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10年固定金利の住宅ローンはお得?仕組み&メリット・デメリットをFPが解説

10年固定金利の住宅ローンはお得?仕組み&メリット・デメリットをFPが解説

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田中祐介

田中祐介

住宅ローンアドバイザー、2級ファイナンシャルプランナー

大学卒業後、大手金融機関にて融資業務を担当。その後外資系生命保険会社にスカウトされ転職。 主にライフプランニングを中心に活動。以後、保険代理店へと移籍。移籍後は数多くの企業と提携し 個人向けマネーセミナーを開催中。金融業界で経験した知識、経験を基に「お金」にまつわる幅広い知識を 「いかに分かり易くお伝えするか?」をモットーに日々活動しています。

この記事のポイント

  • 10年固定金利のリスクは知っておくべき。
  • 子供の年齢に合わせて固定期間を選択できるメリットも。
  • 金利水準は変動金利に近い。

この記事は約8分で読めます。

住宅購入を考える上で必ずローンという問題が出てきます。どの金融機関からお金を借りるのか、また住宅ローンの商品はどんなものを選んだら良いのか、どんな商品なら損をしないのか、おすすめの商品は何なのか、等色々と調べる事や考える事は沢山あるでしょう。

今回は住宅ローン選びの一つである、10年固定金利の住宅ローンについて解説をしていきたいと思います。3種類あるタイプの中の一つですが、どんな商品なのか、メリットやデメリットも含め解説しますので、ご検討中の方はご一読下さい。

 

仕組みや金利、利率を解説します

仕組みや金利、利率を解説します

はじめに、仕組みや金利がどの様にして決定するのか、最近の利率等を解説しておきたいと思います。またこのタイプの商品は固定期間選択型と呼ばれるタイプです。固定金利で借入したい期間を選ぶ事が出来る商品でもあります。

 

固定期間選択型の仕組みは?

住宅ローンは通常最長35年に渡って組む事が出来る商品です。この35年間もの間、金利が高いのか、低いのかという事で支払いの負担が大きく変わってきます。

今回解説のテーマである10年固定金利は金利水準で言うと「中」です。最低金利の代表は変動金利で、高い金利は全期間固定金利の商品になります。

10年固定という事であれば、借入を起こして10年間は金利がずっと固定されているという事になります。では10年が終了するとどうなるのかと言うと、終了するまでの間に、残り期間を変動金利か固定金利にするのか選択する事になります。

この時、重要なのは借入当初の金利と10年後の金利を比較しなければならず、10年後の金利が分かっている事はまずあり得ません。

つまり10年後が近づくと嫌でも情報収集しなくてはいけなくなり、その時点で金利がどんな情勢になっているのか把握する必要がありますし、今まで通りの負担で続けられるのか、負担が増えるか減るかという事に備える必要が出てきます。

 

10年固定金利の金利はどうやって決まるの?

少し細かい部分に話が及びますが、この商品の金利がどうやって決まっているのかという事について触れておきたいと思います。決定要因は「円金利スワップレート」という指標を元に金利が決まります。ここで解説を挟んでおきます。

円金利スワップレートとは円の金利同士を交換する為に使用されるレートの事で、代表的な交換は変動金利と固定金利を交換する事が最も多いです。

このレートを参考にして各金融機関が住宅ローンの金利を決めていきます。このレートは主に10年国債の金利に連動する動きを見せている事も参考までに知っておいて下さい。

住宅ローンは各金融機関がビジネスとして成立する金利を設定します。各金融機関で金利はバラバラですので、金利を選ぶ際は十分な比較をしておきましょう。

 

10年固定金利の利率は今何%位なの?

では今現在の金利情勢について解説します。今の時点で一番低い金利水準はネット銀行のauじぶん銀行で、0.550%でした(固定期間10年)。次に低いのはソニー銀行の0.580%(固定期間10年)です。

最近ではネット銀行が台頭しており、その金利の低さには目を見張るものがあります。但し、ネット銀行の場合事務手数料が高額な事が多い為、上記の表面金利に追加して実質金利が上がる傾向もあります。

事務手数料や団信等で金利が上乗せされる事も含めて金利選択はしておく事が無難だと言えます。これは固定金利選択型に限った事では無く、他の金利タイプでも同様の事が言えます。しっかりと表面金利だけでない部分も視野に入れておきましょう。

 

10年固定金利のリスクは?

10年固定金利のリスクは?

ここで10年固定金利のリスクについて解説しておきたいと思います。この住宅ローンのリスクは、期間終了後、変動金利か固定金利のいずれかを選択しますが、その際に金利が急上昇していたと仮定します。

その際に上限が無い為、高額な支払いになる事が一つのリスクと言えるでしょう。例えばですが、借入当初毎月10万円のローンを返済していたとします。

10年間はこの金額で問題ありませんが、10年後金利が急に上昇。その時支払額が15万円になっている事もあり得るという事です。

この点はどの金利タイプも同じでは無く、10年固定金利の特徴になりますので、住宅ローンを選ぶ際はリスクをしっかりと把握した上で判断しておく事が重要ですね。

 

 

変動金利、全期間固定金利のリスクは何?

ここで他の金利タイプのリスクを合わせて解説しておきますので、比較の参考にして頂ければと思います。

 

変動金利の場合

まず、変動金利ですが、仕組み上5年毎に返済額の見直しが行われます。金利の変動は半年毎ですが、借入から5年以内は返済額に変化は無く、中身の充当額に変化が生じる事になります。

つまり、毎月元金が安定して減る訳でもないという点がリスクと言える部分でしょう。また5年後に返済額が変わる点も一つのリスクです。

先程の仮定と同じく、金利が急上昇した場合に変動金利の場合は最大125%までしか支払額が上がる事はありません。例えば毎月10万円のローン返済だった場合、15万円になるような金利情勢になったとしても、毎月の返済上限は12万5,000円までとなります。

この時不足する25,000円はそのまま過不足金として残りますので、いくら返済上限があっても、気を付けておくべきポイントの一つですね。

 

全期間固定金利の場合

全期間固定金利については借り入れ期間中金利が変わる事は無く、安定した返済を可能とするタイプの住宅ローンです。この点は返済のし易さや毎月の金額が変わる事が無い為、安心できる点でしょう。

しかし、他の金利タイプと違って、当初の金利が最も高く設定されているため、返済総額の負担は最も高額になります。

また、金利情勢が上がったり、下がったりする局面においても、真っ先に変化が現れるのは変動金利になり、最後に全期間固定金利に変化が生じます。金利情勢をこまめにチェックしている方はこの点を一つのリスクと考えておいた方が良いでしょう。

 

金利をチェックしローンの見直しで借り換えも検討しよう

この様に、どの住宅ローン商品であってもリスクは必ず潜んでいます。これは借りるだけの事に限った事では無く、投資や保険、預貯金にでさえリスクは付き物です。

では住宅ローンの様に高額なお金を借りる時に、極力損失を避けたい場合、どんな手立てがあるのかと言いますと、手っ取り早いのは借り換えを行う事でしょう。

例えば先程金利が急上昇する局面が本当に来たとします。この時、何もせず返済額が上がる事を受け入れる方は少ないでしょう。支払いが上がる事は誰もが回避したいですよね。私だって同じく嫌です。

この時借り換えという手段を視野に入れておく事も重要です。借り換えは要件さえ満たせば可能です。

毎月の返済額がどの様に変わるのか、選択すべき商品は何なのかを検討する日がやって来るかもしれませんので、住宅を購入した方、これから購入する方はほんの少しだけでも良いので、金利に目を向けてみて下さい。

但し、こまめに借り換えをやり過ぎてもかかる事務手数料や諸費用がかさみます。損失を出さない様にする事は大切ですので、憶えておいて下さいね。

 

固定期間選択型のメリットとデメリット

固定期間選択型のメリットとデメリット

ではここからはメリット、デメリットについて解説していきたいと思います。

 

 

メリットは?

先にメリットですが、一つは金利が低い点が挙げられます。先程も解説しましたが、金利水準で言えば「中」に該当しますが、変動金利の表面金利とそこまで変わらない水準まで下がっている点はメリットと言えそうです。

住宅ローンは最も高額で、毎月の返済額のウエイトを占める割合は一番高いです。金利は低いに越したことはなく、本来なら利息さえもカットできればなと考えている方は多いと思います。(私もそう思っていますが絶対に無理だという事は分かっています)

その中でも金利の水準が低い為、選択される方も多いですね。

また他のメリットとして、固定期間を選択できる範囲が広く、2年、3年、5年、10年、20年といったラインナップを取り揃えた金融機関もあり、なるべく返済額を一定に保ちたい、金利は低めに設定したい方には長期に渡っての固定期間は非常にメリットになるのではないでしょうか。

 

メリットになり得る理由

住宅購入の動機の一つに子供の成長が挙げられます。お子さんが成長するにつれ、自分の部屋が欲しくなる事、成長に伴い住まいが狭く感じる事もあるでしょう。

その時に住宅を購入し広さを求めますが、お子さんが小さい頃に購入する世帯が最も多く、早い段階で住宅を検討・購入しているようです。

この時、お子さんの年齢が10歳だとすると、教育に関わる時間は大学まで行ったとするなら23歳です。残り13年間は教育資金の事も考えておかなければなりません。

この時、住宅ローンがあるとするなら教育期間中の住宅に関する返済額負担を少しでも軽くしたいのは当然だと言えるでしょう。

お子さんの教育期間中に返済額を軽減できる期間を設けておきたいと考えるなら、固定期間選択型で20年若しくは10年固定を選択しておくのも一つのメリットではないでしょうか。

 

デメリットは?

次にデメリットについてですが、一番のデメリットは先程解説したリスク部分になるでしょう。この点に関しては上昇する事が絶対という訳ではありませんが、返済額が急に高騰してしまった場合、そして頼みの綱の借り換えが難しい場合はデメリットになってしまいます。

借り換えは要件さえ満たせばと解説しましたが、要件の中には健康状態に関する事も含まれます。

 

借り換えに健康状態が関わってくる理由

住宅ローンを借りる際に必ず「団信」に加入しなければ融資は受ける事はできません。この団信について解説しておきます。

団信とは団体信用生命保険の略で、住宅ローン専用の生命保険になります。借入をした方が返済期間中に万が一お亡くなりになったり、大きな病気で働けない状態に陥ってしまった際に住宅ローンを一括返済してくれる生命保険の事です。団信によっては保証範囲を広くしている金融機関も最近では増え、保証範囲を広くする事で、金利に数%上乗せする事もあります。

融資条件としてこの団信に入れる方、つまり健康な方に対して金融機関は融資をします。何故なら、金融機関はボランティアではなく本来はビジネスとして利息を受け取ります。健康で融資した金額をちゃんと返せる方にしか融資はしません。

生命保険である以上、健康状態が関わってくるのは当然でしょう。では先程の借り換えの時に健康である絶対の保証はあるでしょうか?明日や明後日、5年後、10年後の事は誰にも分かりません。

先々借り換えすれば良いかなと計画していても、健康でなければ借り換える事は難しくなってきます。また加齢と共に健康状態は悪くなる事は周知の通りです。借り換えを計画しているタイミングが何年後なのか、その時何歳なのかを想定しておく事は大事です。

この団信に加入できない事によって借り換えが出来なかったクライアントさんもいました。しっかりと健康維持しておく事も一つのリスク回避の手段と言えるでしょう。

 

他のデメリットは?

他のデメリットとして繰上返済を行う際に違約金がかかるケースもあります。これは金融機関が資金を調達し、貸し出す際に関わってきますが、通常金融機関は様々な所からお金を預かったり、借りたりして貸し出しをします。

この時金融機関は変動金利で借りる事があり、その借りた金利に上乗せし貸出金利を決定する事になります。

固定期間選択型の場合、金融機関は変動金利で借りたお金を固定の利息負担で良いですよという事で貸し出しますが、もしも変動金利部分が上昇した場合、金融機関の利益部分が少なくなってしまいます。

そこで、金融機関はなるだけ利息を得なければ自分たちの利益を確保できない為に、違約金を取る事を設定する事がある訳です。

変動金利で住宅ローンを組んだ方は違約金等取られる事は無いので、固定金利選択型を選ぶ場合は先に繰上返済や、一括返済時の違約金について事前に確認しておく事をおすすめします。

 

10年固定金利の住宅ローンに関するまとめ

今回は住宅ローン商品の一つである10年固定金利について解説してきましたが、メリット、デメリットは当然あります。もちろん受け入れられるリスクなのか、そうでないのかという事も重要な要素です。人生で一番高額なお買い物ですので、商品選びは慎重に比較検討しておきましょう。

 

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