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FPが教える、夫婦のお金管理方法とは?財布の分け方・分担割合etc.を徹底解説!

FPが教える、夫婦のお金管理方法とは?財布の分け方・分担割合etc.を徹底解説!

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婚活FP山本

婚活FP山本

CFP®、一級FP技能士

山本FPオフィス代表。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年8月、山本FPオフィスを設立し、同代表就任。 現在は日本初の「婚活FP」として、婚活パーティを開催しながら婚活中の方や結婚直後の方など、主に比較的若い方のご相談を承っています。また「農業FP」としても活動をはじめ、独立10年を機に「後輩育成」にも力を入れています。詳細は「婚活FP」でご検索を。

この記事のポイント

  • お金の管理とは必要な貯金額を知り、貯金できているかどうか。
  • 現代のお金の管理とは、仕事や家事と同じく「共同作業」。
  • 「夫婦で」家計簿を付け続けることがとにかく大切!

こんにちは、婚活FP山本です。筆者は職業柄、頻繁に相談者から「夫婦のお金管理方法」について聞かれます。それはうれしい限りですが、ほとんどの夫婦がそれまで管理方法を間違えているのが強く気になるところです。

お金の管理方法を間違えたままだと、将来的に困るのは「あなた自身」ですから、この機に正しく知っておきましょう。そこで今回は、夫婦のお金管理方法についてさまざまな角度でお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。

 

新婚夫婦なら最優先に「子供の数」を話し合おう

新婚夫婦なら最優先に「子供の数」を話し合おう

早速、夫婦のお金管理について大切なポイントをお伝えします。これは新婚夫婦に限るのですが、まずは「子供の数」を話し合うことが重要です。すでに出産している場合は、子供に進んでほしい進路などが大切です。そして、「必要な貯金額」を考えましょう。

子供にかかるお金というのは極めて高額で、一人あたり学費だけでも22年で総額1400万円程度が必要です。特殊な職業や学校に進んでほしい場合は、もっと必要になります。実際にどのような進路を取るかは子供次第ですが、「お金がなくて進学させられない」は悲惨です。

22年で1400万円とは、一年あたり約64万円、一ヶ月5万円程度になります。夫婦のお金管理とは、この金額を貯金できているのか、できそうかどうかが大切です。しっかり知っておきましょう。

 

専業主婦を避け、共働きするためにも1~2人がおすすめ

現代は共働きが必須です。しかし子供が多めにいると、どうしても十分に働くことが困難になり、専業主婦になる必要性もでてきます。それが子供のためになると考える人もいますが、将来的に教育費の準備が不十分になることも多く、むしろ子供を不幸にしがちな行為かもしれません。

無計画な出産をなるべく控える一方で、将来的に必要になる教育費をしっかり考えて、毎月いくら貯金しなければならないかを考えましょう。

 

「老後のこと」も話し合い、毎月必要な貯金額を知るのが第一歩

「老後のこと」も話し合い、毎月必要な貯金額を知るのが第一歩

次に夫婦のお金管理で大切になる要素が「老後のこと」です。先般、老後資金2000万円問題もでましたが、実際の必要額は個々人で違います。老後はどこでどう生活して、どこで何歳まで働き、いくら稼ぐのか……。そして、いくら老後資金が必要になりそうか考えましょう。

ここで大切なのは、どうなるか分からない……ではなく、「夫婦がどうしたいのか」です。途中で計画が変わっても問題ありませんが、どうなるか分からないから何もしないというのが一番ダメな行為になります。どうしても考えられないなら、2000万円と考えておきましょう。

仮に2000万円必要で、あなたが30歳なら、60歳まで毎年約67万円、毎月5~6万円の貯金が必要になります。早めに毎月必要な貯金額を知り、貯金に励んでいきましょう。

なお、もっと老後資金について知りたい方は以下記事も参考にどうぞ。

 

結婚後の金銭管理とは「家計が赤字かどうか」ではない!

勘違いしている夫婦が極めて多いのですが、結婚後の金銭管理とは「家計が赤字かどうか」ではありません。教育費や老後資金などを筆頭に、今後必要になる貯金ができているかどうかです。必要な貯金ができていないなら、将来的に困窮することが約束されています。

そしてだからこそ、「必要な貯金額」を知ることが夫婦の金銭管理の出発点です。ここが分からないと管理のしようがありません。まずは落ち着いて、夫婦で今後について話し合いましょう。

 

貯金を使わないよう、生活費とは別の口座を用意するのがおすすめ

貯金を使わないよう、生活費とは別の口座を用意するのがおすすめ

ここからは、夫婦の家計管理のコツについてお伝えします。まず、生活費とは別の口座を用意するのがおすすめです。給料や生活費口座と同じでは、いくら貯まったのかが分かりにくいうえに知らず知らず使ってしまう可能性があります。なるべく、口座は分けましょう。

また、作る口座は、少しでも引き出しにくいよう地方銀行などで作ることをおすすめします。一方で貯金口座は、いざというときの「緊急資金」になりますから、多少の利便性も必要です。どこで口座を作るのがベターか、夫婦でじっくり話し合ってみましょう。

少し余談ですが、毎月必要な貯金額が明確で、十分に差額で生活できるようになったころには、先にお金を貯金口座に入れてしまう先取り貯金もおすすめです。色んな用途で使えるので、ぜひこの機に新しく口座を作りましょう。

 

貯金口座の通帳を見て、時にはニヤニヤしましょう

貯金や家計管理に不慣れな場合は、どうしても途中で止めたくなることがあります。そんなときには、貯金口座の通帳を見て夫婦でニヤニヤするのも意外とおすすめです。これまでの成果・結果を夫婦で確認して、それを今後の励みにして、また貯金や管理に励みましょう。

そしてこのためにも、やはり別口座を作ることがおすすめです。すでに子供がいるなら「子供名義の口座」もおすすめします。「子供のため」にも、これからもがんばりましょう。

 

夫婦のお金管理方法で大切なことは、「夫婦で」すること

夫婦のお金管理方法で大切なことは、「夫婦で」すること

次に、夫婦のお金管理では「夫婦で」すること、が大切です。これは単純な管理だけではなく、貯金に関係するすべてのことが対象になります。最初の必要貯金額の把握や日頃のお金の使い方に至るまで、とにかく関係するすべてのことを夫婦でしましょう。

どちらか一方に任せたり頼ったりしていると、どうしても夫婦間で貯金や家計に関する温度差がでてきます。その温度差はいずれ「金銭感覚の相違」に繋がり、離婚にまで発展しても不思議はありません。ちなみに最近ありがちな「夫婦別会計」も、温度差の温床です。

また、互いの収入や貯金額、借金額などを知らないのも同じといえます。金銭のことは数字で表せるからこそ過敏に反応するものです。十分に警戒しておきましょう。

 

どんなやり方も、夫婦で足並みが揃わないならダメ

どんなに夫婦の一方が貯金や節約に励んでも、もう一方が「これくらいいいだろう」で使っていては、その分だけ貯金できません。相手の努力を邪魔する言動は、不仲にも繋がります。どんなやり方も、夫婦で足並みが揃わないならダメです。

そして夫婦で足並みを揃えるためには、必要な貯金額を夫婦で正しく把握することが先に必要になります。いくら貯金が必要で、いくらなら使っても大丈夫なのか……夫婦で正しく知っておきましょう。

 

 

お財布の分け方は「夫用・妻用・生活費その他用」の3つが基本

お財布の分け方は「夫用・妻用・生活費その他用」の3つが基本

ここからは、少し具体的な部分の夫婦のお金管理方法についてお伝えします。まず家計管理の一環として「お財布の分け方」を気にする方がいますが、その場合は「夫用・妻用・生活費その他用」の3つが基本です。細かく用途ごとに分ける方法もあります。

あとは用途に合わせてお財布を使い分け、別の用途で使ったときには早めに清算するような流れがおすすめです。不慣れなうちは、その支出をどの財布から出すか悩むこともありますが、慣れれば基本的には「生活費その他」として使えば問題ありません。

また、慣れてくると「それぞれの財布にいくら入れればいいか」も分かってきます。毎月必要な貯金額を残せるように考えて、それぞれの財布にいくら入れるか考えましょう。

 

互いの年収を問わず、お小遣いは「夫婦同額」にしよう

家計管理の中で大切なのが、互いのお小遣いです。そしてお小遣いだけは、互いに使い方について触れず、そして互いの年収を問わず「夫婦同額」にすることをおすすめします。お小遣いの格差は序列に繋がり、ひいては不仲や不満の原因になりがちです。

また、ただでさえ生活のほぼ全般を管理するのですから、自由な部分も残さないと生活や関係性が苦しく感じてしまいます。夫婦とはいえ、プライバシーも大切です。管理するところはして、その他は夫婦の自由を満喫しましょう。

 

貯金の分担割合は「互いの年収」に比例するわけだが……

貯金の分担割合は「互いの年収」に比例するわけだが……

次に、貯金の分担割合についてお伝えします。貯金の分担割合の基本は、「互いの年収に比例する」のが理屈のうえでは正解です。年収の高いほうが多めに分担し、夫婦に必要な貯金額を貯めていきましょう。

ただし、厳密にいえば貯金は分担するものではないという点を意識することをおすすめします。

すでにお伝えしたとおり、貯金も家計管理も「夫婦で」するものです。そこには役割分担などなく、たとえ夫婦別会計でも変わりません。ヘンに分担割合を意識すると、多く負担するほうが不満に感じやすくなります。

この理屈は、家事の分担と似ているかもしれません。自分が多く稼ぐ代わりに家事は多めによろしく……というのが通らないのも今や常識です。

夫婦の役割分担というのは、もはや時代錯誤といえます。二人で稼いで二人で節約し、二人で貯金に励んでいきましょう。

 

分担ではなく、家事も含めてすべては「共同作業」

最近では共働きが主流になりつつあり、だからこそ同時に家事も二人でするのが基本です。不思議とお金については別会計としている夫婦も多いのですが、本来は貯金も二人の共同作業と考えるべきといえます。むしろ、二人で助け合わないと十分な貯金ができません。

ちなみに、夫婦別会計の利点は「離婚しやすい」という程度です。ずっと一緒にいるつもりならデメリットとさえいえます。離婚を防ぐ意味でも財布を一緒にして、そして二人で協力しあって貯金していきましょう。

 

毎月、夫婦で家計簿をつけ、夫婦で反省・改善していこう

毎月、夫婦で家計簿をつけ、夫婦で反省・改善していこう

そして、家計簿についてお伝えします。家計簿とは日々の家計収支を記録・集計し、以後の家計に活かしていく大切なものです。むしろ家計簿がないと、家計状態が当人にも正確に分からないため、その後の家計改善も効果的にできなくなります。

この家計簿を、「夫婦で」つけていくことがおすすめです。毎月の収入は各自いくらで、何にお金を使い、今月の貯金できた額や貯金総額がいくらなのかを「夫婦で」毎月確認します。そして夫婦で、今月の反省や来月の改善ポイントを話し合っていくことがおすすめです。

こうすることで、常に夫婦で目標(達成具合)を把握できますし、互いにやんわりと(お小遣い以外の)お金の使い方を監視できます。

当初は互いに金銭感覚が違うはずなので相手のお金の使い方が気になるでしょうが、そこは互いに理解して、最後には金銭感覚さえも合わせていきましょう。

 

夫婦でのお金の管理が、夫婦の絆も強くする!

夫婦で家計簿をつけるということは、夫婦間の経済事情がオープンになるということです。収入も貯金額も、そして何にいくらお金を使っているかも相手にバレます。これをどう捉えるかは個人差がありますが、少なくとも夫婦の絆が深まりやすいのは事実です。

また、「相手が貯めていると思った」「相手が何とかすると思っていた」など、根拠なく相手を信用することも防げます。互いに夫婦の家計状態を正確に把握して、夫婦二人でがんばっていきましょう。

なお、もっと貯金の方法を知りたい方は以下記事も参考にどうぞ。

 

 

夫婦でお金の管理ができないのは「離婚の予兆」

夫婦でお金の管理ができないのは「離婚の予兆」

最後に、夫婦のお金管理について大切なことを補足します。結論からいえば、夫婦でお金の管理ができないのは「離婚の予兆」という点です。離婚に至らなくても、十分な貯金ができないことも多く、いずれ家計が破綻することもけして珍しくありません。

すでに触れたとおり、夫婦別会計の利点は「離婚しやすい」という程度です。

別会計でなくても、たとえば専業主婦の妻が夫から生活費をもらうようなスタイルの場合、夫が十分な貯金をしていないことも往々にしてあります。全額を妻に渡す場合は、妻が貯金しない、できていないことも多いです。

夫婦でお金の管理をするためには「夫婦間での話し合い」も必要ですから、これができない夫婦も同じといえます。夫婦は運命共同体ですから、共倒れや離婚にならないよう、夫婦で家計管理をしていきましょう。

なお、最近流行りのコロナ離婚が気になる方は以下記事も参考にどうぞ。

 

早めにFPに相談し、お金の管理体制を整えよう

貯金とは早く始めるほどに効果的であり、遅れるほどに大変です。これは、そのための家計管理についても同じといえます。どうしても夫婦で家計管理できず、貯金や話し合いができないなら、プロであるFPへの相談が必要です。そして早めに、お金の管理体制を整えましょう。

子供一人につき約1400万円、老後資金として2000万円以上のお金を貯めるのは簡単なことではありません。遅れるほどに困難になりますから、取り返しがつくうちに動きましょう。

 

夫婦のお金管理も過去とは違う!常識は忘れて取り組もう

ひと昔前なら、家計は妻が握り、妻に任せておけば大丈夫というのが主流でした。しかしそれは、何となく生活をしていれば自然と貯金できた過去の話です。

現代は共働きが主流であり、家事も家計管理も共同作業なのが基本といえます。過去の常識は忘れて取り組んでいきましょう。

 

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