- 借入限度額には二つの意味があるが、申込者に意味があるのは「申し込み者個別に設定される借金の枠」。
- 申込時の審査の際に年収などが評価されて、個別に借入限度額が設定される。
- 再度審査を受ければ、借入限度額の増資が受けられる場合がある。
公開日:2020年4月5日
まとまったお金が必要になって、カードローンの利用を検討しているのでしょうか?でも、一体いくらぐらい貸してくれるのか、足りなければあとでもっと貸してくれるのかどうか不安ですよね?
実は、借入限度額は様々な要因によって決まってくるものの、いくつか決め手になる要素があります。また、一度決まった借入額を増額するにはポイントがあるんです!
ということで、この記事では借入限度額の仕組みと決まり方、そして増額を得る方法について解説していきます。
それでは、お金を貸してくれる上限の金額である「借入限度額」とはどのようなものでしょうか?
これは、最終的には一律に定まるわけではなく、大まかに言えば各金融機関やローンごとに、または申込者ごとに設定される貸出の上限額ということになります。とはいえ、大枠では法律で定められた枠も存在しています。限度額について、以下で具体的に説明していきます。
まず注意しておかなければいけないこととして、現在「借入限度額」という言葉には二つの違った意味がある、ということがあります。一つはある個別のローン商品が持っている限度で、もう一つは申し込む人ごとに設定される限度です。
これらを混同してしまうと、「○○万円まで借りられると広告に載っていたのに、△△万円までしか借りられなかった」という勘違いをしてしまうことになります。そうならないように、まずは区別を押さえておきましょう。
そもそも、金融機関ごと、あるいは商品ごとに借入の限度となる金額は決められています。そしてこれが一つ目の意味となります。これは、いわゆる広告などに掲載されている額のことで、だいたいどこも500~800万円となっています。
ただし、言うまでもありませんがこれはあくまでも貸し出しできる最大額を示しているだけですので、申し込んだら全員がこの金額まで借りられるわけではありません。
ローンを申し込んだ人にとって意味があるのはこちらの方です。つまり、申し込み時に審査が行われますが、その結果に応じていくらまで借りることができるのかが言い渡されます。これが二つ目の限度額です。
当然一つ目の限度額よりは大幅に少ない額となっていますが、これは別にこの額を一括で貸し付けるという意味ではありません。
たとえば50万円といわれても、なにも全額借りる必要はなく、必要に応じて最初は10万、次は5万というような借り方ができます。要は借金の枠をもらったと考えればいいでしょう。
とはいえ、あまりにも多額に貸し付けることを防止するため、消費者金融などに対しては貸金業法によって総量規制がかけられています。具体的には申込者の年収の三分の一までと定められています。
ただし、銀行に対してはこの規制は適用されません。なので、銀行カードローンでは審査に応じて実質いくらでも貸付を行うことができるのですが、現在では銀行ごとに独自の基準を設けて年収の二分の一や三分の一までしか借りられないようになっています。
このように述べますと、何か「独自の基準」というのがうさん臭く思えてしまいますので、少し背景を説明しておきます。
そもそも過剰な貸し付けの防止のために総量規制が設けられましたが、規制後に適用外の銀行カードローンの利用が増え、自己破産件数が下げ止まっているという指摘がありました。
そこで、日本弁護士連合会が銀行も総量規制に沿った審査体制を構築すべきと主張しました。それにより、銀行も消費者金融並みの基準になってきているのです。
では、いくらまで借りられるのかを決定する審査では何が金額の決め手となるのでしょうか?
カードローンに申し込むと、通常は在籍確認などとともに審査が行われます。そして、その審査では個人情報をはじめとして色々な情報が取られ、評価されるわけですが、そのなかでも特に重要な指標があります。それは下記の3点です。
それぞれについて、以下で説明いたします。
まずは、申込者の年収が大きな要素になります。一般には収入が多くなるほど借りられる額は多くなりますが、総量規制や自己規制により、そもそも年収の三分の一程度しか借入できないという枠組みは決められています。
しかしそのギリギリまでの限度額が設定されることはまずありません。それよりもかなり少ない額に制限されます。
このように説明すると、「今度開業したくて、開業資金を借りようと思っているが、自分は専業主婦なので収入がない。ということは、自分はカードローンを利用できないのでしょうか?」と心配される方がいるかと思います。
特に、自分の都合で夫に迷惑を掛けたくないと考えている人には切実ですよね。実は、専業主婦などの場合には配偶者の年収が考慮されて限度額が決められることになります。これを「配偶者貸し付け」といいます。
ただし、これを利用する場合には配偶者から同意書をもらう必要がありますので、黙ってお金を借りることはできません。事前に夫婦間で十分に話し合いましょう。
専業主婦が利用できるカードローンについては、下記の記事も参考にしてください。
次に、他社からの借入額が大きな要素となります。すべての借り入れ状況は信用情報機関に登録されていますので、申込時にそれらを参照して貸し付ける額が決定されることになります。
もしもそうした金額が大きかったり返済状況が悪かったりすると、最悪審査に落ちてしまうこともあります。他社の借入状況を良くしてから申し込みをするようにしましょう。
また、実際には借入額ではなく借金の枠が合計されて評価されることになります。したがって、返済したが解約せず枠だけ残っているローンやクレジットカードのキャッシング枠も合計されてしまいます。申し込み前にはこうした枠は解約しておくことが重要です。
職業については、安定した仕事についている人の方が借り入れられる額が多くなります。なので、たとえば公務員とフリーターを比べた場合、同じくらいの収入であれば公務員の方がたくさん借りられるということになります。
また、勤続年数については長ければ長いほど信用が上がり、多く借りられることになります。職業にせよ勤続年数にせよ、安定性が信用につながり、ひいては借入限度額も上がるということになるようです。
ちなみに、安定性という意味では居住形態も審査に影響します。賃貸よりも持ち家の方が評価が高くなります。
では、初めてカードローンを利用する場合の評価はどうなるのでしょうか?残念ながら、初回は50万円程度しが限度枠をもらえないことが多いです。
「他社から全く借りていないのに、どうして?」と思われるかもしれませんが、実はこれまで全く借入をしていない場合、信用はかえって低くなります。でもなぜでしょうか?
何度かお金を借りている場合には、返済状況からその人の信用を測ることができます。しかし初めての人はそれがないため、最初は低レベルの信用からスタートすることになってしまいます。したがって、50万円という少額の枠が設定されることになります。
でも、それでは予定している金額にとても足りないという場合もありますよね?そんなときには、この後で述べる増額を検討することになります。
いったん決められてしまった限度額ではどうにも足りない、もっと借り入れが必要という場合もあるでしょう。これはなにも生活に困窮しているというネガティブな意味だけではなく、事業にもっと投資をしたいなどポジティブな場合もあります。
こんな時には限度額の増額をしましょう。ではどうすればそれが可能になるのでしょうか?それについて以下で見ていきます。
最初に借入を申し込んだ時にも審査を受けましたが、増資の場合には改めて審査を受けることになります。「一回審査したのに、面倒」と思われるかもしれませんが、内容はほとんど同じですし、店頭でもATMなどでも手続きは可能です。
そしてこれにパスしますと、評価に応じて追加の借り入れを受けることができます。でも、少ししか金額が増えなければあまり意味がありませんよね。どうすれば審査にパスして多くの金額を受けることができるのでしょうか?それには以下のポイントがあります。
まずは堅実に利用して、信用を得ることです。それには何度か枠内で借り入れて、延滞しないように返済していくことです。そうすれば、増資を申し込んでも「この人はきっちり返済してくれるので、枠を増やしても大丈夫だろう」という評価を得ることができます。
また、より高評価を得るためには、推奨されている毎回の返済額よりも多めの金額を入金しておくことをおすすめします。こうした地道な努力が多額の枠取りにつながっていきます。
ただし、どんなに堅実に実績を積み重ねても「総量規制・自主規制」という壁が立ちふさがっています。年収の三分の一以上を借りることは実質不可能です。
この壁を打ち破るには年収アップしかありません。頑張って少しでも収入を増やすようにしましょう。また、時間はかかりますが同じ職場に勤めて勤続年数を増やすと、信用が積み重なり限度額を増やすことにつながります。長期的な視点を持って大きな枠を狙いましょう。
ただし、借入額を増やす際には注意しておく点もあります。
まず、借入額を増やすとその分金利は少なくなって得しますが、その際返済期間を長くしてしまうと利息を払う回数が多くなって、返済額のトータルではかえって利息が増えてしまうことがあります。シミュレーションをして最適な返済期間を設定するようにしましょう。
また、増資の申し込み時には収入証明を求められることがありますので、事前に準備しておきましょう。
そして、多額の借入枠を得るために転職をしようと計画する人がいるかもしれませんが、これは一概には良策といえません。なぜなら、転職によって年収が上がったとしても勤続年数が0に戻ってしまいますので、トータルで見ると信用が下がる場合もあるからです。転職は慎重にしましょう。
借入を申し込んだ際に得られる借金の枠について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
借入限度額には二つの意味がありますが、申込者に意味があるのは個別に設定される限度額の方です。また、それは審査によって年収などの要素で評価され決定されます。その金額で不足があれば、後で増資を申し込むこともできます。
誰でも初めてカードローンを申し込む際にはよくわからないものですし、思ったほどには借りられないかもしれません。しかし、そこで諦めるのではなく、長い目で見て少しでも多くのお金を借りられるように地味な努力を重ねていきましょう。そうすればきっと結果が伴ってきます。
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