- 教育ローンの有担保型と無担保型の違いを紹介しています。
- 無担保型のカード型と証書貸付型の違いについて紹介しています。
- 教育ローンの審査の難易度と心得を紹介しています。
公開日:2018年11月15日
教育ローンには、国の教育ローンと民間の教育ローンがあるのですが、それぞれの金融機関が独自で貸付を行っている民間の教育ローンは、有担保型の教育ローンと無担保型の教育ローンにわけられます。
これらの違いにつきましては、本記事中で解説を進めさせていただくこととしますが、有担保型の教育ローンと無担保型の教育ローンでは、借入金額の上限や金利をはじめ、教育ローンの審査に通過しやすいのか、そうでないのかといった重要な部分にまで違いが生じることになります。
このようなことも含めまして、以下、それぞれの特徴やポイントの解説を進めていきます。
教育ローンって何?という方は、まずこちらをご覧ください。
有担保型の教育ローンとは、基本的にご自身が所有している土地や建物といった不動産を担保にお金を借入するものとなります。
その借入の目的は、入学金や授業料など学校あての納付金、塾や予備校の費用、受験費用、学費などといった教育資金全般に利用されることを目的としていることが必要です。
なお、有担保であることから、教育ローンの返済期間中に返済が連続して滞った場合で最終的に完済できない場合など、不測の事態が起こってしまった時には、担保として提供した不動産が競売にかけられることによって、残っている教育ローン債務に充当される特徴があります。
そのため、言うまでもありませんが、仮に自宅を担保提供して教育ローンの借入を行い、完済できなかった場合は、結果として自宅を失うことにつながります。
有担保型の教育ローンは、一般に、借入できる金額の上限が10万円単位から1,000万円単位と範囲が広く設定されているほか、後述する無担保型の教育ローンに比べて金利が低い特徴があります。
この理由は、不動産を担保にしていることに尽きるのですが、担保として提供する不動産の価値が、希望借入金額を担保できると金融機関から判断されなければ、有担保型の教育ローンを利用することは残念ながらできません。
また、教育ローンを申し込みした方の収入や抱えている債務状況などといった個人の状況が、教育ローンの審査に大きく影響することになるため、これらの内容が総合的に加味された上で借入できるのが、有担保型の教育ローンとなります。
有担保型の教育ローンでは、不測の事態が起こってしまった時に担保として提供した不動産が競売にかけられることを紹介しましたが、融資が実行される前に、担保として提供する不動産に抵当権を設定しなければなりません。
具体的には、抵当権設定登記という手続きを行わなければならず、教育ローンの保証会社が最優先で担保として提供された不動産を取得する1番抵当権と呼ばれる権利を設定する必要があります。
そのため、たとえば、住宅ローンを返済している途中で、すでに所有している不動産に対して1番抵当権がほかの保証会社などに設定されている場合は、その不動産を担保とするのは難しいことを知っておく必要があります。
有担保型の教育ローンは、金融機関が指定している保証会社が保証することになるのが通常であるため、原則として、連帯保証人を立てる必要がありません。
ただし、教育ローンの審査の結果、指定された保証会社が連帯保証人を立てることを必要とした場合は、融資を受けるために別途、連帯保証人を立てなければならない場合があることも押さえておきたいポイントです。
有担保型の教育ローンは、完済までの返済期間が長くなることに加えて、借入金額が多くなる特徴があることから、住宅ローンのように、申込者が団体信用生命保険に加入することを求めている場合が多くなっています。
ちなみに、団体信用生命保険は、教育ローンの申込者が、死亡や所定の高度障害になってしまった場合に生命保険金が支払われることになるのですが、この保険金と残っている教育ローンの残債務を相殺するためのものとなります。
つまり、教育ローンを融資する金融機関側の担保にあたり、遺族が残った債務を返済する義務を負うことはない一方で、教育ローンを申し込みする方の健康状態が健全であることが求められます。
無担保型の教育ローンは、基本的な借入目的が、有担保型の教育ローンと同様に入学金や授業料など、学校あての納付金、塾や予備校の費用、受験費用、学費などのように教育資金全般に利用されることを目的としています。
ただし、無担保型の教育ローンは、担保設定、連帯保証人、団体信用生命保険への加入などといったものが一切不要であるほか、カード型と証書貸付型に分けられる特徴があります。
無担保型(カード型)の教育ローンは、たとえば、子供が高校や大学などへ在学中に、専用カードを利用することによって、いつでも借入と返済ができる特徴があるため、急な教育費用に充てられ、融通が利く教育ローンとなります。
また、利用はコンビニATMから行うことができるため、非常に便利である一方、金利は比較的高めに設定されている特徴もあります。
無担保型(証書貸付型)の教育ローンは、必要な教育資金を一括して借入し、借入した翌月より返済を開始するといった特徴があります。
また、金融機関による違いはあるものの、無担保型(カード型)とは異なり、金利を変動金利と固定金利から選べるほか、選んだ金利によって、完済までの最長返済期間が異なるといった特徴もあります。
これまでの解説を下に、有担保型教育ローンと無担保型教育ローンのポイントを表にまとめて紹介します。
教育ローンの種類 | 有担保型 | 無担保型 |
---|---|---|
借入金額の上限 | 多い | 少ない |
金利 | 低い | 高い |
担保設定 | 不動産(抵当権設定) | なし |
連帯保証人の有無 | 原則として不要だが、保証会社が必要と判断した場合は、連帯保証人を立てなければ融資が実行されない | なし |
団体信用生命保険への加入 | 必要 | 不要 |
これまで、有担保型の教育ローンと無担保型の教育ローンについて解説を進めてきましたが、どちらの教育ローンも基本的には審査が厳しめと心得ておく必要があります。
特に、無担保でカード型の教育ローンは、特徴的に消費者金融からの借入や銀行系カードローンなどといったフリーローンと仕組みが似ているものの、これらのローンに比べて金利が低く、借入目的が教育資金と決まっています。
また、連帯保証や担保も不要であるため、どうしても融資に対する審査が厳しくなってしまうことは避けられません。
また、有担保型の教育ローンは、住宅ローンの審査に似ている特徴があることに加え、基本的に担保提供する不動産に抵当権が付されていないことや健康状態の健全性などが問われることを踏まえますと、やはりハードルが高いと言わざるを得ないでしょう。
民間の教育ローンは、有担保型と無担保型のどちらの教育ローンを選ぶのかによって、最終的に返済しなければならない金額も大きく異なる結果につながるため、各々の教育ローンの特徴をしっかりと押さえておくことは極めて重要です。
また、無担保型の教育ローンを選ぶ場合におきましても、カード型と証書貸付型のどちらを選ぶのかについても前述した考え方と同様となります。
いずれにしましても、教育ローンは、他のローンと同じように返済計画や事前対策をはじめ、金融機関ごとに比較検討しながら計画的に借入することができれば完済までに失敗しにくいことは確かです。
時間的な余裕を持つことによって、無理のない借入が可能になりますので、1つずつ問題点や課題点を見つけながら解決していくための行動に移されてみてはいかがでしょうか?
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