- ふるさと納税の控除上限額の概算額はふるさと納税の民間業者のホームページのシミュレーション機能により計算できる。
- その際に必要な入力数値は源泉徴収票と特別徴収税額決定通知書で確認できる。
- ふるさと納税の上限額の目安金額は総務省のふるさと納税ポータルサイトで確認できる。
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ふるさと納税は近年特に人気があります。その魅力は返礼品に加え、支払額の一定額まで所得控除となる点も挙げられます。ただ、その上限金額は各個人によって金額が異なり自ら計算する必要があります。
ただ、こういった計算は確定申告を普段は行わない方が多いサラリーマンには、特に不慣れだと思います。そこで今回は、給与所得のあるサラリーマンの方を対象に、ふるさと納税の上限額の確認方法について記述します。
目次
ふるさと納税とは、住所地のある自治体に納めている税金(所得税・住民税)の一部を自分の好きな自治体に任意で納めることのできる仕組みです。寄附額のうち2,000円を越える部分が、所得税と住民税から上限額まで控除されます。
納税という言葉はついているものの実質的には寄付の形を取っており、納税先の自治体からはたいていの場合、返礼品が郵送されます。
詳細は下記のリンク先をご参照下さい。
この点は、ふるさと納税の民間業者のホームページにて上限金額のシミュレーションを行うことが可能です。各社でそれぞれこのような機能はありますが、その中でも「さとふる」では住宅ローン控除も加味したシミュレーションが可能ですので、特におすすめです。以下、「さとふる」でのシミュレーション機能を使った納税金額の上限額の確認方法を記載します。
出典:さとふる
当シミュレーション機能で入力が必要な項目は、「総収入金額」、「給与所得控除後の金額」、「所得控除額の合計額」、「住宅借入金等特別控除の額」、「市町村民税所得割」、「都道府県民税所得割」の6つです。
こう聞くと、難しそうに感じる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、これらの項目はいくつかの書類を用いることで比較的簡単に求めることができます。
源泉徴収票を確認することで年収、給与所得、課税所得を確認することができます。
これにより、シミュレーション機能の上部4つの「総収入金額」、「給与所得控除後の金額」、「所得控除額の合計額」、「住宅借入金等特別控除の額」の項目を入力することが可能です。
そもそも、源泉徴収とは、年間の所得税を事業者が給与からあらかじめ差し引くことをいいます。従業員の給与を支払う事業者であれば必ず行う必要があります。
このような性質を持っているため、源泉徴収の状況が記載されている源泉徴収票は、給与所得等を確認するための公的な書類として利用可能です。
勤務先によりますが毎年12月ごろに社員に配布するところが多いので、そろそろ配布されるかどうか確認してみましょう。
(1)「総収入金額」は源泉徴収票の「支払金額」が該当します。(2)「給与所得控除後の金額」は「支払金額」の1つ右隣に全く同じ記述の項目があり、(3)「所得控除額の合計額」はさらに1つ右隣の「所得控除の額の合計額」が該当します。
(4)住宅借入金等特別控除の額は、これらの項目の2段下の一番右側に同じ記載の項目があります。下記の表と図も合わせてご参照下さい。
シミュレーション機能の項目名 | 源泉徴収票の記載 |
---|---|
(1)総収入金額 | 支払金額 |
(2)給与所得控除後の金額 | 給与所得控除後の金額 |
(3)所得控除額の合計額 | 所得控除の額の合計額 |
(4)住宅借入金等特別控除の額 | 住宅借入金等特別控除の額 |
出典:さとふる
市町村民税所得割と都道府県民税所得割は源泉徴収票には直接金額の記載がないので、他の書類にて確認が必要です。その書類が特別徴収税額決定通知書です。この書類は、勤務先より5~6月頃より配布されます。
住民税には所得割額と均等割額という2つの項目があり、所得割額は前年度の収入に対しての課税金額であり、均等割額は住民一律に課税される金額で具体的な金額は各自治体により異なります。
市町村民税所得割と都道府県民税所得割は、この所得割額の内訳である市町村民税と道府県民税を指しています。
住民税の税額のうち、市町村民税と都道府県民税とでそれぞれ所得割額と均等割額の金額が記載されています。下記に東京都豊島区の事例を記載しています。
この例で見ると、ピンクの網掛の部分にある特別区民税 所得割額⑥と都民税 所得割額⑥から各所得割額を計算することができます。
出典:https://www.city.toshima.lg.jp/
勤務先に確認する方法もありますが、お手元にない方であれば、毎月の給与明細の住民税の金額から年額を計算し均等割額を引き算することで概算金額を求めることもできます。
なお、課税総所得金額等の10%が住民税の所得割額ですが、所得割額の内訳は、市町村民税6%で都道府県民税4%もしくは市町村民税8%、道府県民税2%となります。
上記の計算方法によりふるさと納税の上限額の概算はわかりますが、特に初めて行う方であれば、シミュレーション金額が妥当な金額なのかどうか心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、シミュレーション機能による金額を確認したら、次に、一般的な概算金額の目安も念のために確認することをおすすめします。
総務省のふるさと納税のポータルサイトの「税金の控除について」にて、給与収入とライフスタイル別のふるさと納税額の目安一覧表(平成27年以降)が掲載されています。こちらから上限額の目安額を確認可能です。
例えば、年収500万円の夫婦で高校生のお子さんが1人いらっしゃる家庭の上限額は40,000円となります。
もし、このサイト記載の目安額とシミュレーション金額とがかけ離れていたら、ご自身の計算方法に間違いある可能性があるので再度確認しましょう。
以上が、ふるさと納税の控除上限額の確認方法ですが、上記シミュレーション機能利用に当たってはいくつか注意点がありますので、最後にそれらの点について記述します。
シミュレーション機能で計算できる金額はあくまで概算額です。正確な金額を知りたい場合は税理士に相談してみて下さい。
所得控除はふるさと納税以外にも医療費控除やふるさと納税以外の寄付など様々な事象により発生するため、正確な金額はシミュレーション機能だけでは正確な金額ができません。
上記の限度額はあくまで所得控除される上限額です。この金額以上にふるさと納税そのものを行うことは可能です。もらいたい返礼品があるものの所得控除の上限額を超えてしまうからやめる、といったことは必要ありません。
なお、控除の対象となるふるさと納税額は、所得税で総所得金額等の40%、住民税で30%が上限となっています。
上限額の確認ができたらホッとしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、2019年度のふるさと納税の期限が迫っています。金額の確認後、どこの自治体にふるさと納税を行うかも早めに決めましょう。
期日ギリギリに行うと、何かあったときに翌年にずれ込んでしまうおそれもありますので、納税完了までのスケジュールも今から考えておくとよいと思います。
ふるさと納税の控除上限額の確認は複雑に思えますが、実際には源泉徴収票と特別徴収税額決定通知書があれば比較的簡単に計算することができます。
勤務先でそろそろ源泉徴収票が交付される方も多いと思いますので、ふるさと納税を年内の行う予定のある方は、まず上限額を確認してから支援した市区町村を選んでみて下さい。
ふるさと納税をこれから初められる方には、ネットでカンタンにふるさと納税が行えるCMでもお馴染みの「さとふる」がおすすめです。
自身の利用できる限度額の計算ができる控除額シミュレーションや、確定申告・ワンストップ特例制度の仕組みなどもわかりやすく解説されていて初心者の方でも利用しやすいです。