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住民税は年収で決まる!所得金額との関係&計算方法をFPがわかりやすく解説

住民税は年収で決まる!所得金額との関係&計算方法をFPがわかりやすく解説

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著者名

棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士、国土交通大臣指定 マンション管理士、ファイナンシャルプランナー

大手人材派遣会社に正社員として入社。 主要取引先であったJASDAQ上場(当時)の株式会社エイブルへ出向。 その後ヘッドハンティングされ、完全に移籍。およそ3,000人の社員の中で、トップセールスを記録するなどして活躍。 その後管理職として複数年勤務後、独立。 行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

この記事のポイント

  • 住民税は所得割と均等割という2つの要素で構成されている。
  • 所得割は本人の収入に応じて変動する。
  • 均等割は定額だが、地域によって金額が微妙に異なる。

この記事は約6分で読めます。

税金にはさまざまな種類がありますが、中でも住民税については、サラリーマンの場合は給与から天引きされて納税していることもあり、いまいち金額が理解できていないという方が多いようです。そこで本記事では、住民税の特徴や計算方法について詳しく解説します。

 

住民税の金額と所得の関係とは

住民税は所得割と均等割の2つに区分されている

住民税は所得割と均等割の2つに区分されている

そもそも住民税とは、厳密にいうと都道府県民税と市町村民税を合わせたもので、地方税法に基づいて各市町村が一括で徴収します。

ただ、自分自身がいくら課税されているのか、どういう計算で税額が決定されているのかについては、いまいち理解できていないまま納税している人が多いのではないでしょうか。

実は住民税は所得割と均等割という2つに区分されており、それぞれ計算をしたうえで合算した金額がその人の納税すべき住民税となるのです。

 

所得割の計算方法

所得割の計算方法と課税対象所得

所得割とは住民税のうち、その人の所得に応じて税額が変動する部分のことをいいます。所得とは、その人が1月1日から12月31日までの間に得た収入から必要経費や所得控除を差し引いたあとの金額のことです。

例えばサラリーマンの場合は、社会保険料控除、基礎控除、住宅ローン控除、医療費控除、生命保険料控除などがありますので、それらを差し引いたあとの金額に対して住民税が課税されます。

税率は地域によって若干の違いはありますが、東京都の場合は都民税4%、区市町村民税6%で、概算では区や市によって大きな違いはありません。

 

市によって基準となる税率は違うのか

住民税の税率については全国統一の基準ではないので、都道府県や市町村によって若干のずれがあります。ただ、違ったとしても小数点以下の小さな変動だけなので、概ねどの地域でも合計で10%程度と認識していれば大きくずれることはありません。

むしろ、地域によって差が出ることがあるのはもう一つの均等割の方です。以下で詳しく解説します。

 

均等割(定額で課税される割合)による住民税の地域差

均等割(定額で課税される割合)による住民税の地域差

均等割とは、収入に左右される所得割とは違い、定額で課税される割合のことをいいます。つまり、その地域に住んでいる人の住民税のうち、均等割部分については同じ金額が課税されているということです。

例えば東京都の場合、個人都民税は1,500円、個人区市町村民税の税額は3,500円となっています。ちなみに、令和5年までの間は自治体の防災対策に充てるために、均等割が500円加算されています。

均等割は自治体ごとに金額を変えることが可能で、住民税の安い自治体が出てくるのはこの均等割を抑えているからです。

 

住民税の課税関係について

住民税の計算についてはなんとなくイメージができたと思いますが、そもそもどの地域の住民税が課税されるのでしょうか。実は、同じ住民税でも所得割と均等割で課税されるかどうかが変わってきます。

基本的には1月1日時点において住所を置いている自治体については、所得割も均等割も課税されますが、事務所や家屋敷を持っていても、その自治体内に住所がない人について所得割は課税されず、均等割のみ課税されます。

このように1月1日時点を基準に、どこに住所があるかが目安となってきます。

 

住民税に関する注意点

住民税に関する注意点

 

 

住民税が年によって変わる理由

サラリーマンの方の中には、突然住民税の引かれる金額が大きくなって驚いた経験がある方は多いのではないでしょうか。

住民税の金額は、上記の計算を前年の所得に用いて算出されます。順調に出世をしていて給料が上がっている人については所得割部分がどんどん増えていくので、納める住民税額も住民税から逆算すればわかる通り、上昇していくのです。

よくプロ野球選手の年収が下がると、翌年の税金が大変ということをテレビなどで口にすることがありますが、これは住民税の負担が翌年にくることを意味しています。

プロ野球選手に限らず、サラリーマンであっても営業職でインセンティブの占める割合が大きい人については、今年たくさん契約をとって年収が上がった場合は翌年の住民税が上がるので、上がった収入をある程度維持できるよう頑張らなければなりません。

住民税が年によって変わる理由

 

住民税が変動すると副業がバレることがある

住民税の金額が年によって変化することで、実はある重大なことが会社にバレることがあります。それは副業です。

就業規則の原則が変わってきていることもあり、以前は会社員が副業をするなんてことは本業の妨げになるため禁止が当たり前でした。

ですが、最近では副業禁止の文言が就業規則から削除されたケースや、企業によってはむしろ副業を推奨して社員のスキルアップにつなげようとするケースなどが出てきています。

ただ、中には副業を禁止している会社も未だに多くあることから、隠れてこっそり副業をしている人も増えているんです。そんな方からよく「副業すると会社にバレますか?」と聞かれることがあるのですが、残念ながら副業をすると住民税によって会社にバレます。

 

住民税決定通知が会社に届く

先ほど解説したとおり、住民税の所得割部分については本人の所得によって変動することから、副業を始めて所得が増えると住民税も増えてしまいます。

住民税決定通知が会社に届いた時点で、「あれ、給与は上がっていないのに、なぜ住民税が上がっているんだろう」という状態になり、詳しく問い詰められるという結末が待っているのです。

副業をしている会社員の中には、自分で確定申告しているから会社にはバレないと思っている人がたくさんいるようですが、住民税については会社に通知がいってしまうため、変動によって知られてしまうことになります。

 

賃貸経営をしている場合も注意

本格的な副業をしていなくても、いわゆる不動産投資で賃貸経営をしている人は不動産所得が発生することから、住民税が増えて会社に不審に思われる可能性があります。

会社によっては不動産投資は一定規模まで容認しているケースもありますが、禁止しているケースもありえますし、そもそも副業の疑いをかけられると厄介なので、給与以外の所得が発生する場合については、事前に勤務先に伝えておく方がおすすめです。

 

独身者の住民税はなぜ高い?

独身者の住民税はなぜ高い?

独身の方の住民税は割高というイメージがありますが、なぜ独身の場合は住民税が値上がりするのでしょうか。独身だからといって住民税の税率が割高になっているわけではなく、住民税の課税対象となる所得に大きな違いがあるからです。

 

所得控除による違い

例えば独身者の場合、所得から差し引くことができる所得控除で利用できるものとしては次のようなものがあります。

  • 給与所得控除
  • 基礎控除
  • 各種保険料控除

対して結婚している人については、次の控除が利用できます。

  • 配偶者控除
  • 扶養控除

扶養控除は子供の人数1人当たり38万円が控除されるので、子供が多い家庭については住民税が結果的に割安になるのです。

ちなみに、今の日本は少子高齢化であるとともに晩婚化が進んでいることから、独身者に対する課税を強化する動きがありますので、今後独身者に対する税負担は拡大するかもしれません。

 

住民税を節税する方法

住民税を節税する方法

 

 

住民税を節税できる住宅ローン控除

住民税は、所得に応じて変動する所得割部分については、所得税と同じように必要経費を使ってある程度は節税できますが、均等割部分については定額のため節税はできません。

また、サラリーマンの方についてはそもそも必要経費の計上ができないので、節税自体が難しいところです。そんな中、住民税を効果的に節税できるのが住宅ローン控除になります。

 

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、一定の要件を満たす物件をマイホームとして住宅ローンで購入した場合に、年末のローン残高の1%相当額の税額控除が受けられるという非常に節税効果の高い制度です。

サラリーマンの場合、マイホームを購入した翌年だけ自分で確定申告をすれば、それ以降は勤務先の年末調整で対応できます。基本的には年末調整で所得税から税額控除されるのですが、人によっては全額控除しきれずに金額が余ることがあります。

この場合に、残りを住民税から差し引くことができるのです。人によってはかなりの節税効果があるので、非常に魅力的といえます。

 

住民税は還付されるのか

住民税は還付されるのか

会社員には住民税の還付が発生することも

住民税の納税方法は、大きく分けて2パターンあります。会社員の場合は特別徴収といって、会社が本人の給与から住民税を天引きして納税をします。自営業者の場合は普通徴収といって、自治体から送付される納税通知書を使って納税をするのです。

自営業者の場合は、自身の確定申告をベースにして税額が決まっているので還付という状況は起きにくいのですが、会社員の場合は住民税の還付が発生することがあります。

先ほどの副業の部分でもお話ししましたが、副業の影響で所得が変動すると所得割部分が変動します。このとき、副業が赤字の場合は給与所得と損益通算して所得を引き下げられます。となると、本来納めるべき税額よりも多く納めていることになるので、住民税の還付が受けられるのです。

 

住民税がかからないケースとは

住民税がかからないケースとは

新型コロナウイルス感染症に関連して支給される給付金の受給要件に、住民税非課税世帯を対象としていることが時々ありますが、具体的にどのようなケースなのでしょうか。具体的には主に次に該当する人は、住民税がかかりません。

  • 1月1日時点において、生活保護を受けている人
  • 障害者、未成年者、寡婦で、前年の所得が125万円以下(給与収入なら204万4千円未満)の人
  • 前年の所得が一定の所得以下の人
  • 前年の収入が一定額以下

これらいずれかに該当すると、住民税は課税されません。

 

住民税と年収の関係に関するまとめ

住民税の計算をする機会はあまりないので、どのような根拠で金額が決まっているのか知らなかった人は多いと思います。

住民税は所得割と均等割があり、所得割については所得の金額によって変動することになるので、自分の年収が上がった際には翌年の住民税が上がるということを念頭に、収入を維持する努力をしましょう。

今回解説した内容を覚えておけば、今後ご自分の収入が変動した際に、住民税にどの程度影響が出るのか自分で試算することも可能です。ぜひ活用してください。

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