- 約100人を対象にしたリサーチランキングを作成。
- 上位3位までは国外株式が占めている。
- 国内投資も根強く、バランス型も魅力的。
公開日:2019年8月21日
今回は投資信託のファンドランキングについて書いていきます。最近投資信託の熱が上がってきていますが、肝心なファンド選びも大切です。
これまでも同じランキングを書いた事はありましたが、今回は、私のクライアント・提携先等から得た回答を元に私の個人的な所見も含めてランキングを発表していきます。どのファンドを選ぼうか迷っている方は、参考にして頂ければと思います。
なお、投資信託の仕組みや基礎知識については以下記事から詳しく知ることができます。
目次
これよりランキング形式で発表していきます。ランキングに関しては先程も書きましたが、クライアント、提携先、私の所見で付けております。また、クライアント約100名を対象にリサーチしています。まずはこちらの表にまとめましたので、ご覧ください。その後一つ一つ解説していきます。
商品名 | |
---|---|
1位 | 楽天・全米株式インデックスファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)) |
2位 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス |
3位 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
4位 | ニッセイ日経225インデックスファンド |
5位 | eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) |
今回のリサーチを含めた結果ですが、圧倒的にバンガード・ファンドで運用している方が多かったですね。このバンガード・ファンドの正式名称は「楽天・全米株式インデックスファンド」と言います。なぜ1位になったかという理由は次で解説します。
まず気になるのは運用方法ですが、商品名の中に「全米株式」と書いてあります。このファンドは米国にある約3,600社に対して投資をする事が可能になります。たった一つのファンドを通じて3,600社に投資が出来るのは凄い事です。
また、インデックスファンドでもありますので、かかる信託報酬は低く設定されています。
投資信託を購入する際はこの手数料を低くしておいた方が利回りが良くなりますので、これも売れている理由の一つですね。以前にも書きましたが、株式は攻める、債券は守る運用になります。このファンド自体株式を組み入れてます。攻めるファンド、運用方法だとお考え下さい。
このeMAXISシリーズは人気、実力ともに上位にランクされているオススメ銘柄です。シリーズの中でも先進国株式、全米株式、バランス型はインデックスファンドの中でも人気商品でして、今回のランキングにも全て入っています。
販売は殆どの証券会社でされています。運用は三菱UFJ国際投信という会社です。3メガの一角を担う会社のファンドでもありますが、他のシリーズもランクインされていますので、非常に人気は高いです。
先程のバンガード・ファンドとは若干違いまして、先進国の株式に投資されています。バンガード・ファンドは米国のみです。つまり投資対象国が全世界に広がっています。
運用報告書に目を通すと、アメリカに約60%、イギリス約7%、その他約33%の割合で分散投資されていて、上位10位の投資先はアメリカが独占している模様です。
こうやって見ると米国の株式市場は運用に強い事が分かりますね。また、アメリカ以外にも投資されていますので、アメリカの株式市場に波が訪れた際にも、他国に投資している分、リスクを分散させる事が可能という事ですね。
立て続けにeMAXIS Slimシリーズの登場ですね。私の個人的な見解では1位に入ってもおかしくないファンドだと思っています。
さて第3位のファンドですが、先程と同じく三菱UFJ国際投信が運用しています。軒並み手数料が低い事、また、このファンドはバンガードと同じく全米に投資されている事もあって、人気は高いです。気になる運用については次で解説していきますね。
このeMAXIS Slim 全米株式はS&P500というベンチマーク(指標)に連動するように運用されています。そもそもですが、インデックスファンド自体、ベンチマークに連動する運用を目指していて、各ファンド使用するベンチマークが異なります。
参考までにどんなベンチマークがあるのかも解説しておきます。
こちらにベンチマークを纏めてみました。
この様に投資内容によって使用されるベンチマークは異なります。ここで、eMAXIS Slim 全米株式はと言うと、上記のベンチマークではなく、S&P500というベンチマークを使用しています。
ここでS&P500について解説しておきますね。
S&P500とはアメリカの大型株500銘柄で構成されており、米国市場の動きを概ね反映していると言ってもいい指標です。
このS&P500の値動きをご覧ください。
日本とアメリカと言い換えても良いかもしれませんが、グラフで見ると大きな差は一目瞭然ですね。それだけアメリカの株価は高く堅調な推移をしている事が見て取れます。
今回3位にランクインしたeMAXIS Slim 全米株式はこのベンチマークを採用しています。そしてインデックスファンドですので、その運用手法も大きくベンチマークからブレる事が無い為、本ファンドが人気である所以が伺えますね。
ちなみに第1位にバンガード・ファンドは、CRSP US トータル・マーケット・インデックスという全米の大型株、小型株含む約4,000銘柄で構成された株価指数をベンチマークとしています。大きな違いは銘柄の数になります。小型株まで含んでいますので、ほぼ全米が対象になっています。
小型株の特徴としては経済が順調な時に、爆発的な伸びを見せる事もある点でしょう。それぞれの運用手法や採用ベンチマークの違いもあるので、ファンド選びに困ったら、ベンチマークで比較するのも手です。
ここで、国内株式への投資信託がランクインされました。これまでは外国がメインで運用対象でしたが、国内株式への投資も根強い人気があります。採用されているベンチマークは日経平均株価でして、対象企業は225銘柄で、その中で200銘柄以上に投資しているファンドです。
特に海外に抵抗を感じる方の多くは国内に投資する傾向が高く、私のリサーチでも同じ理由で国内へ投資したいからといった意見が圧倒的でした。
では、どんな会社に投資されているのかを見ていきます。運用報告書を見ると、ファーストリテイリング(ユニクロ)、ソフトバンクグループ、ファナック(ロボット)、KDDI、京セラ等が投資の上位に入っていました。どの企業も一度は耳にしたことがある会社ばかりですね。
どの会社も業績は順調のようで、海外に進出している企業も含まれています。先程S&P500との比較をご覧頂いたかと思いますが、しかし、日経平均もじわじわと上がってきているのも事実です。またベンチマークに連動する運用手法なので、堅実ではあると考えます。
今回のランキングで3つ目のeMAXISシリーズです。このファンドは8資産均衡型と書いてある様に8つの投資先に均一に投資されています。つまり、株もあれば債権もある、そしてこれまでにない投資先のREIT(リート)が組み込まれています。このREITについて簡単に解説しておきます。
REIT(リート)とは、投資者から集めた資金で不動産へ投資を行います。そこから得た賃料収入、売買益を原資として投資者へ配当する仕組みで「不動産投資信託」と呼ばれます。
日本版は頭文字に「JAPAN」の「J」を付けてJ-REIT(ジェイ・リート)と呼ばれます。間接的に不動産のオーナーになれ、リゾートホテルや商業施設、オフィスビル、賃貸物件等に投資される事になります。
この様に現在は国内外の不動産投資が投資信託の商品となっており、自身で不動産投資を行うよりもはるかに効率的な方法だと言えますね。
不動産直接投資を自分でやる事と投資信託でREITを使うのはどんな違いがあるのか、分かり易い表がありましたので、こちらの表をご覧ください。
直接不動産に投資しようとすると、まず必要な資金面がネックとなります。物件によっては高額なもののあるでしょう。
その反面、REITでは投資信託の特性を活かし少額から投資が可能です。また、換金性の面や物件の維持管理等を考えてもREITの方が早くて、手間はかかりません。かつては不動産投資もお金を持っていなければならなかったですが、今では手軽になったと言えます。
8資産均等に分かれていますが、その先が気になりますよね。下図にまとめました。
この様に株式、債券、REITが国内、先進国、新興国と綺麗に8等分されています。最大の特徴はこのファンド一つで沢山の投資先に投資できる点でしょう。
そして、株式と債券は反発する関係性にあります。株が上がれば債券が下がり、債券が上がれば株が下がるといった形です。どれにも投資していますので、リスクを分散させたい方にはとてもオススメな商品です。
先程まではリサーチの結果を元に解説してきましたが、番外編でひふみ投信をご紹介しておきたいと思います。このファンドはアクティブファンドで、日本国内の株式に投資します。なぜ番外編となっているのかと言いますと、手数料が高く、アクティブという理由なだけです。
しかしその運用成果は目を見張るものがありまして、ファンドにとって大事な「基準価格(投資信託の値段)」「純資産総額(一言で言えばファンドの人気バロメーター)」が非常に高く推移してきています。
インデックスは手数料が低いですが、本ファンドはそのインデックスを凌ぐ成果も出ていますので、国内株式に興味ある方は見ておくのも良いでしょう。
今回はリサーチと所見を交えて(ほぼリサーチ順位です)ランキングを作成しました。皆さんはどんなファンドを選択しますか?と聞かれたときに、この記事が役に立てれば幸いです。
また、2019年時点のランキングですので、来年、再来年と実績も変わってきているかもしれません。投資で重要なのは一喜一憂せずじっくり腰を据える事です。今からじっくりと投資を行って頂ければと思います。
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