年数を偽って書いても、裏付け書類で確認が入りますので、気を付けておきましょう。

 

7.連帯保証

最後の項目ですが、これは「保証人」の意味ではなく、「保証会社」から保証を受けれられるかどうかの事です。審査がほぼ問題なく通るケースで、最終的に保証会社の審査もある訳です。

これは返済が滞ったら、代わりに保証会社が返済を立て替えてくれる、有難いものです。それに伴い保証料を支払わなければなりません。

但し、立て替えてくれるから助かった!ラッキー!では済まないんです。なぜか?あくまでも、支払いの肩代わりを行っただけで、返済が免除になる訳ではありません

結果銀行から、保証会社へ債権者が代わり、保証会社から返済の督促等がやってきます。いずれにせよしっかりと返済は行わなければならないという事ですね。

 

住宅ローン審査の項目に関するまとめ

今回、筆者の経験を基に貸し手側の理屈、理論で審査項目を細かに説明してきました。大きなお金を貸すという事は、それだけ審査も厳しくなります。しかし絶対に通らない訳ではありません。購入をお考えの方は前もってチェックされるポイントがクリアできるか、確認してみましょう。

もし、住宅ローン審査に通らなかった場合は以下の記事をご覧ください。

 

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