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一般に、子供が高校や大学などへ進学する上において、公立や私立を問わず様々な名目の教育費が多くかかってしまいます。
この時、教育資金としてまとまったお金を準備できていれば望ましいものの、場合によっては、銀行をはじめとした金融機関から融資を受けることや奨学金の借り入れを申し込みすることも考えられます。
そこで本記事では、保護者が教育資金を借り入れする学費ローンを中心に選び方などのポイントを解説します。
目次
保護者が子供の教育資金を借り入れする場合、銀行などの金融機関へ教育ローンの申し込みを行いますが、別に、学費ローンや奨学ローンと呼ばれる教育ローンは呼称が違うだけであり、中身は同じ性質のローンになります。
ちなみに、多くの金融機関では教育資金のローンを教育ローンとしているのに対し、例えば北陸銀行では学費ローン、茨城県信用組合では奨学ローンと呼び名が異なっています。
以降、本記事では学費ローンに統一して解説を進めていきます。
学費ローンを借り入れするには、借り入れの目的が、高校や大学の進学における入学金や授業料といった学費をはじめ、生活に必要な家賃や下宿代などのように、入学や在学時に必要とされるものに充てなければなりません。
そのため、これらの目的から外れる場合は融資の対象外となる点に注意が必要です。
高校や大学へ進学する場合において、入学前に入学金を進学する学校などへ支払わなければならないことがあります。
この入学金の金額は、入学する学校によって異なるものの、特に私立の高校や大学へ入学する場合の入学金は、平均的に見ても多額で、かつ、仮に、奨学金の申し込みをしたとしても入学金の支払時期には間に合いません。
そのため、学費ローンは、高校や大学進学時の入学金の支払いに活用されるケースも多くなっています。
本記事における学費ローンとは、いわゆる教育ローンであることをお伝えしておりますが、学費ローンには、国のローンと金融機関が取り扱っている民間のローンの2種類があります。
そのため、学費ローンの選び方を考えるには、まず、これら2つの学費ローンにはどのような特徴があるのか知る必要があります。
国の学費ローンは、日本政策金融公庫が取り扱っている教育ローンで、民間の学費ローンに比べて年利率が低く、金利が固定金利の特徴があります。
金利が固定金利ということは、返済計画が立てやすいメリットがある一方、国の学費ローンでは、借り入れできる金額が子供1人あたり最高350万円(海外留学資金の場合は最高450万円)までと決まっているため、あらかじめ思い描いている希望の金額を借り入れできないデメリットがあります。
民間の学費ローンは、銀行や信用金庫などの金融機関がそれぞれ独自に取り扱っている教育ローンのことを言い、融資条件が全く異なる特徴があります。
ただし、民間の学費ローンは国の教育ローンに比べて借り入れできる金額が多いほか、教育費が必要な場合に必要な分だけ借り入れができるカードローンタイプの学費ローンと、必要な教育資金をまとめて借り入れする一括借入タイプのように、柔軟性に優れている特徴もあります。
学費ローン選びをする上で、国の学費ローンと民間の学費ローンのどちらを選べば良いのか迷う方も多いと思いますが、まずは借入金額を明確にし、それぞれの融資条件を比較検討することが大切です。
合わせて、返済シミュレーターを活用して返済計画を立てる必要があるのですが、国公立の学校へ進学するのであれば、極度に高い教育費がかからないことも考えられるため、まずは国の学費ローンを優先して考えたいものです。
私立の学校へ進学する場合は入学金や授業料が高額になってしまうため、国の学費ローンではまかなえないことが十分予測できます。
そのため、年利率は高くなってしまうものの、民間の学費ローンを比較検討するのと同時にカードローンタイプと一括借入タイプも合わせて比較検討しておくのが良いでしょう。
なお、同サイト内で公開している以下記事では、メガバンクをはじめとした主な金融機関の融資条件を紹介しておりますので、併せて読み進めてみることをおすすめします。
学費ローンを借り入れするには、申し込みを行った銀行などの金融機関からローンの審査を受け、通過する必要があるため、誰でも簡単に学費ローンを借り入れできるわけではありません。
学費ローンの融資対象者となる条件は学費ローンを取り扱っている金融機関によって異なりますが、一例として、一般的な融資条件を紹介しておきます。
上記すべての条件を満たしていなければ学費ローンの審査に通過するのが難しくなります。
前項では学費ローンの一般的な融資条件を紹介しましたが、特に注意が必要な融資条件として、安定した収入のある個人の方、保証会社の保証が受けられる信用のある方の2つが挙げられます。
以下、これら2つの融資条件において、どのような部分に注意が必要なのか具体的に解説を進めます。
安定した収入のある個人とは、借り入れした学費ローンの返済を滞ることなく行える収入が安定的にある人なのかどうかと考えるとわかりやすいでしょう。
例えば会社員や公務員などの給与所得者の場合、大まかではありますが、勤続年数が長い程安定した収入が得やすいと考えられますし、事業を営んでいる自営業者ですと、金額にもよるものの、毎年黒字であれば学費ローンの融資条件が満たしやすいと考えられます。
安定した収入のある個人の注意点としては、やはり転職が挙げられます。
仮に、転職が前職と同じような職種であったり、収入がこれまで以上に増加するのであれば懸念も少ないとも考えられる一方、全く異なる職種への転職や転職したばかりで、勤続年数が極端に短い場合などは、学費ローンの審査に通過しないことも予測できます。
自営業者についても同様で、転職によって事業を始めた場合、事業継続年数や黒字の実績が乏しい場合(赤字含む)、安定した収入があると判断されない懸念が生じる点に注意が必要です。
保証会社の保証が受けられる信用のある方とは、学費ローンを借り入れすることによって多重債務に陥らない人や自己破産や任意整理などのような債務整理の履歴がない人などがあてはまります。
大まかな例となりますが、毎月のローンの返済やクレジットカードを利用した支払いを滞りなく行っている方であれば、学費ローンの借り入れが多重債務と判断されない限り、保証会社からの保証が受けられる人にあてはまるものと推測できます。
学費ローンの審査において、保証会社は学費ローンを申し込みした人の個人信用情報を必ず確認します。
個人信用情報を確認することで、学費ローンを融資することによって多重債務に陥らないのか、自己破産や任意整理などの法的な手続きを行っていないかなどが確認され、個人信用情報に問題がある場合、保証会社の保証を受けられません。
合わせて、学費ローンを申し込みする前におけるローンの返済やクレジットカード代金の支払い忘れをはじめ、フリーローン(いわゆるキャッシング)の利用にも気を配っておきたいものです。
これまでの解説より、学費ローンを借り入れするための審査対策のポイントをまとめます。
勤続年数や事業継続年数といった実績も含めて、融資をする金融機関から毎月の返済が確実に見込まれる信用を得ることが大切です(すべり込みで職に就き、申し込みをしたとしても審査通過は厳しい)。
個人信用情報によって、学費ローンの申込者に対してローンを融資した場合に、毎月の返済が確実に見込めるかの信用を確認します。
度々、返済や支払いが遅延している事実や、連続して返済や支払いが遅延している事実があるのは、ローンの審査に大きなマイナスとなります。
たまたま、返済や支払期日に口座の残高不足などで引き落としがなされなかった場合、基本的に審査に対して大きな影響を与えることはないが、特に学費ローンの申し込みの直近においては、このようなことが無いように細心の注意を払っておきましょう。
フリーローン(カードローン)や消費者金融機からのキャッシングなどは、お金の使途が問われないため、何のためにお金を借り入れしたのか判断がしにくいです。
そのため、複数社からこれらの債務が残っている場合は、お金遣いが荒い人やお金の管理が不十分な人などと判断されることもあり、学費ローンの審査においてマイナスの影響を与える可能性が極めて高くなります。
学費ローンは、まとまった入学金に充当するために活用される場合が多いことを紹介しましたが、あくまでも授業料や教材費などの教育費用やその他の教育資金としての目的があれば借入が可能です。
そのため、子供が高校や大学などに在学中であっても、金融機関に申し込みを行って融資を受けることができるものの、すでに紹介した審査対策には細心の注意を払っておくことが望ましいと言えます。
学費ローンには、国の学費ローンと民間の学費ローンがあるため、それぞれの特徴を知り、どちらが活用しやすいかを判断した上で申し込みを行うことが大切になります。
ただし、いずれの学費ローンであってもローンを借り入れするための審査があり、この審査に通過しなければお金を融資してもらうことはできません。
そのため、本記事で紹介したローンの審査対策ポイントを十分確認し、それぞれの金融機関の学費ローンを比較検討して選ぶことで、納得した学費ローンを探すことができるものと思われます。
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