公開日:2018年10月11日
筆者は、有料相談のみを行っている独立系FPですが、収入のある方、収入のない方を問わず、住宅購入や住宅ローンについて悩みを持っている方が多いことを率直に感じています。
また、有料相談であったとしても、自分の悩みを解決したいといった方の心情を考えますと、無料相談を提供しているところよりも、一歩秀でたサービスの提供が求められるとも感じます。
本記事では、筆者個人の経験則が強いものとなりますが、住宅購入・住宅ローンについて多い相談と回答を紹介し、併せて押さえておきたいポイントをまとめて公開します。
目次
住宅購入をする方のほとんどは、金融機関から住宅ローンの融資を受けて購入することになりますが、住宅ローンは、完済するまでの期間に渡って、滞りなく毎月返済を行っていかなければなりません。
そのため、大前提として、住宅ローンの返済を毎月行ったとしても、生活に支障の出ない範囲で、かつ、貯蓄も行える範囲で借入を行う必要があります。
たとえば、住宅ローンの返済を毎月8万円ずつ行っていかなければならない返済プランの時、少なくともきついと感じた場合やちょっと窮屈と感じた場合は、返済プランを見直したり、借入金額を下げるなどの対策が必要といったイメージです。
住宅購入にかかるお金は、土地や建物といった不動産の価格だけではなく、住宅購入にかかるさまざまな諸費用がプラスアルファでかかります。
以下、主な諸費用をまとめて紹介します。
これらの諸費用は、必ずかかるものと、かからないものがあるほか、住宅ローンでまとめて借りるのか、手持ちの自己資金から支払うのかによって、住宅ローンの借入金額が異なってきます。
また、住宅を購入する不動産業者によっても大きく変わることになるため、土日などに行われるさまざまな業者の内覧会に参加して、理想の住宅購入や設備を付けるには、どのくらいのお金がかかるのか相場感を養うことがとても大切です。
併せて、住宅ローンを考える際に知っておきたい、住宅ローン控除に関する以下記事を読み進めるのもおすすめです。
住宅ローンの金利は、変動金利、固定金利、期間選択型固定金利と呼ばれる金利があります。
変動金利や期間選択型固定金利は、基本的に金利が低いため、毎月の返済金額が少なくて済む一方で、返済金額が選んだ金利によって変わることになるため、返済計画が立てづらい特徴があります。
固定金利は、変動金利や期間選択型固定金利に比べて金利が高いものの、返済金額や総返済金額が確定することになるため、返済計画が立てやすく安心感が得られる特徴があります。
住宅ローンの金利を選ぶ上でのポイントは、返済金額の上下変動に耐えられるかどうかが大きなポイントになります。
具体的には、収入が多く、毎月の住宅ローンの返済金額が上下変動したとしても余裕がある方であれば、変動金利や期間選択型固定金利がおすすめです。
逆に、収入が低く、毎月の住宅ローンの返済金額が上下変動することに対する余力がない方は、固定金利を選んで安定した住宅ローンの返済をすることが大切です。
なお、住宅ローンの金利については以下記事を読み進めるのもおすすめです。
頭金とは自己資金のことで、単刀直入に言うと、頭金の有無によって住宅ローンの借入に大きな影響を及ぼすことになります。
一般的には、頭金なしで住宅ローンを申し込みするフルローンの場合、住宅ローンの審査が厳しめに行われたり、金利の優遇が受けられないなどの特徴があります。
一方で、頭金が借入金額の10%や20%以上ある場合は、住宅ローンの金利が通常よりも低くされるメリットや住宅ローンの審査が通りやすくなるなどもあるため、頭金が多ければ多いほど、お得になることは確かです。
頭金があると、どのくらい毎月の返済金額が変わるのか、ここでは、シミュレーションをした結果について、表でまとめて紹介します。
頭金 | 借入金額 | 毎月の返済金額 | 毎月の返済金額の差額 | 35年間の
総返済金額 |
---|---|---|---|---|
なし | 3,000万円 | 91,855 | - | 38,579,239 |
100万円 | 2,900万円 | 88,793 | ▲3,062 | 37,293,264 |
300万円 | 2,700万円 | 82,669 | ▲9,186 | 34,721,315 |
600万円 | 2,400万円 | 73,484 | ▲18,371 | 30,863,391 |
900万円 | 2,100万円 | 64,298 | ▲27,557 | 27,005,467 |
頭金があるのとないのでは、毎月の返済金額や完済までの総返済金額に大きな差が生じていることがわかります。
シミュレーションではすべて同じ金利で計算しておりますが、借入金額3,000万円に対して頭金が300万円以上あれば、金利優遇する金融機関も多いため、実際には上記表で紹介した金額よりもさらに返済金額などが少なくて済む結果になります。
筆者は子育てをしながら住宅ローンを抱えている立場でありますが、これから住宅購入をされる方や住宅ローンを申し込まれる方にお伝えしたいことを紹介します。
筆者が住宅購入をするまでには、とにかくたくさんの不動産業者の内覧会などに足を運び、それぞれの業者の価格帯やスタイルをたくさん目と足を使って確認しました。
そのため、実際に住宅を購入するまでに年単位の時間を費やしましたが、たとえば、同じ業者の内覧会に何度か足を運ぶと、似たような家づくりになっていることに気が付けます。
つまり、この業者に頼むとこのような感じの家になるのだな、といった家のイメージが出来上がっていくわけです。
また、価格帯がまったく異なりますので、依頼する業者によって予算内、予算オーバーといった感覚も身に付けることができます。
筆者は、独立系FP事務所を開業していることから、トイレや洗面所といった水回りの設備はお客様が利用することもしばしばです。
そのため、それなりにグレードの高いものを選んで取付しましたが、結果としてキッチンや風呂なども含めた水回りの設備には、かなりの費用を費やしました。
しかし、実際に住宅の引渡しを受けて生活をしてみますと、毎月の水道光熱費が思ったよりも格段に安く上がっていることを実感しています。
現状では、照明器具にLEDが使用されているのが一般的だと思われますが、特に水回りの設備は、一度付けてしまいますとなかなか変えることはないため、できる限り妥協しないで良いものを付けた方が得策かもしれません。
電化製品も同様に、住宅購入を機に買い替えするのであれば、中途半端なものを設置するよりも質の高いものを設置した方が、毎月の水道光熱費の負担が少なくて済むことを実感できると思います。
住宅購入は、人生の中で最も高い買い物にあたるため、住宅ローンの申し込みやお金の借り方によって、負担する金額には大きな差が生じることになります。
ご自身が納得した住宅購入と住宅ローンの借入ができることが最善であることは言うまでもありませんが、本当に高い買い物であるからこそ、計画的にじっくりと時間をかけて行ってほしいものと感じます。
また、住宅ローンは融資を受けることよりも完済する方が大変であることは確かですので、将来的に想定されるリスクなども視野に入れた上で、後悔のしない、住宅購入を実現していただきたいものです。
住宅ローンを新規検討する際は複数の金融機関を比較することが大切。数百万円単位での節約の可能性もございます。住宅本舗比較サービスは簡単な希望や条件を入力するだけで、80金融機関の中から比較、最大6銀行に一括仮審査申し込みができるのでおすすめです。
人生最大の買い物だからこそ、しっかりと比較検討しましょう。