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連帯保証人は変更できる?変更できる条件&手続き方法をFPがわかりやすく解説

連帯保証人は変更できる?変更できる条件&手続き方法をFPがわかりやすく解説

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田中 英哉

田中 英哉

2級ファイナンシャルプランニング技能士、上級心理カウンセラー

2級ファイナンシャルプランニング技能士の有資格者。長年のライター経験の中で、お金に関する記事を執筆。日本最大級のソーシャルワークサイトにてプロクラウドワーカー TOPclass認定。ライター部門契約ランキング最高6位。難しいお金の話しを分かりやすく伝える記事は、読者から読みやすいと好評。

この記事のポイント

  • 勝手に連帯保証人にされたなどの一定条件下では、連帯保証人の変更が可能です。
  • 連帯保証人の変更手続きは、申込書に記入した上で審査をし、契約書に署名捺印が必要です。
  • 連帯保証人制度は、限度額がない根保証は無効など、大きな変更点があります。

連帯保証人は主債務者の借金を保証しなければならないため、大きな不利益を被る可能性があります。できることなら連帯保証人を変更したいものですよね?この記事では連帯保証人の変更が可能な場合と不可能な場合を紹介し、手続き方法について解説します。

 

賃貸住宅や借金の連帯保証人は変更できる?

賃貸住宅や借金の連帯保証人は変更できる?

賃貸住宅や借金において、連帯保証人が必要となるケースがあります。連帯保証人は主債務者が滞納してしまうと、理由を問わず肩代わりしなければなりません。

この場合には主債務者と同じ責任を負うことになりますので、できれば変更したいものですよね。では、どうすれば連帯保証人の変更ができるのでしょうか?変更できる条件とできないケースについて解説します。

 

連帯保証人を変更できる条件

連帯保証人を変更できる条件は、「連帯保証人が未成年者の場合」「勝手に連帯保証人にされた場合」「根保証契約期間が終了した場合」「騙されて連帯保証人になった場合」が挙げられます。それぞれ以下にまとめますので参考にしてください。

変更条件 概要
未成年者の場合 法定代理人の同意がない未成年者の法律行為は取消しが可能
勝手に連帯保証人にされた 本人の同意がない連帯保証契約は解除請求が可能
根保証契約期間が終了した 契約更新していない連帯保証契約は解約が可能
騙されて連帯保証人になった 騙されたり脅迫されてなった連帯保証契約は解除が可能

これらのケースでは民法に基づき、連帯保証人を変更できる可能性があります。当てはまる場合は、弁護士などの専門家に相談しましょう。

 

連帯保証人を変更できないケース

連帯保証人を変更できないケースも把握しておきましょう。連帯保証人を変更できないのは以下のとおりです。

変更条件 概要
家賃や手数料が払えない ただ単にお金に困っているという理由では変更できない
1円でも返済してしまった 返済すると連帯保証契約を認めたことになるため、変更不可となる

 

連帯保証人の変更のリスク

連帯保証人の変更のリスク

連帯保証人の変更により、もしもあなたが新たな連帯保証人になる場合には、リスクを把握しておく必要があります。具体的には以下リスクを想定しておきましょう。

  • 自分が借金を背負うリスク
  • 家族が借金を背負うリスク
  • 人間関係が壊れるリスク

 

自分が借金を背負うリスク

連帯保証人は主債務者の借金を丸ごと保証する立場ですので、主債務者の借金が焦げ付いた場合には、あなたが全て返済しなければなりません。つまり、他人の責任をあなたが丸ごと背負う覚悟が必要となります。

 

他人が賃貸住宅の家賃延滞により自分まで延滞

主債務者が家賃を延滞し、その債務の支払いによって自分が家賃を払えなくなったという人もいらっしゃいます。連帯保証人になると、このような皮肉に見舞われることも考えられます。

 

家族が借金を背負うリスク

連帯保証人による借金は、あなただけに留まるとは限りません。家族にも多大な影響を及ぼします。あなたが借金を背負うことで家族の生活水準が下がったり、家族にも働いてもらう必要が出てくるほか、相続によって連帯保証契約を引き継ぐ可能性もあります。

 

人間関係が壊れるリスク

主債務者の借金が焦げ付けば、人間関係がこじれる可能性が高いです。主債務者とあなたの間に亀裂が入ったり、家族関係が崩壊する危険性があります。安易な連帯保証契約によって不幸になることもありますので、十分気を付けなければなりません。

 

変更の手続き方法!契約書などの必要書類

変更の手続き方法!契約書などの必要書類

連帯保証人の変更手続きは、申込み用紙に記入した上で審査を受け、契約書を取り交わす必要があります。ここでは連帯保証人変更手続きの流れと、必要書類について解説します。

  1. 申込書に記入
  2. 審査
  3. 契約書に署名捺印・必要書類準備

 

 

申込書に記入

まずは申込み用紙に記入が必要です。申込み用紙にはこれまでの連帯保証人ではなく、新しい連帯保証人の情報を書かなければなりません。

 

審査

連帯保証人の審査は、新たな連帯保証人の信用力が確認されます。新たな連帯保証人の属性と信用情報にキズがないか見られるのです。属性とは社会的ステータスのことで、属性が高ければ高いほど審査では有利となります。

信用情報とは個人の金融取引履歴のことで、個人信用情報機関への照会がなされます。これまでの金融取引で延滞があったり、債務整理をしている場合には、審査落ちの原因となります。

 

契約書に署名捺印・必要書類準備

新しい連帯保証人が審査に通過すれば契約の段階です。契約書や覚書に署名捺印が必要となります。捺印は認印ではなく実印で行います。

契約時に必要な書類は、免許証などの本人確認書類、印鑑証明、住民票、収入証明書などが一般的です。求められた必要書類はなるべく早目に準備しましょう。

 

ひな形は熟読すべき

契約書は熟読した上で行わなければ、トラブルの元となります。しかし、契約を交わす段階で初めて契約書を目にすると、内容の把握が困難ですので、あらかじめひな形やサンプルで契約内容を把握するのが望ましいです。

 

連帯保証人変更の手数料

連帯保証人変更にかかる費用は、たとえば賃貸契約の連帯保証の場合、1万円~3万円程度が一般的です。特に高額というわけではありません。

 

連帯保証人制度の変更点

連帯保証人制度の変更点

2020年4月に部分改正された民法が施行となり、これまでの連帯保証人制度が大きく変わりました。連帯保証人を変更する際にも影響することですので、あらかじめ把握しておきましょう。具体的には以下内容が変更ポイントです。

  • 限度額がない根保証は無効
  • 特別事情による主債務は保証対象外
  • 事業用融資の厳格化
  • 情報提供の厳格化

 

限度額がない根保証は無効

個人が保証人になるケースでの根保証契約では、極度額(借金の上限)が定められていなければ契約無効となります。根保証契約の特徴として、保証人になった段階では債務の総数を予想できないため、下手をすればとんでもない金額の負債を背負う可能性があります。

結果的に自己破産以外の道がなくなってしまうため、民法が改正によりカバーされることになりました。極度額は書面などにより具体的金額を定める必要があり、なければ無効となります。

分かりやすい例としては、カードローンやキャッシングなどがあります。銀行カードローンや消費者金融のキャッシング紹介ページを見ると必ず極度額が記されており、契約書にも盛り込まれています。

 

特別事情による主債務は保証対象外

連帯保証人が破産してしまった場合や、主債務者や連帯保証人が死亡してしまった場合には、その後に生じた債務は保証対象外となります。つまり、特別な事情が発生した場合には保証対象外となり得るのです。特別な事情発生の「その後」というところがポイントです。

 

事業用融資の厳格化

個人が事業用融資の連帯保証をすると、自己破産に直結するリスクが高いです。事業用の借金は莫大となりやすく、個人では賄いきれなくなるからです。

そこで、事業用融資の連帯保証をする場合は、公証人による手続きが必要となり、厳格化されることになりました。全国に約300カ所ある公証役場での手続きが必要です。

 

情報提供の厳格化

事業の債務を個人にお願いする場合、主債務者の財産や収支状況、主債務者以外の債務額や履行状況を提示しなければなりません。また、債務者が延滞すると一括払いが必要となり、債権者はそれを知った2カ月以内に連帯保証人へ通知が必要です。つまり、情報提供が厳格化されました。

 

まとめ

連帯保証人は、勝手に連帯保証人にされたなどの一定条件下で変更が可能です。ただし、1円でも返済してしまった場合には、連帯保証人契約を認めたことになりますので、変更ができなくなります。

連帯保証人を変更する際には、申込書に記入した上で審査をし、契約書に署名捺印が必要です。ただし、連帯保証人の変更前に、改正された民法の変更点も把握しておきましょう。

 

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