- ふるさと納税をする前に確認しておくべき節税ポイントについて紹介しています
- ふるさと納税をすることによって節税効果はいくらあるのかシミュレーション例を紹介しています
- ふるさと納税の注意点を紹介しています
公開日:2018年11月26日
ふるさと納税をすると所得税や住民税の負担を軽減することができますが、厳密に考えますと、すべての方が必ずしも節税効果が得られるとは限りません。
この理由は、個々によって収入や家族構成をはじめ、得ている収入の形態が異なるところにあり、それぞれによって、税金の計算方法や所得控除と呼ばれる人的控除が違うためです。
そこで本記事では、ふるさと納税をする前に確認しておくべき節税ポイントやそもそもふるさと納税をすることによって、節税効果が得られるのかについて簡単に紹介をしていきます。
目次
ふるさと納税をする前に確認しておくべき節税ポイントとして最も重要なことは、ふるさと納税をすることで税金が軽減されるのかを事前確認しておくことになります。
出典:国税庁 給与等の金額が2,000万円を超える者の源泉徴収票の記載要領
上記は、会社員や公務員など給料の支給を受けた方が、勤務先から受け取ることになる源泉徴収票のサンプルとなりますが、ポイントは、源泉徴収税額(赤枠部分)になります。
この源泉徴収税額の金額は、1年間で納めた所得税の金額を指しているため、源泉徴収税額に金額が記されている場合は、少なくともふるさと納税をすることによって節税効果が受けられることを意味します。
所得控除とは、人的控除であるため、納税者が1月1日から12月31日までの1年間における状況によって、普段は適用にならない所得控除が適用になる場合もあり、その結果、節税につながることも十分に考えられます。
そのため、ふるさと納税をする前に、その他の所得控除が適用にならないか確認しておくことも節税対策の重要なポイントになり、主に考えられる一例を以下、箇条書きで紹介しておきます。
1のケースですと、出産した時期や産休に入った時期などにもよりますが、配偶者控除や配偶者特別控除が適用になる可能性が高くなると考えられます。
2のケースですと、扶養控除が適用になる可能性が高くなり、たとえば、病気や介護に絡むとするならば、障害者控除や医療費控除といったものも併せて適用される可能性が高くなると考えられます。
3のケースですと、確定申告が必要になりますが、医療費控除による所得控除が適用できる可能性が高くなると予測されます。
このように、普段、適用にならない所得控除が、特殊な事情が生じることによって適用になる場合もあるため、これらの所得控除が適用できてもなお、ふるさと納税をするのが得策であるのか検討することも大切な節税ポイントと言えます。
ふるさと納税をすることによって節税効果がどの程度あるのか気になるのは、多くの方が共通して感じる疑問の1つだと思われます。
そこで、ここでは、ふるさと納税をすることによってどのくらいの節税効果があるのかについて、総務省が公開しているふるさと納税ポータルサイトの情報を下に、具体的な計算例をあげながら紹介をしていきたいと思います。
出典:国税庁 平成30年 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引
以下、シミュレーションの前提条件です。
ふるさと納税における控除額の計算は、上記イメージ図に合わせて進めていきます。
所得税からの控除 = (ふるさと納税額-2,000円)×所得税の税率
所得税からの控除額は、上記の計算式にあてはめて計算することが可能ですが、ここでは、所得税の税率がいくらなのかが問題となります。
上記、所得税の速算表にある課税される所得金額を求めて、適用される税率を判断しなければなりませんが、国税太郎さんの場合に適用される税率は、以下のように計算されます。
給与所得控除後の金額-所得控除の額の合計額=課税される所得金額
4,951,500-2,292,254=2,659,246
2,659,246円を先の所得税の速算表にあてはめると、195万円を超え330万円以下の範囲に該当することになるため、税率は10%であることがわかります。
つまり、ふるさと納税を5万円したことによる、所得税からの控除は、以下のように計算されます。
(50,000円-2,000円)×10%=4,800円
この結果、4,800円が所得税から控除される税金であることがわかります。
住民税からの控除には、基本分と特例分という2つの控除から成り立っており、それぞれを計算した合計金額の控除が受けられる仕組みとなっています。
住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額-2,000円)×10%
上記の計算式にあてはめて計算しますと、住民税からの控除(基本分)は、以下のように計算されます。
(50,000円-2,000円)×10%=4,800円
住民税からの控除(特例分) = (ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
上記の計算式にあてはめて計算しますと、住民税からの控除(特例分)は、以下のように計算されます。
(50,000円-2,000円)×(100%-10%-10%)=38,400円
この結果、国税太郎さんがふるさと納税をすることによって得られた節税効果は以下のようにまとめられます。
国税太郎さんは、50,000円のふるさと納税をすることによって、実質2,000円のみの自己負担で、所得税および住民税の節税効果が受けられていることがわかります。
ふるさと納税は、所得税や住民税の節税効果だけではなく、寄附をした地方自治体から返礼品も貰えることを考慮しますと、実質2,000円の負担で、場合によっては、2,000円以上の物が貰えることができたとも考えられます。
このように考えますと、ふるさと納税は、お得な制度と考えることもできそうです。
ふるさと納税は、節税になる上限があることから、ふるさと納税をした金額が多い程、節税になるとは限らない点に注意が必要です。
また、ふるさと納税をすることによって節税の恩恵を受けるためには、原則として確定申告する、もしくは、ふるさと納税ワンストップ特例制度を活用するといったいずれかの方法を選ぶ必要があります。
ただし、いずれの手続きも多少の手間がかかってしまうため、余裕を持った準備と対策が必要とも言えるでしょう。
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ふるさと納税をする前に確認しておくべき節税ポイントと節税効果のシミュレーションについて紹介させていただきましたが、事前の検討が大切であることをご理解いただけたと思います。
今回紹介したシミュレーション例は、ふるさと納税を活用してプラスの効果が得られたパターンと考えて良いと思われますが、ただ、がむしゃらにふるさと納税をすれば良いといったものではないことも確かです。
そのため、ふるさと納税をする前は、事前確認をはじめ、時には勤務先の顧問税理士や税務に強いFPなどの専門家からアドバイスを求めるなどの工夫も必要だと考えられます。