公開日:2018年10月18日
火災保険や地震保険に加入するきっかけは、住宅を購入された時がほとんどであると思いますが、これらの損害保険は、一度加入してしまいますと、それ以降、見直すきっかけを作りにくいものであるのは確かだと思います。
しかし、FPという職業柄、実際にお客様の相談に応じますと、時として、この部分はしっかりと知っておくべき、この思い違いは大きな落とし穴になる、など相談を通じて逆に学ばせてもらうことがあります。
このようなことを踏まえまして本記事では、あくまでも筆者個人の経験則が強いものとなりますが、火災保険や地震保険の知っておくべきポイントや特に多い相談事例などをまとめて紹介していきます。
目次
火災保険や地震保険は損害保険であることから、火災や地震をはじめ、これら損害保険の補償対象になっている自然災害などによって一定の損害を受けた場合に保険金が支払われます。
そのため、生命保険のように保険金が定額で支払われたりするわけではないほか、受け取ることができる保険金が、ケース・バイ・ケースとなってしまうことがあるため、損害を受けているのにも関わらず、損害規模が小さいことを理由に保険金が支払われないリスクがあることも知っておく必要があります。
火災や地震によって生じた損害は、時として死活問題になり得る可能性がある一方で、何事も無ければ、支払い続けてきた保険料はすべてロスになってしまうことから、過大に掛けすぎることがなく、必要最小限で抑えておくことがとても大切になります。
緊急予備資金とは、何かの有事があった時にすぐに引き出して使うことができるお金のことを言います。
たとえば、冠婚葬祭で遠方まで出かけなければならなくなった、電化製品が故障した、自動車が故障したなど、急な出費を要する場合に貯金とは別にお金を積立しておくことができれば安心であることは確かです。
あくまでも参考となりますが、火災保険や生命保険の見直しによって、無駄な保険料を削減し、削減した保険料分を緊急予備資金として積立貯金しておくのは、ロスが生じないだけでなく、ケース・バイ・ケースで対応できるためおすすめです。
火災保険や地震保険は、家の中にある家財に対しても補償がされるような契約をすることができるのですが、ここで言う家財とは、以下のように大きく分類される特徴があります。
分類 | おもな品目 |
---|---|
家具類 | 食器棚 |
タンス | |
机・椅子 | |
ダイニングテーブル(食堂セット) | |
サイドボード | |
電気器具類 | テレビ |
パソコン・ワープロ | |
エアコン・ファンヒーター | |
冷蔵庫 | |
洗濯機 | |
電子レンジ・オーブン | |
掃除機 | |
ステレオ・コンポ | |
食器陶器類 | 食器 |
調理器具 | |
陶器置物 | |
漆器 | |
食料品 | |
身の回り品 | カメラ |
鞄 | |
靴 | |
書籍 | |
眼鏡類 | |
スポーツ・レジャー用品 | |
ピアノ | |
CD・レコード・テープ | |
人形 | |
衣類寝具類 | 衣服 |
ベッド・布団 |
火災保険や地震保険で家財の補償を付けていることによって、上記の家財が火災や地震などによって損害が生じた場合に補償の対象となるのですが、実のところ、特定の家財が損害を受けただけでは保険金が支払われない可能性があります。
この理由は、損害認定の基準にあるのですが、家財を1つずつ個別に見て損害を認定するのではなく、家財全体の損害割合から損害を認定することになるためです。
特に、地震保険に加入している方で、地震によってパソコンやテレビが落下して故障したなどといった被害はよく聞く話ですが、これだけの被害で地震保険から保険金が支払われることはありません。
それでは何のために保険に加入しているのかわからないといった声も多く聞こえてきそうですが、率直なところ、筆者自身も同じ感覚であるものの、保険金支払いのルール上、仕方のないことですので、次に説明いたします《筆者のおすすめ》も参考にされてみても良いと思います。
損害保険を取り扱っている保険会社や保険代理店をはじめ、多くのFPは、火災保険や地震保険で家財の補償が必要と言われる方が多いと思いますが、筆者は、自身が加入している火災保険や地震保険に家財の補償は付けていません。
この理由として、仮に、家財が損害を受けたとしても緊急予備資金で対応することが可能だからです。
また、いつ、どのような損害が発生し、どのくらいの被害が生じるのか予測することもできないため、そのようなものに対して保険料というお金を支出するロスを避ける理由もあります。
すでに紹介しましたように、緊急予備資金をコツコツ計画的に積立していくことができれば、万が一の際や他の支出に充てることができますので、お金の使い方としては効率的であると筆者は考えています。
そのため、家財全体を確認して不要であれば家財補償の削減をしてみるのも誤った選択肢ではないと思います。
火災や地震などによって所有している自動車に損害を受けた場合、これらの保険から補償されると思われている方がとても多い印象を筆者は相談の中で率直に感じているのですが、結論から申し上げて、火災保険や地震保険で自動車の損害は補償されることはありません。
仮に、火災や地震によって生じた自動車の損害をカバーするためには、任意加入の自動車保険に加入しておく必要があり、かつ、車両保険と呼ばれるものへ加入している必要があります。
ただし、車両保険に加入していても地震によって自動車が損害を受けた場合、原則として補償対象外となりますので、地震による自動車の損害をカバーするためには、保険会社が別途用意している特約を追加して補償の確保をしておく必要があります。
基本的に火災保険や地震保険の補償対象は、建物と家財のみとなりますので、火災や地震によって生じた損害は、何でも補償されるといった大きな勘違いだけは避けるように心掛けておきたいものです。
火災保険や地震保険の保険金請求をする場合は、まずもって保険会社や保険加入した保険代理店へ連絡をするところから始まります。
この連絡をしますと、保険会社の損害調査員などが現場調査に来ますので、損害発生した時の状況や損害箇所について連絡を正しく行って下さい。
現場調査が終わりますと、後日、損害認定の連絡が入ることになりますので、これによって保険金請求書に必要事項を記載して保険会社へ返送します。
書類に不備が無かった場合は、保険金支払い手続きがなされ、保険金が後程、指定口座へ振り込まれることになります。
火災保険や地震保険は、損害の程度によって支払われる保険金が大きく変わることはすでにお伝えしました通りですが、損害の状況や損害箇所が明確にわかるように写真や動画を取って証拠として残しておくことを強くおすすめします。
現在では、スマートフォンで写真や動画を取ることも可能となっていることから、いつでも簡単に証拠を残すことができますので、この辺の手間や時間を惜しまないように努められることをおすすめします。
仮に、保険会社の損害認定に不服がある場合も十分に考えられ、この時、ご自身で撮影した写真や動画が、合理的で根拠を持った証拠になります。
なお、保険会社が損害認定について再調査を行わない場合や苦情がある場合は、そんぽADRセンター(損害保険紛争解決サポートセンター)に申し出を行ったり、紛争解決の申し立てを行ったりすることも可能になっています。
火災保険や地震保険は、もしもの時の備えである一方、いつ、損害が補償されるのか不明であるほか、保険金額も未確定なものです。
住宅ローンを抱えている方は、火災保険へ当然加入しなければならないことになっているため、どうしても経済的負担が必要となるものでありますが、考え方や工夫の仕方で負担を軽減することも十分可能です。
本記事を1つのきっかけに、緊急予備資金のことを考えながら、補償と積立のバランスを再度確認されてみることをおすすめします。
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